JPS5938951B2 - プロピレンオキシドの製造方法 - Google Patents

プロピレンオキシドの製造方法

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JPS5938951B2
JPS5938951B2 JP12843576A JP12843576A JPS5938951B2 JP S5938951 B2 JPS5938951 B2 JP S5938951B2 JP 12843576 A JP12843576 A JP 12843576A JP 12843576 A JP12843576 A JP 12843576A JP S5938951 B2 JPS5938951 B2 JP S5938951B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は過酸化水素とプロピレンからのプロピレンオキ
シドの工業的な製造のための連続的方法に関するもので
ある。
従来プロピレンオキシドは、大きな工業的規模では専ら
二つの方法、すなわち、プロピレンクロロヒドリンを経
由する比較的古くからの方法、またはそれよりも新しい
炭化水素の過酸化物を用いる方法のどちらか、によつて
製造されてきた。
古いほうのクロロヒドリンプロセスは、環境を汚染する
望ましくない塩素化副生物および廃塩類が生ずるという
欠点を有している(ドイツ公開公報1543174号、
第2欄、第15行以下参照)cたとえばアメリカ合衆国
特許第3350422号に記されているような、炭化水
素過酸化物を経由するプロピレンオキシドの製造のため
に、工業的に用いられる比較的新しい方法は、クロロヒ
ドリンプロセスのこれらの欠点をかなり取除く。プロピ
レンの炭化水素過酸物ROOHとの反応は、式(1)に
よつて表わすことができる。式(1)から、この反応に
おいては、生成するプロピレンオキシド1モル当りに過
酸化物に相当するアルコールROHIモルが常に生成す
るということが明らかである。
このように、炭化水素過酸化物は酸素の移動を行ない、
それによつて過酸化物酸素の放出後に、相当するアルコ
ールが共生成物として生成し、それはしばしば望ましく
ない副生物として、除去しなければならない。かくして
、アルコール副生物をどのような場合にも利用すること
ができるとは限らないから、このような方法εの工業的
応用に対する可能性は限定される。それに対して、プロ
ピレンと過酸化水素からのプロピレンオキシドの製造に
対する本発明の方法が基礎とする原理においては、(2
拭に示すように、環境汚染性のためにかなりの費用をか
けて除去しなければならないような副生物、あるいは共
生成物として生ずる場合に適当なその後の用途を見付け
てやらなければならないような副生物の何れも生成する
ことなく、所望の最終生成物を取得することができる。
しかしながら、望ましい目的は、プロピレンと水性の過
酸化水素との直接反応によつては達成し得ない(アメリ
カ合衆国特許第3350422号、第2欄、第42〜4
4行)。
一方において、プロピレンを過カルボン酸によつてエポ
キシ化することによつてプロピレンオキシドを取得する
という方法が公知である(Prilescnayev.
Ber.deutsch.chem.Ges.、1且、
4811(1909)およびD.SwernWlOrg
anicPerOxidel、 WileyInter
science二1971、第2巻、355〜533頁
、特に375〜378頁および397頁)。
加うるに、カルボン酸から過酸化水素を用いて過カルボ
ン酸を取得することも公知である(ドイツ特許第251
802号および、たとえば、D.Swern)前記、1
970年、第1巻、313〜369頁および428〜4
39頁)。これらの2つの部分的段階を、式(3)およ
び(4)に示すが、これらの式中でRCOOHおよびR
− COOOHは、それぞれ、カルボン酸および過カル
ボン酸を表わしている。式(4)によつて取得したカル
ボン酸を、過カルボン酸の取得のための式(3)による
反応中に再循環するならば、過酸化水素とプロピレンか
らプロピレンオキシドを与えるべき反応に対して、全反
応式(2)が与えられる。過酸化水素とプロピレンから
出発し且つエポキシ化剤として過カルボン酸を使用する
プロピレンオキシドの製造のためのこの種の方法は、今
までのところ工業的に満足できるほどには完成しておら
ず、そのために未だ工業的な規模では用いられていない
。これに関連して、たとえば、アメリカ合衆国特許第3
350422号(第1欄第65行乃至第2欄第11行)
中には次のように記載されている。”“クロロヒドリン
法の複雑さ、およびコストの点から、専門家はプロピレ
ンおよびその他のオレフィンのエポキシ化に対して、他
の可能な方法に転向しようとしている。
少なくとも限られた量のプロピレンオキシドおよびその
他のオキシド類を実際に製造するために適するものとし
て有用性が認められている一つの方法は、過酸を用いる
方法である。この方法は、過酸化水素と有機酸の反応に
よる過酸、たとえば過酢酸、の生成および過酸によるオ
