JPS596270Y2 - クラツチハウジングの通気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は摩擦クラッチに関し、特に、クラッチハウジン
グ内の通気装置に関する。

一般車輌等に使用される摩擦クラッチは、断続時のクラ
ッチディスク摩擦面のすべり接触のためその発熱による
温度上昇は高く、その結果、クラッチの構戒部材である
ところのレリーズベアリング等すベリ接触部の摩耗が著
しくなり、摩擦部材の熱による損傷をきたし、潤滑グリ
スの劣化を招く等クラッチの性能機能を低下させ、寿命
を著しく短縮させる。

このような不都合を解消する為、従来、クラッチハウジ
ングに空気の吸入口と排出口を設けて、クラッチハウジ
ング内の通気を行いクラッチの各部機構を冷却している
が、充分な効果を上げることが出来なかった。

本考案はこのような従来の不都合を解消するため、クラ
ッチハウジングに空気吸入口とフライホイール９外周に
備えたリングギャの近傍位置に開口させた空気排出口と
を設け、クラッチハウジング内の回転部分の回転により
発生される空気流を上記空気排出口に備えた空気案内体
により受けてクラッチハウジング外部に排出し、強制的
にクラッチハウジング内の通気を行うことによって、ク
ラッチ各部の冷却を行い、クラッチの性能・機能の低下
を防止しようとするものである。

以下、本考案の１実施例を添付図面に基づいて説明する
。

第１図は摩擦クラッチの縦断面図である。

図において、１は外周に図示しないエンジン始動電動機
のピニオンギャと噛み合うリングギャ２を備えたフライ
ホイール、３はクラッチ力バー４にレリーズレバ−５を
介して連係されるプレツシャプレートで両者１，３の摩
擦面間にはトランスミッションドライブシャフト６に軸
方向摺動自由に嵌合したクラッチディスク７が介在する
。

８はレリーズベアリングである。

クラッチハウジング９にはクラッチ力バー４側の空間に
開口する空気吸入口１０と、フライホイール１外周に備
えたリングギャ２の近傍位置に開口する空気排出口１１
とが設けられている。

この空気排出口１１は従来のフライホイールハウジング
１３内ののぞき穴で゛もよい。

該空気排出口１１にはクラッチハウジング９又はフライ
ホイールハウジング１３内の回転部分特に、リングギャ
２の回転により発生される空気流を受けて空気排出口１
１を通じ外部に排出する空気案内体１２が備えられてい
る。

空気案内体１２は第２図に示すように金属板状部材をプ
レス加工等によってその周縁部を折曲することによって
形威したポケット部１２ ａと取付部１２ ｂを設けた
ものである。

そして、空気排出口１１からポケット部１２ ａをフラ
イホイールハウジング１３内に突出させその先端をリン
グギャ２の外端に近接させた状態で、取付部１２ｂを介
してフライホイールハウジング１３外面にボルト締め等
の固定手段によって取付けられる。

又、フライホイール１の外周部１ａには図のように透孔
１ｂが穿設されている。

今、クラッチが作動すると、クラッチハウジング９内の
空気はフライホイール１、リングギャ２等の回転部分が
回転することによって旋回空気流となる。

この旋回空気流はクラッチハウジング９内に滞留する比
較的高温の空気を攪拌しクラッチ力バー４、フライホイ
ール１等のクラッチ構或部材を冷却する。

かかる旋回空気流は空気案内体１２に受け取められ、空
気排出口１１から外部に排出される。

特に、空気案内体１２の下端はリングギャ２の外端に近
接しており、該リングギャに付随して最も流速の大きな
空気流をすくい受けるため、極めて効率よく空気を排出
することができる。

従って、ハウジング９内の高温空気は空気案内体１２に
より強制的に外部に排出されハウジング９内の圧力が低
下するから空気吸入口１０より外気が吸入される。

この冷たい外気はハウジング９内に導かれ一部はクラッ
チ力バー４の外方空間に向けて流れ、又は他部はクラッ
チ力バー４内の空間から特にクラッチディスク７との摩
擦部を冷却してフライホイール１に設けた透孔１ｂを通
じて空気排出口１１に導かれる。

尚、リングギャ２の他に、リングギャ２、フライホイー
ル１等の回転部分にファンを設けて更に、強い空気旋回
流を得ることにより上記通風換気を更に効果的に行うこ
とができ冷却効果を増すことが出来る。

本考案は上述のように、クラッチハウジング内の換気を
強制的に行って、クラッチの冷却を有効的に行うように
したから、クラッチ構或部材特に、摩擦面の過度の摩耗
或いは損傷を防止し、クラッチの永年使用を効果的にし
、かつ装置自体も空気排出口に空気案内体を装着するの
みでよいから、従来のものにも容易に適用することが出
来、かつ、空気案内体の先端を空気流速の最も大きなリ
ングギャの外端に近接して設けたから換気効率もよく、
実用的効果大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る通気装置を備えた摩擦クラッチの
縦断面図、第２図は同上の通気装置の空気案内体の斜視
図である。 １・・・フライホイール、９・・・クラッチハウジング
、１０・・・空気吸入口、１１・・・空気排出口、１２
・・・空気案内体、１３・・・フライホイールハウジン
グ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）自動車のクラッチにおいて、クラッチハウジング
   に空気吸入口を開設すると共にフライホイールハウジン
   グのフライホイール外周に備えたリングギャ近傍位置に
   空気排出口を開設し、かつ該排出口に先端がリングギャ
   の外端に近接しクラッチハウジング内の回転部分の回転
   により発生される空気流をすくい受けて外部に排出する
   空気案内体を備えたことを特徴とするクラッチハウジン
   グの通気装置。
2. （２）空気案内体は周縁部を折曲して形或したポケット
   部を備えることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のクラッチハウジングの通気装置。