JPS5942737B2 - マンガンノジユ−ルの酸浸出溶液からの有価金属回収方法 - Google Patents

マンガンノジユ−ルの酸浸出溶液からの有価金属回収方法

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JPS5942737B2
JPS5942737B2 JP54169653A JP16965379A JPS5942737B2 JP S5942737 B2 JPS5942737 B2 JP S5942737B2 JP 54169653 A JP54169653 A JP 54169653A JP 16965379 A JP16965379 A JP 16965379A JP S5942737 B2 JPS5942737 B2 JP S5942737B2
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cobalt
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acid leaching
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宏 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は大洋の海底に産出するマンガンノジュールに含
まれる価値の高い銅、ニッケルおよびコバルト(以下、
有価金属という)を有効に回収するために、マンガンノ
ジュールを硫酸、塩酸などの鉱酸で浸出し、酸浸出溶液
中に移行したそれら有価金属を効率よく分離回収する方
法に関するものである。
マンガンノジュールの湿式処理において、硫酸、塩酸あ
るいは亜硫酸浸出法、亜硫酸ガス吸収−水浸出法、塩化
水素焙焼−水浸出法では上記銅、ニッケル、コバルトな
どの有価金属はもちろん、遊離酸、鉄イオン、アルミニ
ウムイオンなどの不純物を含む酸浸出溶液が生成する。
この酸浸出溶液を処理して上記有価金属を回収する場合
、遊離酸を中和したり、鉄イオンやアルミニウムイオン
などの不純物を中和、沈殿除去するため、アルカリ物質
の添加が必要である。
このアルカリ物質としては炭酸カルシウム系のものが好
ましく、炭酸カルシウム系のものには石灰石、沈降性炭
酸カルシウムのほかに、マンガフノジュールの採掘時に
大洋の海底より同時に採取し得る石灰質深海底泥土が含
まれる。
深海海底泥土(海底堆積物)は一般に海底までの水深お
よび地域によってその組成は異なり、石灰質泥土(Ca
C03>30%)、珪質泥土(CaCO3く30係、珪
質分>30%)および赤粘土(珪質分〈30%、CaC
O3く30%)に大別され、深海底ではこれらの3種類
の堆積土が単独または互に混じり合って分布する。
これら泥土を構成する物質はカルサイト(CaCO3)
、アラゴナイト(CaCO3人石英および粘土鉱物(イ
ライト、力、d−IJ−1−イト、モンモリロナイトな
ど)である。
また、粒度は水深が大きい程小さい粒子が多く、水深5
,000m以上では1101t以下が50%以上を占め
るのが一般的である。
構成物質は陸上と異なり、コロイド成分が多く、微生物
の骸殻が含まれるなどして、陸上鉱物には見られない化
学反応性を示し、特に希薄な酸との反応性にすぐれ、中
和剤として優秀なものであることが確認された。
さらに、上記のマンガンノジュールの酸浸出溶液の処理
における遊離酸の中和、鉄イオンおよびアルミニウムイ
オンの除去、銅、ニッケル、コバルトなどの有価金属の
回収においても、石灰質深海底泥土の反応性のきわめて
すぐれていることが確認された。
一方、海底地質調査の進行とともに深海海底には膨大な
石灰質の海底泥土が存在していることが判明しており、
しかも、これら石灰質の深海底泥土ハ多くはマンガンノ
ジュールと共存している。
従って、エアーリフト法、水中ポンプ法などの採鉱方法
を採用すれば、これら深海底泥土はマンガンノジュール
との同時採掘が容易であり、しかも深海底泥土とマンガ
ンノジュールとの分離は両者の粒径が極端に異なるため
、揚鉱後の船上できわめて容易に実施でき、マンガンノ
ジュールと分離された深海底泥土は何ら後処理を必要と
することなく直ちに中和剤ないし沈殿剤として利用でき
る。
この石灰質深海底泥土は上述したように、微細で反応性
が高く、かつ該泥土中の不純物が金属水酸化物または酸
化物の結晶核となり、沈殿粒子の成長を促進し、沈殿物
の洲過性を良くすることができるので、マンガンノジュ
ールの酸浸出溶液の処理において、通常の石灰石よりは
るかに有利に利用することができる。
また、沈降性炭酸カルシウムは反応性においては深海底
泥土上回等であるが、価格はきわめて高価である。
マンガンノジュール中の有価金属の品位は低く、その1
例は次のごときものである。
銅 ニッケル コバルト wt% 0.8 1.0 0.2 このような低品位鉱をその賦存する中部太平洋から既存
の工業地帯まで遠距離海上輸送して製錬することは不利
であり、さらに処理後に副生ずる多量の残査の処理は困
難が予想される。
従って、マンガンノジュールからの有価金属の回収処理
は採掘海域周辺での製錬が最も望ましいと思われる。
その場合、中和剤ないし沈殿剤としてはマンガンノジュ
ールと併産しつる石灰質深海底泥土の利用が、陸上の石
灰石を粉砕して製錬基地まで輸送するよりも、あらゆる
点で有利である。
次に、マンガンノジュールの酸浸出溶液の処理工程は原
