JPS5939569Y2 - 太陽熱集熱器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、太陽光を透過させる透過体と、外枠内に配設
され、かつ太陽熱を吸収する集熱板とを備えてなる太陽
熱集熱器に関するものである。

従来の太陽熱集熱器は、太陽光を透過させる透過体とし
て、温度上昇により熱膨張を起こすプラスチックにより
構成した透過体を、比較的使用温度の低い給湯用の太陽
熱集熱器に採用しているが、この太陽熱集熱器は、第４
図に示すように熱膨張による透過体２１の垂れ下がりを
防止するため、この透過体２１を複数個の支持部材２２
により支持するようにしていた。

一方、冷暖房用の高温形太陽熱集熱器は、高性能化の一
手段として、外部透過体と内部透過体よりなる二重透過
体構成を採用しているが、この太陽熱集熱器は高温で使
用されるため、内部透過体には通常ガラスが用いられて
いる。

しかるに、このガラスの代りに、熱膨張性の大きいグラ
スチックフィルムを用いた場合は、この太陽熱集熱器が
高部で使用されるため、その熱膨張量は給湯用の太陽熱
集熱器に比較して大きくなり、したがって、この内部透
過体の熱膨張による垂れ下がりを防止するための支持部
材の本数も、給湯用の太陽熱集熱器に比較して多くしな
げればならず、その結果、組立工数が多くかかる等コス
ト的な面で非常に不利であった。

また熱膨張量が小さいか、あるいは引張り弾性率の小さ
いプラスチックフィルムを用いる場合は、第５図に示す
ように、プラスチックフィルム製の内部透過体２３を接
着等により固定用枠２４に固定し、そしてこの固定用枠
２４を集熱器本体に固定するようにしていた。

シカし、一般に透光性、耐光性に優れたフッ素樹脂フィ
ルム等の熱膨張率は９．０×１０−５７℃程度であり、
例えば１ｍ幅のフィルムを仮に１００度上昇させると、
その熱膨張は９醋となる。

すなわち、１００度温度が上昇した状態で内部透過体の
垂れ下がりが生じないようにするためには、１ｍ幅のフ
ィルムを１，００９ｍになるように内部透過体を固定用
枠に装着しなげればならないが、常温における引張り弾
性率は５０００Ｋｇ／ｃｄ程度あるため、０．９％の伸
びを生じさせるためには、４５Ｋｇ／ｃ４の引張り応力
が必要となり、その結果、固定用枠２４の剛性を大きく
しなげればならず、またそれを強固に保持するためには
、外枠の肉厚、外形寸法も大きくしなげればならず、実
用に供し難いという欠点を有していた。

本考案は上記従来の欠点を解消するためになされたもの
で、以下、本考案をその実施例を示す図面にもとづいて
説明する。

第１図、第２図において、１は集熱器の外枠、２は外枠
１内に配設された集熱板で、太陽熱を吸収するものであ
る。

３は太陽光を透過させる外部透過体で、この外部透過体
３はガラスにより構成されている。

４は外部透過体３を外枠１の上面部に固定する金具で、
この金具４は外枠１に固定されている。

５は集熱板２の側部に配設した側部断熱材、６は集熱板
２の下部に配設した下部断熱材、７は外枠１内に配設さ
れた支持金具で、この支持金具７は一部に前記集熱板２
を固定するとともに、相対向する二辺に固定部８と可動
固定部９を設げている。

１０は前記集熱板２と外部透過体３との間に配設される
内部透過体で、この内部透過体１０は温度上昇により熱
膨張を起こす熱膨張率の大きいプラスチック製フィルム
により構成されている。

またこの内部透過体１０は第２図に示すように、両端の
点線部を熱融着してループ状部１１を形成し、このルー
フ状部１１に支持部材１２を挿入している。

１３は外枠１に外方より設けた回転自在なビスで、この
ビス１３の先端は前記可動固定部９を構成する筒状部１
４内のねじ部に螺合しており、このビス１３を回転させ
ることにより、可動固定部９を水平方向に移動させるこ
とができる。

なお、前記側部断熱材５には可動固定部９が水平方向に
移動できるように貫通孔１５を設けている。

また第１図に示す外枠１の相対向する二辺の間隔Ｗは、
第２図に示す内部透過体１０の両端部間の長さＬとこの
内部透過体１０の熱膨張による伸びｔとの和以上の長さ
としている。

