JPS5950549B2 - スペアタイヤキヤリヤの保持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、トラック等のリヤ側下面に配設されるスペア
タイヤキャリヤの保持装置に関する。

従来、スペアタイヤキャリヤの保持装置としては例えば
実開昭５４−１４１６４２号公報のようなものもあるが
、このような保持装置の多くは、例えば第１図に示すよ
うに、車体のリヤ側クロスメンバー１に枢支された螺子
操作式ハンガークランプ２が主に用いられており、運行
安全上並列に２個設けられた上記ハンガークランプ２に
よって車体のフロント側クロスメンバー３に固定された
ステー４にその前方側ｆが枢支されたスペアタイヤキャ
リヤバー５の後方側ｒを着脱自在に保持するものである
。

即ち、スペアタイヤキャリヤの保持は、スペアタイヤキ
ャリヤバー５の後方側杆部６に上記２個のハンガークラ
ンプ２に対応してキャリヤ保持用ブラケット７を取り付
けておき、このブラケット７の切欠部８にハンガークラ
ンプ２を係合させ、ボルト締めで固定するようにしたも
のである。

しかしながら、このような従来の保持装置を用いてスペ
アタイヤキャリヤを保持する場合にあっては、螺子操作
によってハンガークランプ２をキャリヤ保持用ブラケッ
ト７に固定するものであるから、タイヤの着脱時に作業
者がタイヤの重量を支えながらしかも低姿勢で２個のハ
ンガークランプ２の螺子操作を行なうことは厄介な作業
であり、更に着脱作業に時間がかかるため作業性等が悪
かった。

本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、並設される２個のハンガークラン
プのうち、一方をスペアタイヤキャリヤバーの後方側杆
を係止するフックが常態において上方向にスプリングで
附勢されるような吊下げ機構で構成することによって、
タイヤの着脱時における煩雑な作業を解消しようとする
ものである。

以下添付図面に示すスペアタイヤキャリヤの保持装置の
一実施例に基づいて本発明の詳細な説明する。

第２図において示された保持装置は、従来と同一形式の
スペアタイヤキャリヤを保持する場合についての実施例
であり、このスペアタイヤキャリヤは、スペアタイヤキ
ャリヤバー５の前方側ｆを車体のフロント側クロスメン
バー３に固定されたステー４に枢支され、他方、スペア
タイヤキャリヤバー５の後方側ｒをリヤ側クロスメンバ
ー１に取り付けられた本発明に係る保持装置によって着
脱自在に保持されるものである。

なお９はタイヤを両側から挾み込んでスペアタイヤキャ
リヤからタイヤの脱落を防止するためのタイヤストッパ
ーである。

そしてこの実施例に係る保持装置は、車体のリヤ側クロ
スメンバー１に枢支された螺子操作式ハンガークランプ
２とこのハンガークランプ２と並列して上記リヤ側クロ
スメンバー１に取り付けられた吊下げ機構１０とからな
るものである。

ハンガークランプ２は従来のものと略同−形状であり、
リヤ側クロスメンバー１の後側面１１にハンガークラン
プ取付ブラケット１２を介して枢支されたハンガークラ
ンプ２の下部をスペアタイヤキャリヤバー５の後方側杆
部６に溶接で固定されたキャリヤ保持用ブラケット７の
切欠部８に係合してハンガークランプ２の下端のボルト
１３を締めつけることによって支持板１４をキャリヤ保
持用ブラケット７の下面に圧接固定するものである。

また吊下げ機構１０は、第３図に示すように、スペアタ
イヤキャリヤバー５の後方側杆部６を係止するフック１
５と、このフック１５を連結体１６を介して回動可能に
枢支する心棒１７と、この心棒１７を常態において上方
向へ附勢するスプリング１８とから構成されるものであ
る。

この心棒１７はリヤ側クロスメンバー１の後側面１１に
両側フランジ部１９，１９’がボルト２０等によって固
定された組付ブラケット２１の底面中央開口部２２に遊
挿しており、その上端に溶接等で固定したプレート部２
３と組付ブラケット２１の底面２４との間にスプリング
１８を介装している。

