JPS5948954B2 - はだ焼用鋼小型部材の強靭化法 - Google Patents
はだ焼用鋼小型部材の強靭化法Info
- Publication number
- JPS5948954B2 JPS5948954B2 JP3311179A JP3311179A JPS5948954B2 JP S5948954 B2 JPS5948954 B2 JP S5948954B2 JP 3311179 A JP3311179 A JP 3311179A JP 3311179 A JP3311179 A JP 3311179A JP S5948954 B2 JPS5948954 B2 JP S5948954B2
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- Japan
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- quenching
- case hardening
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- small
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- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明ははだ焼用鋼の小型部材を強靭化する改良された
熱処理方法に関する。
熱処理方法に関する。
はだ焼用鋼はニッケル、クロム、モリブデンなどを含有
した特殊鋼で、その浸炭処理又は浸炭窒化処理について
は日本工業規格(JIS)に規定されている。
した特殊鋼で、その浸炭処理又は浸炭窒化処理について
は日本工業規格(JIS)に規定されている。
それによると、先づ900〜930℃の温度範囲で浸炭
加熱又は浸炭窒化加熱した後、800〜900℃の温度
より油中又は水中に入れて急冷させる一次焼入れ処理、
次いで700℃と760℃との加熱温度の間を4回以上
加熱、徐冷を繰返す焼鈍処理、次いで780〜830℃
の温度範囲で再度焼きを入れる二次焼入れ処理の三工程
よりなつている。
加熱又は浸炭窒化加熱した後、800〜900℃の温度
より油中又は水中に入れて急冷させる一次焼入れ処理、
次いで700℃と760℃との加熱温度の間を4回以上
加熱、徐冷を繰返す焼鈍処理、次いで780〜830℃
の温度範囲で再度焼きを入れる二次焼入れ処理の三工程
よりなつている。
一次焼入れは浸炭加熱によつて粗大化した粒子を微細化
する目的で行われ、焼鈍処理は結晶粒界に析出した鋼状
セメンタイトを球状化して軟化させる目的であり、二次
焼入れは軟化した浸炭層を再び硬化させるためである。
する目的で行われ、焼鈍処理は結晶粒界に析出した鋼状
セメンタイトを球状化して軟化させる目的であり、二次
焼入れは軟化した浸炭層を再び硬化させるためである。
しかしながら、被処理部材が比較的大型で、浸炭深さが
十分必要なものでは有効であるが、厚さが5mm前後の
小型部材では硬度が上がりすぎて強靭性に欠ける欠点が
ある。
十分必要なものでは有効であるが、厚さが5mm前後の
小型部材では硬度が上がりすぎて強靭性に欠ける欠点が
ある。
例えば、組成が炭素(C)O、15%、ニッケル(Ni
)2.3%、クロム(Cr)O、3%のはだ焼鋼からな
る部材を、一次焼入れを850℃の温度より油中に入れ
て急冷させる処理、次いで焼鈍処理の後、二次焼入れを
800℃の温度より焼入れする処理にすると、通常の処
理部材ではビッカース硬度(HV)が350〜380で
あるのに対して、印字プリンタの打刻印字棒のような小
型部材ではビッカース硬度(HV)は400近くなり、
印字棒の打刻衝撃で破壊し易くなる。
)2.3%、クロム(Cr)O、3%のはだ焼鋼からな
る部材を、一次焼入れを850℃の温度より油中に入れ
て急冷させる処理、次いで焼鈍処理の後、二次焼入れを
800℃の温度より焼入れする処理にすると、通常の処
理部材ではビッカース硬度(HV)が350〜380で
あるのに対して、印字プリンタの打刻印字棒のような小
型部材ではビッカース硬度(HV)は400近くなり、
印字棒の打刻衝撃で破壊し易くなる。
本発明はこの様な脆弱性をなくすることを目的として、
はだ焼用鋼素材からなる小型部材を900〜930℃の
温度範囲で浸炭処理又は浸炭窒化処理を施し、次いで6
50〜730℃の温度範囲より30〜150℃の温度範
囲の油中又は水中に急冷して焼入れすることを特徴とす
るはだ焼用鋼小型部材の強、靭化法を提案するものであ
る。
はだ焼用鋼素材からなる小型部材を900〜930℃の
温度範囲で浸炭処理又は浸炭窒化処理を施し、次いで6
50〜730℃の温度範囲より30〜150℃の温度範
囲の油中又は水中に急冷して焼入れすることを特徴とす
るはだ焼用鋼小型部材の強、靭化法を提案するものであ
る。