則的には次の順序となる。
すなわち、酸浸出溶液中には不用な遊離酸や価値のない
溶出鉄イオンが含まれるので上記有価金属の回収に先立
って、まず遊離酸の中和及び鉄イオンの除去工程が必要
である。
塩酸浸出液の場合にはこの炭酸カルシウム系アルカリ物
質を用いる中和処理において鉄イオンおよびアルミニウ
ムイオンに起因する水酸化物の難渥過性の間須があるが
、硫酸浸出液の場合には石膏が同時に生成し、分離しや
すいので容易に実施できる。
さらに、有価金属である匿、ニッケル、コバルトの分離
回収方法は基本的には次の如きものである。
け)低度回収処理 (a) 水酸化物または酸化物として取得する方法(
b) 硫化物として取得する方法 (c) セメンチージョンにより粗金属を取得する方
法 (2)高度回収処理 (d) 溶媒抽出−電解採取により高純度金属を取得
する方法。
採掘海域周辺での製錬の場合には電解採取は困難であり
、低度回収処理を採用せざるを得す、国内製錬の場合は
当然付加価値の高い高度回収処理が望ましいこととなる
低度回収処理においては製品の需要、沈殿剤の供給、価
格等より、(a)〜(c)の各方法は単独でなく、それ
らの組合せを考慮すべきである。
ニッケルおよびコバルトの回収は実質的に一体と考えて
よいので以下7種類の低度回収処理および1種類の高度
回収処理の計8種類の上記有価金属回収方法について述
べる。
次に述べる8種類の上記有価金属回収方法のうち、(1
)〜(7)の方法は低度回収処理に関するものであり、
(8)の方法は高度回収処理に関するものである。
(1)有価金属を水酸化物または酸化物として分離回収
する方法 マンガンノジュールの酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有
物質を添加しpHを3に調整することによって、鉄(l
[)イオンを除去する。
この場合、アルミニウムイオンの約20%も同様に除去
される。
さらに炭酸カルシウム含有物質を加えてpHを約5.5
とする。
p H5,5ではニッケルおよびコバルトの一部は沈殿
するが、不完全であるので、さらにpHを高め両者を完
全に沈殿させる。
その際炭酸カルシウム含有物質を加えてpHを高めるこ
とも不可能ではないが、反応速度が非常に小さいので実
用的ではない。
したがって、少量の消石灰、水酸化アルカリまたは炭酸
アルカリなどのアルカリ物質を加えてpHを5.5から
約8.0まで高め、銅、ニッケル、コバルトを水酸化物
または酸化物として含む混合マッドを得る。
マンガンノジュールの硫酸浸出液の場合には、炭酸カル
シウム含有物質による中和により、多量の石膏が混合マ
ットとともに沈殿するので、有価金属の濃縮効果は低い
よって、この場合には次の如き処理をするのがよい。
まず石膏粒子と有価金属水酸化物または酸化物沈殿粒子
とは粒径が極端に異なるので、微細な有価金属水酸化物
または酸化物粒子を木版により分離回収する。
しかし、この木版による両者の分離は完全ではなく、ま
た有価金属の回収率も70〜90%にすぎない。
よって、分離された石膏に付着した有価金属水酸化物ま
たは酸化物は、マンガン7ジユール浸出用の硫酸で石膏
を洗浄することにより容易に溶解回収する。
塩酸浸出液の場合は、生成する有価金属の水酸化物また
は酸化物の混合マッドの濾過性に難点はあるが、炭酸カ
ルシウム含有物質による中和により石膏が生成しないの
で、硫酸浸出液の場合と比較して、石膏分離工程を必要
とせずかつ有価金属の濃縮効果はきわめて高い特徴があ
る。
上記の処理により生成した有価金属の水酸化物または酸
化物の混合マッドは含水のままあるいは乾燥して製錬基
地に運搬し、これより次のごとき方法によって容易にそ
れぞれの高純度有価金属を分離回収することができる。
たとえば、上記混合マッドをアンモニア−アンモニウム
塩溶液で洗浄し、銅、ニッケルおよびコバルトをアンミ
ン錯体として選択的に浸出し、さらにこの浸出液を溶媒
抽出−電解採取法により処理して高純度の金属銅、ニッ
ケルおよびコバルトを得ることができる。
上記混合マッドは水酸化アルミニウムを含んでいるので
、アンモニア−アンモニウム塩溶液の浸出残渣は純度の
高い水酸化アルミニウムであり、これは各種のアルミナ
原料あるいはアルミニウム製錬原料として有効利用する
あるいはまた上記混合マッドを塩酸洗浄し、銅、ニッケ
・ルおよびコバルトを含む濃厚な塩化物溶液を得、これ
にアミン系の溶媒抽出を適用することにより銅はもちろ
ん一般には分離の困難なニッケルおよびコバルトの分離
回収も容易に実施できる。
引き続き、電解採取により高純度金属とすることができ
る。
さらに、また上記混合マッドを硫酸洗浄した場合には有
価金属の硫酸塩溶液が得られるので、銅はLIX64N
(General Mills社製)商品名)などのオ
キシム系の抽出試薬により、ニッケルおよびコバルトは
りん酸塩系の抽出試薬によりそれぞれ溶媒抽出し、さら
に電解採取と組合わせてそれぞれ高純度金属とする。
(2)銅を硫化物、ニッケルおよびコバルトを水酸化物
または酸化物として分離回収する方法マンガンノジュー
ルの酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有物質を加えてp
H2,5〜3として脱鉄(l[)イオンゝした後、例え
ば硫化水素を通じ、まず銅を選択的に硫化銅として分離
回収する。
アルミニウムイオン濃度が高い場合には、硫化銅を分離
