JPS597725Y2 - 陰極線管装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は陰極線管装置に関し、特に陰極線管外周に偏向
ヨークをきわめて良好に取りつけることのできる装置の
提供を目的とする。

陰極線管たとえばカラー受像管には、第１図に示すよう
に受像管１の外周に偏向ヨーク２がとりつけられている
。

セルフコンバーゼンス方式のカラー受像管においては周
辺のコンバーゼンスを最良にするように偏向ヨークを受
像管の中心軸に対して傾斜させたり、また偏向ヨークの
中心軸を受像管の中心軸から平行に移動したりして固定
されている。

これはよく知られているように受像管や偏向ヨークの製
造誤差によるミスコンバーゼンスが生じたときに、電子
ビームに対する偏向磁界の位置を前記した何れかの方法
で修正し、ミスコンバーゼンスをより小さくすることが
できるがらである。

このような偏向ヨークを受像管に固定するにはネック部
を締めつけバンドによって固定する方法、ゴム製くさび
または偏向ヨークホルダを使用する方法などによって行
なわれている。

しかし受像管や偏向ヨークの製造技術が最近向上したた
めに誤差がきわめて小さくなり、そのため前記したよう
な偏向ヨークの傾斜や平行移動を行なうことは不要とな
り、受像管においては周辺のミスコンバーゼンスを最小
にするため偏向ヨーク装着時に行なわれていた煩わしい
作業を省略することができるようになってきた。

しかしながらこのためには偏向ヨークの機構として次の
ような条件を満たさなければならないものである。

すなわち調整のために偏向ヨークを受像管に装着したと
きに偏向ヨークが傾かないこと、色純度調整のための受
像管コーン部と偏向ヨークとの間隔の調整が従来と同じ
くなめらがに行なえること、色純度の調整が終ってから
偏向ヨークを固定したのちは経時変化や外部からの衝撃
による変化が小さいこと等である。

このような点を満足するため作られた偏向ヨークは受像
管コーン部との接触面にスプリング機構をつけた構造に
なっている。

しかしながらこのような構造はスプリングのばね作用が
弱いと偏向ヨークの装着時に傾いてしまったり経時変化
を起こしてしまうし、逆にばね作用が強すぎると色純度
調整のための偏向ヨークの位置合わせに大きな力が必要
になってくる。

これらは互に相反するために両方を共に満足させるよう
なものを作ることはなかなか困難であった。

本考案は前記の欠点を除去して偏向ヨークが極めて効率
よく適確に陰極線管にとりつけられた陰極線管装置を提
供するもので゛ある。

すなわち陰極線管の外周にとりつけられる偏向ヨークの
陰極線管側に管軸方向に沿って複数の弾性部材が配設さ
れ、この弾性部材の一端は固定具に固着され、弾性部材
の他の遊端部分はネック部外周に配設された偏向ヨーク
固定バンドの下側にまで延伸して配設されていることを
特徴とするものである。

以下図面を参照して本考案の実施例について説明する。

第２図、第３図に示すように、４つの弾性部材１１が偏
向ヨークのモールドのガイド１２の下を通って受像管の
ネック部の締めつけ固定部１３に迄延伸してとりつけら
れている。

この弾性部材１１の一端は固定具の先端部１４に固着さ
れ、先端に近い部分１５が受像管側に凸状に曲げられて
いて、さらに前記ガイドの溝１６の中を自由に動ける状
態で弾性部材の一方の遊端部１７が偏向ヨーク締めつけ
バンド１８の下側にまで延伸して配設されている。

本考案により偏向ヨークをとりつける場合、受像管にお
しあてると前記弾性部材の凸状部が受像管コーン部に接
触し偏向ヨークが傾斜しないように保持することができ
る。

次いで色純度調整のため偏向ヨークを受像管コーン部に
対して移動させるときは前記弾性部材の遊端部は固定さ
れていないので、ガイドの溝の中を自由に動くことがで
きて偏向ヨークと受像管コーン部との間隔の調整をなめ
らかに行なうことができる。

このように偏向ヨークの位置の調整がすんでのちネック
部の締め付けバンド１８を締めて偏向ヨークを固定する
。

このどき同時に弾性部材もその遊端部分を前記締め付け
固定具と締めつけバンドとの間にはさまれてかたく締め
付けられ、動かなくなるものである。

したがって弾性部材の受像管コーン部接触部分は非常に
堅固になって、外部からの衝撃に対してほとんど影響を
うけることなく、また経時変化に対しても十分に耐える
ことができるものである。

このように本考案の装置は、偏向ヨークを受像管にとり
つけるときに傾くこともなく、偏向ヨークの位置合わせ
の移動も容易に行なうことができ、経時変化をおこナこ
ともほとんどなく、極めて良好な特性を保持できる陰極
線管装置である。

前記例では弾性部材が４つとりつけられたものについて
述べたが、これに限ることなく本考案の要旨に従って、
種々の変形構造のものが得られること勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図はカラー受像管装置の概略説明図、第２図、第３
図は本考案の偏向ヨークの正面図および断面図である。 １・・・受像管、２・・・偏向ヨーク、１１・・・弾性
部材、１７・・・弾性部材の遊端部、１８・・・偏向ヨ
ーク締めつけバンド、１３・・・受像管のネック部締め
つけ固定部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 陰極線管に偏向ヨークを固定具を用いて装着してなる陰
   極線管装置において、前記固定具の陰極線管側に複数の
   弾性部材が管軸方向に沿って配設され、これら弾性部材
   が、そのけい光面側の一端は固定具に固定され、かつ先
   端に近い部分は陰極線管側に凸状に曲げられて形或され
   、他の遊端部分は陰極線管ネック部外周に位置する偏向
   ヨーク締めつけバンド下側まで延伸し、摺動自在に配設
   されていることを特徴とする陰極線管装置。