JPS5953490B2 - 可動オリフイス流量計 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はオリフィス式と可動管式の特長を兼ね備えた新
規な流量計に関する。

オリフィス流量計はオリフィス板と上流側及び下流側に
設けた圧力取出口とから構成され、簡単な紋り機構によ
り上記上流側と下流側とに圧力差を生じせしめ、その差
圧の測定により流量を知らしめる流量計である。

その測定原理はベルヌイの定理に基づいており、そのた
めに、流体の粘度が無視できないときには、それによる
誤差を補正するために実験的に定められる流量係数を導
入する必要がある。一方、可動管流量計はその測定原理
がベルヌイの定理に関係なくニュートンの運動法則に基
づいて誘導されるものであり、そのため流体の粘度に関
係なくその流量が測定できる。而して、従来のオリフィ
ス流量計及び可動管流量計について、前者は高粘度の流
体の流量測定が不可能であり、後者は機構が複雑である
等それぞれ欠点を有している。本発明は叙上の観点に立
つてなされたもので、その目的とするところは、オリフ
ィス式と可動管式の機構を兼ね備え、簡単に、且つ流体
の粘度に関係なく流体の流量が測定できる便利な流量計
を提供することにある。

以下、図面により本発明の詳細を説明する。

図面は本発明にかかる可動オリフィス流量計の一実施例
を示す説明図である。而して、図中、１は胴部２と上流
側接続管部３と下流側接続管部４とからなる筐体であり
、胴部２は上流側フランジ２ａと下流側フランジ２ｂと
案内２Ｃと圧力導入孔２ｄとから構成され、上流側接続
管部３は上流側フランジ３ａと下流側フラ・ンジ３ｂと
から構成され、下流側接続管部４は上流側フランジ４ａ
と下流側フランジ４ｂと透孔４ｃと固定障壁４ｄとから
構成されている。

５は上流側接続管部３と同一の内径を有し、案内２Ｃに
より摺動自在に支承された可動管、６は上流側接フ続管
部３と可動管５とを結合するベローズ、７は流入側に向
かつて朝顔状に開いたオリフィス孔７ａを有し、可動管
５の下流側端部に取り付けられたオリフィス板、８、８
は胴部２と上流側接続管部３、及び胴部２と下流側接続
管部４との間に設５けられたＯリング、９は鉄片１０と
コイル１１とからなる差動変圧器、１２は一端が可動管
５に螺合し、他端が鉄片１０に連結している連結桿、１
３は差圧検出器、１４は演算回路、１５は流量指示計、
１６は信号出力端子である。

而して、この可動オリフイス流量計に流体の定常流が流
れているとする。

ベローズ６内の圧力はオリフイス板７の流入側端面の圧
力と等しい。また、オリフイス板７の流出側端面の圧力
はオリフイス板７と固定障壁４ｄとの間隙及び圧力導入
孔２ｄを順次介して、筐体１の胴郁２と可動管５との間
に存する空所に導入される。従つて、ベローズ６外の圧
力はオリフイス板７の流出側端面の圧力と等しい。而し
て、ベローズ６内と上記空所内、即ち、ベローズ６外の
圧力差は差圧検出器１３により測定され、その測定値に
対応する信号が演算回路１４へ送られる。一方、これと
同時に流入側端面と流出側端面との圧力差に応じて可動
管５が図中右方向に変位し、この変位は連結桿１２を介
して差動変圧器９の鉄片１０に伝達せしめられる。而し
て、鉄片１０が変位することにより差動変圧器９が作動
し、演算回路１４へその変位に対応する信号が送られる
。ここで、測定値から流量を求める式について下記に示
す。

水平に置かれている可動オリフイス流量計では、可動管
５、オリフイス板７、その内部に存在する液体、及びベ
ローズの両端面で可動管と一体となつて移動する部分、
とで可動体系が構成されている。

この可動体系に運動法則を適用する。流れは液体の定常
流であるとする。可動体系に及ぼされている外力は、圧
力による力とベローズの弾性力とだけであり、その和が
、．単位時間当りに可動体系から流出する液体の運動量
と流入する液体の運動量との差に等しい。

流入、流出両端面における流管の直断面積をそれぞれＳ
Ａ．ＳＢ、ベローズの有効面積をＳ述とする。ベローズ
の弾性力をＦとし、ベローズ内外のｊ圧力をそれぞれＰ
Ａ．ＰＢとすると圧力による力は、Ｓ７（ＰＡ−ＰＢ）
である。

さらに、流れる液体の密度をρ、体積流量をＱとし、流
入端面、流出端面では流速がそれぞれ−４様でＶＡ．Ｖ
Ｂであるとする。

このときには、であるから、単位時間当りに可動体系に
流入する運動量及びそれから流出する運動量は、それぞ
れ、である。

それで、運動法則により、であり、体積流量Ｑは、 である。

従つて、差圧（ＰＡ−ＰＢ）と弾性力Ｆとの測定で流量
Ｑが求められる。而して、式（１）はベルヌイの定理に
無関係に成立つので、流体の粘度には関係なく流量測定
ができる。

このようにして、演算回路１４に送られてくる信号を流
量に変換し流量指示計に示すものである。また、ベルヌ
イの定理が成立つ場合には、オリフイス流量計と同様の
理論により、ＳＢ／ＳＡ＝β２とすると、の関係がある
ので、差圧（ＰＡ−ＰＢ）の測定だけでも流量Ｑを求め
ることができる。

さらに、式（１）と（２）とから の関係が得られ、Ｆの測定だけでも流量Ｑを知ることが
できる。

なお、コーナータツプのオリフイス流量計は上流側のタ
ツプを含む断面において流速が一様でなく、可動オリフ
イス流量計には不適当である。

また、ＪＩＳ規格のオリフイス板では、下流側に縮流現
象があり、流出端面での流速が一様にならないので、可
動オリフイス板には不適当であり、そのため、本発明で
はオリフイス孔の流入側に丸みをつけたオリフイス板を
使用してある。本発明は叙上の如く構成されるので、本
発明によれば、流体の粘度に関係なく簡単な機構で流体
の流量が測定でき、且つ、オリフイス孔のエツジ部分が
摩耗しにくいため保守に人手がかからない便利な流量計
を提供することができる。

なお、本発明の構成は叙上の実施例に限定されるもので
なく、例えば差動変圧器の代りに抵抗線ひずみ計その他
の変位若じくは力の検出器を使用してもよく、筐体、可
動管、オリフイス板、その他の部分の形状、構成も本発
明の目的の範囲内で自由に変更できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明にかかる可動オリフイス流量計の一実施例
を示す説明図である。 １・・・・・・筐体、５・・・・・・可動管、６・・・
・・・ベローズ、７・・・・・・オリフイス板、９・・
・・・・差動変圧器、１３・・・・・・差圧検出器、１
４・・・・・・演算回路、１５・・・・・・流量指示計
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下記（ａ）から（ｆ）までに記載した構成要素を具
   備することを特徴とする可動オリフィス流量計。 （ａ）筐体。（ｂ）上記筐体内で摺動自在に支承された
   可動管。 （ｃ）上記可動管に取付けられたオリフィス板。（ｄ）
   上記可動管を筐体に弾性的に結合する可撓部材。（ｅ）
   上記オリフィス板の発生する差圧を検出する差圧検出器
   及び／又は上記可動管の軸方向変位を検出する変位検出
   器。 （ｆ）上記差圧検出器及び／又は上記変位検出器の出力
   信号に基づき流量を算出する演算回路。