JPS6010728Y2 - ツイストロ−ラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、金属線材の圧延ラインにおいて、線材を次工
程での圧延方向に合致するように捩るためのツイストロ
ーラに関するものである。

上記圧延ラインでは、複数の圧延機が直列に配されてお
り、これらを通過する素材に対して交互に異なった方向
から圧延力を加えて段階的に所望断面形状に成形してゆ
くことにより線材を製造している。

ここで、この圧延力の方向を異ならせるのに、線材を捩
して圧延機に供給する方法あるいは圧延機の圧延ローラ
の方向を変える方法が行なわれており、上記ツイストロ
ーラは前者の方法に使用され、主として粗圧延工程に設
置される。

そして、従来ツイストローラとしては、第１図に示すよ
うに、略傘形の表面形状をした上、下円板３３．３４を
用いたものがある。

すなわち、上、下円板３３．３４はそれぞれ水平軸３５
．３６に固定されており、この各水平軸３５．３６は装
置本体３７上を水平方向に摺動自在に組立てられた上、
下フレーム３８，３９に軸受４０を介して回転自在にか
つ互いに平行に支持されている。

また、この上、下フレーム３８．３９にハ、装置本体３
７上に支点４１．４２を有するレバー４３．４４が軸着
してあり、レバー４３．４４同志は水平方向に移動自在
な連結材４５により連結されている。

なお、レバー４３．４４と連結材４５との連結部４６は
、連結部材同志を上下相対移動可能にピン結合するもの
である。

さらに、下フレーム３９は、装置本体３７に支持された
シリンダ４７と結合しており、水平方向の位置調節が可
能となっている。

したがって、装置本体３７に対する上、下フレーム３８
．３９の移動は、常に反対方向でかつその距離は等しく
、線材４８の断面形状に対応して、適宜上、下円板３３
．３４間の空隙を、その中心を変えることなく調整でき
るようになっている。

しかしながら、この装置では、線材４８が直進するのに
対し、上、下円板３３．３４が水平軸３５．３６を中心
として回転するため、両者間の移動方向の違いによるす
べりが生じ、上、下円板３３．３４の表面に発生するす
り傷を防ぐことができなかった。

また、捩り角度を変更する場合は、上、下円板３３．３
４は取換えねばならず、しかも、その交換は容易でない
という欠点を有していた。

これに対して、軸受を内蔵した筒形ローラを軸間距離調
節可能に支持された２本の平行な軸のそれぞれに固定し
、かつこの２軸を、それらを含む平面に垂直な軸を中心
として、一体回転可能に装置フレームに支持して、上記
ローラ間を通過する線材を適宜捩るようにしたツイスト
ローラがある。

しかしながら、このものでは軸受は、ローラ内に設けら
れているため、ローラの温度上昇とともにその熱影響を
直接受け、軸受の寿命は短かいのに加え、ローラ径が必
要以上に大きくなるという欠点を有していた。

本考案は、上記従来の欠点に鑑みてなされたもので、偏
心回動可能にケーシングに支持された２組の上、下軸受
部のそれぞれに、中空円筒ローラを互いに平行に支持す
るとともに、上記ローラを貫通する偏心軸により上、下
軸受部を一体回動可能に結合し、さらに上記ケーシング
を適宜回動手段と結合して、上記ローラの２本の中心軸
を含む、平面の法線を中心として回転可能とすることに
より、ローラおよび軸受の交換等のメインテナンスを容
易にし、かつその寿命を延長するツイストローラを提供
しようとするものである。

次に、本考案を一実施例である図面にしたがって説明す
る。

第２図以下に示すように、ツイストローラ１は、装置架
台２上に水平軸線を中心に回動可能に支持したツイスト
ローラ本体３と、この本体３の端部に固定したアーム４
と、装置架台２上に固定され、かつアーム４と結合した
回動手段５とから構成されている。

上記本体３は、ローラ組立部６の両側に中空円筒状の入
側ガイドパイプ７および出側ガイドパイプ８を固着して
なり、この両パイプ７．８の部分にて、装置架台２上に
支持されている。

また、ローラ組立部６は中空円筒状のローラ９の両端を
、上、下軸受箱１０．１１内に固定した軸受１２により
支持し、このローラ９内を貫通する偏心軸１３により上
、下軸受箱１０．１１を一体にキー結合してなるローラ
ユニット１４を２組有している。

