JPS595786B2 - スタ−リングサイクル機械の加圧式ピストン装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスターリングサイクル機械のピストン装置の改
良に関する。

近時、無公害、省エネルギー型の機関としてスターリン
グ機関が着目されつつあるが、実用化にあたっては、技
術的にも、また経済性の面からも更に研究開発を要する
段階である。

このスターリング機関は、往復動型の外部燃焼方式機関
で密閉サイクルを採用しており、作動室の容積変動の位
相差及び熱交換器の機能を適宜設定することにより、例
えば、熱ガス動力機関、冷ガス動力機関、冷凍機械及び
加熱機械等の所謂スターリングサイクル機械として広く
供し得るという特質をも有する。

そして、一般にスターリングサイクル機械を高性能にす
るには密閉作動空間の作動ガス圧力を高くする必要があ
り、従って、耐圧力が高く十分な強度を有するピストン
が要求される。

しかしながら、そのためにはピストン重量が大きくなり
、且つ上下往復慣性力が大きくなるので強度上、回転数
を高くとることが不可能となり、ピストン駆動装置部も
十分な強度が必要となる。

更に、スターリングサイクル機械を熱ガス動力機関とし
て供する場合、その高効率化のためには一方の作動室の
作動ガス温度を高クシ、他方の作動室のガス温度との温
度差を大きくしなければならないが、これに伴って、ピ
ストン並びにシリンダ壁を介しての熱移動が大きくなる
。

従って、これを防止すべく両作動空間距離を長くする必
要から、ピストンが長くなり、重量も増大する。

又、高温度に耐え得るように高級耐熱材料を使用するの
で、コストも高くつく。

本発明は、スターリングサイクル機械に於ける上記事情
に鑑み、ピストン内を使要の圧力に加圧してピストン材
料に作用する応力を低減せしめることにより、主として
スターリングサイクル機械の軽量化、高出力化、及びコ
スト低減を目的とするものである。

以下、本発明の構成を図面に示す実施例によって詳細に
説明する。

第１図は本発明の一実施例を示し、１はピストンで、シ
リンダ２内を往復動するように構成されている。

シリンダ２内には、ピストン１を間に介して作動室Ａ３
と作動室Ｂ４が形成される。

ピストン１は、内部に空間６を形成するピストンキャッ
プ５と、前記両作動室３，４間の気密保持のためのピス
トンリング８，８・・・を具備するピストン体７と、ピ
ストン駆動装置（図示せず：例えばロンビック機構）と
連結するピストンロッド９とからなり、ピストンキャッ
プ５はピストン体７に溶接等の接着手段により一体に固
着され、ピストンロッド９は、上端の７ランク部９ａで
ボルト１０を介してピストン体７に連結されている。

更に、ピストン体７には空間６内を加圧後密封するため
の密封装置１１が設けられている。

また、１２、１２’はピストン体７を内面より冷却する
ための冷媒通路である。

今、例えば常温２０℃時に於いて、ピストンキャップ内
空間６を圧力空気或は他の圧力流体により４０ｋｇ／ｃ
Ｉ？Ｌに加圧し、密封装置１１にて密封した状態で運転
すると、運転中、空間６内の温度が５３０℃に上昇した
場合の空間６内圧力は次の通りである。

従って、作動室３，４の圧力が７０ｋｇ／ｃＩ？Ｌ及び
１５０ ｋｇ／ｄの間で変動している場合、ピストンキ
ャップ５には±４０ｋｇＺｃＩ＆の力のみが作用するこ
ととなり、１５０ｋｇ／ｄの力がそのまま作用した時と
同等の応力とするためには材料肉厚は約１／４でよく、
重量も大幅に軽減し得る。

尚、停止中は空間６内温度が常温となるので、４０ｋｇ
／ｃＩ／Ｌの内圧しか作用しない。

第２図は第１図の変形例で、ピストンキャップ５とピス
トン体７との間に断熱材１３を介在させたものである。

ピストンキャップ５及びピストン体７はピストンキャッ
プ５下部に一体に突設されたオネジ部５ａを、ピストン
体７上部のメネジ部７ａに螺合させると共に、更にピス
トンキャップ取付ナツト１４により固定されている。

