JPS596216Y2 - 太陽熱集熱管

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【考案の詳細な説明】本考案は太陽熱集熱管、特にヒートパイプ型及び往復型
真空ガラス管式太陽熱集熱管に関するものである。

太陽熱集熱管は長期にわたって強い太陽光や風雨にさら
されるので、耐久性に優れたものでなければならない。

通常用いられている薄肉の金属ステム或いは封着合金は
、長期間には腐食されて真空洩れの原因ともなり好まし
くない。

ガラスステムの場合、集熱用の金属パイプとガラスステ
ムとの間に小型の封着合金製の接続金具を用いて、ガラ
ス管内を気密に保つが、この接続金具も腐食を受ける。

ヒートパイプ型、或いは往復型の場合、ガラス管の一端
は封じる。

従来、この封じはガラス管の端部をガスバーナで加熱軟
化させて絞り込み加工をして閉じるが、加工部分の肉厚
は均一になり難い。

ガラス管の直径が比較的小さい場合はまだよいが、直径
が８０ｍｍ、ｌＱＱｍｍ或いはそれ以上大きくなると絞
り込み加工も難しく、加工部の肉厚は益々不安定となり
、薄い部分が生じ易い。

ガラス管内は高度の真空に保たれるので、肉の薄い部分
から破壊する恐れがある。

又、薄肉であるため、この部分からの熱放散も当然大き
くなる。

本考案は、これらの欠点を改善したものである。

以下、本考案を図面に従って説明する。

図は往復型集熱管の一実施例を示すものである。

ガラス管１の一端に封着したヘッドキャップ２は、ガラ
ス管１と同組或、或いはガラス管１と封着して実用上支
障なく使用できる特性を有するガラスをプレス戒形して
製作したものである。

ガラス管１との封着部２′は、ガラス管１と略同じ外径
で、肉厚も同じか或いは少し大きくしてある。

大部分の形状は耐圧強度上好ましい曲率で形戊し、且つ
、空間の無駄を小さくしている。

プレス戊形であるから肉厚は任意に定めることができ、
熱放散を防止し、真空耐圧に耐える肉厚にする。

ヘッドキャップ２とガラス管１との封着は、フリットガ
ラスによってもよいが、強度及び製造コストから直接融
着する方が好ましい。

ガラスステム３は、上記のヘッドキャップ２と同様のガ
ラスを用い、プレス或形或いは粉末戊形によって作られ
る。

実施例のガラスステム３は、ガラス管１の内側へ凹んだ
形状になっている。

先ず封着金属製の接続金具６のナイフエッジ状になった
一端を、ガラスステム３の孔４の同縁部にあらかじめ封
着しておく。

封着はガス炎或いは高周波加熱の公知の技術によって行
うことができる。

次に、集熱板８を取り付けた集熱金属パイプ７を、接続
金具６の先端部６′から所定の位置に挿入し、接続金具
先端部６′で気密に溶接或いはろう付けする。

最後にガラスステム３を略水平になるように保持して、
環状溝５にフリットガラスを充填し、これにガラス管１
の端部に押し当て、加熱してフリットガラスを溶融し封
着する。

加熱は通常電気炉に通し、フリットガラス付近のみを加
熱するようにする。

集熱金属パイプ７は通常銅パイプが使用されるので、フ
リット封着の加熱時に酸化される。

ガラス管１内の銅が酸化されると、長期間の使用中、真
空漏洩の原因になったり、又、排気作業の際、高度の真
空にするために長時間を要し、効率が悪い。

ガラスステム３が実施例のようにガラス管１の内側に凹
んでいると、その分だけガラス管１の端部のフリット封
着部からの距離が大きくなるので、集熱金属パイプ７の
酸化される部分が小さくなり、排気の効率が高くなる。

排気は、ヘッドキャップ２に設けた排気管９から行い、
十分排気した後排気管９を加熱溶融して閉じる。

ガラスステム３の孔４と集熱金属パイプ７との隙間には
、雨水等の浸入を防止し、接続金具６が腐食しないよう
に弾力性のある合或樹脂をつめる。

或いは、集熱金属パイプ７と接続金具６との隙間にも充
填してもよい。

本考案の太陽熱集熱管は、プレス或形したガラス製のヘ
ッドキャップを用いたので、任意の肉厚、形状に戊形で
きるため空間の無駄がなく、機械的強度も高い。

又、ガラスステムを用い、接続金具をガラス管内に封着
したので接続金具が風雨にさらされて腐食することなく
、長期の使用に耐える。

以上の実施例では、往復型集熱管について述べたが、ヒ
ートパイプ型或いは貫通型にも応用できるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示す部分断面図である。１；ガラス管、２；ヘッドキャップ、３；ガラスステム
、６；接続金具、７；集熱金属パイプ。

【実用新案登録請求の範囲】