JPS5945124B2 - 眼鏡用フレ−ム

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【発明の詳細な説明】本発明は、力ロ熱することにより著しく収縮する金属材
料からなるレンズ枠を用い、レンズの固定しやすさを向
上させた眼鏡用フレームに関する。

［鏡フレームは、従来のプラスチック主体のものから、
金属フレームに移行している。

金属フレームの材料には、洋白、サンプラ、モネルメタ
ル等が使われてきたが、いずれの材料を用いても、メガ
ネレンズを固定させるのにたやすくできない。

近年メガネレンズの形はメガネのファッション化に伴い
種々の形のものが要求されるようになり均一な形のもの
を多量に作るわけにはゆかなくなった。

よって多品種のものを少量づつ、所望の形に円板状の元
のレンズから切り出してゆかねばならないので、球すり
機のようにあるパターンにあわせて切削器を上下左右前
後に動かして削ってゆかなければならない。

このような切削では精度には限りがあり、フレームにぴ
ったり合った形になりにくい。

よってフレームに切削したメガネレンズをはめるとき、
ぴったりと合わないことが多くその際には手でフレーム
の曲り具合を調節しながらレンズとフレームを合わせて
ゆき、固定させているのが現状である。

゛本発明は、Ｎｉ−Ｔｉが１＝１よりなる形状記憶性に
すぐれた金属材料を用いて、フレームにメガネレンズを
固定する際に多少の寸法誤差があっても、容易に固定で
きるようにすることを目的としてなされたものである。

すなわちフレームのレンズ枠を、加熱すると収縮するＮ
ｉ −Ｔｉ合金で作り、それを引き伸ばしてから、
レンズをはめ温度を変えるとレンズ枠は収縮してしっか
りとレンズを固定できるようになる。

よって従来のようにレンズ枠を手で調整することがなく
、容易にしかも強固にレンズを固定できるようになった
。

（実施例）Ｎｉ−ＴＩが１：１よりなる金属間化合物を用いて、眼
鏡用フレームを作製した。

Ｎｉ−Ｔｉが１：１よりなる金属間化合物はよく知られ
ているように、形状記憶性を有する合金である。

この記憶性にはマルテンサイト変態が関与しており変態
温度以上で得た形は一度、変態温度以下の温度において
失っても、再び変態温度以上に力ロ熱することによって
取り戻すことができる。

Ｎｉ−Ｔｉを１：１の組成にするためにＮｉ５５．１ｗ
ｔ％、Ｔｉ４４．９Ｗｔ％をアーク賠溶解で数度
溶かし、それをアーク炉で再度溶かし棒状にしたものを
、８００℃で熱間圧延して、厚さ１９罷の板に仕上げた
。

この板から１．９ｍｍ角の棒材を切り出し、さらに隅を
取って１．８ｍｍの円柱材に仕上げた。

この形状の材料を１０００℃で２５時間真空焼戻しを行
ない、炉冷したものを異形のダイスを用いて引き抜き力
ロエを行って、■溝のある１、６Ｘ１．６ｍｍの第１図
に示す形の柱材にした。

この柱材の歪を取るために再度１０００℃で２５時間真
空焼戻しを行ない、炉冷したものを研磨してメガネのレ
ンズ枠の材料を得た。

この材料に７．０％の引張り歪を与えて、温度サイクル
を与えると第２図のような曲線が与えられる。

すなわち常温で伸びを与えておいても、記憶効果により
力ロ熱すると縮むことが分る。

高温で収縮したものは常温にした時、熱膨張の分だけ収
縮し１サイクルで終えた時には６％収縮していた。

また第２図から、温度サイクルの最高値を１５０℃にし
ても、収縮は５％以上あることが分る。

このレンズ枠用線材に、７％の引張り歪を与えておき、
第３図のようにレンズの形に合せて曲げ接合部はロウ付
けした。

これにレンズを組み込みオーブン中に入れ１５０℃に力
日熱した後冷却するとレンズはレンズ枠にしつかり固定
できる。

固定具合を試す目的で、コンクリートの上に厚さＩＣｒ
ｒＬのゴムを敷いて１．５ｍの高さから１００回落した
が枠はレンズから離れなかった。

【図面の簡単な説明】

第１図は、Ｎｉ−Ｔｉ合金をレンズの枠周に加工した線
材を示す図。第２図は、引張り歪を与えたＮｉ−Ｔｉ合金の熱サイク
ル中の長さの変化を示す図。第３図は、レンズの形状に合せて曲げたレンズ枠を示す
図。

【特許請求の範囲】