そして、下軸受箱１１はスラストベアリング１５を介し
て、ローラ組立部６のケーシング１６の下端面１６ａ内
に、上軸受箱１ｏはケーシング１６の上端面１６ｂ内に
回動自在に嵌挿されており、各ローラ９同志は適宜間隔
をあけて、互いに平行に配されている。

さらに、上、下軸受箱１０，１１の回動中心である第二
軸線１９は、ローラ９および軸受１２の中心である第一
軸線１８から若干偏心しており、上、下軸受箱１０．１
１を回動させることにより、２個のローラ９，９間の間
隔を変えることができるようになっている。

なお、上、下軸受箱１０．１１の回動操作用として、適
宜工具を係合させ得るように、偏心軸１３の頭部突出部
２０を四角柱状に形成しである。

また、上軸受箱１０上には、上端面１６ｂの部分のボル
ト２１により固定した押え板２２を当てがってあり、こ
の押え板２２上に第二軸線１９を中心として適宜角度ピ
ッチで付した角度割出し目盛の各位置に貫通孔２３を設
けるとともに、上軸受箱１０の蓋２４にも穴２５を穿設
し、これらの貫通孔２３および穴２５にピン２６を差込
むことにより、上、下軸受箱１０，１１の回動角度の割
出し、およびその固定ができるようになっている。

つづいて、上記回動手段５は、モータ２７により回転さ
せられるウオーム軸２８に、定位置にて回動自在に支持
されたウオームホイール２９を係合させ、さらに、この
ウオームホイール２９の中央部同芯軸上に設けたねじ孔
にねじ軸３１を螺合させてなっている。

そして、このねじ軸３１は、先端が上記アーム４とピン
結合しており、その軸芯を中心とする回動は規制される
ため、ウオームホイール２９の回動により、前後進し、
上記本体３を回動させている。

次に、上記構成のツイストローラの操作について説明す
る。

まず、ローラ９，９間の間隔は、ピン２６を貫通孔２３
．穴２５より外し、偏心軸１３により上、下軸受箱１０
．１１を回動させ、第一軸線１８に対する第二軸線１９
の偏心方向を変えることにより行なう。

そして、線材３２の捩り角度は回動手段５によりアーム
４を介して適宜、本体３を回動させて調節する。

さらに、ローラ９等を交換する場合は、押え板２２を上
端面１６ｂより外した後、ローラユニット１４をケーシ
ング１６から取出し、ローラ１９と上、下軸受箱１０．
１１を分離することにより交換することができる。

以上の説明より明らかなように、本考案によれば、偏心
回転自在にケーシングに支持された２組の上、下軸受部
のそれぞれに、中空円筒ロアうを互いに平行に支持する
とともに、上記ローラを貫通する偏心軸により上、下軸
受部を一体回転可能に結合し、さらに上記ケーシングを
適宜回動手段と結合して、回動可能に形成しである。

このため、ローラの軸受は線材圧延部から離れており、
その熱影響は小さく、軸受の寿命が長くなるとともに、
筒状ローラの使用により、ローラ表面と線材の移動方向
および速度が等しくなりすり傷の発生を防ぐことができ
る。

また、線材の捩り角は圧延中でも回動手段を適宜作動さ
せることにより調節できる他、軸受あるいはローラ等の
交換も、上記ローラユニットを一体としてケーシングか
ら取外すことにより容易に行なうことができる等の効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はツイストローラの従来例を示す概略構成図、第
２図は本考案に係るツイストローラを示す斜視図、第３
図は第２図のローラユニット部を示すＩ−Ｉ線断面図、
第４図は第３図の■−■線断面図である。 １・・・・・・ツイストローラ、２・・・・・・装置架
台、５・・・・・・回動手段、９・・・・・田−ラ、１
０・・・・・・上軸受箱、１１・・・・・・下軸受箱、
１２・・・・・・軸受、１３・・・・・・偏心軸、１４
・・・・・山−ラユニット、１６・・・・・・ケーシン
グ、１８・・・・・・第一軸線、１９・・・・・・第二
軸線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸受を内蔵した上、下軸受箱により第一軸線を中心にし
   て回転自在に中空円筒ローラを支持するとともに、この
   ローラ内を貫通した偏心軸により上、下軸受箱を一体回
   動可能に結合してなる２組のローラユニットと、各ロー
   ラユニットの上、下軸受箱を第一軸線から若干偏心し、
   かつこれと平行な第二軸線を中心として回転自在に支持
   することによりローラ相互を適宜間隔で平行に保つケー
   シングと、このケーシングを水平軸線を中心に回転自在
   に支持する架台と、ケーシングを回動させる回動手段と
   からなることを特徴とするツイストローフ。