レフインのエポキシ化を包含する。過酸法もまた、大規
模な工業化を阻止するような、いくつかの欠点を有して
いる。過酸自体が取扱いに極度の危険を供なうものであ
つて、実用時に厳しい問題を生ずる。この試剤は、高価
であり腐食性であり且つ過酸化水素を水として失なうと
いう限りにおいて、再生不可能である。過酸によるエポ
キシ化混合物の組成は、最終生成物であるエポキシドと
高度に反応性である化合物(H2O、カルボン酸および
H2SO4)を含有し、そのために全体的な収率を低下
させる多くの副生物(グリコール、グリコールモノエス
テル、グリコールジエステル)をもたらす。この問題は
、比較的反応性の低いオレフイン、特にプロピレン、に
おいては、いつそう重大となる。実際に、酸素移動剤と
しての過カルボン酸という中間段階を経由して進行する
、過酸化水素とプロピレンからのプロピレンオキシドの
製造に対して従来からの公知のすべての方法は、プロピ
レンオキシドの満足し得ない・収率および、たとえばプ
ロピレングリコール、プロピレングリコールモノエステ
ルおよびプロピレングリコールジエステルのような副生
物のかなりの量をもたらすに過ぎない。
特に過カルボン酸の爆発の危険によつて生ずる、過カル
ボン酸の単離に関する、極度に困難なプロセス上の問題
を十分に克服することもまた不可能であつた。ギ酸を用
いてオレフイン類と過酸化水素からオキシラン類を製造
するために、さらに比較的最近明らかにされた、ドイツ
公開公報第1618625号による方法においては、そ
こで述べられている方法もまた、過酸化水素とプロピレ
ンからのプロピレンオキシドの工業的に満足できる製造
に対しては適当でない。
この方法に対しては、反応混合物が実質的に鉱酸を含有
せず、且つ実質的に無水であること、あるいは少量の水
を含有するのみであることが必要である(ドイツ公開公
報第1618625号、特許請求の範囲1)。
すなわち、たとえば、ドイツ公開公報第1618625
号の3頁の最終節および4頁の第1行には、次のように
記されている:無水反応混合物の使用が望ましいが、約
0.3%よりも少ない水を含有する過ギ酸の溶液の製造
は、簡単でもないしまた経済的に有利でもない。少量の
水のみを含有する反応混合物の使用が好ましい110こ
の方法において達成することを試みている鉱酸の存在が
ないということは、ギ酸と過酸化水素の反応に対して必
要な触媒は、オキシラン環の開裂反応、いまの場合には
プロピレンオキシドの開裂、をも促進する故に、重要で
ある(ドイツ公開公報第1618625号、第5頁、第
10〜14行)。
それ故、この方法においては、疎水性溶剤中における過
ギ酸の、できる限り完全に無水であり且つできる限り鉱
酸を含有していない、溶液を使用することがもつとも有
利である。特に水の不在に関する、これらの必要条件は
、これまでに公知の方法においては満足できなかつたが
、その理由は、0.3%またはそれ以下の水を含有する
非水性の過ギ酸の製造は、既にドイツ公開公報第161
8625号に挙げた困難に遭遇するからである。かくし
て、たとえば、ドイツ公開公報第1618625号の方
法に従つて達成することができるプロピレンオキシドの
収率は、消費した過ギ酸に対して、85%に過ぎない(
ドイツ公開公報第1618625号の実施例3)。しか
しながら、過ギ酸溶液はなお比較的高い遊離過酸化水素
の含有量を有しており、これはドイツ公開公報第161
8625号の実施例1および2によれば、過ギ酸の3乃
至10モル%であるから、使用する過酸化水素に対して
のプロピレンオキシドの収率は、さらに低いものとなる
。何故ならば、エポキシ化剤として用いる過ギ酸溶液中
に含まれる過酸化水素は、プロピレンとの反応により取
得されるプロピレンオキシドを含有する混合物から回収
することができないからである。これらの実施例中に示
されている数値から、使用した過酸化水素に対するプロ
ピレンオキシドの最終的収率に対する正確な百分率の値
を決定することは不可能である;しかしながら、それが
50%よりも低いということは間違いない。ドイツ公開
公報第1618625号の方法のさらに他の欠点は、酸
素移動剤として用いるギ酸は、ステンレス鋼に対して特
に腐食性であるために、低級カルボン酸を用いる反応に
おいては常にかなり重要なことである腐食の問題に関し
て、各種のカルボン酸の中でも特に問題があるというこ
とである。
過酸化水素および過カルボン酸の分解を生じさせる重金
属化合物が、腐食のために反応中に持ち込まれるという
理由で、過酸化水素および過カルボン酸のような過敏な
過酸化物を使用する方法においては、どのような種類の
腐食もきわめて望ましくないということは、明白なこと
である。オレフインと過酸化水素からのオレフインオキ
シドの製造のための、もう一つのさらに最近の方法にお
いては、酸素移動剤として芳香族カルボン酸、好ましく
は安息香酸を使用する(ドイツ公開公報第231221
8号)。しかしながら、この方法においては、過酸化水
素と芳香族カルボン酸との反応による過カルボン酸の取
得の問題が、十分には解決されていない。すなわち、取
