JPS5983837A - 歯車変速機の同期噛合装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は歯車変速機の同期噛合装置、詳しくはクラッ
チノ・ブと該クラッチノ・ブに噛合うクラッチスリーブ
及びシンクロナイザリングとを備え、前記スリーブの操
作によシ該スリーブをギヤに同期させて噛合わせるごと
くした同期噛合装置に関する。

一般に自動車などに用いる歯車変速機には、同期噛合装
置を備え、該装置のクラッチスリーブとギヤとの回転数
を同期させ、この同期後に前記スリーブをギヤに噛合さ
せて、回転動力の伝達を行なうべくしている。

しかしてこの種同期噛合装置として、従来では例えば実
公昭５７−２９０７４号公報に示されるごとく、コーン
クラッチ及びシフトキイーを利用して、前記スリーブと
ギヤとの回転数を同期させるべくしている。

即ち、従来の同期噛合装置は、第５及び第６図に示すご
とく、シャフト（１）上に高低変速用のギヤ（２）、（
２）を遊転可能に対向状に支持させ、この各ギヤ（２）
の対向内面側にギヤスプライン（２１）と円錐状のクラ
ッチコーン部（２２）とをそれぞれ一体形成すると共に
、前記各ギヤ（２）の中間でシャフト（１）上にクラッ
チハブ（３）を一体に嵌着させ、とのハブ（３）の外周
にクラッチスリーブ（４）を軸方向移動可能にスプライ
ン嵌合させる一方、該スリーブ（４）と前記各ギヤ（２
）との間に、この各ギヤ（２）のクラッチコーン部（２
２）に当接するクラッチ面（５Ｉ）をもち、かつ外周に
ギヤチャンファ（５２）を設けたシンクロナイザリング
（５）をそれぞれ介装させている。

才だ前記クラッチハブ（３）の外周面に、複数のキイー
溝（３１）を形成して、該６溝（３１）にシフトキイー
（６）を嵌込むと共に、このキイー（６）には前記スリ
ーブ（４）の内周面に設けた凹部（４１）に係合する突
部（６１）を形成し、該キイー（６）の内周面に環状バ
ネ（７）を介装させて、前記キイー（６）を半径方向外
方に付勢させ、通常時には前記キイー（６）の突部（６
１）を前記スリーブ（４）の凹部（４１）に係合させる
べくなす一方、前記シンクロナイザリング（５）には、
前記キイー（６）の長さ方向一端を受入れ、かつ該キイ
ー（６）の幅より広幅とした保合溝（５８）を形成して
いる。

斯くして前記シャフト（１）の回転動力を各ギヤ（２）
に伝達させることなく、ニュートラル状態に保持すると
きには、第５図に示すごとく、クラッチスリーブ（４）
を各ギヤ（２）の中間に位置させるのであり、このニュ
ートラル状態から前記スリーブ（４）を各ギヤ（２）の
何れか一方の方向に移動させて変速させる場合には、次
のごとくして行なうべくしている。

即ち、前記スリーブ（４）を例えば左方向に移動させる
と、該スリーブ（４）の移動に伴ない前記キイー（６）
が−緒に移動して、該キイー（６）の長さ方向端部がシ
ンクロナイザリング（５）に設けた保合溝（５８）の端
縁に当接され、このリング（５）が左方向に押動されて
、該リング（５）のり２ツチ面（５１）が前記ギヤ（２
）のクラッチコーン部（２２）に当接され、このときリ
ング（５）がギヤ（２）に追従されて前記キイー（６）
がリング（５）の保合溝（５８）に接当するまでの範囲
で回転されると同時に、前記スリーブ（４）に設けたス
プライン（４２）の端面が前記リング（５）のギヤチャ
ンファ（５２）に押付けられ、前記リング（５）のクラ
ッチ面（５１）が前記クラッチコーン部（２２）にさら
に強く圧接されて、前記ギヤ（２）がクラッチスリーブ
（４）の回転に応じて加減速される。

まだ前記ギヤ（２）のクラッチスリーブ（４）による加
減速作用によシ、該ギヤ（２）とスリーブ（４）との間
に回転差がなくなると、つまシ両者の同期が完了すると
、前記リング（５）のクラッチ面（５１）とギヤ（２）
のクラッチコーン部（２２）との摩擦力が解消し、前記
リング（５）のギヤチャンファ（５２）がスリーブ（４
）のスプライン（４２）によシ押されて、前記リング（
５）が回転され、このスリーブ（４）が前記リング（５
）のギヤチャンファ（５２）を乗越えて、前記ギヤ（２
）のギヤスプライン（２１）に噛合され、前記シャフト
（１）の回転動力がクラッチスリーブ（４）を介してギ
ヤ（２）に伝達されるのである。

