JPS5941945B2 - 窯業用離型シ−ト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、陶磁器などの焼成時に用いる離型シートに
関するものである。

陶磁器をはじめとする各種セラミック製品、レンズ等の
ガラス製品等のいわゆる窯業製品を得るためにこれらを
窯炉内で高温で焼成ないしは加熱処理する場合、焼成体
ないしはその一部が溶融温度に達し、冷却後炉から取出
す際に炉内の敷板、棚板等に焼成体が融着してしまって
製品を損することｈ３ある。

敷板、棚板等に焼成体カマ融着するのを防ぐためｔこ、
従来から水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムのごと
き焼成温度で溶融しない高融点の無機物質粉末を予め敷
板や棚板上に敷いておいたり、焼成体の底部に塗ってお
いたりする方法が採られている。

上述のごとき方法を実施する場合には、高融点の無機物
質粉末をそのまま振り撒いたり、水懸濁液にして刷毛塗
りしたり噴霧器で吹き付けたりしなければならない。

このため、手間がかかつて面倒であるばかりですく、粉
末が均一に分布せずムラが生じたり、不必要に厚く敷い
て材料を無駄にしたり、飛散した粉末が他の焼成体に付
着して不良品を出す等の種々の欠点を有していた。

また、釉かけした陶磁器等の成形物を焼成する場合に、
釉薬が溶融して流れ落ち、炉内の敷板や棚板等を汚損し
てしまう現象がしはしは認められるところである。

そこでこの発明は、高融点無機物質粉末を振り撒いたり
する手間を省きしかも粉末が均一に分布して効果的な焼
成体の離型ができ、さらには溶融した釉薬が流れ落ちて
も炉内の棚板等を直接汚さないようにすることができる
窯業用離型シートを提供することを目的としてなされた
ものである。

すなわちこの発明の窯業用離型シートは、第１図に示し
たように、窯業製品の焼成温度にて溶融しない高融点の
無機物質粉末をセルロースパルプに担持せしめてシート
状としたシー１−１１ （以下非溶融シート々略称する
）と、前記焼成温度Ｉこで焼結する粘土質物質粉末をセ
ルロースパルプに担持せしめてシート状とした焼結性シ
ート１０とを組合せてなることを特徴とするものである
。

第１図の例では焼結性シート１０の片面１こ非溶融シー
ト１１を貼り合せであるが、第２図のように焼結性シー
ト１０の両面に非溶融シート１１゜１１を貼り合せても
よい。

この発明における非溶融シート１１に使用できる無機物
質粉末は、陶磁器やガラス製品等の焼成温度より高い融
点をもつことが必要であり、従って焼成温度（こよって
用いる無機物質粉末の種類を適宜選定すればよい。

一般的には、融点が１５００℃以上の無機物質粉末材料
が主として用いられ、例えば水酸化アルミニウム、酸化
アルミニウム、各種ケイ酸塩等が好ましく使用できる。

かような高融点無機物質粉末をセルロースパルプに担持
せしめてシート状とするｌこは種々の方法が考えられる
。

一つの好ましい方法としては、高融点の無機物質材料を
２００メツシユ以下の微粉末に粉砕し、セルロースにカ
チオン基を導入せしめてカチオン変性したセルロースパ
ルプと前記の無機物質微粉末を水に懸濁し、この水懸濁
液を抄紙機を用いて抄紙する方法がある。

この方法によれば、カチオン変性したセルロースパルプ
に無機物質粉末を電気的に吸着せしめて多量の無機物質
粉末を均一に担持させることができる。

かくして得られる非溶融シート１１中の無機物質粉末の
割合は、シート全重量の少すくオも５０重量％以上、好
ましくは７０重重量以上とする。

シート中の無機物質粉末の量６３５０重量係重量少ない
と、所望の離型効果が得られないこともある。

一方、セルロースパルプの割合はシート全重量の少なく
とも５重量係以上とすることが望ましい。

これより少ないと、十分な量の無機物質粉末を担持てき
るようなパルプ繊維の絡み合いが得られなくなることが
ある。

またシートのｍ′当り重量を５０〜６００ｇ、好ましく
は１００〜３００ｇとすることによって、通常の紙と同
様に切断でき、取扱い易いシートとすることができる。

この発明１こおける非溶融シート１１は焼成時ｌこ約７
００℃以上に熱せられると、無機物質粉末を担持してい
るセルロースパルプが燃焼しつくし、無機物質粉末のみ
が個々の粒子１こなってその場ｌこ残留することによっ
て所期の離型機能が発現するのである。

一方、この発明における焼結性シート１０は、所定の温
度に加熱すると焼結してセラミック質となるような、例
えば粘土質物質の粉末をセルロースパルプに担持せしめ
てシート状としたものであり、このシートをその粘土質
物質の焼結温度に焼成するとシート状の焼結体とするこ
とができる。

かような焼結性シートは既に知られている（例えば特開
昭５６−１３０３０７号）。

以下に図面を参照してこの発明の離型シートの使用方法
を説明する。

第３図は、第２図に示したようなこの発明の離型シート
１を陶磁器成形物２の下に敷き、棚板３の上に載せて焼
成する場合を示す。

この状態で焼成することによって、非溶融シート１１中
の高融点無機物質粉末はその場で粒子化し、一方焼結性
シート１０はその場でシート状の焼結体となって棚板３
の上に残留する。

かくして、高融点無機物質粉末の粒子の介在により陶磁
器２と焼結体との間、および焼結体と棚板３との間の融
着を防止することができる。

また、陶磁器の釉薬などが溶融して流れ落ちた場合でも
、棚板３に直接流れずに焼結体上に流れ落ちるから、汚
れたこの焼結体のみを除去すれば棚板３を損することは
ない。

以上の説明かられかるように、この発明ｌこよる離型シ
ートは高融点無機物質粉末のシートと焼結性シートとを
組合せたものであるから、これを焼成時に窯業製品の下
に敷いておくこＬによって、高融点無機物質の再粉末化
による離型効果が得られるだけですく、焼結性シートの
焼結体１こよって釉薬の流れ落ちｌこよる炉内棚板等の
汚損を防止することができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の離型シートの断面図であ
り、第３図は本発明の離型シートの使用方法を示す説明
図である。 １・・・・・・離型シート、１０・・・・・・焼結性シ
ート、１１・・・・・・非溶融シート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 窯業製品の焼成温度１こて溶融しない高融点の無機
   物質粉末をセルロースパルプに担持せしめてシート状と
   したシートと、前記焼成温度ｐこて焼結する粘土質物質
   粉末をセルロースパルプに担持せしめてシート状とした
   焼結性シートとを組合せてなる窯業用離型シート。