得することができる過カルボン酸含有反応混合物を、さ
らに仕上げ処理するために、温度を25℃よりも低く保
ちながら、氷水および冷却した硫酸アンモニウム溶液に
よつて希釈し、かくて未反応の過酸化水素を分解しなけ
ればならない(ドイツ公開公報第2312281号、第
5頁、2および3節)。この方法のもう一つの欠点は、
28乃至30℃の温度において4時間の反応時間後に過
カルボン酸の66%が反応するに過ぎないというように
、芳香族過カルボン酸の反応速度がきわめて低いという
ことである。使用する過酸化水素に対するプロピレンオ
キシドの全収率は、この方法においては、明らかにきわ
めて低い。ドイツ公開公報第2312281号の実施例
1によれば、使用した過酸化水素に対するプロピレンオ
キシドの最終収率は約40%である。
プロピレンオキシドの製造のために用いることができる
別の方法は、ドイツ公開公報第1917031号に記さ
れているプロピレンの酸化に対する方法であるが、この
方法においては、プロピレンを、少なくとも1種のカル
ボン酸、過酸化水素および水から成る平衡混合物と、鉱
酸および重金属イオンの不在下に反応の間に存在する水
の量を、プロピレンオキシド、プロピレングリコールお
よびプロピレングリコールエステルから成る群からの少
なくとも一つの化合物を取得するように調節して、反応
せしめる。
この方法を実際に行なうときをζ第二アルコール、たと
えばイソプロパノール、の空気酸化によつて製造した過
酸化水素溶液を、このプロセスにおいて使用すべき平衡
混合物の製造のための出発材料として使用し且つ尿素/
過酸化水素付加物を形成させるために尿素溶液によつて
処理し、それを抽出溶剤(アルキルケトン、アルキルエ
ステルまたは正リン酸アルキル)と混合し、それによつ
て過酸化水素を抽出溶剤中に溶解させ、且つ尿素を沈殿
させ、次いで生成する過酸化水素溶液中の抽出溶剤の少
なくとも一部をカルボン酸、たとえば酢酸、と混合し、
またはそれによつて置換する(ドイツ公開公報第191
7031号、第3頁および実施例1)。次いでこの平衡
混合物を使用してプロピレンの酸化を行ない、異なる量
のプロピレンオキシド、プロピレングリコールおよびプ
ロピレングリコールエステルの生成をもたらす(上記特
許第4頁、第2および3行)。プロピレンオキシドのプ
ロピレングリコールおよびプロピレングリコールエステ
ルに対する割合は、過カルボン酸を含有する平衡混合物
中に残存する水および過剰のカルボン酸の量によつて調
節する(上記特許、第5頁、第6〜8行)。この方法を
、主生成物としてプロピレンオキシドを与えるように行
なうためには、公知のように、比較的多量のカルボン酸
の存在はプロピレングリコールおよびそのエステルの生
成をみちびきやすく、プロピレンオキシドの生成をもた
らし難いから、ドイツ公開公報第1917031号から
明らかなように、僅かに過剰のカルボン酸のみを使用し
て行なうことが適当である(同特許、第6頁、第18〜
23行)。一方、このことは、過カルボン酸の生成速度
の低下を意味し、それがこの方法の経済性に悪影響を与
える(同特許、第7頁、第1〜4行)。その上、鉱酸の
不在のために、この方法における過カルボン酸の生成速
度は、過酸化水素とカルボン酸のあらゆるモル比におい
て、鉱酸が存在する場合よりもかなり低い。この効果は
、いうまでもなく、カルボン酸の過剰量が僅かである場
合には、特に著るしく不利である。この方法において達
成される使用過酸化水素に対するプロピレンオキシドの
収率は、特に未反応の過酸化水素が回収されず且つ未反
応の過カルボン酸を分解するために、僅かであるに過ぎ
ない。データの不足のために、ドイツ公開公報第191
7031号の2つの実施例から、使用した過酸化水素に
対するプロピレンオキシドの収率を正確に計算すること
はできない。しかしながら、ドイツ公開公報第1917
031号のデータから、実施例1(a)によつて製造し
た過酢酸溶液はなお、相当な量の遊離過酸化水素を含有
していなければならず、それによつて使用した過酸化水
素の量に対する過酢酸の収率は、もつとも具合の良い場
合においても、約69%であるにすぎないことは明らか
である。それ故、使用した過酸化水素に対するプロピレ
ンオキシドの収率は、実施例2(B.i)においては、
約64%にかなり低下している。このように、現在の技
術の状態からは、過カルボン酸の製造のためのプロセス
段階に関してのみでなく、引続く、たとえば非水性溶液
としての過カルボン酸とプロピレンとのプロピレンオキ
シドを与えるべき反応の点からも、技術的に満足しうる
解決を見出すことは不可能であるということがわかる。
たとえばイギリス特許第1105261号、ドイツ特許
第1216306号およびドイツ公開公報第19233
92号に記されているような、プロセス工学の点におけ
るこの反応の改良もまた、工業的な規模でこの方法を遂
行するためには、それを使用することができないという
大きな欠点を有している。イギリス特許第110526
1号における基本的な仮定は、両反応物を混合すること
によつて、たとえばプロピレンと過酢酸を混合すること