した溶液に再び炭酸カルシウム含有物質を加え、p H
3,5〜4とし、はとんどのアルミニウムイオンを沈殿
除去する。
ついで、さらに炭酸カルシウム含有物質を加え、最終的
には消石灰、水酸化アルカリなどのアルカリ物質を加え
てpHを約8.0としてニッケルおよびコバルトを完全
に沈殿させ、両者の水酸化物または酸化物に富む混合マ
ッドを回収する。
なお、上記アルミニウムイオンを沈殿させる際、塩酸浸
出液の場合には硫酸浸出液の場合と異なり、石膏が生成
しないので、沈殿物は高純度の水酸化アルミニウムであ
り、これは上述したように、各種のアルミナ原料または
アルミニウム製錬原料として有効利用できる。
アルミニウムイオン濃度が低い場合は、アルミニウムイ
オンの沈殿分離工程とニッケルおよびコバルトの混合マ
ッド回収工程とを同時に行なうことが有利である。
これら両工程を別々に実施することは、処理液量が膨大
さなるマンガンノジュールの酸浸出溶液の処理では、巨
大な沈殿槽を多数必要とするので不利である。
マンガンノジュール採掘海域周辺での製錬の場合は上記
硫化銅およびニッケルとコバルトの水酸化物または酸化
物の混合マッドは国内の工業地帯に搬入し、最終製錬を
行ない、銅、ニッケルおよびコバルト金属とすることが
できる。
すなわち、硫化銅は既存製錬工場の転炉に投入して粗銅
とし、これを電解精製して電気銅とする。
ニッケルおよびコバルトの混合マッド(1上記(1)に
おいて述べた方法によって容易に高純度ニッケルおよび
コバルト金属とすると吉ができる。
(3)銅、ニッケルおよびコバルトを硫化物として分離
回収する方法 マンガンノジュールの酸浸出溶液より有価金属を硫化物
さして分離回収する方法はあとにつづく製錬工程への関
連から次の2通りの方法が考えられる。
すなわち、銅、ニッケルおよびコバルトを同時に硫化物
として沈殿回収する方法、またはまず銅のみを硫化銅と
して選択的に分離回収し、ついでニッケルおよびコバル
トヲ硫化物として分離回収する方法である。
以下、それぞれの方法について述べる。
マンガンノジュールの酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有
物質を加えることによってpHを調整して脱鉄(I)イ
オンする工程は以下の各方法において共通である。
まず硫酸浸出液から溶存する上記有価金属を硫化沈殿に
より回収する方法について述べる。
硫化水素を用いる硫化沈殿法においては加圧硫化水素を
用いれば、銅、ニッケルおよびコバルトを同時に沈殿さ
せ、混合硫化物が得られる。
特にニッケルおよびコバルトの硫化沈殿において両者の
沈殿率を支配する因子は溶液のpHと硫化水素分圧であ
る。
また沈殿速度、沈殿の結晶性の良否に対しては反応温度
が著しい影響を及ぼす。
温度が高い程沈殿速度は速く、また結晶性もよい。
30分程度でニッケルきコバルトの高沈殿率を得ること
のできる温度は60℃以」二、硫化水素分圧は1気圧、
好ましくは2気圧以上である。
硫化水素を用いると、次式のように硫化沈殿に伴って Me2++H2S=McS+2H+(Me : Cu
Ni、Co) 溶液中に放出される水素イオンのため、pHが著しく低
下し、高収率でニッケルおよびコバルトを回収すること
は実質的に困難である。
しかし、マンガンノジュールの硫酸浸出液の場合には、
多量に硫酸イオンが共存するので、次式のように硫酸水
素イオンの生成によるpH緩衝作用が大きい。
H++S 02− =H804 そのため、相当量の銅イオンが共存しても、加圧硫化水
素を用いると、銅、ニッケル及びコバルトを同時に硫化
物として沈殿させることができる。
常圧の硫化水素を用いる場合には、上記の有価金属と等
モル量の炭酸カルシウム含有物質またはアルカリ物質を
硫化水素と併用すれば、銅、ニッケルおよびコバルトを
同時に沈殿させ、混合流化物を得ることができる。
この場合、炭酸カルシウム含有物質を用いた場合には多
量の石膏が共沈するので、混合マッドの硫化物品は塩酸
浸出液の場合より相当低い。
共沈した石膏と混合硫化物を分離するには水滴または浮
遊選鉱を適用する。
さらに、また硫化沈殿剤として硫化ナトリウムのような
可溶性硫化物を用いる場合には、同じく銅、ニッケルお
よびコバルトを同時に沈殿させ、混合硫化物を得ること
ができる。
この場合中和のための炭酸カルシウム含有物質を添加す
る必要がなく混合マッド中には石膏が混じらないので、
銅、ニッケルおよびコバルトの品位が高くかつ回収がき
わめて容易である。
以上は、銅、ニッケルおよびコバルトを同時に硫化物と
して分離回収する場合であるが、次に銅を選択的に硫化
物として沈殿回収し、ついでニッケルおよびコバルトを
混合硫化物として沈殿回収する場合について述べる。
この場合、硫酸浸出液を中和、脱&l[)イオンした後
、溶液に硫化水素を通じて銅を選択的に硫化鋼として沈
殿回収する。
しかしながら、硫化銅を分離した溶液からニッケルおよ
びコバルトを硫化物として回収する方法は次のごとく(
5)、(B)の両方法に大別され、囚方法はさらにいく
つかの方法に分かれる。
すなわち、囚 硫化銅の沈殿において生成する遊離硫酸
を炭酸カルシウム含有物質により中和し、ニッケルおよ
びコバルトの硫化沈殿を行なう方法(a) 可溶性硫
化物を用いる方法 (b) 硫化水素を用いる方法 (1)加圧硫化水素を用いる方法 (11)常圧硫化水素を用いる方法 (イ)硫化水素を直接導入する方法 (ロ)硫化水素を炭酸カルシウム含有物質と併用する方
