JPS5940872B2 - 石炭液化油の蒸留方法 - Google Patents
石炭液化油の蒸留方法Info
- Publication number
- JPS5940872B2 JPS5940872B2 JP15015182A JP15015182A JPS5940872B2 JP S5940872 B2 JPS5940872 B2 JP S5940872B2 JP 15015182 A JP15015182 A JP 15015182A JP 15015182 A JP15015182 A JP 15015182A JP S5940872 B2 JPS5940872 B2 JP S5940872B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coal
- oil
- liquefied
- distilling
- liquefied oil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は石炭液化油の蒸留方法に関し、より詳細には石
油液化油をコーキングを防止しながら蒸留する方法に関
する。
油液化油をコーキングを防止しながら蒸留する方法に関
する。
従来、石炭を直接液化する方法としては、直接水添法、
溶剤抽出法、二段液化法など多様な方法が提案されてい
る。
溶剤抽出法、二段液化法など多様な方法が提案されてい
る。
そしてこれらいづれの方法においても得られた液化油は
、最終的には蒸留にかけられて精製されている。
、最終的には蒸留にかけられて精製されている。
ところが石炭液化油中には、石炭の液化反応過程で石炭
の熱分解によって生じたフリーラジカルが残存しており
、従って石炭液化油を蒸留工程において加熱すると、こ
の残存するフリーラジカルが重合していわゆるコーキン
グが起り、蒸留塔の伝熱面にカーボンが析出し伝熱を悪
くして蒸留効果を低下せしめたり、塔壁温度の異状上昇
による破損などの事故を招く欠点があった。
の熱分解によって生じたフリーラジカルが残存しており
、従って石炭液化油を蒸留工程において加熱すると、こ
の残存するフリーラジカルが重合していわゆるコーキン
グが起り、蒸留塔の伝熱面にカーボンが析出し伝熱を悪
くして蒸留効果を低下せしめたり、塔壁温度の異状上昇
による破損などの事故を招く欠点があった。
このため、蒸留塔を加熱するりボイラーのヒートフラッ
クスを小さくするなどのメカニカルな面からの解決策が
取られているが、未だ決定的なコーキング防止法は見出
されていない。
クスを小さくするなどのメカニカルな面からの解決策が
取られているが、未だ決定的なコーキング防止法は見出
されていない。
そこで本発明は、かかる従来の欠点を解消すべくなされ
たものであり、石炭液化油にラジカル安定剤を加えて蒸
留することにより、石炭液化油中に残存するフリーラジ
カルにもとづくコーキングを防止して蒸留塔の伝熱面に
おける伝熱効率を高め、蒸留効率を向上させると共に、
長期間にわたって安定した蒸留操作をすることができる
などの特長を有するものである。
たものであり、石炭液化油にラジカル安定剤を加えて蒸
留することにより、石炭液化油中に残存するフリーラジ
カルにもとづくコーキングを防止して蒸留塔の伝熱面に
おける伝熱効率を高め、蒸留効率を向上させると共に、
長期間にわたって安定した蒸留操作をすることができる
などの特長を有するものである。
すなわち本発明の蒸留方法は、石炭液化油を蒸留するに
あたり、この石炭液化油にラジカル安定剤を添加して蒸
留することを特徴とするものである。
あたり、この石炭液化油にラジカル安定剤を添加して蒸
留することを特徴とするものである。
本発明において用いるラジカル安定剤は下記(1)〜(
4)からなる群から選ばれた少くとも一つの化合物であ
る。
4)からなる群から選ばれた少くとも一つの化合物であ
る。
(1) ヒンダードフェノール
ヒンダードフェノールとは、たとえば下記化合物などを
意味し、これらはいづれも容易に市販品を入手すること
ができる。
意味し、これらはいづれも容易に市販品を入手すること
ができる。
ビスフエノール
なお本発明においては、上記した化合物以外にも、フェ
ノール系の酸化防止剤をラジカル安定剤として用いるこ
とができる。
ノール系の酸化防止剤をラジカル安定剤として用いるこ
とができる。
(2)芳香族アミン
これには、たとえばジフェニルアミン、フェニルチーβ
−ナフチルアミン、オクチルジフェニルアミン、ジフェ
ニルフェニレンなどの第2級または第3級アミンが属す
る。
−ナフチルアミン、オクチルジフェニルアミン、ジフェ
ニルフェニレンなどの第2級または第3級アミンが属す
る。
(3)下記一般式(1)で示されるジチオリン酸金属塩
。
。
〔(RO)2PS2〕2M (I)ここで
MはNi 、Zn、Mo、Pb、Cd、Sn 、Wおよ
びFeから選ばれた2価の金属であり、好ましくは亜鉛
である。
MはNi 、Zn、Mo、Pb、Cd、Sn 、Wおよ