によつて、この反応を行なう場合に、過カルボン酸に対
して75%の収率が可能であるに過ぎないということで
ある。
(イギリス特許第1105261号、第1頁、第20〜
24行)。このイギリス特許第1105261号におい
ては、非水性の過酢酸溶液とプロピレンの反応を遂行す
るために、反応生成物と出発物質との混合をほとんど阻
止する一連の閉じた反応サイクルを使用することを提案
している。
しかしながら、提案されている方法は、使用する過酢酸
に対するプロピレンオキシドの収率が90%に過ぎず、
2.5モル%のプロピレングリコールモノ酢酸エステル
およびさらに2.5モル%のその他の高沸点副生物が生
成するために、プロピレンと過カルボン酸からのプロピ
レンオキシドの経済的な製造には適当でない(イギリス
特許第1105261号、第3頁、第60〜68行)。
プロピレンと過酢酸の反応に対して、きわめて精密な寸
法を有する蛇管を使用することによるドイツ特許第12
16306号の方法においてすら、理論の86%の収率
が得られるに過ぎない(ドイツ特許第1216306号
、第8欄、第33行)。
ドイツ公開公報第1923392号による方法は、反応
速度は単に反応を圧力下に行なうことによつて増大させ
ることができるけれども、それによつては副反応の発生
を防ぐことはできないことから、反応速度を向上させる
と同時に副反応および2次的反応をも防ぐことを目的と
するものである(ドイツ公開公報第1923392号、
第2頁、第14〜18行)。ドイツ公開公報第1923
392号の方法においては、かくして、多数の反応区域
(実際には多段泡鐘塔)から成る反応系を用いることに
よつて、これらの欠点を排除しようとする試みを行なつ
ている。しかしながら、このようにして反応を行なわせ
ることは、不均一相(気体/液体)におけるプロピレン
と過酢酸の反応に対する操作技術が均一相における反応
に対するものよりも遥かに複雑であるために、技術的に
著るしく費用を要する操作手順を必要とすることにより
、新しい、大きな欠点を引受けなければならない。それ
に対して、(a) 10乃至45重量%の水溶性酸触媒
および20乃至35重量%の過酸化水素を含有する水溶
液をプロピオン酸と、0.8〜1.5:1または3.5
〜5,0:1の過酸化水素:プロピオン酸のモル比で、
10乃至70℃の温度において反応させ、(b)生ずる
反応混合物を向流するベンゼンによつて抽出し、(c)
主として過酸化水素および酸触媒を含有する、抽出から
の水性ラフイネートの全部または一部分を、蒸留による
水の除去によつて濃縮せしめ、そして過酸化水素および
水溶性酸触媒の濃度を、濃縮されるべきラフイネートの
部分に対して蒸留による水の除去の前または後に、ある
いは場合により濃縮されないラフイネートの部分に対し
て、プロピオン酸との反応に必要とされる濃度まで過酸
化水素の濃度を回復するのに必要とされる過酸化水素を
加えることによつて、工程(a)におけるプロピオン酸
との反応に対して必要とされる濃度まで回復せしめ、(
d)濃縮したラフイネートおよび場合により濃縮せしめ
ないラフイネートの部分を反応段階(a)中に循環せし
め、(e)主として過プロピオン酸およびプロピオン酸
を含有するベンゼン抽出物を、水または水溶液によつて
処理し、(f)かくして得られた過プロピオン酸および
プロピオン酸を含有する溶液を過剰のプロピレンと、1
.2〜6:1のプロピレン対過プロピオン酸のモル比に
おいて、50〜90℃の温度および2〜20バールの圧
力で反応せしめ、そして(g)プロピレンオキシドを含
有する反応混合物をそれ自体公知の方法によつて後処理
して、純プロピレンオキシドを単離し且つ過剰のプロピ
レン、プロピオン酸およびベンゼンを回収するときに、
水性の過酸化水素とプロピレンから出発して、技術的お
よび経済的な見地の両方から有利な具合にプロピレンオ
キシドを連続的に製造することができるということがこ
こに見出された。
酸触媒の存在における過酸化水素とプロピオン酸の(a
)による反応においては、プロピオン酸と過プロピオン
酸の間に平衡が存在するが、それは、下式によつて表わ
すことができる。
酸触媒、たとえば硫酸、および過酸化水素の濃度に応じ
て、また過酸化水素とプロピオン酸のモル比に応じて、
約30乃至70%のプロピオン酸が過プロピオン酸に転
化する。
一般に、10乃至45重量%の水溶性酸触媒、たとえば
硫酸またはメタンスルホン酸、および20乃至35重量
%の過酸化水素と共に、プロピオン酸を、純粋な希釈し
ない状態で使用する。
しかしながら、水、過酸化水素または酸触媒を含有する
プロピオン酸を使用することも可能であり、その場合に
は、反応に対して必要な過酸化水素、酸触媒、プロピオ
ン酸および水の比を保持するために、水溶液の濃度を相
応して変化させることが必要である。かくして、たとえ
ばプロピオン酸と過酸化水素の混合物、たとえば20重
量%の過酸化水素を含有するプロピオン酸を、純プロピ
オン酸の代りに使用することができる。いうまでもなく
、このとき酸触媒および過酸化水素を含有する仕込み水