法 (a)の可溶性硫化物を用いる方法は可溶性硫化物が入
手しつる場合は合理的に実施できる。
(b)の硫化水素を用いる方法は次のごとき特徴を有す
る。
(1)の加圧硫化水素を用いる方法は沈殿速度が速く、
沈殿率も高い利点があるが、オートクレーブが必要であ
る。
この方法は銅、ニッケルおよびコバルトを同時に硫化物
として沈殿させる場合に用いる。
(11)の常圧硫化水素を用いる場合、(イ)の硫化水
素を直接導入する方法では硫化沈殿の開始に30分以上
の誘導期間が存在し、かつ沈殿速度が若干遅い。
(D)の硫化水素を炭酸カルシウム含有物質と併用する
方法では上述したように、副生ずる多量の石膏のため硫
化物の品位は低い。
(B) 炭酸カルシウム含有物質により遊離硫酸を中
和するとともに、ニッケルおよびコバルトが水酸化物ま
たは酸化物として沈殿しない程度にp′Hを4近くまで
高め、アルミニウムイオンの大部分を沈殿させ、その場
合生成する石膏と水酸化アルミニウムの混合物を分離後
、ニッケルおよびコバルトの硫化沈殿を行う方法。
この方法では以上のようにアルミニウムイオンを沈殿さ
せるのであるが、それはアルミニウムイオンが共存する
と、次の反応により硫酸錯イオンを形成し、溶液中の硫
酸イオンを固定するため A13++5oi−−Ai so4+ Axso4++so、p 二Al(504)2一硫化
沈殿にともなう硫酸塩の緩衝作用が低下すからである。
アルミニウムイオンを除去しても、なおマンガンなどの
硫酸塩が共存するので、pH緩衝能は十分大きい。
アルミニウムイオンを除去すると、溶液のpHが上昇し
、ニッケルおよびコバルトの硫化沈殿における誘導期間
が消滅し、ただちに硫化沈殿が始まり、沈殿速度も速く
、沈殿率も十分大きい。
次に、塩酸浸出液から溶存する上記有価金属を硫化沈殿
により回収する場合には、銅、ニッケルおよびコバルト
と等モル量程度の炭酸カルシウム含有物質の存在下に硫
化水素を通じるか、または可溶性硫化物を加えることに
よって、銅、ニッケルおよびコバルトを同時に沈殿させ
、混合硫化物として分離回収することができる。
その際の炭酸カルシウム含有物質の添加方法としては、
当初より全量を加えてもよく、また適宜分割して加えて
もよく、さらにまた硫化物の沈殿速度に見合って分割し
て加えてもよい。
また、塩酸浸出液から上記有価金属を選択分離する場合
には硫化沈殿を次のように実施する。
すなわち、硫化水素を通じて銅を選択的に硫化銅として
分離回収し、ついでこの溶液に上記硫化銅の沈殿により
遊離する塩酸と等モル量の炭酸カルシウム含有物質を加
えて中和し、さらに溶存するニッケルおよびコバルトと
等モル量の炭酸カルシウム含有物質の存在下でさらに硫
化水素を通じるか、または等モル量の可溶性硫化物を加
えることにより、ニッケルおよびコバルトを混合硫化物
として同時に分離回収する。
以上のいずれかの方法により得られる硫化物はさらに、
たとえば次のように処理される。
硫化銅単味の場合は、以下に述べる方法によって金属銅
とすることができるし、また、上述したように、既設の
銅製錬工場で容易に電気銅とすることができる。
銅、ニッケルおよびコバルト混合硫化物あるいはニッケ
ルおよびコバルト混合硫化物は酸素加圧硫酸浸出により
銅、ニッケルおよびコバルトを含む硫酸塩溶液とするか
、アンモニア−アンモニウム塩溶液による酸素加圧浸出
により、銅、ニッケルおよびコバルト、またはニッケル
およびコバルトのアンミン錯イオン溶液さすることがで
きる。
これにより、溶媒抽出−電解採取法によりそれぞれの高
純度金属を得ることができる。
(4)銅を硫化物、ニッケルおよびコバルトヲ粉末金属
として分離回収する方法 マンガンノジュールの酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有
物質を加えて中和、脱鉄(III)イオンし、硫化水素
を通じて銅を選択的に硫化銅として分離回収する。
この工程は上述したように、常圧の硫化水素により容易
に実施できる。
硫化銅を分離した溶液にさらに炭酸カルシウム含有物質
を加え、硫化銅の沈殿において生成した遊離酸を中和す
るとともにアルミニウムイオンをほぼ完全に沈殿除去す
る。
アルミニウムイオンは少量でも存在すると次のニッケル
およびコバルトのセメンチージョン反応を著しく妨害す
るので、その残存濃度を15p11+11.好ましくは
5ppI11以下まで低下させる必要がある。
アルミニウムを除去した酸浸出溶液の温度60℃以上に
保って、当量以上の金属鉄または鉄−マンガン合金を加
え、さらに硫酸や塩酸などの鉱酸を加えて溶液のpHを
約5以下に保持しつつ、ニッケルおよびコバルトを粉末
金属として沈澱させ、分離回収する。
温度が60℃未満ては、ニッケルおよびコバルトのセメ
ンチージョン速度は非常に低下する。
また、セメンチージョンにおいて鉱酸を加えつつ、溶液
のpHを5以下に保持する操作はきわめて重要であり、
これを実施しないと、金属鉄や高炭素鉄−マンガン合金
ではセメンチージョンが実質的に進行しない。
これは溶液のpHが5を超えると、金属表面に酸化物ま
たは水酸化物の皮膜が形成され、ニッケルやコバルトイ
オンが金属表面に到達できないためであると思われる。
逆に、pHを非常に低く、例えば2以下とした場合では
、セメンチージョンは高率で進むが、原料の金属鉄や鉄
−マンガン合金が酸に溶解する副反応が激しく、実用的
ではない。
