JPS6010700Y2 - 塗装ブ−ス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は塗装ブースに関し、より詳細には、塗装作業が
行なわれる塗装域の下方に配設された、一対の傾斜フロ
ープレートの対向端縁によって形成される細長い開口を
有するベンチュリ一部と、該ベンチュリ一部に下方から
対向する断面Ｕの字形をした反射パンとで構成される洗
浄域とを備えた塗装ブースの改良に関する。

通常この種の塗装ブースは、自動車等の大型物品の連続
塗装によく使用される。

しかしてそのような大型物品を連続塗装する際には、塗
装域から排出される排気中に含まれる塗料の余剰ミスト
の量が多いため、大気汚染防止及び悪臭防止並びに作業
環境の安全衛生上その余剰ミストをより高効率で分離除
去することが要求される。

そのため前記塗装ブースに附設される余剰ミスト等の分
離除去装置が非常に複雑化していることから洗浄域の周
壁や床部に回収された余剰ミストが付着堆積した塗料ス
ラッジを清掃除去する作業が非常に困難であり、その清
掃作業には多大の時間と労力を費さねばならなかった。

本考案の目的は、洗浄域の清掃作業が容易にかつ短時間
で行なえる塗装ブースを提供することにある。

また本考案の他の目的は、洗浄域の保守点検が容易に行
なえる塗装ブースを提供することにある。

しかして本考案によれば、塗装域の下方に配設された一
対の傾斜フロープレートの対向端縁によって塗装域の長
手方向に沿って形成される細長い開口を有するベンチュ
リ一部と、該ベンチュリ一部に下方から対向し断面がほ
ぼＵの字形をした反射パンとて構成される洗浄域とを備
えた塗装ブースにおいて、前記Ｕ字形反射パンは、その
側面板が前記ベンチュリ一部の長手方向に沿って適宜な
間隔て分割構成されかつ展開自在に配設されていること
を特徴とする塗装ブースが提供される。

本考案における断面がほぼＵの字形をした反射パンとは
、中央の底板とその長手方向の両側に連設された側面板
とで構成され更に両側面板が上方に開いて形成されてお
り、これが前記ベンチュリ一部の細長い開口に沿って下
方から対向して配設されて、ベンチュリ一部から噴流し
てくる気液混合流体の流れ方向を反転させ、充分な気液
接触を促進しかつ気液接触時間を長くして、塗装域から
の排気中に含まれる塗料の余剰ミストの分離除去効率を
高めるものである。

そして前記両側面板は、前記ベンチュリ一部の長手方向
に沿って適宜な間隔、例えば作業者が１人で操作できる
様な長さに分割構成され、その分割された各々の側面板
は、例えば蝶番等でそれぞれ前記床板につなぎ止められ
展開自在に配設されており、所望の開度の位置で支持固
定されるようになっている。

以下に本考案を実施例に基いて詳細に説明する。

第１図は本考案による塗装ブースの縦断正面図であって
、塗装域１に連続的に搬入される被塗装物２は、塗装域
１を通過中に塗装が施され、順次塗装域１から搬出され
る。

塗装域の上方にはフィルター３を介してプレナムチャン
バー４が形成されており、給気口５から供給された空気
は、該プレナムチャンバー４によって整流され、平均風
速０．１乃至Ｑ、５ｒｎ／ｓｅｃ程度の風速でフィルタ
ー３の全面から下方の塗装域１に供給される。

この空気流は、塗装域１内に浮遊している塗料の余剰ミ
ストや蒸発したシンナー等の有機溶剤ガス等を下方へ押
し流して、塗装域の空間、特に塗装域の上部空間を常に
清浄な状態に維持し、作業環境の安全衛生や塗装製品の
仕上がりを良好に保ちかつ火災の危険性を予防しようと
するものであって、浮遊している余剰ミストや有機溶剤
ガス等を巻き上げる乱流を発生させない程度に均一に流
されることが好ましい。

また、被塗装物２の両側の塗装作業者が作業を行なう付
近の上方に補助空気噴出機構６を配設して、該噴出機構
６から下方に向けて補助空気を噴出させることによって
塗装域における気流パターンを変え、又はより少ない空
気供給量でより良い作業環境を作り出す二とができる。

塗装域とその下方の洗浄域８とは多数の開口部を有する
格子状部材またはエキスバンドメタル板等で構成された
床部７を介して連通している。

洗浄域８には、塗装ブースの両側壁３０から夫々中央に
向けて傾斜する一対のフロープレート９と、該フロープ
レート上に洗浄液を連続的に供給する洗浄液導水路１０
および洗浄液給水管１１が配設され、前記一対のフロー
プレート９の対向端縁９′間にはブース長手方向に沿っ
て細長い開口を有するベンチュリ一部１２が形成されて
いる。

