JPS5948649B2 - 溶媒蒸気回収方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガソリンペーパー回収方法に関し、特にガソ
リンペーパーを含む混合気体からガソリンペーパーを回
収する方法の改良に関する。

従来、ガソリンペーパー等の溶媒蒸気の回収方法や有害
ガスの分離除去方法等混合ガス中の特定ベーパを吸収液
に吸収させる方法において、該吸収済み吸収液の吸収能
力再生手段として、真空ストリッピングにより被吸収ベ
ーパを吸収液より蒸発分離する方法が採用されている。

第１図にその典型的なフローを示す。

第１図において、溶媒蒸気を含む混合ガスはライン５よ
り吸収塔１に入り、ライン８より供給される吸収液と気
液接触し、被吸収ベーパが吸収される。

被吸収ベーパを吸収した吸収液はライン７よりフラッシ
ュタンク２に入り、真空状態の中ヘフラツシュされる。

そこで吸収液に吸収されていた溶媒蒸気が蒸発気化する
。

気化した蒸気はライン９を通り、真空ポンプ３に吸引さ
れライン１０を経て回収設備１１に送られ、冷却・凝縮
・吸収又はその組合せによる方法で溶媒液として回収さ
れる。

このフローにおいて、吸収液の再生は、フラッシュタン
ク２内の圧力を真空ポンプ３で当該吸収液を再生しよう
とする蒸気圧まで減圧することによって行なわれている
。

このようにフラッシュタンク２を減圧し、高真空度にす
るためには真空ポンプを２段式真空ポンプあるいは高真
空用真空ポンプとする必要があり、設備費が高く、しか
も所要動力が犬で運転費も高くなる。

そして吸収液循環ポンプ４はその吸収揚程を確保するた
め、吸収揚程に見合うよう該ポンプ４をフラッシュタン
ク２より低い位置に設置するか、あるいはフラッシュタ
ンク２を該ポンプ４より高い位置に設置する必要がある
。

又、上記フローの場合、被吸収ベーパの全てを一旦吸収
液に吸収させ、その後フラッシュタンク２で該被吸収ベ
ーパの全てを真空ストリッピングし、最終的に回収設備
１１で冷却・凝縮・吸収等により回収するため、真空ポ
ンプおよび回収設備を大型のものとする必要がある。

そこで本発明者等は、前に提案した特願昭４９−８５０
７７号発明において、溶媒蒸気の回収に使用する装置を
そのまま吸収液の能力再生に利用する方法を開発し、第
１図のフローの欠点である被吸収ベーパの全てを一旦吸
収させて真空ストリッピングすることに関する欠点を解
消したが、新たに、高真空を必要とする欠点や、回収運
転と再生運転を交叉に行うため連続的回収運転ができな
い等欠点を生起した。

更に本発明者等は上記発明の欠点を解消するために、特
願昭５０−１２４０６１号発明を提案し、そこにおいて
、上記発明の再生運転のフローに改良を加えた。

すなわち、再生運転時に圧力制御を行い、再生塔である
第２吸収塔に第１吸収塔から出てくる比較的低濃度の混
合ガスを注入し、その混合ガス中の不活性ガスの分圧だ
け真空度を低くして（真空度を大気圧に近づけて）再生
する方法において、第１吸収塔の圧力を大気圧を越える
加圧状態とし該第１吸収塔から出てくる混合ガスの濃度
をより一層低くして再生塔である第２吸収塔に注入し、
該第２吸収塔内の真空度をより一層低くしても（真空度
をより一層大気圧に近づけても）濃度的に再生可能とし
、高真空度の場合と同等の再生能力を持たせた。

この発明により、第１図及び上記発明のフローで述べた
高真空度に関する欠点は解消したが、上記発明と同様回
収運転を連続して行うことができない欠点がある。

本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的は
、ガソリンベーパーを回収するに際して、（１）回収運
転を連続して行う、 （２）再生運転を不要とする、すなわち回収及び再生を
同時に行い、回収及び再生運転を交互に行う必要を解消
する、 （３）吸収液の真空ストリッピングにあたり高真空度を
不要とする、 （４）高真空度にしないことによりポンプの吸込揚程確
保を容易にする、 （５）高真空度にしないことにより大気漏れ込み防止対
策を容易にする、 （６）設備費の動力費を低減する、 にある。

本発明は、ガソリンペーパーを含む混合気体を、液体ガ
ソリンを吸収液とする第１吸収工程および重質油を吸収
液とする第２吸収工程の順に通過させてガソリンペーパ
ーを回収し、第２吸収工程から吸収液を抜出して再生工
程に導き大気圧以下にてガソリンペーパーを蒸発分離す
るガソリンベーパー回収方法において、上記第２吸収工
程から吸収液を連続的に抜出して上記再生工程に導くと
ともに、該再生工程に上記第１吸収工程通過後の混合気
体を導入し、第２吸収工程の吸収液の再生をガソリンペ
ーパーの回収と同時にかつ連続して行うことを特徴とす
るガソリンペーパー回収方法を要旨とするものである。