この方法において分離回収された硫化銅はすでに述べた
方法により、容易に金属銅とすることができる。
さらに、沈殿した粉末金属は未反応の鉄や鉄−マンガン
合金とニッケルおよびコバルト金属の混合物であるが、
これはそのまま合金原料とするか、または、酸やアンモ
ニア−アンモニウム塩溶液に溶解し、これらの溶液から
すでに述べたような溶媒抽出−電解採取法を用い、ニッ
ケルおよびコバルトの高純度金属を得ることができる。
(5)銅を粉末鋼、ニッケルおよびコバルトを水酸化物
または酸化物として分離回収する方法。
マンガン7ジユールの酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有
物質を加えて中和、脱鉄(I)イオンし、次いで金属鉄
を加えて沈殿銅を分離回収する。
この銅のセメンチージョン工程は銅の硫化沈殿と同様に
容易に実施できる。
沈殿銅を分離回収した溶液から、さらに、ニッケルおよ
びコバルトを水酸化物または酸化物として回収する方法
は、次の2通りである。
■ 炭酸カルンウム含有物質を加えて、アルミニウムイ
オンとニッケルおよびコバルトイオンの大部分を沈殿さ
せ、さらに消石灰、苛性アルカリ、炭酸アルカリなどの
アルカリ物質を加えてニッケルおよびコバルトイオンを
水酸化物または酸化物として完全に沈殿させる方法。
■ まず炭酸カルンウム含有物質を加え、空気を吹込み
、アルミニウムイオンおよび鉄イオンを沈殿除去し、つ
いで炭酸カルシウム含有物質および上記アルカリ物質を
併用してニッケルおよびコバルトを水酸化物または酸化
物として完全に沈殿させる方法。
まず、硫酸浸出液の場合は前記(1)の有価金属を水酸
化物または酸化物として分離回収する方法において述べ
たと同様の方法で実施する。
上記■の方法では多量の石膏、水酸化アルミニウムがニ
ッケルおよびコバルトの水酸化物または酸化物の混合マ
ッドと共沈するので、ニッケルおよびコバルトの品位は
■の方法の1/3以下テアル。
これはマンガンノジュールの硫酸浸出液にはアルミニウ
ムイオンがニッケルおよびコバルトと同等以上、極端な
場合は数倍程度も含まれ、中和当量数で比較すると10
倍に達する場合もあるためである。
したがって、この場合は上記(1)において述べたと同
様に水筆を組合わせてニッケルおよびコバルトの品位を
高める工程がぜひ必要である。
■の方法では、上述したように炭酸カルシウム含有物質
を加えてあらかじめアルミニウムイオンを沈殿除去する
ので、次の工程で得られるニッケルおよびコバルトの水
酸化物または酸化物よりなる混合マットの品位を極端に
低下させることはない。
次に、塩酸浸出液の場合には、ニッケルおよびコバルト
と共沈するのは水酸化アルミニウムのみであり、■の方
法を適用しても、ニッケルおよびコバルトの水酸化物ま
たは酸化物混合マッドの品位を極端に低下させることは
ない。
ニツケルおよびコバルトの精製工程におG)で両者の高
純度金属を回収しつつ、水酸化アルミニウムをも取得で
きるので、マンガンノジュールの高度利用ができる。
■の方法ではアルミニウムイオンの除去工程において水
酸化アルミニウムを得ることができる。
さらにまた濾過性は硫酸浸出液の場合に生成するものよ
り劣るが、ニッケルおよびコバルトの水酸化物または酸
化物の混合マッドの品位は非常に高い。
以上の方法で得られる粉末銅は硫化銅の場合と同様に銅
製錬工場の転炉に装入するのが合理的である。
また、ニッケルおよびコバルトの水酸化物または酸化物
の混合マッドは、すでに述べた方法で容易に処理できる
(6)銅を粉末銅、ニッケルおよびコバルトを硫化物と
して分離回収する法 マンガンノジュールの酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有
物質を加えて中和、脱鉄(I)イオンし、ついで金属鉄
を加えて銅を粉末鋼として沈殿させる。
この粉末銅を分離回収し、引き続いて前記(3)におい
て述べた各種の方法により、ニッケルおよびコバルトを
混合硫化物として分離回収する。
以上の方法で得られる粉末銅とニッケルおよびコバルト
の混合硫化物とはそれぞれすでに述べた方法で容易に処
理できる。
(力 銅、ニッケルおよびコバルトを粉末金属として分
離回収する方法 マンガン7ジユールの酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有
物質を加えて中和、脱鉄(l[)イオンし、ついで、前
記(5)において述べたと同様に金属鉄を加えて銅を粉
末銅として沈殿させ、この沈殿鋼を分離した後、再び上
記炭酸カルシウム含有物質を加え、かつ空気を吹き込み
、アルミニウムイオンおよび鉄イオンを沈殿除去し、前
記(4)の方法において述べたと同様にニッケルおよび
コバルトに対し、当量以上の金属鉄または鉄−マンガン
合金を加え、pHを5引下に制御してニッケルおよびコ
バルトを粉末金属として分離回収する。
以上の方法で得られる粉末銅とニッケルおよびコバルト
の粉末金属とはそれぞれすでに述べた方法で容易に処理
できる。
(8)溶媒抽出を利用して銅、ニッケルおよびコバルト
を分離回収する方法。
マンガンノジュールの酸浸出溶液に炭酸力ルンウム含有
物質を加えて中和、脱鉄(I)イオンし、ついでLIX
64N(前出)などのオキンム系またはKELEXI
OO(Ash I and Chemi ca 1社製
、商品名)などのオキノン基の錯形成金属抽出試薬を含
む有機抽出溶媒により、まず銅を選択的に抽出分離し、
