JPS5947943B2 - 回転速度信号検出器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は永久磁石を回転子とする電動機の回転速度信号
の検出器なかでも円筒状永久磁石の一方の円周面に着磁
された磁極列を回転トルクの発生のために利用し、他方
の円周面に着磁された磁極列を回転速度信号の検出のた
めに使用するきわめて簡素かつ経済的な速度検出器に関
するものである。

以下、本発明について実施例の図面と共に説明する。

第１図〜第６図は本発明の一実施例を示し、図中１は等
方性の磁石材料よりなる円筒状の回転子磁石であり、そ
の内周面にはその円周方向にｎ極の磁極列１Ａが順次電
磁されており、その外周面にはその円周方向にｍ（ｍ＞
ｎ）極の磁極夕１１Ｂが順次されている。

２は上記回転子磁石１が固定された磁石支持体、３は上
記磁石支持体２が固定されて支持ベース９の軸受部９Ａ
に回転自在に軸承された回転軸であり、上記回転子磁石
１は上記回転軸３により回転自在に支持されている。

４は上記支持ベース９の固定子取付部９Ｂに固定された
固定子であり、上記回転子磁石１のｎ極、の磁極列１人
に対向されている。

この固定子４は上記回転子磁石１のｎ極の磁極列１Ａに
作用して該回転子磁石１に回転力を与える巻線４Ａを有
している。

５は上記回転子磁石１０ｍ極の磁極列１Ｂに一定の間隔
をもって対向されたリング状の検出コイルであり、上記
ｎ極の各磁極ピッチに相応した角度位置にそれぞれ検出
用巻線を有するものである。

このリング状の検出コイル５は第６図に示すようにフレ
キシブルな帯状の絶縁シート１０上に検出用巻線として
の導体層１１Ａを設け、これら導体層１１Ａを接続用導
体層１１Ｂで連続させて波状に構成し、その両端の舌片
部１０Ａに出力端子としての導体層１１Ｃを設けたもの
である。

この検出コイル５を作製するにはエツチング法またはダ
イスタンプ法等の手法で絶縁シート１０上に導体層１１
Ａ、１１Ｂ、１１Ｃを設けることにより行なわれる。

６は上記検出コイル５を上記回転子磁石１０ｍ極の磁極
列１Ｂに対して一定の間隔をもってリング状に支持する
ための検出コイル用支持体であり、上記支持ベース９に
回転軸心と同心となるように固定された合成樹脂製の外
周リング６Ａと、この外周りング６Ａにビス８にて回転
軸心と同心となるように取付けられたアルミニウム製の
内周リング６Ｂとで構成されている。

ここで、上記検出コイル５は上記支持体６を構成する内
周リング６Ｂの外周面に接着されてリング状の形状に維
持され、その検出用巻線としての導体層１１Ａが上記回
転子磁石１０ｍ極の各磁極ピッチに相応した角度位置に
固定されるように上記回転子磁石１のｍ極の磁極列１Ｂ
に対して一定の間隔をもって対向される。

また、上記検出コイル５は第５図に示すようにその両端
の舌片部１０Ａが上記外周りング６Ａに設けた四部１２
より外周部位に引き出され、上記外周リング６Ａに設け
た突起１３の両側面に対向され、上記外周リング６Ａの
突起１３部分に植立した接続ピン１４Ａ、１４Ｂに半田
付けされている。

１は上記支持ベース９に固定された巻線処理基板であり
、その裏面の導体層７Ａは上記固定子巻線４Ａがリード
線１５でもって半田付けされ同様に上記検出コイル５に
接続されたピン１４Ａ、１４Ｂが半田付けされている。

このような構成において、回転子磁石１０回転力の発生
に必要な磁束の方向は、回転子磁石１の内周にｎ極着磁
された磁極Ｎより（Ｎ極−空隙−固定子凸部→固定子→
固定子凸部→空隙→Ｓ極−Ｎ極）の通路を通って一巡し
、同様に回転子磁石１０回転速度信号の発生に必要な磁
束の方向は、磁石回転子１の外周にｍ極着磁された磁極
Ｎ極より、（Ｎ極→空隙う支持リング→検出コイル→支
持すング→空隙→Ｓ極）の通路を通って一巡するように
なっている。