次に本発明になる強靭化法についてさらに詳しく説明す
る。
る。
本発明になる処理方法は、例えば、上記したCo、15
%、Ni2.3%、Cr0.3%組成のはだ焼鋼からフ
なる印字棒部材をバッチ式熱処理炉に入れ、900℃、
10分間の浸炭窒化処理を行なう。
%、Ni2.3%、Cr0.3%組成のはだ焼鋼からフ
なる印字棒部材をバッチ式熱処理炉に入れ、900℃、
10分間の浸炭窒化処理を行なう。
雰囲気は一酸化炭素ガスとアンモニアガスとを主成分と
した混合ガスとする。次いで、アンモニアガスを止め、
一酸化炭素ガスだけの雰囲気にして、熱処理5炉を69
0℃に下げ、3分間保持し、その温度から60℃の油中
に焼入れする。次いで、150〜160℃のソルトバス
で焼戻しを行なう。第1図に本発明の温度変化図を示し
ており、1に示す900〜930℃の温度で、一酸化炭
素ガス又はメタンガス中に被処理部材を保持して、表面
より浸炭を行なう。
した混合ガスとする。次いで、アンモニアガスを止め、
一酸化炭素ガスだけの雰囲気にして、熱処理5炉を69
0℃に下げ、3分間保持し、その温度から60℃の油中
に焼入れする。次いで、150〜160℃のソルトバス
で焼戻しを行なう。第1図に本発明の温度変化図を示し
ており、1に示す900〜930℃の温度で、一酸化炭
素ガス又はメタンガス中に被処理部材を保持して、表面
より浸炭を行なう。
又、浸炭窒化処理は上記ガスにアンモニアガス又はシア
ンガスを混合した雰囲気中に保持する。次いで11に示
す650〜730℃の温度まで被処理部材の温度を下降
させた後、30〜150℃の油中又は水中に浸漬して急
冷させて焼入れを行なう。
ンガスを混合した雰囲気中に保持する。次いで11に示
す650〜730℃の温度まで被処理部材の温度を下降
させた後、30〜150℃の油中又は水中に浸漬して急
冷させて焼入れを行なう。
第2図は被処理部材の表面及びその近傍の表面よりの距
離と硬度の関係を示したもので、曲線Aが本発明の熱処
理による硬度分布で、曲線Bが従来の熱処理による硬度
分布を示している。図から明らかな様に本発明の熱処理
を行なうと表面の硬度はHV8OOと変らないが、0.
4〜0.6011nの内部は従来法ではHV4OOであ
つたが、本発明ではHV28O〜300と軟かい。した
がつて表面硬度は不変で、内部が軟かい強靭な部材が得
られ、耐摩耗性を保つて且つ部品の寿命を長くすること
になる。
離と硬度の関係を示したもので、曲線Aが本発明の熱処
理による硬度分布で、曲線Bが従来の熱処理による硬度
分布を示している。図から明らかな様に本発明の熱処理
を行なうと表面の硬度はHV8OOと変らないが、0.
4〜0.6011nの内部は従来法ではHV4OOであ
つたが、本発明ではHV28O〜300と軟かい。した
がつて表面硬度は不変で、内部が軟かい強靭な部材が得
られ、耐摩耗性を保つて且つ部品の寿命を長くすること
になる。
これは印字棒のような小型部材では900〜930℃の
温度範囲での浸炭又は浸炭窒化処理の時間が短かくて、
焼入温度も従来の850〜900℃よりもはるかに低い
650〜730℃の温度範囲であるために、鋼状セメン
タイトの結晶粒界への析出が少なく、粒2子内に固溶し
た炭素や窒素のみ考慮した焼入れでよいためと考えられ
、事実顕微鏡写真はこれを裏付けしている。
温度範囲での浸炭又は浸炭窒化処理の時間が短かくて、
焼入温度も従来の850〜900℃よりもはるかに低い
650〜730℃の温度範囲であるために、鋼状セメン
タイトの結晶粒界への析出が少なく、粒2子内に固溶し
た炭素や窒素のみ考慮した焼入れでよいためと考えられ
、事実顕微鏡写真はこれを裏付けしている。
ところで、本発明のような低い温度からの焼入れができ
る理由を考察すると、従来の肌焼鋼の処こ理では、部材
が長時間高温に保持されるために起こる結晶粒の粗大化
を破壊するための破壊工程(一次焼入れ)と、浸炭層の
焼入れ工程(二次焼入れ)からなつていた。
る理由を考察すると、従来の肌焼鋼の処こ理では、部材
が長時間高温に保持されるために起こる結晶粒の粗大化
を破壊するための破壊工程(一次焼入れ)と、浸炭層の
焼入れ工程(二次焼入れ)からなつていた。
しかし、本発明のような厚さ5mm程度の小型部材にお
いては、浸炭層を薄くする必要から加熱時間が短く、結
晶粒の粗大化が認められないから、一次焼入れを省くこ
とができる。
いては、浸炭層を薄くする必要から加熱時間が短く、結
晶粒の粗大化が認められないから、一次焼入れを省くこ
とができる。
且つ、一般に焼入れ温度はA3変態点より30〜50℃
程度高かめの温度に設定されるが、熱処理炉の中で高温
度より冷却して焼入れ温度に下げる場合と、再加熱した
場合とではA3変態点が異なつてきて、前者の場合は後
者の場合より100〜50℃程度低くなることが知られ
ている。
程度高かめの温度に設定されるが、熱処理炉の中で高温
度より冷却して焼入れ温度に下げる場合と、再加熱した