その際放出される水素イオンの中和およびアルミニウム
イオンの除去は上記炭酸力ルンウム含有物質をさらに添
加することによって行なう。
アルミニウムイオン除去後、アンモニア−炭酸アンモニ
ウム混合溶液を加えて残存アルミニウムイオンおよびマ
ンガンイオンの除去を行なうとともに、ニッケルおよび
コバルトをアンミン錯イオンとし、ついで空気、酸素な
どによりコバルトを3価のアンミン錯イオンとするか、
亜硫酸塩を少量存在させ、上記オキシム系抽出試薬を含
む溶媒によりニッケルを選択的に分離回収する。
残存するコバルトが多量の場合にはさらにVER8AT
ICACID(She I 1社製、商品名)などのカ
ルボン酸系の抽出試薬により分離回収する。
以上のように抽出分離された銅、ニッケルおよびコバル
トはさらに電解採取法によって高純度金属とすることが
できる。
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例によ
って限定されるものではない。
なお、実施例においては炭酸カルシウム含有物質として
マンガンノジュール採取時に同時に得られた石灰質深海
底泥土を使用した。
実施例 1 北緯10°18′、西経170°50′、海面下4,5
50mより採取したマンガンノジュール(金属含有率、
銅0.22重量係、ニッケル0.40 tly、コバル
ト0.32係、マンガン12.2係、鉄15.3係)5
00Iを90°C11の3.3N硫酸で浸出し、次の組
成の硫酸浸出液を得た。
次に、上記硫酸浸出液にマンガンノジュール採取時に同
時に得られた深海底泥土(炭酸カルシウム含有量93.
5fO1乾燥基準)を乾燥したものを90℃で加え、鉄
(I)イオンを沈殿除去した。
その結果を第1表に示す。
第1表に示すように、pH3,0において、鉄(I)イ
オンをほとんど全量除去することができた。
その際、アルミニウムイオンの約20係も除去された。
これらの沈殿を炉別した後、深海底泥土を加えてpH5
,5とし、更に苛性ソーダ溶液を加えて約pH8,0と
して浸出液中の上記有価金属を水酸化物または酸化物と
して沈殿させた。
得られた沈殿物の組成は次の如くであった。
この沈殿物は66係の石膏を含むので、粒径の差を利用
してデカンテーション操作を3回繰返すことにより、石
膏の約70係を分離し、金属水酸化物の82係を回収し
、次の組成の混合マッドが得られた。
石膏に付着した18係の金属水酸化物は浸出用硫酸によ
り回収率98係で溶出されマンガンノジュールの硫酸浸
出液に戻された。
次に、前記硫酸浸出の場合と同一のマンガンノジュール
500gを90℃で11の3.5N塩酸で浸出し、次の
組成の塩酸浸出液を得た。
この塩酸浸出液に前記硫酸浸出の場合と同一の深海底泥
土(乾燥)を90℃で加え、pH2,0とし、第2表に
示すように、脱鉄(III)イオンした。
沈殿を炉別した後、深海底泥土を加えpH5,5とし、
更に苛性ソーダ溶液を加えてpH8,0として浸出液中
の上記有価金属を水酸化物または酸化物として沈殿させ
た。
得られた沈殿物の組成は次の如くであった。
実施例 2 実施例1と同一のマンガンノジュールを使用し実施例1
と同一条件で得た硫酸浸出液11に実施例1と同一の深
海底泥土(乾燥)81.5gを加えpH3とし、鉄(I
I)イオンを沈殿除去した後、同温度で硫化水素を吹き
込んで銅を選択的に硫化銅として1.4g分離回収した
硫化銅を分離後90℃で再び深海底泥土を1.6g加え
て遊離酸を中和し、さらに第3表に示すように、深海底
泥土17.、V9を加えてpHを383とし、アルミニ
ウムを水酸化物として沈殿除去した。
この水酸化アルミニウムを分離後、さらに深海底泥土を
加えて第4表に示すように、PH5,5までニッケルお
よびコバルトを沈殿させ、最終的には実施例1と同様に
苛性ソーダ溶液を加えてpH6,52とし、ニッケルお
よびコバルトに富む水酸化物または酸化物よりなる混合
マッドを分離回収した。
得られたニッケルおよびコバルトを含む混合マッドの組
成は次の如くであった。
この沈殿物は多量の石膏を含むので、実施例1と同様に
木版して石膏の約70係を分離し、金属水酸化物の80
係を回収し、次の組成の混合マッドを得た。
石膏に付着した20係の金属水酸化物は、浸出用硫酸に
より回収率98係で溶出されマンガンノジュールの硫酸
浸出液に戻された。
実施例 3 本実施例は、銅、ニッケルおよびコバルトを同時に硫化
物として沈殿回収する場合の1例と、まず銅を硫化銅と
して選択的に分離回収し、ついでニッケルおよびコバル
トを硫化物として分離回収する場合の2例を含む。
(I) 実施例1と同一のマンガンノジュールを使用
し、実施例1と同一条件で処理して得た硫酸浸出液11
に実施例1と同一の深海底泥土(乾渕を加えて鉄(1)
イオンを除去した後、さらに深海底泥土を加えてpHを
2〜3の範囲に調整し90℃で硫化水素を吹き込み、銅
、ニッケルおよびコバルトを同時に混合硫化物として分
離回収した。
得られた混合硫化物の金属組成を次に示す。また、上記
金属硫化物沈殿生成のためのpHの調整に苛性ソーダ溶
液を使用すると、次に示す純度の高い金属組成の混合硫
化物が得られた。
(n) 実施例1と同様に処理して得られた鉄(Il
l)イオン除去硫酸浸出液に90℃で硫化水素を吹き込
みまず銅を硫化銅として選択的に分離した。
得られた硫化銅マッドは乾燥基準で銅含有量が60係で
あった。
硫化銅を分離した浸出液はpHが低下しているので、こ
