JPS595821B2 - 反射炉 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は鉱石や金属の溶解に用いる反射炉に関し、具
体的には熱効率を向上させることができる反射炉の構造
に関するものである。

鉱石や金属を溶解する反射炉は、被溶解物を装入する湯
船の上方に低いアーチ状の天井を設け、湯船と天井との
間の空間に一端からバーナーで燃料を吹き込んで燃焼さ
せて被溶解物を溶解する。

しかして従来は燃焼ガスは湯船上方の空間を旋回しなが
ら移動した後、該空間の他端に設けた煙道から煙突を経
て大気中に放出されるのが通常であった。

この過程で、被溶解物は燃焼ガスの火焔熱と天井からの
反射状輻射熱とにより上方からのみ加熱されるに過ぎな
いため溶解に要する時間が長く、溶解した湯の温度むら
も太きい。

又煙道から排出される燃焼ガス中にはまだ未燃成分も含
まれており、これらのことから熱効率が低く、溶解のだ
めの燃費がかさむという問題があった。

この発明は、上記の問題点を解消し、溶解に要する時間
が短く且つ燃焼効率もよく燃費が少ない反射炉を提供す
ることを目的とする。

以下、本発明の一実施例について図面により詳細に説明
する。

本発明を実施した反射炉１は第１図に示す外観を呈し、
炉体２の内部は大略、燃焼室３、該燃焼室３の下部に装
着された湯船４、および燃焼室３の左に隣接する煙道５
に区分されている。

以下、第２図に向って上側を前側、下側を後側、右側を
右側、また左側を左側と呼ぶ。

炉体２の壁部は、内側がカーボランダム等による耐火レ
ンガ、外側が断熱層として耐熱レンガで構成された２層
構造とされている。

燃焼室３はその天井面が右側壁へ向って下降する約１／
４円弧状のアーチ状に形作られ、又左側壁にはバーナー
（図示せず）から燃料を吹き込むバーナーロ６が罪目し
、前壁には鉱石や金属などの被溶解物を湯船４に装入す
るための装入ロアが設けられてここに装入扉８が開閉自
在に嵌め込まれている。

湯船４は周囲を耐火レンガ層４ａで補強した上部開放の
長四角直方体状の容器であって燃焼室３の下方に位置し
、長手方向の後端は後方に突出して溶解湯の取出口９と
され、蓋１０が着脱可能に嵌め込まれている。

湯船４の耐火レンガ層４ａの外周、すなわち下面および
側面には炉体２の内壁面との間に一定間隔の空隙部が設
けである。

また燃焼室３の煙道５側の側壁すなわち左側壁下端面と
湯船４の上端面との間の空間は、耐火レンガよりなる仕
切壁３ａにより仕切られて燃焼室３と煙道５とが区分さ
れている。

しかして前記の通り湯船４の外周に設けられた空隙部は
湯船４の右側上端部において燃焼室３に開口するととも
に湯船４の左側上端部の前記仕切壁３ａの左側において
煙道５に開口するため、前述の空隙部によって燃焼室３
と煙道５とを連通ずる連通路１２が形成されている。

さて、前記連通路１２内には、耐火レンガ、セラミック
等の耐火物よりなる円筒状の蓄熱・再燃焼部材１１がそ
の中空部分が連続するように多数列設されている。

ただし湯船４の後方に突出した部分の前述の空隙部の上
面だけは耐火レンガ層４ａで覆われている（第５図の右
端部参照）。

従って、湯船４の外周の連通路１２に配設した蓄熱・再
燃焼部材１１の中空部分すなわち円筒内部の空間及び蓄
熱・再燃焼部材１１の外周面と連通路１２内面との間隙
は、燃焼室３と煙道５とを連通させて燃焼ガスを流通さ
せる流通空隙１３となっている。

なお連通路１２の燃焼室３側の開口部分すなわち右端面
には、燃焼室３の前壁を貫通して前後方向に移動可能な
断面三角形状のダンパー１６が開口部分の一部を覆うよ
うに載置されている。