場合とではA3変態点が異なつてきて、前者の場合は後
者の場合より100〜50℃程度低くなることが知られ
ている。
そのため、一次焼入れを省いて高温度から熱処理炉中で
冷却して、焼入れする本発明の場合には、従来方法の再
加熱による焼入れ温度より低い温度、即ち、730〜6
50℃からの焼入れが可能になるものであります。
冷却して、焼入れする本発明の場合には、従来方法の再
加熱による焼入れ温度より低い温度、即ち、730〜6
50℃からの焼入れが可能になるものであります。
この様に本発明は小型部材に適切な熱処理と考えられる
が、特にニツケルを含有したニツケル、クロム鋼やニツ
ケル、クロム、モリブデン鋼は粒子の粗大化が抑圧され
るため極めて有効である。
が、特にニツケルを含有したニツケル、クロム鋼やニツ
ケル、クロム、モリブデン鋼は粒子の粗大化が抑圧され
るため極めて有効である。
本発明は従来法のような複雑な熱処理をする必要はなく
、又従来法では焼鈍処理のみでも約20時間という長時
間を要するが、本発明は処理時間が1〜2時間と短かく
て済み、燃料費・工数とも大巾に減少してコストダウン
となる。以上の様に、本発明は小型部材に適用して、強
靭性を増し、しかも安価に得られる実用価値の高いもの
である。
、又従来法では焼鈍処理のみでも約20時間という長時
間を要するが、本発明は処理時間が1〜2時間と短かく
て済み、燃料費・工数とも大巾に減少してコストダウン
となる。以上の様に、本発明は小型部材に適用して、強
靭性を増し、しかも安価に得られる実用価値の高いもの
である。
尚、上記説明は小型部材として印字棒を例としたが、寸
法精度の厳しい耐摩耗性を必要とする電気機械部品全般
に適用することができる。
法精度の厳しい耐摩耗性を必要とする電気機械部品全般
に適用することができる。
第1図は本発明の強靭化処理の温度・時間モデル図、第
2図は被処理部材の表面近傍の硬度分布図を示す。
2図は被処理部材の表面近傍の硬度分布図を示す。
Claims (1)
- 1 はだ焼用鋼素材からなる小型部材の熱処理に際し、
該小型部材を900〜930℃の温度範囲で浸炭処理又
は浸炭窒化処理を施し、次いで650〜730℃の温度
範囲より30〜150℃の温度範囲の油中又は水中に急
冷して焼入れすることを特徴とするはだ焼用鋼小型部材
の強靭化法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3311179A JPS5948954B2 (ja) | 1979-03-20 | 1979-03-20 | はだ焼用鋼小型部材の強靭化法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3311179A JPS5948954B2 (ja) | 1979-03-20 | 1979-03-20 | はだ焼用鋼小型部材の強靭化法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS55125227A JPS55125227A (en) | 1980-09-26 |
JPS5948954B2 true JPS5948954B2 (ja) | 1984-11-29 |
Family
ID=12377538
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3311179A Expired JPS5948954B2 (ja) | 1979-03-20 | 1979-03-20 | はだ焼用鋼小型部材の強靭化法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5948954B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58189368A (ja) * | 1982-04-28 | 1983-11-05 | Toyota Motor Corp | 高強度ステアリング用ピニオンギヤおよびその製造法 |
KR20030054284A (ko) * | 2001-12-24 | 2003-07-02 | 주식회사 포스코 | 표면경화 열처리시 마이크로 크랙 형성을 방지하는표면경화강 및 그 열처리방법 |
CN1295352C (zh) * | 2004-05-31 | 2007-01-17 | 张胜才 | 低碳中合金/高合金渗碳钢渗碳淬火方法 |
-
1979
- 1979-03-20 JP JP3311179A patent/JPS5948954B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS55125227A (en) | 1980-09-26 |
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