上記のような構成の回転速度信号検出器では次のような
利点を有する。

： 回転速度信号を検出するために、特にそのための別
の回転子を必要としていない。

すなわち、回転子磁石１の一方の円筒局面のｎ極の磁束
を回転力発生のために、他の一方の円筒局面のｍ極の磁
束を速度信号発生用に使用し、この種構成材料として高
価な永久磁石を共用している。

このため、回転速度信号検出器として簡素な構成となる
のみならずきわめて経済的である。

１１ 回転速度信号を検出するためには回転子磁石１
の径方向（本実施例では外周面）に回転速度信号のため
の着磁を行なっているため、その検出に当って、検出コ
イル５は径方向に配置すればよく、従って、この種検出
器の量産においては回転子磁石１の内外周面を所定精度
に研磨しておけば内外周のフレはかなり精度よく小さく
抑えることができる。

そのため、支持体６とともに検出コイル５を回転子磁石
１にかなり接近させることができ、量産において検出信
号のバラツキを小さく抑えることができる。

１［１検出コイル５は、支持体６を回転子磁石１と周対
向させるとともにサンドインチする構成であり、このよ
うな構成においては支持体６の材料としては非磁性体で
あればよく、一般には樹脂を薄く成形したものあるいは
薄い金属板を絞り加工したものを使用することができる
。

特に、銅板やアルミニウム板はきわめて薄くできるのみ
ならス構造を強固にできるためこの種の構成材料として
軽量かつ安価でありきわめて有用である。

ここに、検出器は電磁現象の利用とは言え、電気的出力
を得るのにあたかも支持体６の内周リング６Ｂでシール
ドしてしまいそうな形体ではあるが、用途として必要な
検出周波数が数Ｈｚ〜数１００Ｈｚの領域であるため、
支持体６の内周リング６Ｂの材料として銅やアルミニウ
ムのような金属材料を大いに活用し、機構精度を大いに
上げることができる。

また、支持体６の内周リング６Ｂとして上記したように
金属材料を使用する場合は、検出コイル５に対して外部
より混入する比較的高い周波数（数ＫＨｚ以上）の妨害
を未然に排除することができる。

つまり、内周リング６Ｂの局面の金属材料が、これら比
較的高い周波数に対して渦電流損を与えるため、本質的
に空間を介して高周波誘導あるいは電磁波妨害に対して
きわめて強い構成とすることができる。

１ｖ 検出信号の磁束源は、回転子磁石１の外周側に
あり、従って、回転力の発生に必要な磁束源の磁極数ｎ
に比べてｍを格段に大きくもってゆくことができる。

つまり、実施例ではｎ＝１６、ｍニア２の構成を示して
いるが、これは図示による理解を容易にするために示し
たにすぎず、ｍの値は回転子磁石１の外径の大きさＤと
、着磁装置の最小磁極幅等によって決定され、外径９０
〜１００朋の回転子磁石でもｍ”＝２００〜５００にと
ることも可能である。

従って回転速度信号としての出力周波数を大きくとるこ
とができるため、該出力信号を利用して固定子巻線の電
流を制御する場合、制御すべき電流のリップル周波数を
同様に高くとることができ、そのため、速度制御帰還系
のゲインを高くとることができ、負荷トルクの変化に対
する回転速度の変化を僅少にすることができ、また、起
動時の立上り特性あるいは外乱負荷変動に伴う速度制御
系の応答特性を大いに改善することができる。

