JPS598731Y2 - 磁気フイルタ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液体中に混入している微粒の弱磁性体異物を磁
力により分離除去する磁気フィルターに関するものであ
る。

陶土、ガラスなどの窯業原料や食品、インク原利〜など
のスラリー、工場排水、例えば、化学工場産業廃棄物ス
ラリー等に含有される磁性異物は、極めて微細かつ弱磁
性である為、これを完全に除去するには、強力な磁場が
必要である。

このため最近では所謂磁気フィルターが広く使用されて
いる。

第１図は従来の電磁石式フィルターの構造を示す断面で
ある。

同図において、１は励磁フィルターであり、通常は環状
に形或し、中央部分には液清浄筒２を介装してある。

液清浄筒２はケース３内にフィルターエレメント４をス
リット板５によって介装させてある。

液清浄筒２には流入管６および流出管７を各々装着して
連通し、各々洗浄管８，９を分岐させてある。

１０，１１ ，１２．１３は夫々バルブである。第１図
において、励磁コイル１に通電すると、矢印にて示す磁
束１４が発生し、液清浄筒２の上下にＮ，Ｓ磁極が現出
し、フィルターエレメント４が磁化され、所謂磁気フィ
ルタ一部が形或される。

この状態で浄化すべき液をＡ方向に流入管６を介して供
給すれば、磁気フィルタ一部を通過する間に、液中の磁
性物はフィルターエレメント４に吸着されて、浄化され
た液は、流出管７を経て矢印Ｂ方向に排出される。

浄化中においてバルブ１２． １３は閉止しておくが、
フイノレターエレメント４に目づまりを生じた場合には
、上記バルブ１２．１３を開放し、バルブ１０．１１を
閉じ、洗浄用管８，９により、矢印Ｃ，Ｄ方向に洗浄水
を流過させて、フィルターエレメント４を洗浄するので
ある。

上記の従来の磁気フィルターは、構造が簡単であるが、
下記の欠点を有している。

（１）フイノレターエレメント４に目づまりを生ずると
、浄化作業を中止し、フィルターエレメント４を洗浄す
る必要があり、浄化作業（洗浄時間中は）中断し、作業
ロスが生ずる。

（２）浄化作業を中断せずにフィルターエレメントを洗
浄する為には、２台を並置して、一方を洗浄中、他方を
浄化作業に使用し、これを交互に行なうことができるが
、不経済であり設置スペースも２倍となる。

（３）液清浄筒２内における縦方向の磁場の強さは略同
一であり、第１図においてｘ，ｙ，ｚ各点の吸着力は略
同一である。

従って液上流点Ｘ点のみ目づまりが大であり、Ｙ，Ｚ各
点は少なく必然的に洗浄サイクルはＸ点目づまりのみで
洗浄を必要とし、その洗浄頻度が激しく、稼動効率は低
下する結果フィルター全体が有効に活用していない。

（４）磁気フィルタ一部分が励磁コイル内側に限定され
、且つ長手方向はコイル長さと略同一であるので、磁気
回路の一部のみしか使用されず、浄化液の磁場滞流時間
が短く、弱磁性物等の微細な粒子は捕獲されずに排出さ
れることがあり分離効率が悪い。

本考案は上記の如き従来の欠点を除去し、連続して浄化
作業及び洗浄作業を行ない吸着効率の大なる磁気フィル
ターを提供することを目的とする。

以下実施例について図面により説明する。

第２図及び第３図は各々本考案の実施例を示す縦断面図
及び側面一部断面図である。

第２図に於いて２１は励磁コイル、２２は継鉄、２４は
密閉非磁性ステレンスケースであり、継鉄２２の内面に
装着して液通路を形或している。

２３は磁性体よりなるフィルターエレメントであり、回
転軸２５に装着され、軸受２７及びオイルシール２６を
介して回転自在とする。

３０は汚損液の流入口、３１は清浄液の流出口であり、
３２は洗浄液の流入口、３３は洗浄液流出口、２８は軸
受箱、２９は装置の脚である。

ここで液流入口３０及び流出口３１，洗浄液流入口３２
及び流出口３３は、前記ケース２４に装着されている。

また、前記継鉄２２及びコイル２１は、第２図および第
３図に示す如く、ケース２４を内包する如く円筒形状と
その上部の一部はエレメント２３頂上部より下位になる
構造としてある。