びFeから選ばれた2価の金属であり、好ましくは亜鉛
である。
(4)下記一般式(II)で示されるN 、 N’−ジ
アルキルジチオカルバミン酸金属塩。
アルキルジチオカルバミン酸金属塩。
(II)式中Rは炭素数1〜15のアルキル基、MはN
i+ Z n + Mo r P b + Cd +
S n t WまたはFeであり、好ましくはZnで
ある。
i+ Z n + Mo r P b + Cd +
S n t WまたはFeであり、好ましくはZnで
ある。
本発明においては、かかる(1)〜(4)からなる群か
ら選ばれた少くとも1つの化合物をラジカル安定剤とし
て用いる。
ら選ばれた少くとも1つの化合物をラジカル安定剤とし
て用いる。
少くとも1つとは、たとえばヒンダードフェノールの中
から一つの化合物、または複数種類の化合物を用いるこ
と、或はたとえばヒンダードフェノールとN 、 N’
−ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩とからなる混合
ラジカル安定剤を用いることを意味する。
から一つの化合物、または複数種類の化合物を用いるこ
と、或はたとえばヒンダードフェノールとN 、 N’
−ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩とからなる混合
ラジカル安定剤を用いることを意味する。
ラジカル安定剤の添加量は、通常では蒸留の対象となる
石炭液化油に対して100〜5000ppmの範囲であ
り、好ましくは100〜500ppmである。
石炭液化油に対して100〜5000ppmの範囲であ
り、好ましくは100〜500ppmである。
ラジカル安定剤の添加量が100 ppmに満たないと
、効果が少なく、また5000ppmを越えるとコスト
的に問題となる。
、効果が少なく、また5000ppmを越えるとコスト
的に問題となる。
ラジカル安定剤は石炭液化油が蒸留塔に供給される前に
石炭液化油に添加される。
石炭液化油に添加される。
蒸留塔への供給以前であれば、気液分離される以前、あ
るいは固液分離される以前のいづれに添加しても良い。
るいは固液分離される以前のいづれに添加しても良い。
第1図は一般的な石炭液化のフローを示す工程図である
。
。
予熱器1で予熱された水素、石炭粉末、スラリー媒体油
は反応器2で反応せしめられ、得られた石炭液化油は気
液分離器3でガス成分4が分離され、固液分離器5で固
形分6が除去されたのちに、ラジカル安定剤7が添加さ
れ、蒸留塔8に供給されて軽質油9、中質油10、重質
油11、残渣12に分離される。
は反応器2で反応せしめられ、得られた石炭液化油は気
液分離器3でガス成分4が分離され、固液分離器5で固
形分6が除去されたのちに、ラジカル安定剤7が添加さ
れ、蒸留塔8に供給されて軽質油9、中質油10、重質
油11、残渣12に分離される。
石炭液化油に添加されたラジカル安定剤AHは残存する
フリーラジカルR・と反応し、下記式によりフリーラジ
カルR・を安定化する。
フリーラジカルR・と反応し、下記式によりフリーラジ
カルR・を安定化する。
R・+AH−+RH+A・
ここでA・は、たとえばヒンダードフェノールについて
云えば、立体障害により反応しにくく、共鳴安定化した
フリーラジカルである。
云えば、立体障害により反応しにくく、共鳴安定化した
フリーラジカルである。
このA・は下記式のように更にプロトンを放出して、フ
リーラジカルR・を安定化され、自身を非ラジカルにな
ることもできる。
リーラジカルR・を安定化され、自身を非ラジカルにな
ることもできる。
A・+R・→N+RH
このように本発明においては、石炭液化油にラジカル安
定剤を添加して蒸留するので、石炭液化油中に残存する
フリーラジカルは安定化されて重合反応が抑制され、蒸
留塔の伝熱面にカーボンが析出して伝熱を悪化するコー
キングトラブルが防止される。
定剤を添加して蒸留するので、石炭液化油中に残存する
フリーラジカルは安定化されて重合反応が抑制され、蒸
留塔の伝熱面にカーボンが析出して伝熱を悪化するコー
キングトラブルが防止される。
したがって、蒸留効率が向上し、精製軽質油を好収量で
得ることができ、かつ長期にわたって安定した運転を持
続することができる。
得ることができ、かつ長期にわたって安定した運転を持
続することができる。
以下、本発明を実施例にもとづき具体的に説明する。
実施例 1
前記第1図に示した工程図に従って得られた石炭液化油
(固液分離をする前のもので、灰分を含む)の蒸留試験
結果を第2図に示す。
(固液分離をする前のもので、灰分を含む)の蒸留試験
結果を第2図に示す。
曲線Aはラジカル安定剤としてビスフェノールを500
ppmiJ※添加した場合、曲線Bは無添加の場合であ
る。
ppmiJ※添加した場合、曲線Bは無添加の場合であ
る。
なお、蒸留試験は50mmHgの減圧下で行なった。
第2図から明らかなように、曲線Bの場合には、蒸留缶
温度約360°C付近で熱分解が起るのが認められたが
