JPS597172B2 - 絶縁電線の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は絶縁電線の製造方法、特に絶縁被覆の仕上り外
径を一定にする方法に係わるものである。

従来押出被覆の外径が変化しないようにする方法として
は、押出機又は引取機モーターに速度変動率の少ないも
のを使用していた。そして何かの原因で、電線外径が変
化すれば、その都度押出機又は引取機モーターを変速、
制御し外径を一定に保つていた。

しかしこの方法では、制御精度を上げるためには設備費
が高価となる欠点があつた。

即ち、制御精度を上げるためには、電線寸法精度に比例
して機械精度及び制御精度も上げなければならないため
である。

本発明は前記した欠点を解消して、連続的に簡単な機構
で絶縁被覆外径を一定に保持し得る絶縁電線の製造方法
の提供を目的として為されたもので、その要旨とすると
ころは、押出絶縁被覆の外径を測定し、該測定値をフィ
ードバックして定温に制御された冷却水の水量を調整す
ることにより絶縁被覆の外径を一定に保つようにしたこ
とを特徴とする絶縁電線の製造方法にある。

本願出願人は、冷却水量と絶縁被覆の仕上り外径との間
には、ある相関関係があることを発見し、外径測定信号
で冷却水量を制御し絶縁被覆の仕上り寸法を一定に保つ
ように制御したものである。

即ち、押出機で２００〜２５０℃まで加熱、圧縮された
絶縁被覆材料は、押出機を出た直後は常に膨張方向にあ
り、急冷することで膨張が止まり安定状態となる。そこ
で常時１０〜１２℃前後に温度制御された冷却水の供給
される水槽の冷却水の水量を調整すれば、絶縁電線から
奪われる熱の冷却勾配が変わり、膨張の停止する点つま
り、電線の外形を変えることができるものである。

また、水槽の出口バルブの口径が一定とすれば、冷却水
の流入量が例えば増加すれば水面が上昇し、押出機から
出た絶縁電線は、水面が低い時よりも早く冷却され、冷
却勾配が大きくなるので、まだ膨張が始まつた外径の小
さい点で安定し、外径を変えることができるものである
。

次に本発明製造方法の一実施例を添付図面を参照してさ
らに説明する。

第１図は電線径Ｄと冷却水量Ｖとの関係を示したもので
、全体としては曲線ではあるが、水量がＶ１〜Ｖ２又は
電線径Ｄ２〜Ｄ１の範囲では直線的であり、水量を変化
させることにより、電線径の精密な制御が可能である。

第２図は押出機１から出た絶縁電線９が、冷却水槽７で
冷却され引取機８に引取られて行く様子を示すもので、
制御方法は、まず冷却水槽入口バルブ２から、冷却水を
一定温度に制御するチラーユニツト（図示せず）で制御
された一定温度で一定量の冷却水を流し込む。

次に基準設定器６で、電線径が最適となる値に設定する
と、設定器に比例した信号が増幅器５を通り、冷却水出
口のコントロールバルブ３を適正な開度へと動作する。

何かの原因で絶縁電線径が変化した場合、外径測定器４
から変化分の信号が発生し、この信号が基準設定器６の
基準信号とつきあわされた後、増幅器５を通り、コント
ロールバルブ３の開度を適正な値へ補正し、水槽７内の
冷却勾配を変え、それにより電線径を元の径にな訃すも
のである。

この様にして成る本発明方法は、従来のような高精度、
高価格な押出ラインに比べて安価で簡単な構造であり、
且つ精度が良好な利点がある。また従来の押出ラインに
も簡単に追加設置できる利点もあるものであり、その工
業的価値は非常に大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は冷却水量と電線径の関係説明図、第２図は本発
明方法の系統説明図である。 １・・・・・・押出機、２・・・・・・入口バルブ、３
・・・・・・出口コントロールバルブ、４・・・・・・
外径測定器、５・・・・・・増幅器、６・・・・・・基
準設定器、７・・・・・・水槽、８・・・・・・引取機
、９・・・・・・絶縁電線、１０・・・ターンプ一り一
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 押出絶縁被覆の外径を測定し、該測定値をフィード
   バックして定温に制御された冷却水の水量を調整するこ
   とにより、絶縁被覆の外径を一定に保つようにしたこと
   を特徴とする絶縁電線の製造方法。