すなわち、下記の条件を満足するように寸法取りされて
いる。

Ｗ≧Ｌ＋を 上記構成において、内部透過体１０を外枠１に固定する
場合は、まず内部透過体１０の一端を固定部８に固定し
、その後内部透過体１０の他端を可動固定部９に固定す
るとともに、外枠１の外側からビス１３°を回転させる
ことにより、可動固定部９を第１図の矢印Ａ方向に移動
させて内部透過体１０を引張り、かつこの内部透過体１
０に弾性限度内で伸びを生じさせた状態で固定している
。

このように可動固定部９を採用することにより、寸法調
整が容易になるとともに、固定部８の製造上の寸法バラ
ツキも吸収することが可能になり、さらには外枠１の外
方よりビス１３を回転させることにより、内部透過体１
０の固定が行えるようにしているため、その組立は非常
に容易となるものである。

第３図は本考案の他の実施例を示したもので、すなわち
内部透過体１００両端の固定部の他の実施例を示したも
ので、この内部透過体１０は両端部を２枚の板１６．１
６ａにより挾持し、かつリベット１７またはハトメ等に
より圧着固定している。

このような構成とすれば、内部透過体１００両端部間の
長さＬが精度よく加工できる。

またこの内部透過体１０を第１図に示す固定部８と可動
固定部９間に配設固定する場合、少なくとも可動固定部
９に固定される端部側は、２枚の板１６゜１６ａを回転
させて、２枚の板１６．１６ａの周りに内部透過体１０
を巻きつげた状態にして可動固定部９に固定するように
すれば、リベット１７等への応力集中を避けることがで
きる。

以上のように本考案によれば、外枠の相対向する二辺の
間隔を、温度上昇により熱膨張を起こすプラスチック製
の内部透過体の両端部間の長さとこの内部透過体の熱膨
張による伸びとの和以上の長さとし、前記内部透過体は
、一端を固定部に固定し、かつ他端を可動固定部に固定
するようにしているため、内部透過体の材料としては、
熱膨張率および引張り弾性率の大きなプラスチック製材
料を高幅形の太陽熱集熱器の内部透過体として使用する
ことができ、また可動固定部の採用により、固定部の製
造上の寸法バラツキも吸収することができる等、生産性
が良く、かつ高効率の太陽熱集熱器を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す太陽熱集熱器の断面図
、第２図は同集熱器における内部透過体の断面斜視図、
第３図は同内部透過体の他の実施例を示す断面図、第４
図は従来の太陽熱集熱器の断面図、第５図は従来の内部
透過体と固定用枠を示す一部切欠断面斜視図である。 １・・・・・・外枠、２・・・・・・集熱板、３・・・
・・・外部透過体、８・・・・・・固定部、９・・・・
・・可動固定部、１０・・・・・・内部透過体、１１・
・・・・・ループ状部、１２・・・・・・支持部材、１
３・・・・・・ビス、１６，１６ａ・・・・・・２枚の
板、１１・・・・・・リベット。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■、太陽熱を透過させる外部透過体と、外枠内に配設さ
   れ、かつ太陽熱を吸収する集熱板と、この集熱板と前記
   外部透過体との間に位置して外枠に配設された内部透過
   体とを備え、前記外枠の相対向する二辺に固定部と可動
   固定部を設け、前記外枠の相対向する二辺の間隔は、温
   度上昇により熱膨張を起こすプラスチック製の内部透過
   体の両端部間の長さとこの内部透過体の熱膨張による伸
   びとの和以上の長さとし、前記内部透過体は、一端を固
   定部に固定し、かつ他端を可動固定部に固定したことを
   特徴とする太陽熱ア 集熱器。 ２・前記内部透過体は両端にループ状部を形成し、この
   ループ状部に支持部材を挿入してなる実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の太陽熱集熱器。 ３、前記内部透過体は端部な２枚の板により挾持し、か
   つリベット等により圧着固定してなる実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の太陽熱集熱器。 ４、前記内部透過体の端部な挾持する２枚の板を回転さ
   せて、２枚の板の周りに内部透過体を巻きつげてなる実
   用新案登録請求の範囲第３項記載の太陽熱集熱器。 ５・前記可動固定部は、外枠に外方より設けたビスの回
   転により可動自在に構成してなる実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の太陽熱集熱器。