これによると、両作動室３及び４間の熱移動が防止され
て温度差を大きく保持し得るので、効率向上に寄与する
。

第３図は、ピストン体７の内面の冷却を行なわずに、ピ
ストンキャップ内空間６と連通させた実施例を示す。

ピストンキャップ５はピストン体７と一体に形成され、
ピストンロッド９は溶接等の接着手段により固着されて
いる。

また、密封装置１１はピストンキャップ５の上部に設け
られている。

第４図は第３図の変形例で、ピストンロッド９上端に７
ランク部を設けず、そのままピストン体７に固着すると
共に、密封装置（図示せず）をピストンロッド９下方延
長上に設けたものである。

第５図乃至第７図は本発明に係る密封装置の詳細を示し
、１５は第１図及至第４図６ピストンキヤツプ内空間６
に面するピストン体又はピストンキャップ、ピストンロ
ッドの一部となるもので、装置取付座１６又は２０を有
する。

第５図に示される密封装置の加圧密封の方法は次の通り
である。

先ず、管１７の、空間６０反対側延長端を圧縮空気の容
器等の吐出側に連絡させ、空間６内を所定の圧力まで加
圧する。

しかる後に、管１７を、装置取付座１６に近接した部分
１７ａの空間６側を圧着すると共に余端側を切除し、更
にその切断部分１７ａを溶接等により密封する。

更に、シールキャップ１８をバッキング１９を介して装
置取付座１６に螺設して密封を強固にする。

これにより、空間６内の圧力は外部に洩れず、所定の圧
力に保持される。

第６図は別の密封装置を示し、２１はシールボルトで、
内部に連通路２２及びシールプラグ２３を具備し、先端
のシール面２４ａが装置取付座２０のシール座２４ｂと
接してガスシールを行なうように構成されている。

また、装置取付座２０のシール座２４ｂに関して連通路
２２と反対側に空間６へ通じる連通孔２５が設けられて
いる。

この密封装置に於ける加圧密封の方法は、連通路２２と
連通孔２５が連通するようシールボルト２１を緩めた状
態にて、連通路２２に圧縮空気の容器等を連結して空間
６内を加圧する。

所定の加圧後、連通路２２及び連通孔２５間を閉塞する
べくシールボルト２１を締付け、しかる後に、圧縮容器
等の連結を解除し、連通路２２にシールプラグ２３を締
込む。

更に当該装置に於いては、シールプラグ２３とシールボ
ルト２１、並びにシールボルト２１と装置取付座２０と
が各々溶接哉は接着材等で固着される。

第７図は第６図の変形例を示し、シール面２７ａ及びシ
ール座２７ｂはバッキング２８を介して圧接させ、且つ
、シールプラグを用いる代わりに、シールキャップ２９
をバッキング３０を介してシ−ルボルト２６に螺設する
ようになしたものである。

以上説明したように本発明はシリンダ内を往復動する中
空ピストンの内部に、作動中の作動室内温度で該作動室
内に生ずる作動ガスの圧力変動範囲内の圧力となる程度
に加圧した気体を密封充填したから、ピストン構成材料
に作用する応力は非常に小さくなり、その低下に見合う
だけ材料の肉厚を薄くすることが可能となる。

従って、ピストンが軽量化されると同時に材料強度の低
い材料を使用できる。

加えて、軽量化に伴って往復重量慣性力が低下するので
、回転数上昇による出力増加、或は可動部構成の簡略化
、軽量化が可能となり、低コスト、高出力のスターリン
グサイクル機械を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明の実施例を示し、各各スター
リングサイクル機械のピストン部の縦断面図である。 第５図乃至第７図は各々本発明に係る密封装置の実施例
を示す縦断面図である。 １・・・・・・ピストン、２・・・・・・シリンダ、５
・・・・・・ピストンキャップ、６・・・・・・空間、
７・・・・・・ピストン体、１１・・・・・密封装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シリンダ内を往復動する中空ピストンの内部に、作
   動中の作動室内温度で該作動室内に生ずる作動ガスの圧
   力変動範囲内の圧力となる程度に加圧した気体を密封充
   填したことを特徴とするスターリングサイクル機械の加
   圧式ピストン装置。