また煙道５は、その上面−個所（第３図図示左端部）に
燃焼ガス排出口１４が開口し、その上部外側に立設した
煙突１５により上方の大気と連通している。

以上のように構成した反射炉１においては、先ず装入扉
８を開口して装入ロアより被溶解物を湯船４に装入し、
再び装入扉８により装入ロアを閉じる。

次に、バーナーロ６よりバーナー（図示せず）により燃
料を吹き込み着火する。

この時、ダンパー１６は一杯に前方に引き出し連通路１
２の燃焼室３側の開口部の面積を最大にしておく。

燃焼ガスは、第３図中、矢印で示すように、燃焼室３内
で旋回しながらその大部分が燃焼し、燃焼室３の内部を
加熱するとともに被溶解物を上方から加熱しパあと、高
温の燃焼ガスとなって湯船４の外周に設けた連通路１２
を通過しこの時蓄熱・再燃焼部材１１を加熱して煙道５
に到り、燃焼ガス排出口１４及び煙突１５から大気中へ
放出される。

この状態を継続すると、連通路１２内に装着された蓄熱
、再燃焼部材１１は蓄熱して高温となりいわば赤熱状態
となる。

従って燃焼ガス中の未燃焼成分がここで赤熱の蓄熱・再
燃焼部材１１０表面に接触して完全に燃焼する。

この結果、湯船４は上方からのみでなく、その周囲すな
わち下面および側面からも効果的に加熱され、被溶解物
は短時間で容易に溶解されてその温度むらも少ない。

このようにして被溶解物が溶解したら、バーナー（図示
せず）の出力を絞るほか、ダンパー１６を炉後方に押し
込んで連通路１２の燃焼室３側の開口部の面積を調節す
ることにより被溶解物に加える熱量を必要なだけに絞る
ことができる。

溶解した湯は湯船４の後端に設けた蓋１０を取り除きた
とえばロボット腕等によって適宜す（い取る。

なお、以上の実施例においては蓄熱・再燃焼部板１１の
形状を円筒状としたが、この形状に限定されるものでは
なく、たとえば多角形筒状、断面星形状等高部の燃焼ガ
スとの熱交換に有利な表面積の大きい形状で、しかも燃
焼ガスを流通させ得るものであれば何でもよい。

また上記実施例においては連通路１２を湯船４の下面お
よび側面に設ける技術を例示したが、たとえば湯船の形
状等によっては連通路を湯船の側面のみに設けることも
可能である。

以上、詳細に説明したように、本発明は反射炉の湯船の
下面、側面等に燃焼室と煙道と連通ずる連通路を設け、
燃焼ガスをこの連通路を通して煙道に導（構造とし、し
かも該連通路内に耐熱材よりなる蓄熱・再燃焼部材を燃
焼ガスが流通しうる流通空隙を保有して装着したことに
より、被溶解物が下面や側面からも効率よく加熱されて
短時間で均一に溶解されるとともに燃料の燃焼効率も向
上して反射炉としての熱効率も改善されるというすぐれ
た効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す反射炉の全体斜視図、
第２図はその平面図、第３図は第３図Ｃ−Ｃ線断面図、
第４図は第３図Ｃ−Ｃ線断面図、第５図は第３図Ｃ−Ｃ
線断面図である。 ３・・・・・・燃焼室、４・・・・・・湯船、５・・・
・・・煙道、１１−・・・・・蓄熱・再燃焼部材、１２
・・・・・・連通路、１３・・・・・・燃焼ガスの流通
空隙。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 湯船の下面、側面等に、燃焼室と煙道とを連通ずる
   連通路を設けしかも該連通路内に、耐火物よりなる蓄熱
   再燃焼部材を燃焼ガスが流通しうる流通空隙を保有して
   配設してなることを特徴とする反射炉。