れに深海底泥土を加えpHを再び30として、生成石膏
を分離した後深海底泥土を加えてpHを一定にしながら
硫化水素を吹き込みニッケルおよびコバルトを混合硫化
物として沈殿分離した。
得られた混合硫化物の金属組成を次に示す。
また、上記ニッケルおよびコバルトを硫化物とする時の
pH調整に苛性ソーダ溶液を使用すると、次に示す純度
の高い金属組成の混合硫化物が得られだ。
(I) 実施例1と同様に処理して得られた鉄@)イ
オン除去硫酸浸出液に90℃で硫化水素を吹き込み、ま
ず銅を硫化銅として選択的に分離した。
硫化銅を分離した浸出液に再び深海底泥土を加え、pH
を30として生成石膏を分離した後、オートクレーブに
入れ、90°CにてS atm下で硫化水素によってニ
ッケルおよびコバルトを混合硫化物とした。
得られた混合硫化物の金属組成を次に示す。
実施例 4 実施例1と同一のマンガン7ジユールを使用し、実施例
1と同一条件で得た硫酸浸出液11に、実施例1と同一
の深海底泥土を加え、pH3,0として鉄(1)イオン
を除去し、ついで硫化水素を吹き込み、銅を硫化銅とし
て沈殿分離した。
この硫化銅を分離した後、再び深海底泥土を加えpH4
,5としてアルミニウムを5 ppmまで除去し、浸出
液中のニッケルおよびコバルトの当量の1.75倍当量
相当の還元鉄2.4gを加え、稀硫酸溶液を加えつつp
Hを40に保ち、90°Cでニッケルおよびコバルトの
セメンチージョン反応を行ない、その結果を第5表に示
す。
この場合に得られた沈殿物の金属組成を次に示す。
実施例 5 実施例1と同一のマンガンノジュールを使用し、実施例
1と同一条件で得た硫酸浸出液11に深海底泥土を加え
、pH3,0として鉄(I)イオンを除去し、さらに還
元鉄を1.0g加え浸出液中の銅イオンを金属銅(1,
2,9:銅含有量82.5%)として分離回収し、再び
深海底泥土を加えて空気を吹き込み、1)H4,5でア
ルミニウムイオンおよび鉄イオンを沈殿除去した。
ついで実施例1と同様に深海底泥土を加えてpH5,5
2とし、実施例2の第4表に示すようにニッケルおよび
コバルトに富む水酸化物または酸化物の混合マッドを分
離回収した。
得られた混合マッドの金属組成を次に示す。
実施例 6 実施例1と同一のマンガンノジュールを使用し、実施例
1と同一条件で得た硫酸浸出液11に深海底泥土を加え
、pH3,0として鉄(ll[)イオンを除去しついで
還元鉄1.0gを加えて溶液中の銅を沈殿銅(1,2,
9:銅含有量82.5Uとして分離回収した。
脱銅後の溶液を90℃として深海底泥土を加えつつ、硫
化水素を吹き込み、pHの調整は2〜3で行ない、ニッ
ケルおよびコバルトを混合硫化物として分離した。
得られたニッケルおよびコバルトの混合硫化物の金属組
成を次に示す。
硫化水素吹き込み時のpHの調整に希薄苛性ソーダ溶液
を用いると、次に示す金属組成のニッケルおよびコバル
トの混合硫化物が得られた。
実施例 7 実施例1と同一の7ンガンノジユールを使用し、実施例
1と同一条件で得た硫酸浸出液11に、実施例1と同一
の深海底泥土を加、え、pH3,0として鉄(DI)イ
オンを除去し、ついで還元鉄1.0gを加え浸出液中の
銅を沈殿銅(1,2g:銅含有量82.S%)として分
離回収した。
脱銅後、浸出液を90℃として、さらに深海泥土を加え
てpH4,5として空気を吹き込み、アルミニウムイオ
ンおよび鉄イオンを沈殿除去し、還元鉄粉2.4gを加
え、希硫酸溶液を加えつつ、pHを4,0に保ち、セメ
ンテージョン反応を行ない、次のような金属組成の沈殿
物を得た。
実施例 8 実施例1と同一のマンガンノジュールを使用し、実施例
1と同一条件で得た硫酸浸出液11に、実施例1と同一
の深海底泥土を加え、pH3,0として鉄(I)イオン
を除去し、ついでこの鉄(I)イオン除去の浸出液11
にKELEXIooの10vo1%およびp−ノニイル
フェノール15 vo1%のケロシン溶液111または
LIX64N15 vol 0I)のケロシン液11を
加えて常温で溶媒抽出を行ない、はぼ100係の銅分を
有機相に抽出した。
ついで、銅抽出残液にアンモニア−炭酸77モニウム混
合溶液を加えてpH9として、生成する沈殿を除去後、
亜硫酸ナトリウム溶液を0.05 molとなるように
加えてこの浸出液11にLIX64N15 vol %
のケロシン溶液11を加えて常温で溶媒抽出を行ない、
ニッケル85係、コバルト5係を有機相に抽出した。
さらに、残液に硫化水素を吹き込んで、浸出液中のニッ
ケルおよびコバルトを硫化物として、はぼ100係沈殿
分離した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 マンガンノジュールまたはその加熱前処理物を酸処
    理して得られる銅、ニッケルおよびコバルトを含有する
    酸浸出溶液から上記有価金属を回収する方法において、
    該酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有物質を添加すること
    によってpHを調整して脱鉄(I)イオンし、さらに該
    炭酸カルシウム含有物質およびアルカリ物質を加えて銅
    、ニッケルおよびコバルトの水酸化物または酸化物を含
    む混合マッドを沈殿分離するときを特徴きするマンガン
    ノジュールの酸浸出溶液からの有価金属回収法。 2 マンガンノジュールまたはその加熱前処理物を酸処