溶液中の過酸化水素含量は、プロピオン酸中の過酸化水
素含量に従つて、水溶液中における20乃至35重量%
の過酸化水素含量に相当する過酸化水素の全仕込み量が
、プロピオン酸中に含まれる過酸化水素および水溶液中
の過酸化水素からもたらされるように、調節しなければ
ならない。たとえば、過プロピオン酸に転化せしめるべ
きプロピオン酸が既に過酸化水素を含有している場合に
は、水溶液自体中の過酸化水素含量を20重量%より低
く、たとえば12乃至19重量%、とすることができる
。触媒と過酸化水素の指示濃度比内において、考え得る
あらゆる混合比を用いることが可能である。22乃至4
3重量%、特に好ましくは23乃至32重量%の酸触媒
および22乃至32重量%の過酸化水素を、反応におい
て使用することが好ましい。
一般に、反応器には、プロピオン酸および酸触媒の水溶
液ならびに過酸化水素の水溶液を一様に仕込む。
しかしながら、3.5〜5.0:1の過酸化水素:プロ
ピオン酸のモル比においては、最初に酸触媒および過酸
化水素を含有する水溶液の全部または一部を導入し、次
いでプロピオン酸を加えることも可能である。0.8〜
1.5:1の過酸化水素:プロピォン酸のモル比におい
ては、最初にプロピオン酸の全部または一部を導入し、
次いで過酸化水素を含有する溶液を加えることもできる
0.8〜1.5:1の過酸化水素:プロピオン酸のモル
比においては、過酸化水素:プロピオン酸の比は、過酸
化水素:プロピオン酸のモル比が0.9〜1.3:1と
なるように選ぶことが好ましい。
0.95〜1.1:1のモル比を用いることが特に有利
である。
3.5:1よりも大きい過酸化水素:プロピオン酸の比
においては、原則として過酸化水素のプロピオン酸に対
する比に対して何らの上限も存在しないが、この比は、
過酸化水素のプロピオン酸に対するモル比が3.7〜4
.5:1となるように選ぶことが好ましい。
3.9〜4.2:1のモル比を用いることが特に有利で
ある。
硫酸を水溶性酸触媒として用いることが有利である。
その他の水溶性の酸、たとえば、メタンスルホン酸、エ
タンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン
酸、イソブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トル
エンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、1−
フルオロエタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホ
ン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸またはパーフル
オロブタンスルホン酸のようなスルホン酸;リン酸ある
いは、たとえば、メタンホスホン酸またはエタンホスホ
ン酸のようなホスホン酸、ホスフイン酸あるいは重硫酸
ナトリウムまたは重硫酸カリウムのような酸の塩類を用
いることもできる。水溶性の酸の混合物を用いることも
できる。工業的に入手できる過酸化水素、たとえば30
乃至90重量%の濃度のH2O2を用いて水溶液を調製
することができる。いうまでもなく、他の化学プロセス
からの副生物として、または復帰流として取得される過
酸化水素もまた適当である。反応温度は一般に10乃至
70℃である。
反応は20〜60℃で行なうことが適当である。43℃
よりも近い温度は、この反応に対して特に有利である。
30乃至40℃の反応温度に保つことが特にきわめて有
利である。
一般に、反応は過プロピオン酸とプロピオン酸の平衡が
確立するまで行なう。
しかしながら、平衡に達する前に反応を中止して、かく
して得た反応混合物を、次のプロセス段階、すなわちベ
ンゼンによる抽出、に送ることもまた可能である。プロ
ピオン酸と過酸化水素の反応に対しては、圧力は重要で
はなく、かくて反応は、常圧、加圧または減圧の何れに
おいて行なうこともできる。一般にG気反応を、1,1
バールよりも低い圧力において行なうことが適当である
。反応は、きわめていろいろな反応器中で行なうことが
できる。
定常状態の濃度勾配を与えるための設備を設けること、
および特に反応混合物の一部分が不均衡に長時間滞留し
ている、いわゆる死区域を避けることが適当である。適
当な反応器は、たとえば、異なる直径および異なる長さ
の通常の反応器であり、それらはまた、閉じたサイクル
として、たとえばループ反応器として、且つまた攪拌反
応器として配置することができる。反応段階(a)から
の反応混合物を、次いで段階(b)におけるベンゼンを
用いる向流抽出に送る。
この向流抽出は、一つまたは二つ以上の抽出装置中で行
なうことができる。ベンゼンのほか、水と混合せず且つ
反応(a)からの反応混合物に対して不活性であるその
他の溶剤、たとえば、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼンまたはシクロヘキサンのような炭化水素;塩化メチ
レン、クロロホルム、1・2−ジクロロエタン、1・2