、曲線Aでは360℃での熱分解は認められなかった。
温度約360°C付近で熱分解が起るのが認められたが
、曲線Aでは360℃での熱分解は認められなかった。
次に曲線AおよびBの場合について蒸留残渣の分析を行
なった。
なった。
結果を第1表に示す。第1表から明らかなように、曲線
Aの場合は固形炭素量が曲線Bの場合に比較して著るし
く減少している。
Aの場合は固形炭素量が曲線Bの場合に比較して著るし
く減少している。
実施例 2
実施例1で用いた石炭液化油にオクチルジフェニルアミ
ンを500 ppm添加した場合(曲線C)の蒸留曲線
を第3図に、また残渣の分析結果を上記第1表に併記し
て示す。
ンを500 ppm添加した場合(曲線C)の蒸留曲線
を第3図に、また残渣の分析結果を上記第1表に併記し
て示す。
これらの結果からオクチルジフェニルアミンもビスフェ
ノールと同様に有効であることが明らかである。
ノールと同様に有効であることが明らかである。
実施例3、実施例4
実施例1と同様の石炭液化油を用い、添加剤の種類を変
えて蒸留試験を行なった。
えて蒸留試験を行なった。
結果を下記第2表(実施例3)および第3表(実施例4
)に示す。
)に示す。
これら第2表および第3表も本発明の方法が、ラジカル
安定剤無添加の場合に比較して、残渣量を大巾に減少せ
しめることを示している。
安定剤無添加の場合に比較して、残渣量を大巾に減少せ
しめることを示している。
第1図は本発明で用いる石炭液化油の製造フローを示す
工程図、第2図および第3図は本発明の実施例1および
実施例2における蒸留試験を示す図である。
工程図、第2図および第3図は本発明の実施例1および
実施例2における蒸留試験を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 石炭液化油を蒸留するにあたり、該石炭液化油にラ
ジカル安定剤を添加して蒸留することを特徴とする石炭
液化油の蒸留方法。 2 ラジカル安定剤がヒンダードフェノール、芳香族第
2級または第3級アミン、ジチオリン酸金属塩、および
N 、 N’−ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩か
らなる群から選ばれた少くとも一つの化合物である特許
請求の範囲第1項記載の石炭液化油の蒸留方法。 3 ラジカル安定剤の添加が石炭液化油の加熱以前であ
る特許請求の範囲第1項記載の石炭液化油の蒸留方法。 4 ラジカル安定剤の添加濃度カ月00〜5000pp
mである特許請求の範囲第1項記載の石炭液化油の蒸留
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15015182A JPS5940872B2 (ja) | 1982-08-31 | 1982-08-31 | 石炭液化油の蒸留方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15015182A JPS5940872B2 (ja) | 1982-08-31 | 1982-08-31 | 石炭液化油の蒸留方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5941388A JPS5941388A (ja) | 1984-03-07 |
JPS5940872B2 true JPS5940872B2 (ja) | 1984-10-03 |
Family
ID=15490608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15015182A Expired JPS5940872B2 (ja) | 1982-08-31 | 1982-08-31 | 石炭液化油の蒸留方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5940872B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020196992A1 (ko) * | 2018-03-22 | 2020-10-01 | 한국식품연구원 | 비형광성 최종당화산물 억제용 조성물 및 이의 용도 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3024628U (ja) * | 1995-11-13 | 1996-05-31 | 株式会社スグル食品 | 烏賊形蒲鉾 |
US8748357B2 (en) | 2008-07-15 | 2014-06-10 | Exxonmobil Research And Engineering Company | Method for stabilizing diesel engine lubricating oil against degradation by biodiesel fuel |