ところで前記同期噛合装置では、各部に高度な精度と、
該各部の緻密な組立とを必要とし、これらの要件を具備
して始めて前述した同期作用を行ない得るのであり、特
に必要とする条件・は次の通りである。

（１）ギヤ（２）のクラッチコーン部（２２）と、シン
クロナイザリング（５）のクラッチ面（５１）との整合
。

（２）　　クラッチハブ（８）の外周スプラインと、ク
ラッチスリーブ（４）の内周スプラインとの整合。

（３）　　シフトキイー（６）の高さ、幅及び長さ精度
。

（４）°　　シンクロナイザリング（５）の精度と耐摩
耗性。

（５）　　シンクロナイザリング（５）における係合溝
（５８）の精度。

（６）　　クラッチスリーブ（４）のスプライン（４２
）、及びシンクロナイザリング（５）のチャンファギヤ
（５２）におけるチャンファ角度の精度。

以上のごとく同期噛合装置は、高度な精度をもつ各部品
と、該各部品の緻密な組立とを必要とし、しかも長期間
使用に耐え得る耐久信頼性を必要とするのであシ、仮に
前記条件を欠落すると、次のごとき問題が生じるのであ
る。

例えば、クラッチスリーブ（４）をギヤ（２）のギーｙ
ス、’ライン（２Ｉ）に噛合させ、シャフト（１）の回
転動力をクラッチハブ（８）及びクラッチスリーブ（４
）を介してギヤ（２）に伝達させ、該ギヤ（２）に噛合
う伝動ギヤを介して出力系に変速動力を伝達させている
場合、前記ギヤ（２）及び該ギヤ（２）に噛合う伝動ギ
ヤには、通常ハスバ歯車が使用されるため、軸方向への
スラスト力が生じて、各ギヤ（２）は軸方向にスライド
し、このスライドとエンジンの回転変動などとが相俟っ
て複雑な動きを生じるのである。

即ち、ギヤ（２）に形成したクラッチコーン部（２２）
が軸心に対してミソ摺り運動を起しながら回転したりし
て、これがギヤ抜けの原因となったシ、また前記クラッ
チコーン部（２２）とシンクロナイザリング（５）とが
撃突するなどの不都合を生じるのである。

従って前記不都合を解決すべく同期噛合装置には、高度
な精度と緻密な組立とが必要で、コストの低減化が困難
であった。

特に近年においては、車輌の高速度化に伴ない前記同期
噛合装置への負荷が増大し、該同期噛合装置の耐久性と
信頼性が要求され、かつコストの低減化が要求されてい
る。

本発明は以上のごとき要求を満足すべくなしたもので、
ギヤとシンクロナイザリングとのクラッチ形式を平面式
となし、かクシフトキイーに代えてビンなどの連動体を
採用し、該連動体を介してクラッチハブと前記リングと
を連動させるべくなすことにより、同期噛合装置の各構
成部品を簡素化して、該部品の加工及び組立費の低減化
ひいては同期噛合装置の安価な提供と、耐久信頼性の向
上を行なわんとするものである。

さらに詳しくは、前記クラッチハブとシンクロナイザリ
ングとの間に、前記クラッチハブとシンクロナイザリン
グとを回転方向に一定範囲相対回転可能に連動する連動
体を設けると共に、前記クラッチスリーブとシンクロナ
イザリングとの間に、前記クラッチスリーブに係合して
、該スリーブの軸方向移動を前記リングに伝え、かつ該
リングの前記ギヤへの接触で弾性的に変位して前記係合
を離脱する弾性リングを設ける一方、前記シンクロナイ
ザリングを、前記ギヤの端面に対向させて、平面クラッ
チを形成したことを特徴とするものである。

以下本発明にかかる歯車変速機の同期噛合装置を図面の
実施例によって説明する。

図面に示す同期噛合装置は、シャフト（１）上に高低変
速用のギヤ（２）、−（２）を遊転自由に嵌合させ、こ
のギヤ（２）、（２）の中間でシャフト（１）上にクラ
ッチハブ（３）をスプライン結合させると共に、該クラ
ッチハブ（３）の外周にクラッチスリーブ（４）を軸方
向のみ移動可能に設ける一方、前記各ギヤ（２）、（２
）とクラッチハブ（８）との間には、シンクロナイザリ
ング（５）、（５）を介装させておシ、これらの基本構
造は前述した従来例と同様であるので、詳説は省略する
。