また組付ブラケット２１の底面２４より下方に位置する
心棒１７の下端部とこの下端部よりさらに下方に設けら
れるフック１５の上端部とは、夫々の両端部に穿設され
た孔２５．２５’を貫通するリング状の連結体１６によ
って回動可能に連結されている。

そしてフック１５の上下方向の位置はリングの大きさを
適宜に換えることによって調整でき、常態においてフッ
ク１５のかぎ状先端部は後方側杆部６より上方に位置し
ている。

尚、心棒１７とフック１５との連結は、上記の実施例に
限定されるものではなく、第４図に示すように心棒１７
の下端部とフック１５の上端部とを夫々の両端部の孔が
合致するように密接させ、両方の孔に連通させたピン２
６によって回動可能に連結させたものでもよく、またそ
の他適宜の連結手段によってもよい。

従って、上記のように構成される保持装置によってスペ
アタイヤキャリヤを保持する場合には、先ず、スペアタ
イヤキャリヤにタイヤを載置した後にスペアタイヤキャ
リヤバー５の後方側ｒを持ち上げて所定の位置で支持し
、スペアタイヤキャリヤバー５の後方側杆部６にスプリ
ング１８の力に坑して下方に引っ張ったフック１５を引
掛ける。

このときフック１５にはスプリング１８による上方への
附勢力が作用するから、フック１５は後方側杆部６にし
っかりと掛止してスペアタイヤキャリヤバー５を所定の
高さ位置で支持することになる。

このように吊下げ機構１０は、フック１５を後方側杆部
６に引掛けるだけの簡単な作業によってスペアタイヤキ
ャリヤバー５を支持するから、螺子操作という煩雑な作
業を要するハンガークランプ２を固定する際には、作業
者はタイヤの重量を支えることなく容易に作業を進める
ことかで゛きる。

すなわち、ハンガークランプ２を固定するには、キャリ
ヤ保持用ブラケット７の切欠部８にハンガークランプ２
の下部を係合させてボルト１３の絞め付けによって固定
するが、その作業時には、タイヤの重量はすでに吊下げ
機構１０によって支持されているから、作業者自身はタ
イヤの重量を支えている必要はないのである。

このようにしてスペアタイヤキャリヤは完全に保持され
、車両走行中にハンガークランプ２がキャリヤ保持用ブ
ラケット７から外れたような場合にあっても、吊下げ機
構１０の働きによってスペアタイヤキャリヤの脱落は免
れる。

即ち、ハンガークランプ２が外れた場合には、スペアタ
イヤキャリヤバー５の後方側ｒは下方に移動しようとす
るが、この移動に伴なって吊下げ機構１０も下方に移動
し、スプリング１８が最も短小した時にプレート部２３
がストッパーとして働き、スペアタイヤキャリヤバー５
の後方側ｒは適度な位置で停止し、走行中の車体の上下
振動によっても、スプリング１８の伸縮作用によってフ
ック１５からスペアタイヤキャリヤバー５は離脱しない
。

次にスペアタイヤキャリヤを保持装置から離脱する場合
について説明すると、先ず、ハンガークランプ２の下端
部のボルト１３を緩めてキャリヤ保持用ブラケット７か
ら外す。

こうすると、ハンガークランプ２を解除するための螺子
操作をしている間、タイヤの重量は吊下げ機構１０によ
って支持されており、作業が容易なものとなる。

そして、次に、吊下げ機構１０のフック１５を下方に引
っ張って外せばスペアタイヤキャリヤの離脱が完了する
。

この離脱作業においても螺子操作という煩雑な作業中は
吊下げ機構１０がタイヤ重量を支えているため極めて容
易なものとなり、他方、その後フック１５を引っ張りさ
えすればスペアタイヤキャリヤを容易に離脱させること
ができるのである。

第５図は、本発明の他の実施例を示すものであり、リヤ
側クロスメンバー１の下面２７に固定された組付ブラケ
ット２１′を介して吊下げ機構１０が設けられている状
態をあられす。