−ジクロロプロパンまたは1・2−ジクロロ−1●2−
ジフルオロエタンのような塩素化炭化水素:酢酸エチル
、プロピオン酸エチル、リン酸トリブチルエステル、リ
ン酸トリイソブチルエステルまたはメタンホスホン酸オ
クチルエステルのようなエステル類、あるいは、たとえ
ばジ一(4−クロロブチル)エーテルのようなエーテル
類もまた適当である。たとえば、0.5%より僅か、好
ましくは0.1%よりも僅かのプロピオン酸を含有する
循環ベンゼンを使用する。抽出すべき反応混合物に対す
るベンゼンの比は、一般に4〜0.3:1である。しか
しながら、それよりも多量のベンゼンを用いることもで
きる。抽出も、複数の抽出装置中で行なう場合は、使用
するベンゼンの量を、装置によつて変えることができる
。抽出物中の過プロピオン酸含量は、抽出剤の量および
抽出段階の数によつて、広い範囲内で変えることができ
る。
一般に、ベンゼン中における過プロピオン酸の約3乃至
30重量%の濃度の溶液を取得するように、操作を行な
う。約7乃至22重量%の過プロピオン酸を含有するベ
ンゼン抽出物を与えることが好ましい。それ故、抽出段
階の数は、多ければ多いほどよい。しかしながら、一般
に5乃至10の理論抽出段数を有する抽出装置が、望ま
しい濃度の過プロピオン酸溶液を調製するために適して
いる。(a)によつて取得した、過プロピオン酸を含有
する反応混合物の抽出(b)は、次のようにして2段階
として行なうこともできる。(a)によつて得た反応混
合物の全部を、2乃至6理論抽出段数を有する第一の抽
出装置中で、ベンゼンまたは既に少量の過プロピオン酸
およびプロピオン酸を含有しているベンゼン溶液によつ
て向流的に抽出する。第一の抽出装置から出る、本質的
に(a)において反応しなかつた過酸化水素、水溶性酸
触媒および水を含有しているラフイネートを、次いで、
0.1:1乃至20:1、好ましくは1:1乃至10:
1、特に好ましくは2:1乃至5:1の割合に分け:か
くして得た、第一の抽出装置からのラフイネートの少な
いほうの部分流を、できる限り完全な抽出のために、同
じく2乃至6の理論抽出段数から成る第二の抽出装置中
に送り、そこで、ラフイネートのこの部分を、前記のよ
うに、0.1重量%よりも少ないプロピオン酸を含有し
ていることが好ましいベンゼンによつて向流的に抽出す
る。第二の抽出装置から得たベンゼン抽出物は、抽出剤
として、第一の抽出装置にもどし、一方、第一の抽出装
置からのラフイネートの多いほうの部分流を、(a)に
よるプロピオン酸との反応中に再循環させ、且つ本質的
に酸触媒および過酸化水素を含有する水染液である第二
の抽出装置からのラフイネートを、(c)による再濃縮
にかけることが有利である。第二の抽出段階において抽
出せしめるべき、第一の抽出段階からの比較的少量のラ
フイネート流に対するベンゼンの比は、広い範囲内で変
えることができるが、この比は0.5:1乃至8:1、
特に1:1乃至4:1であることが好ましい。いうまで
もなく、両抽出段階からのラフイネートは、できる限り
プロピオン酸および過プロピオン酸を含有しないものが
得られることが望ましい。しかしながら、一般に、第二
の抽出段階からのラフイネート中に残つているプロピオ
ン酸および過プロピオン酸が、0.2%よりも少なけれ
ば適当である。抽出の間の温度は広い範囲内で変えるこ
とができる。
一般には、抽出は10乃至70℃の温度において行なう
。選ぶ温度は、(a)において過プロピオン酸を取得す
るための反応に対して用いたと同じであることが適当で
あり、それ故、反応段階(a)に対して記したその他の
温度もまた、抽出(b)に対して可能である。圧力に関
しては、抽出は常圧、減圧または加圧の何れにおいて行
なうこともできる。使用することができる抽出装置は、
多段向流抽出が可能な公知の抽出装置である。
たとえば、混合機/沈降タンク、ふるいトレー抽出器、
脈動ふるいトレー塔または噴霧塔が適当である。しかし
ながら、単一段または多段遠心抽出器を用いることもで
きる。過プロピオン酸およびプロピオン酸のほかに、有
機抽出物は少量の遊離過酸化水素、水および触媒として
用いた痕跡の酸、たとえば硫酸、をも包含している。
ラフイネートは、本質的に未反応の過酸化水素および酸
触媒を含有している。主として水、過酸化水素および、
触媒としての、たとえば、硫酸を含有している、抽出か
らのラフイネートは、次いで、蒸留によつて水を除去す
ることによつて、その全部または一部を再濃縮すること
により、プロピオン酸と過酸化水素の再度の反応のため
に、プロセス段階(c)において処理する。
この再濃縮段階に送るラフイネート流から留去すべき水
の量は、本質的に(a)における過酸化水素とプロピオ
ン酸の反応によつて生成した水の量および消費した量を
補充するために要する新しい過酸化水素と共にプロセス
中に導入する水の量の両者に相当する。少量の過酸化水
素、過プロピオン酸およびプロピオン酸を含有し得る水
を、蒸留塔からの塔頂生成物として取得する。一般に、
蒸留ぱ減圧下に、たとえば10乃至250詣Hg、好ま
しくは40乃至150韮Hgにおいて、且つ40乃至1