以下、第２図を用いて本発明の方法を詳細に説明する。

油槽所等で発生したガソリンペーパーと空気の混合気体
は、ライン１４を通って圧縮機１に導入され低圧に圧縮
される。

圧縮された混合気体はライン１．５を経て第１吸収塔２
の下部に送られる。

該第１吸収塔２には吸収液として液体ガソリンを上部の
ライン１７から供給する。

混合気体と吸収液は該塔２内で向流的に気液接触し、混
合気体中の大部分のガソリンペーパーが冷却・凝縮・吸
収され、吸収液と共に下方に落ち、ライン２１を経て回
収ポンプ８によりライン２０から系外に抜き出し、回収
されろ。

尚、ポンプ７はガソリン貯蔵タンク（図示せず）より吸
収液としてのガソリンをライン１９．１８より第１吸収
塔２に供給するもので、ガソリンクーラ６は吸収液であ
るガソリンを所定の温度に冷却するものである。

上記第１吸収塔２で大部分のガソリンペーパー液化回収
されるが、塔頂より出る混合気体には未凝縮ガソリンベ
ーパが含まれており、さらに回収するためにライン２２
．２３を経て第２吸収塔３に該塔３の下部から導入され
る。

第２吸収塔３には吸収液として冷却された重質油を上部
のライン２８から供給する。

混合気体と吸収液は該塔３内で向流的に気液接触し、上
記第１吸収塔２で回収されなかったガソリンペーパーさ
らに液化吸収される。

そして回収処理後の混合気体は塔頂よりライン３１、減
圧弁１３を経て大気に放出される。

ガソリンベーパ成分を吸収した重質油は若干飽和蒸気圧
が高くなり吸収能力が低下するため、吸収能力を再生し
循環使用する必要がある。

次にその再生循環のフローについて述べる。

ガソリン成分を吸収し吸収能力の低下した重質油は第２
吸収塔３の底部よりライン２６、減圧弁１１、ライン２
７を経て再生塔４の上部に導入される。

再生塔４の内部は真空ポンプ５の作用により真空状態と
なっており、このため重質油に吸収されたガソリン成分
（軽質炭化水素分）が蒸発気化し分離され、重質油の吸
収能力が再生される。

再生された重質油は塔底よりライン２９を経て重質油ポ
ンプ１０で重質油クーラ９に導入されて所定の温度に冷
却され、前記のライン２８から第２吸収塔３の上部に供
給され循環使用される。

一方再生塔４内で重質油より真空蒸発分離されたガソリ
ン成分は、ライン３０から真空ポンプ５に引かれライン
１６を経て前記の圧縮機１に送られライン１４から導入
されている混合気体と一諸に前記第１吸収塔２に導入さ
れ再度吸収処理される。

この時、再生塔４内の真空度を比較的大気圧に近づけ、
運転を容易にするために、第１吸収塔２頂部より出る低
濃度の混合気体の一部をライン２４、減圧弁１２、ライ
ン２５を鐸て再生塔４に注入する。

この操作により、注入された混合気体中の不活性ガスの
分圧だけ真空度を大気圧に近づけても高真空度と同等の
再生を行なわせることができる。

以上はガソリンベーパ回収装置として典型的なフローで
あるが、回収効率、運転条件によってはガソリンクーラ
６及び重質油クーラ９を省略することができる。

本発明の効果をまとめると次のようになる。

（１）回収運転を連続して行うことができる。

（２）再生操作において高真空度を必要としない。

（３）ガソリンペーパーの大部分が液体ガソリン中に吸
収されるため、再生塔及び真空ポンプは少量の蒸気を真
空ストリッピングするだけでよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の溶媒蒸気回収方法のフローシートを示し
、第２図は本発明方法のフローシートを示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガソリンペーパーを含む混合気体を、液体ガソリン
   を吸収液とする第１吸収工程および重質油を吸収液とす
   る第２吸収工程の順に通過させてガソリンペーパーを回
   収し、第２吸収工程から吸収液を抜出して再生工程に導
   き大気圧以下にてガソリンペーパーを蒸発分離するガソ
   リンペーパー回収方法において、上記第２吸収工程から
   吸収液を連続的に抜出して上記再生工程に導くとともに
   、該再生工程に上記第１吸収工程通過後の混合気体を導
   入し、第２吸収工程の吸収液の再生をガソリンペーパー
   の回収と同時にかつ連続して行うことを特徴とするガソ
   リンペーパー回収方法。