JP5871810B2 (ja) * | 2009-11-24 | 2016-03-01 | シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド | 水素化プロセスのバルク触媒及びその製造方法 |
-
1982
- 1982-08-31 JP JP15015182A patent/JPS5940872B2/ja not_active Expired
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020196992A1 (ko) * | 2018-03-22 | 2020-10-01 | 한국식품연구원 | 비형광성 최종당화산물 억제용 조성물 및 이의 용도 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5941388A (ja) | 1984-03-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0229515B1 (en) | Inhibiting polymerisation of vinyl aromatic monomers | |
KR880007687A (ko) | 다작용성 오염방지제 조성물 및 그의 사용방법 | |
JPS5940872B2 (ja) | 石炭液化油の蒸留方法 | |
US3450771A (en) | Process for producing organic sulfides from the reaction of mercaptans with alcohols | |
CA1130818A (en) | Process for separation and purification of dihydric phenols | |
US2672435A (en) | Acrylonitrile purification process by distillation | |
EP0088403B1 (en) | Processing of guayule material by volatilizing and heating steps | |
US5273679A (en) | Stabilizers for compositions for acid gas absorbent | |
JPS62167787A (ja) | 長鎖アルキルレゾルシノ−ルホスフイツト | |
WO1986006071A1 (en) | Preparation of group ii metal alkyls | |
US3331755A (en) | Extractive distillation of 2, 6-xylenol with glycol | |
EP0005310B1 (en) | Process for preparing dialkylphosphorochloridothioates, the use of the so prepared compounds as intermediates, and the use of some of the final products as insecticides | |
US5399776A (en) | Purification of acetone | |
US1909546A (en) | Purification of phenols | |
US4429170A (en) | Process for removing tar bases from Lurgi tar acid stream | |
US4225448A (en) | Copper thiobis(alkylphenols) and antioxidant compositions thereof | |
WO2007005172A1 (en) | Method for the preparation of aralkyl dialkyl phosphonates | |
US2916504A (en) | Manufacture of cyclopentadienyl-manganese carbonyl compounds | |
JP3201267B2 (ja) | ビニルフェニル基含有シラン化合物用重合禁止剤 | |
US2899470A (en) | Purification of polyalkylphenols | |
US2756252A (en) | Adducts of substituted phosphoryl amides | |
JP3159457B2 (ja) | イソキノリン及びキナルジンの回収方法 | |
US2959604A (en) | Cyclomatic compounds | |
JPH07503725A (ja) | 4,4´−チオビスフェノールの製造プロセス | |
US3699193A (en) | Process for preparation of dialkyl vinyl phosphates |