20℃、好ましくは60乃至85℃の塔底中の温度にお
いて、行なう。抽出を単独の抽出装置中で行なう場合に
頃一般に、抽出段階から出るラフイネート流の全部を再
濃縮することもまた適当である。しかしながら、(a)
によつて得た反応混合物の抽出を、たとえば、2抽出装
置中で行なう場合にlζ第一の抽出段階からのラフイネ
ートと第二の抽出段階からのラフイネートの両方を、再
濃縮に送ることも可能である。2抽出装置中で行なう抽
出の場合において、第一の抽出装置からのラフイネート
を大小の部分流に分割する場合には、原則として、これ
らの量のそれぞれが再濃縮に対して適している。
抽出が2抽出装置から成り且つ第一の装置を出るラフイ
ネートを大小の部分流に分割し、且つ小部分流を第二の
装置中に送る場合には、第二の抽出装置からのラフイネ
ートを再濃縮のための蒸留にかけることが有利である。
消費した量を補充するための新しい過酸化水素は、何ら
かの望ましい濃度で加えることができる。工業的に入手
できる過酸化水素、たとえば30乃至90重量%の濃度
の過酸化水素水溶液を用いることが適当であり、それに
は常用の安定剤が加えてあつてもよい。たとえば、グメ
リンの11無機化学ハンドブツク(GmelinsHa
ndbuchderanOrganiscnenChe
mie)、第8版、酸素巻、第7節、1966年の第2
274および2275頁に挙げられているような安定剤
が適当である。新鮮な過酸化水素は、蒸留装置中に入れ
る前に、プロセス段階(b)による抽出からの、再濃縮
せしめるべき、ラフイネートと混合することができる。
また両者を別々に蒸留装置中に流入させてもよい。ラフ
ィネートを再濃縮したのちに、それに対して新しい過酸
化水素を加えることもまた可能である。新しい過酸化水
素の一部を、再濃縮する以前のラフイネートと混合し且
つ残りの量の新しい過酸化水素を、再濃縮後のラフイネ
ートに対して加えることもできる。しかしながら、新し
い過酸化水素を直接に(a)による反応中に供給するこ
と、あるいは再濃縮に送らない抽出からのラフイネート
の部分に対して混合せしめることもできる。
蒸留装置としては、凝縮器と蒸発装置を備えた蒸留塔を
用いることが適当である。蒸留には公知のトレー塔また
は充てん塔を用いることができる。
蒸留段数は、塔頂生成物ができる限り僅かの過酸化水素
しか含まないように選ぶ。凝縮物中に0.1重量%より
僅かの過酸化水素しか存在しないことが望ましい。原則
として、蒸発装置としては公知の蒸発器が適当である。
たとえば、内容物の滞留時間が20分よりも短かく、好
ましくは10分よりも短かい蒸発器装置が適当である。
落下流蒸発器または薄層蒸発器が特に適当である。蒸留
装置のための適当な材料は、・・イアロイ、鉄のほかに
主としてクロムおよびニツケルをも含有する高級ステン
レス鋼、たとえば鉄のほかに17.5重量%のクロム、
11.5重量%のニツケル、2.25重量%のモリブテ
ンおよび2重量%に至るまでのマンガン、1重量%に至
るまでのケイ素、0.1重量%に至るまでの炭素ならび
に少量のチタンを含有するDINl.457lによる材
料、または鉄のほかに25重量%のクロム、25重量%
のニツケル、2.25重量%のモリブデンおよび2重量
%までのマンガン、1重量までのケイ素、0.06重量
%までの炭素ならびに少量のチタン含有する、DINに
より1.4577の番号で指定されている材料である。
ジルコニウム、ジルコニウムを含有する材料およびジル
コニウム合金は、蒸留装置、特に蒸発器に対する材料と
して、特に適している。この蒸留装置からの塔底生成物
は、必要に応じ過酸化水素と触媒の濃度を、プロピオン
酸との反応に対して必要な濃度に回復させて、反応段階
(a)中に送り返す。
全部または一部が予め再濃縮中を通過せしめてある抽出
からのラフイネートを反応段階(a)に再循環させるこ
のような方策によつて、本質的にプロセス段階(a)、
(b)、(c)および(d)を包含する、過酸化水素お
よび触媒の循環が達成される。循環流の一部、たとえば
0.1乃至6重量%、を、側流として、ときどき、また
は連続的に、プロセスから取出すことが適当な場合もあ
る。この側流は、循環流中において、過酸化水素および
酸触媒の濃度ならびに存在するかも知れない過プロピオ
ン酸およびプロピオン酸の濃度ができる限り低いプロセ
ス中の地点において取出すことが、有利である。新しい
過酸化水素を加える以前および(c)による再濃縮以前
の抽出からのラフイネートは、この側流としての取出し
に対して特に適している。循環流の一部であり且つ本質
的に過酸化水素および酸触媒を含有する水溶液であるこ
の側流は、廃棄してもよいし、あるいは再生工程へ送つ
て仕上げてもよい。たとえば、循環流のこの部分は、そ
の中に含まれている過酸化水素を蒸気と共に減圧下に留
去し、蒸留残として酸触媒の水溶液を取得することによ
り、再生することができる。留出物として得られる過酸
化水素を含有する水溶液は、必要に応じ再濃縮したのち
、プロセス中にもどすことができる。たとえば蒸留によ
る精製後に、酸触媒の水溶液もまた、プロセス中に送り