しかして前記各ギヤ（２）とシンクロナイザリング（５
）とのそれぞれ対向端面を面一状に形成して、これら各
ギヤ（２）と各リング（５）との対向面に平面クラッチ
（８）、（８）を形成し、該各クラッチ（８）、（８）
の摩擦力にょシ前記ギヤ（２）とリング（５）との回転
を同期させるべくなす。

また前記クラッチハブ（８）の半径方向中間位置には、
前記シャフト（１）と平行に延びる８個の貫通孔（９）
を形成し、該６貫通孔（９）に円柱状ビンなどの連動体
（１０）を、両端を前記ハブ（８）の外方に突出させて
挿通支持させると共に、前記各シンクロナイザリング（
５）の前記ハブ（８）と対向する内面側に、それぞれ前
記連動体（１０）よシ径犬な保合孔（１１）を形成して
、該各係合孔（１１）に前記連動体（ｌＯ）の端部を挿
通させることにより、前記リング（５）とハブ（３）と
を連動させ、かつこれらリング（５）とハブ（８）とを
、前記連動体（１０）が係合孔（１１）の端面に当接す
るまでの範囲にわたって相対回転可能となすのである。

そして前記クラッチスリーブ（４）と各シンクロナイザ
リング（５）との間に、それぞれ弾性リング（１２）を
介装させ、前記スリーブ（４）の軸方向への移動時に、
該スリーブ（４）の内周外端面に前記リング（１２）を
係合させて一緒に移動させ、この弾性リング（１２）を
介して前記スリーブ（４）の軸方向移動を前記シンクロ
ナイザリング（５）に伝達すべくなすと共に、前記シン
クロナイザリング（５）が前記ギヤ（２）に当接したと
き、弾性リング（１２）を前記スリーブ（４）の半径方
向内方に弾性変位させ、この弾性リング（１２）の前記
スリーブ（４）への保合を解除すべくなすのである。

次に本発明にかかる同期噛合装置の作動状態を説明する
。

先ずシャツ）（１）の回転動力を変速すべく、クラッチ
スリーブ（４）を第１図に示すニュートラル状態から左
方向に移動させると、該スリーブ（４）の移動に伴ない
弾性リング（１２）が押動され、このリング（１２）を
介して前記スリーブ（４）の軸方向移動がシンクロナイ
ザリング（５）に伝達され、該シンクロナイザリング（
５）がギヤ（２）に接触されて、この両者の端面に形成
する平面クラッチ（８）、（８）が当接されるこのとき
前記ギヤ（２）とシンクロナイザリング（５）との回転
差により、前記クラッチハブ（８）の連動体（１０）が
前記リング（５）における保合孔（１１）の端面に当接
するまでの範囲で、前記リング（５）が回転される。

またこの場合、前記リング（５）のハブ（８）に対する
相対回転によシ、リング（５）のギヤチャンファ（５２
）とクラッチスリーブ（４）のスプライン（４２）とが
、第４図に示すごとく非噛合状態となシ、前記スリーブ
（４）の押動操作に伴ない前記スプライン（４２）及び
ギヤチャンファ（５２）を介して、前記リング（５）が
ギヤ（２）に強く押付けられ、両者の平面クラッチ（８
）、（８）が圧接されて、前記ギヤ（２）とリング（５
）つまシスリーブ（４）との回転が同期されるのである
。

斯くのどとくギヤ（２）とスリーブ（４）との回転が同
期されると、前記ギヤ（２）とリング（５）間における
クラッチ（８）、（８）の摩擦力が解消され、このリン
グ（５）のギヤチャンファ（５２）が前記スリーブ（４
）のスプライン（４２）により押されて、前記ギヤチャ
ンファ（５２）及びスプライン（４２）が整列すべく、
前記リング（５）が回転されるのであシ、従って前記ス
リーブ（４）は、押動操作に伴ない前記弾性リング（１
２）を内方に変位させて、前記リング（５）のギヤチャ
ンファ（５２）を乗越え、ギヤ（２）のギヤスプライン
（２１）に噛合されるのである０ 斯クシて前記シャフト（１）の回転動力が、クラッチハ
ブ（３）及びクラッチスリーブ（４）を介してギヤ（２
）に伝達されるのである。