そして該ベンチュリ一部１２の開口直下には、両側面が
上方に拡げられて断面がほぼＵの字形をした反射パン１
３がベンチュリ一部１２の長手方向に沿って配設されて
いる。

反射パン１３は、中央に固定した長尺の底板１５の外縁
に対して巾加以下に分割された側面板１４ａ、１４ｂが
蝶番２４等で展開自在に取付られ且っ支持棒１６等の開
度調節支持機構に支持されている。

分割側面板１４ａ、１４ｂはそれらが連接されてさえい
ればよく夫々の対面位置及び相互の長さは任意であるか
らこれの製作及び取付けには何らの制約もない。

第２図において、支持棒１６は側面板の外側に取付けた
ブラケット４１と支柱１７等の固定部材に取付られたブ
ラケット４０に対し夫々の端部１６’、１６″が挿脱自
在に嵌入されている。

４２．４３は抜出し防止用のピンである。

２５は支持棒１６の長さを変えることによって側面板の
開度を調節するためのターンバックルである。

本案における開度調節兼支持機構は上記の他折り曲げ二
連リンク等積々の機構が採用可能である。

上案装置において、塗料の余剰ミストや溶剤ガスはフロ
ープレート上に形成される流水膜によって一部捕集され
る他ベンチュリ一部における激しい気液混合接触によっ
て９９．５％以上の除去効率が得られ、この結果、反射
パン周辺は勿論のこと洗浄域８の全周壁に多量の塗料ス
ラッジが付着するが清掃作業に当っては支持棒１６を取
り外し各側面板１４ａ又は１４ｂを図の如く開いて行な
うことによって作業が両側から容易且つ安全迅速に行な
えるのである。

この他洗浄域の保守点検も細部まで容易に行なえる利点
もある。

なお、ピット２０内は常時負圧に維持され、洗浄液はフ
ィルター２１を介してポンプ２２循環されている。

１８は洗浄液の液滴が排気口１９から外部に吸引排出さ
れるのを防止するための気流偏向板である。

以上説明したように、本考案によれば、洗浄域の構造が
複雑であるにもかかわらず、洗浄域の清掃作業や保守点
検を容易にかつ短時間で行なうことができた。

また、清掃作業や保守点検が容易かつ短時間で行なえる
ので、それを頻繁に行なうことが可能となり、塗料ミス
ト等の分離除去を常に安定した状態で行なうことができ
た。

さらに、反射パンの両側面板の開度の角度は、塗料ミス
ト等の分離除去効率に深い関係を有しているが、本考案
による反射パンは、両側面板の開度の角度調整が自由に
行なえるので、新しい反射パンに交換する必要なく情況
の変化に即応した分離除去効率を維持することが可能で
ある。

さらにまた、反射パンを長手方向に沿っていくつかのブ
ロックに分け、各ブロック毎に両側面板の開度の角度を
変えることによって、塗料ミスト等の分離除去効率を各
ブロック毎に独立に制御することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による塗装ブースの正面断面図、第２図
は反射パンの展開状態を示した部分的拡大斜視図であっ
て、 ８・・・・・・洗浄域、９・・・・・・フロープレート
、１２・・・・・・ベンチュ’Ｊ ＆ １３・・・・
・・反射パン、１４ａ。 １４ｂ・・・・・・分割側面板、１５・・・・・・底板
、１６・・・・・・支持棒、１７・・・・・・支柱、２
４・・・・・・蝶番を夫々示す。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 塗装作業が行なわれる塗装域と、該塗装域の
   下方に配設され、一対の傾斜フロープレートの端縁部に
   よって形成される中央長手方向に細長い開口を有するベ
   ンチュリ一部と、該ベンチュリ一部の直下に固設した断
   面がほぼＵの字形をした反射パンとで構成される洗浄域
   とを備えた塗装ブースにおいて、 前記Ｕ字形反射パンは、その側面板が前記ベンチュリ一
   部の長手方向に沿って適宜な間隔で分割構成されかつ展
   開自在に配設されていることを特徴とする塗装ブース。
2. （２）分割された側面板が固定底板の外縁に蝶番連結さ
   れ且つ開度調節兼支持機構によって固定部材に支持され
   てなる第（１）項の塗装ブース。