JPS59905Y2 - 生理用ナプキン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、月経排泄物を吸収処理するための生理用ナプ
キン、更に詳しくは、ナプキンの外側を構成する被覆材
に特徴を有する生理用ナプキンに関する。

従来この種ナプキンは、月経排泄物を吸収させるために
造られているとはいえ、ナプキンの外側を構成する被覆
材の素材には、比較的低粘度の月経液を想定したものが
用いられている。

然し実際には、生理時に排出される月経排泄物は、比較
的粘度が高く固形成分を含んだものである（特に生理初
期）ので、かかる条件の下では、その吸収処理には不適
である。

即ち、従来のナプキンの被覆材としては、一般にパルプ
、レーヨン、ポリプロピレン等の吸収性繊維と非吸水性
繊維とを混合して抄造したものが用いられているが、こ
の被覆材は、ナプキンの内部の吸収防液積層体を包括し
て該積層体が離解、型部れするのを防止するため成る程
度の強度が要求されるので、一般に繊維坪量が１５ ｇ
／ｍ２以上のものが用いられている。

かかる被覆材は、必然的に繊維密度が比較的高くなるの
で、比較的低粘度の月経液は透過させるが、高粘度で血
液の固まりや子宮内膜崩壊組織片等の固形成分を含む月
経排泄物は透過させず、そのためこれ等が被覆材表面に
停滞して使用者に不快なベタベタした感を与えている。

又、かように月経排泄物が停滞すると、その部分の被覆
材に目詰りが生じ、低粘度の液成分まで停滞してナプキ
ン内部の吸収防液積層体へ充分に導かれない。

本考案の目的は、前述の如き欠点を解消することのでき
る生理用ナプキンを提供することにあり、その目的を遠
戚するための構成を図示の実施態様に基いて説明すると
、以下の通りである。

第１図には、本考案生理用ナプキンの一部を切欠した斜
視図を示しである。

このナプキンは、吸水紙、粉砕パルプ、吸水性ポリマー
等の吸水材の下面及び長辺両端部に位置させた防水紙、
プラスチックフィルム等の防水材からなる吸収防液積層
体１を、内面にレーヨン、アクリル等の繊維からなる薄
層綿３を添い合せたシート状の被覆材２で被包すると共
に、短辺両端部２ａを接合しである。

被覆材２は、この種ナプキンのそれとして一般に用いら
れている繊維、例えばパルプ、レーヨン。

ポリプロピレン等の吸水紙繊維と非吸水性繊維とからな
るが、特にその繊維の種類、配合割合等は問われない。

被覆材２の略全域には、多数の孔４を設けである。

そして本考案の目的を充分に遠戚するためには、基孔４
は、開口面積が１〜１００ ｍｍ２（最も好ましくは３
〜１０ｍｍ２）、基孔の間隔が５〜２０ｍｍであること
が好ましい。

前記数値よりも基孔４の開口面積が小、基孔４の間隔が
大である場合には、高粘度で固形成分を含む月経排泄物
を透過させず、又、前記数値より基孔４の開口面積が大
、基孔４の間隔が小である場合には、被覆材としての強
度が低下し、ナプキン内部に一旦吸収された月経液が逆
流する等の難点がある。

基孔４は、その形状、構造、形成手段は問われないが、
第３図に拡大して例示するように被覆材２を構成する繊
維が該孔の部分において被覆材２の他の部分よりも極度
に少なくなることにより形成されていると共に、該孔に
よっては繊維が幾本かかかっていて、しかも該孔の輪郭
は切断面を有しない状態のものが好ましい。

かかる状態の基孔４は、たとえば、次のような手段で設
けることができる。

すなわち、被覆材２の抄造過程またはその後において、
上面に多数の凹部または多数の孔模様を有する支持体を
被覆材２の下面に接して位置させる一方、被覆材２の上
方には、パイプの長さ方向に一定間隔をおいてオリフィ
スを設けたノズル体を配置し、被覆材２を移動させなが
らこれに該オリフィスからの噴射水流を作用させると、
この水流作用により前記支持体の凹部または孔に位置す
る被覆材２の部分の繊維が移動して前記基孔４の状態が
形成される。

ちなみに、かかる水流作用による処理は従来公知に属す
る。

仮に被覆材２をパンチング機等で機械的に穿孔しこの穿
孔部分の繊維を切除して形成したものである場合には、
該孔の輪郭に切断面が生じ、該切断面が使用者の肌に接
することによって使用者にナプキンの使用当接感を前記
図示例の孔４を有する被覆材２に比較して強く与えるこ
とになる。

本考案は、斜上の如く構成してあり、従って、ナプキン
被覆材としての所要の強度を維持しつつ、該ナプキンの
吸液側の被覆材において、比較的粘度が高く固形成分を
含む月経排泄物を迅速に透過させてナプキン内部の吸収
材に吸収させることができるので、既述の如き従来の欠
点を悉く解消し所期の目的を達成することができるもの
であり、しかも被覆材の基孔の存在によってナプキンの
通気性が一層良好になり、ナプキン使用時の所謂むれを
防止する利点もある等、実用に供し極めて有益である。

ちなみに、孔を有する被覆材を用いた本考案品と、該孔
を有しないだけで該被覆材と構成が全く同じ従来の被覆
材を用いた従来品に、それぞれの粘度の酸性液体染料を
１分間にｌＱｍ１滴下し、それぞれの液体が該基波覆材
を透過してナプキン内部の吸収材に吸収されるまでの時
間の測定をしたところ、第４図のグラフに示す通りの結
果を得た。

第４図のグラフによって理解される如く、孔を有する被
覆材を用いた本考案品が、該孔を有しない被覆材を用い
た従来品に比較して液体透過速度が著しく高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ナプキンの一部切欠斜視図、第２図は該
ナプキンの外側を構成する被覆材の部分平面図、第３図
は該部分の拡大平面図、第４図は本考案ナプキンと従来
ナプキンとの液体吸収速度の比例を示すグラフである。 １・・・・・・吸収防液積層体、２・・・・・・被覆材
、４・・・・・・孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸収防液積層体を吸水性繊維、非吸水性繊維の単独又は
   混合からなるシート状被覆材で包括しである生理用ナプ
   キンにおいて、少なくとも前記ナプキンの吸液側に位置
   する前記被覆材に１ｍｍ２〜１００ｍｍ２の開口面積を
   有する多数の孔が５ｍｍ〜２０ｍｍの間隔で形成され、
   しかも該孔は前記被覆材を構成する繊維が該孔の部分に
   おいて該被覆材の他の部分よりも少なくなることにより
   形成され、該孔の輪郭には切断面を有しないことを特徴
   とする前記ナプキン。