JPS5949549B2 - 信号強度測定方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は雑音の中から微弱な信号を検出し、その信号強
度を測定する方式に関する。

たとえばオメガ信号の場合について考えると、送信局か
ら非常に遠い点で受信した場合、通常の受信器（帯域幅
数Ｈｚ〜数＋Ｈ２）ではＳ／Ｎが０ｄＢ以下になり、信
号強度に比例した大きさを持つ包絡線波形を再生するこ
とは困難となる。本発明はオメガ信号のような位相安定
度の良い信号に対し、Ｓ／Ｎの悪い領域においても、そ
の信号強度が測定できることを目的とする。第１図は本
発明の実施例で、１は信号入力端子、２はトラッキング
フィルタ、３は移相器、４は参照波発振器、５は加算器
、６はトラッキングフィルタ、Ｔは位相比較器、８は位
相比較出力端子である。

信号入力端子１に加えられた被測定信号は、トラッキン
グフィルタ２によつて入力信号の位相情報の中に含まれ
る雑音成分が取り除かれる。

Ｓ／Ｎが悪い状態においては、このトラッキングフィル
タの帯域幅を数十分の−Ｈ２から数百分ｏ…ｚ以下に狭
くする必要が生ずる。この要求を満足するトラッキング
フィルタ２はデジタルトラッキングフィルタによつて構
成されるのが普通であるが、このような構成ではその出
力には位相情報だけが現われて振幅情報は消失してしま
う。トラッキングフィルタ２から出力される位相情報は
移相器３に送られて、ここでθだけ位相を進ませる。す
なわち信号入力端子１に加えられた信号成分Ａｓｉｎｗ
ｔに対してθだけ位相の進んだ信号を生成する。参照波
発振器４は振幅一定の正弦波発振器であり、移相器３の
出力に同期して発振する。したがつてその出力はＢｓｉ
ｎ（ｗｔ＋θ）となる。次に加算器５によつて、入力端
子１に加えられた被測定信号と参照波発振器４の出力が
加算され、トラッキングフィルタ６によつて入力の雑音
成分が除かれる。なおこのトラッキングフィルタ６はト
ラッキングフィルタ２と同様のものである。したがつて
その出力には信号成分と参照波発振器出力が加算された
ものの位相情報が現われる。位相比較器Ｔではトラッキ
ングフィルタ２および６の出力を比較して、その位相差
を位相比較出力端子８に出力する。このような構成にな
つているので、信号の振幅（強度）は位相比較出力端子
８に現われる位相差の大きさにより求めることができる
。すなわち信号成分がＡｓｉｎｗｔとすれば参照波発振
器の出力はＢｓ１ｎ（ｗｔ＋θ）であるからこの両者を
加算すると、Ａｓｉｎｗｔ＋Ｂｓｉｎ（ｗｔ＋θ）＝ Ａ−１−ＢＣ０５θ）２ ＋（Ｂｓｌｎθ）２・ｓｉｎ
（ｗｔ＋α）ただしｔａｎα＝Ｂｓｉｎθ／（Ａ＋ Ｂ
ＣＯＳθ）となる。

信号の位相に含まれる雑音の影響はトラツキングフイル
タによつて除去できるので考慮しなくてよい。さて位相
比較器７で求めた位相差とは、この式から明らかなよう
にαである。すなわちαが求められればθとＢは既知で
あるから、入力信号成分の振幅Ａを求めることができる
。従つて位相比較出力端子８の出力は入力信号成分の振
幅Ａを示すものと言える。ここでは位相器３でθだけ位
相を進ませることにより説明を行なつてきたが、θだけ
位相を遅らせても同様であることはいうまでもない。以
上説明したように本方式を用いれば信号の強度を測定す
るのに位相情報のみを取り扱えばよく、Ａ−Ｄコンバー
タ等を用いることなくすべてデジタル回路をもつて実現
できるとともに雑音の量に無関係に信号の強度を測定す
ることができる。

したがつてオメガ信号のようなＳ／Ｎの悪い信号の電界
強度測定や電界強度が分かつているものについては、受
信系（特にアンテナ）の利得などが容易に測定できると
いう利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すブロツク図である。 １・・・・・・信号入力端子、２，６・・・・・・トラ
ツキングフイルタ、３・・・・・・移相器、４・・・・
・・参照波発振器、５・・・・・・加算器、７・・・・
・・位相比較器、８・・・・・・位相比較出力端子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 入力信号から離音成分を除去して信号成分を取り出
   す手段と、信号成分の位相よりθだけ位相の進んだ（ま
   たは遅れた）波形を発生させる手段と、入力信号と位相
   がθだけ進んだ（または遅れた）波形とを加算する手段
   と、加算された信号から雑音成分を除去する手段を有し
   、入力信号と加算された信号との位相差を測定する手段
   によつて入力信号の振幅を求めることを特徴とする信号
   強度測定方式。