    理して得られる銅、ニッケルおよびコバルトを含有する
    酸浸出溶液からこれら有価金属を回収する方法において
    、該酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有物質を添加するこ
    とによってpHを調整して脱鉄(III)イオンした後
    、銅を硫化物として沈殿分離し、さらに該炭酸カルシウ
    ム含有物質または/およびアルカリ物質を加えてニッケ
    ルおよびコバルトの水酸化物または酸化物を含む混合マ
    ッドを沈殿分離するこ吉を特徴とするマンガンノジュー
    ルの酸浸出溶液からの有価金属回収方法。 3 マンガンノジュールまたはその加熱前処理物を酸処
    理して得られる銅、ニッケルおよびコバルトを含有する
    酸浸出溶液からこれら有価金属を回収する方法において
    、核酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有物質を添加するこ
    とによってpHを調整して脱鉄(I)イオンし、ついで
    銅、ニッケルおよびコバルトを同時または分別的に硫化
    物として分離回収することを特徴とするマンガンノジュ
    ールの酸浸出溶液からの有価金属の回収方法。 4 マンガン7ノジユールまたはその加熱前処理物を酸
    処理して得られる銅、ニッケルおよびコバルトを含有す
    る酸浸出溶液から上記有価金属を回収する方法において
    、核酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有物質を添加するこ
    とによってpHを調整して脱鉄(1)イオンした後、銅
    を硫化物として分離回収し、さらに該炭酸カルシウム含
    有物質を加えてアルミニウムを沈殿除去し、ついで鉱酸
    を加えて溶液のpHを一定に保ちながら金属鉄または鉄
    −マンガン合金を加えてニッケルおよびコバルトをセメ
    ンチージョン反応によって金属粉末として沈殿させ、分
    離回収することを特徴とするマンガンノジュールの酸浸
    出溶液からの有価金属の回収方法。 5 マンガンノジュールまたはその加熱前処理物を酸処
    理して得られる銅、ニッケルおよびコバルトを含有する
    酸浸出溶液から上記有価金属を回収する方法において、
    該酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有物質を添加すること
    によってpHを調整して脱鉄(I)イオンした後、金属
    鉄を加えて銅を沈殿鋼として分離回収し、さらに該炭酸
    カルシウム含有物質を加えてアルミニウムを沈殿させ、
    引き続き該炭酸カルシウムまた(ハ/およびアルカリ物
    質を加えて、ニッケルおよびコバルトの水酸化物または
    酸化物を含む混合マッドを沈殿分離することを特徴とす
    るマンガンノジュールの酸浸出溶液からの有価金属回収
    方法。 6 マンガン7ジユールまたはその加熱前処理物を酸処
    理して得られる銅、ニッケルおよびコバルトを含有する
    酸浸出溶液から上記有価金属を回収する方法において、
    該酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有物質を添加すること
    によってpHを調整して脱鉄(1)イオンした後、金属
    鉄を加えて銅を沈殿鋼として分離回収し、さらにニッケ
    ルおよびコバルトを硫化物として沈殿させ、分離回収す
    ることを特徴とするマンガンノジュールの酸浸出溶液か
    らの有価金属回収方法。 1 マンガンノジュールまたはその加熱前処理物を酸処
    理して得られる銅、ニッケルおよびコバルトを含有する
    酸浸出溶液から上記有価金属を回収する方法において、
    該酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有物質を添加すること
    によってpHを調整して脱鉄(1)イオンした後、金属
    鉄を加えて銅を沈殿鋼として分離回収し、さらに該炭酸
    カルシウム含有物質を加えてアルミニウムを沈殿除去し
    、ついで金属鉄または鉄−マンガン合金を加え、鉱酸を
    も同時に加えて溶液のpHを一定に保ちながらニッケル
    およびコバルトを金属粉末として沈殿させ、分離回収す
    ることを特徴とするマンガフノジュールの酸浸出溶液か
    らの有価金属回収方法。 8 マンガンノジュールまたはその加熱前処理物を酸処
    理して得られる銅、ニッケルおよびコバルトを含有する
    酸浸出溶液から上記有価金属を回収する方法において、
    該酸浸出溶液に炭酸カルシウム含有物質を添加すること
    によってpHを調整して脱鉄(I)イオンし、ついで有
    機抽出溶媒を用いて銅をまず抽出分離し、抽残液にアン
    モニア−炭酸。 アンモニウム混合溶液を加えてアルミニウムを沈殿分離
    し、さらに再び有機抽出溶媒を用いてニッケルおよびコ
    バルトを同時にまたは選択的に抽出分離することを特徴
    とするマンガンノジュールの酸浸出溶液からの有価金属
    回収方法。
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