ケース２４内のエレメント２３は鉄その他の磁性材料に
よりワイヤー網目状、格子状等に形或し、浄化すべき液
の流過に支障なからしめる。

さらに継鉄２２ ａ部と２２ ｂ部のギャップはエレメ
ント２３の回転中心部で大とし外縁部で小としている。

以上の構或により、励磁コイル２１に通電すると、コイ
ル２１及び継鉄２２の間に磁束１４が発生し、ケース２
４内に介装されたフィルターエレメント２３が磁化され
る。

この点では従来の磁気フィルターと同様であるが、本考
案の実施例においては、励磁コイル２１及び継鉄２２が
フィルターエレメント２３を殆んど全面より囲んでいる
為、磁束１４は、フィルターエレメント２３中を通過す
る場合に、その強さはフィルターエレメント２３の回転
中心部において最も弱く、その周縁部に至るに従って大
となる。

次に浄化すべき液は、流入管３０よりＡ矢印方向にケー
ス２４内の液通路に流入し、前記ケース２４内のフィル
ターエレメント２３の中心部及び中心部より下方に吸さ
れる。

前記吸着された磁性体異物は、前記フィルターエレメン
ト２３中心部より外縁部の磁力がａ部よりｂ部、ｂ部よ
りＣ部がより強い為、磁力の強い外縁部に磁性物重力作
用と共に、その外縁部に移行し、フィルターエレメント
２３の回転により上方に移行し、頂上部の磁場の弱い部
分に於いて、洗浄液により洗浄され、流出口３３よりＤ
方向に排出される。

洗浄されたフィルターエレメント２３は下方に移行し、
順次磁化され、浄化作用を繰返す。

浄化された清浄液はＢ矢印方向に排出される。

本考案に於いてはフィルターエレメント２３の形状は円
盤形状のものを示したが、角形その他の幾何学的形状と
しても作用は同一であり、励磁コイルに於いても同様で
ある。

また液通路を形戒するケース２４及び継鉄２２の形状、
ギャップ、容積並びにフィルターエレメント２３の寸法
形状等は、スラリー濃度、磁性体異物の性状及び量、寸
法等の諸元により選定し得る。

本考案の磁気フィルターは、以上記述の如き構戒および
作用であり、下記の効果を有するものである。

（１）フィルターエレメントを連続的に洗浄出来るので
、浄化作業を中断する必要がない。

（２）フィルターエレメントの外縁部を洗浄することに
より、簡単にエレメントの目詰り防止をすることができ
る。

（３）磁束は殆んどフィルターエレメント中を流れ、完
全な磁気閉回路を構戊する為、従来形に比較して極めて
強力な磁場が得られる。

（４）上記（３）の結果同一容量若しくは能力の磁気フ
ィルターであっても小形軽量且つコンパクトに出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁気フィルターを示す縦断面図、第２図
及び第３図は本考案の実施例を示す縦断面図及び側面一
部断面図である。 ２１：励磁コイル、２２：継鉄、２３：フィルターエレ
メント、２４：ケース、３０：流入管、３１：流出管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ほぼ全面に磁極面同志を対向せしめて形戊せる電磁石装
   置と、前記電磁石装置に近接して併設された洗浄液流通
   路と、前記電磁石装置の内部に発生する磁束線を横切る
   と共に、前記電磁石装置から突出せる外縁部の一部が前
   記洗浄液流通路に侵入する如く回転自在に設けた単一の
   磁性フィルターエレメントと、前記電磁石装置の磁極面
   と対向しかつ前記磁性フィルターエレメントの外面を取
   囲んで涸定され、且つ一方に磁性汚泥流入口を他方に浄
   化液流出口を有し前記磁性フィルターエレメントを収容
   する非磁性材料からなる容器とをそなえてなることを特
   徴とする磁気フィルター