この実施例において、吊下げ機構１０は、スプリング１
８の上端部が組付ブラケット２１′の上端中央部から下
方に突出した爪部２８に係合し、このスプリング１８の
下端部とフック１５の上端部とはフック状の連結体１６
によって回動自在に連結されたものである。

フック１５は組付ブラケット２１′の下面に設けられた
開口部（図示せず）に遊挿されており、上部には前記開
口部より大きい径のストッパ一部２９が設けられたもの
である。

このフック１５は常態においてスプリング１８によって
上方向に附勢されており、スペアタイヤキャリヤバー５
の後方側杆部６にフック１５を係止する場合、並びに係
止したフック１５を外す場合には、上記実施例の場合と
同様にスプリング１８の力に坑してフック１５を下方に
引っ張ることによって可能となる。

また走行中に他方側の保持装置であるバンガークランプ
２がキャリヤ保持用ブラケット７から外れたような場合
にもストッパ一部２９の働きによってスペアタイヤキャ
リヤはフック１５に保持された状態を維持することがで
きる。

以上のように本発明に係るスペアタイヤキャリヤの保持
装置によれば、並列する２個の保持装置のうち、一方を
螺子操作式バンガークランプで、他方をスペアタイヤキ
ャリヤバーの後方側杆を係止するフックが常態において
上方向にスプリングで附勢されているような吊下げ機構
で構成するようにしたから、スペアタイヤキャリヤの保
持及び離脱時における螺子操作という煩雑な作業は、１
個のバンガークランプの螺子操作だけでよく、しかもそ
の螺子操作の作業中は常に吊下げ機構がタイヤの重量を
支えているから、作業者はタイヤの重量を支えることな
く容易に螺子操作を行うことができる。

また、吊下げ機構によってスペアタイヤキャリヤを保持
する場合には後方側杆部にフックを引掛けるだけでよく
、逆に、スペアタイヤキャリヤから吊下げ機構を外すに
はフックを引っ張って外すだけで良いものであり、吊下
げ機構の掛止、離脱は極めて簡単である。

従って、タイヤ着脱作業は極めて容易なものとなって、
作業時間を短縮することができ、他方、作業者自身がタ
イヤの重量を支えることがないので作業による疲労感を
軽減できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の保持装置によってスペアタイヤキャリ
ヤを保持している状態を示す斜視図、第２図は本発明に
係る保持装置の一実施例を用いてスペアタイヤキャリヤ
を保持している状態を示す斜視図、第３図は吊下げ機構
の一実施例を示す拡大斜視図、第４図は心棒の下端部と
フック上端部との連結方法の他の実施例を示す部分拡大
斜視図、第５図は吊下げ機構の他の実施例を示す説明図
である。 １・・・リヤ側クロスメンバー、２・・・バンガークラ
ンプ、３・・・フロント側クロスメンバー、５・・・ス
ペアタイヤキャリヤバー、６・・・後方側杆部、１０・
・・吊下げ機構、１５・・・フック、１６・・・連結体
、１７・・・心棒、１８・・・スプリング、２１．２１
’・・・組付ブラケット、２３・・・プレート部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スペアタイヤキャリヤバー５の前方側ｆを車体のフ
   ロント側クロスメンバー３に固定されたステー４に枢支
   し、他方上記スペアタイヤキャリヤバー５の後方側ｒを
   リヤ側クロスメンバー１に枢支された螺子操作式ハンガ
   ークランプ２により着脱自在に保持すると共に、スペア
   タイヤキャリヤバー５の後方側杆部６を係止するフック
   １５と、このフック１５を連結体１６を介して回動可能
   に枢支する心棒１７と、この心棒１７を常態において上
   方向へ附勢するスプリング１８とから成る吊下げ機構１
   ０をリヤ側クロスメンバー１に前記ハンガークランプ２
   と並設したことを特徴とするスペアタイヤキャリヤの保
   持装置。