尚、上記の実施例では外部引き出しピン１４Ａ。

１４Ｂで検出コイル５の両端を固定して該検出コイル５
が内周リング６Ｂの外周面に密接するようにしたが、こ
れ以外にも第７図に示すように検出コイル５にノイズキ
ャンセル用の導体層１１Ｄを設ける場合には外部引出し
ピン１４Ａ、１４Ｂを外周リング６Ａの突起１３の〜側
面に設け、上記突起１３の他の側面に固定ピンを設け、
これら各引き出しピン１４Ａ、１４Ｂ及び固定ピンを上
記検出コイル５の出力端子用導体層１１Ｃ及び固定用導
体層１１Ｅに半田付げすればよい。

以上のように本発明によれば、回転子磁石の局面を着磁
してこれを回転速度信号の検出のために利用することに
より、簡素カリ経済的な回転速度検出器を得ることがで
き、回転速度検出器の各構成部品の寸法精度を維持しや
すく、出力信号のバラツキを小さく抑えることができ、
また高周波誘導あるいは、妨害電磁波等の混入に対して
強い構造にすることができ、また−回転数当りの出力周
波数をかなり大きくとることができるなどの利点を有す
る。

しかも、検出コイルは非磁性体よりなる外周リングと内
周リングの二重構造の支持体の内周リングの外周面に巻
回し、その両端を上記支持体の外周リングに設けた凹部
より外部に引き出して上記外周リングの凹溝近傍に設け
た突起の両側面に対向させ、その突起部位に設けたピン
に接続するようにしたので、上記検出コイルの内周リン
グへの取付状態がより確実なものとなり、またピンとの
接続も突起があるために行ないやすいなどの利点を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の回転速度信号検出器の一構成例を示す
平面図、第２図はその正面図、第３図はその一部切欠側
断面図、第４図は第３図のＸ−マ線断面図、第５図はそ
の要部拡大斜視図、第６図は同検出器に使用される検出
コイルの平面図、第７図は同検出器に使用される検出コ
イルの他の構成例を示す平面図である。 １・・・・・回転子磁石、ＩＡ、ＩＢ・・・・・磁極列
、４ ・・・・固定子、４Ａ・・・・・固定子巻線、５
・・・・・・検出コイル、６・・・・・支持体、６Ａ・
・・・・外周リング、６Ｂ・・・・・内周リング、７・
・・・・配線処理基板、１０・・・・・絶縁シート、Ｉ
ＩＡ、ＩＩＢ。 １１Ｃ・・・・・導体層、１２・・・・・凹部、１３・
・・・・・突起、１４Ａ、１４Ｂ・・・・・ピン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一方の円筒局面にその円周方向にｎ極の磁極列を着
   磁し、他方の円筒局面にその円周方向にｍ極（但しｍａ
   ｎ）の磁極列を着磁した円筒状の回転子磁石と、上記回
   転子磁石のｎ極の磁極列と対向して固定された該回転子
   磁石に回転力を与えるための固定子巻線を含む固定子と
   、上記回転子磁石のｍ極の各磁極ピッチに相応した角度
   位置に各検出巻線素体を有しこれらを波状に連結するご
   とくなした検出コイルと、上記検出コイルが上記回転子
   磁石のｍ極の電磁極列に対して放射状となり、かつ上記
   検出コイルが上記回転子磁石のｍ極の磁極列に対して一
   定の間隙を持って局面対向されるように上記検出コイル
   をリング状に支持するための支持体とを具備し、上記回
   転子磁石のｎ極の磁極列は上記固定子の作用により回転
   力の発生に使用し、上記回転子磁石のｍ極の磁極列は上
   記支持体により支持された、検出コイルに回転速度信号
   を得るように構成すると共に、上記検出コイルは帯状に
   構成して非磁性体よりなる外周リングと内周リングの二
   重構造の支持体の内周リングの外周面に巻回し、その両
   端を上記支持体の外周リングの周壁に設けた凹部より外
   部に引き出して上記外周リングの凹部近傍に設けた突起
   の両側面に対向せしめ、その突起部位の近傍に設けた接
   続ピンに半田付けしたことを特徴とする回転速度信号検
   出器。 ２ 検出コイルはフレキシブルな帯状の絶縁シート上に
   検出用巻線としての導体層をコイル状に設けたものを使
   用したことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の回
   転速度信号検出器。