以上説明したごとく本発明の同期噛合装置では、ギヤと
シンクロナイザリングとのクラッチ形式を平面クラッチ
となすと共に、クラッチノ・プとシンクロナイザリング
とを連動体を介して連動させ、該連動体によシ前記ハブ
とリングの両者を一定範囲にわたって相対回転可能なら
しめる一方、前記リングとクラッチスリーブとの間に、
該スリーブの軸方向移動を前記リングに伝え、かつ該リ
ングの前記ギヤへの接触により半径方向内方へ弾性変位
して前記スリーブの軸方向移動を許す弾性リングを介装
させるべくしたから、従来に較べて次のごとき利点を有
するに至ったのである。

（１）ギヤとシンクロナイザリングとのクラッチ形式を
平面クラッチとしたことにより、従来のコーンクラッチ
形式のものに較べて、構成が簡単で、加工精度及び組立
精度が出し易く、高い精度のものが簡単に得られる。

（２）連動体と弾性リングを採用したことにより、従来
のシフトキイーを必要とせず、従って該キイーを嵌込む
べくクラッチハブの外周にキイー溝を形成する必要がな
く、マたシンクロナイザリングに前記キイーを係合する
だめの保合溝を形成する必要がないのであシ、特に前記
キイー、キイー溝及び係合溝には高度の精度が要求され
たのであるが、本発明ではこれらを一切必要とせず、前
記連動体及び弾性リングを用いて、つまり加工及び組立
に高い精度を必要とすることなく、正確な作動を行ない
得るのである。

（３）　　前記（１）、（２）の効果により、加工及び
組立費の軽減化が可能となり、安価な提供ができるに至
ったのである。

（４）　　クラッチハブにキイー溝を設ける必要がない
ため、該ハブとクラッチスリーブに設けるスプラインの
強度を強化させることができ、従って前記ハブ及びスリ
ーブの材料選択の自由度が拡大し、またシンクロナイザ
リングにもキイー溝の必要がなく、且つ平面クラッチな
どで形状が簡単となるため加工性からみて材料選択が容
易となる。換言すれば前記ハブ及びスリーブ、シンクロ
ナイザリングに安価な材料の使用が可能となって、同期
噛合装置の低廉化が可能となるのである。

（６）従来では、ギヤにスラスト方向への荷重が生じた
り、エンジンの回転変動が生じたよう。

なとき、前記ギヤとシンクロナイザリング間のクラッチ
部分に複雑な動きが発生して、該クラッチ部分の摩耗及
び焼損などを招く虞れがあったのであるが、本発明では
前記のごとくクラッチ部分に複雑な動きが発生しても、
平面クラッチつまり接触面積の大きいクラッチにより荷
重を受止めて、前記摩耗及び焼損を未然に防止できるの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる同期噛合装置の縦断面図、第２
図は同要部の分解斜視図、第８図は同要部の拡大断面図
、第４図は作動状態を示す説明図、第５及び第６図は従
来例を示す図面である。 （２）・・・・・・ギヤ （８）・・・・・・クラッチハブ （４）・・・・・・クラッチスリーブ （５）・・・・・・シンクロナイザリング（８）・・・
・・・クラッチ （１０）・・・連動体 （１２）・・・弾性リング 第４１・Ｊ＜−ｊ θ 第５Ｉ７１

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ＋１）　　クラッチハブと該クラッチハブに噛合うクラ
   ッチスリーブ及びシンクロナイザリングとを備え、前記
   スリーブの操作で、該スリーブとギヤとを同期させて噛
   合わせるごとくした同期噛合装置であって、前記クラッ
   チハブとシンクロナイザリングとの間に、前記クラッチ
   ハブとシンクロナイザリングとを回転方向に一定範囲相
   対回転可能に連動する連動体を設けると共に、前記クラ
   ッチスリーブとシンクロナイザリングとの間に、前記ク
   ラッチスリーブに係合して、該スリーブの軸方向移動を
   前記リングに伝え、かつ該リングの前記ギヤへの接触で
   弾性的に変位して前記係合を離脱する弾性リングを設け
   る一方、前記シンクロナイザリングを、前記ギヤの端面
   に対向させて、平面クラッチを形成したことを特徴とす
   る歯車変速機の同期噛合装置。