返すことができる。循環中この交換によつて、触媒、た
とえば硫酸、の相当する部分を、プロセスから取出し且
つプロセス中に補充しなければならない。硫酸と過酸化
水素水溶液の混合物の形態にある必要量のH2SO4を
加えることによつて、硫酸を補充することが適当である
が、循環の側流の再生により取得し、且つ必要に応じ、
過酸化水素と硫酸の新しい仕込み量の添加によつて補充
した、過酸化水素と硫酸の量を用いることが適当である
。しかしながら、循環流の補充に要する、過酸化水素お
よび硫酸を含有する水溶液の全量を、新しい過酸化水素
と新しい硫酸から調製することもできる。本質的に過プ
ロピオン酸とプロピオン酸を含有し且つプロセス段階(
b)に従つて取得するベンゼン抽出物は、プロセス段階
(e)において水または水溶液によつて処理する。一般
に、この過程は、過プロピオン酸を含有するベンゼン抽
出物を、このような目的に常用される装置の一つの中で
、水によつて洗浄するというものである。この洗浄は、
たとえば3段抽出装置中における水による抽出として、
たとえば多段向流抽出として行なうことが適当である。
いうまでもなく、向流抽出の代りに並流抽出または交さ
流抽出を用いることもできる。複数の抽出段階で処理す
る場合は、抽出を、部分的に並流抽出として、且つ部分
的に向流抽出として、行なうこともできる。ベンゼン抽
出物に対して0.1乃至10容量パーセントの、水また
は水溶液を用いることが適当である。0.5乃至6容量
%の水を用いることが好ましい。
水の代りに、実質的に過酸化水素および鉱酸を含有しな
い水溶液を用いることもできる。本発明のプロセス中で
取得される水相を用いることが適当である。たとえば、
反応混合物からのベンゼンの蒸留による回収により、ベ
ンゼンと共に、塔頂生成物として得られる水相が適当で
ある。水処理からの水相は、その中に含まれている部分
のプロセスのための過プロピオン酸および過酸化水素を
取得するために、(b)におけるベンゼンを用いる抽出
中に送り返すことができる。公知の抽出装置、たとえば
混合機/沈降タンク、ふるいトレー抽出器、脈動ふるい
トレー塔または抽出遠心分離機が、プロセス段階(e)
による水処理のための装置として適当である。
このようにして、過プロピオン酸を含有し且つ実質的に
過酸化水素および触媒の酸を含まないベンゼン溶液を取
得するが、それは約0.5乃至7重量%の水、特に、(
a)におけるプロセス段階において用いる過酸化水素:
プロピオン酸のモル比が0.8乃至1.5:1である場
合には約2乃至7重量%、および過酸化水素;プロピオ
ン酸のモル比が3,5乃至5.0:1である場合には約
0.5乃至2.0重量%の水を含有していてもよい。
実質的に鉱酸および過酸化水素を含有していない、この
ベンゼン中の過プロピオン酸の溶液を、プロセス段階(
1)において、50乃至90℃の温度および2乃至20
バールの圧力で、1.2乃至6:1のプロピレン:過プ
ロピオン酸のモル比で、過剰のプロピレンと反応させる
この反応は、2.5乃至15バールの圧力においても遂
行することができる。たとえば5乃至10バールの圧力
が適当な圧力範囲である。この反応z人 6乃至9バー
ルの圧力で行なうことが好ましい。反応温度は65〜8
0℃に保つことが好ましい。等温的な条件下の処理、す
なわち全反応混合物中で均一な温度を保つ処理に加えて
、この処理は、一般には反応の進行につれて上昇する、
いわゆる温度勾配を反応中に与えて行なうことも可能で
ある。しかしながら、この反応は、反応の進行につれて
低下する温度勾配を与えるようにして行なうこともでき
る。一般に、圧力、温度およびプロピレンの過剰量に関
しての反応条件は、反応器中の反応混合物が一つの液相
および、場合によつては、一つの気相のみから成つてい
るように選ぶ。しかしながら、第二の液相が生成し得る
ような条件を選ぶこともまた可能である。プロセス段階
(f)を行なうときの圧力は、反応混合物が主として液
相中に存在しているように選ぶことが適当である。
たとえば、2.5:1のプロピレン:過プロピオン酸の
モル比および70乃至80℃の反応温度においては、圧
力は、たとえば6乃至10バールとする。プロピレン対
過プロピオン酸のモル比は、1.5〜4:1であること
が好ましい。
過プロピオン酸1モル当りに2.0乃至3.0モルのプ
ロピレンというモル比を用いることが、特に著るしく有
利である。たとえば撹拌反応がま、管状反応器またはル
ープ反応器のような、この種の反応に対して一般に用い
られる装置を、この反応の遂行に対して使用することが
できる。
一般に、少なくとも二つの理想的に混合させる反応がま
のカスケードとして働らく反応系を用いる。4乃至50
1好ましくは5乃至30の理想的に混合させる反応がま
のカスケードとして働らく反応系を用いることが特に有
利である。
実際に反応を行なう場合には、たとえば、いくつもの撹
拌反応がまの系列たとえば3乃至6の反応がまのカスケ
ードを用いる。一般にプロセス段階(イ)による反応に
対しては、工業用のプロピレンを用いる。
これは、工業用として一般的な不純物、特にプロパンを
含有していてもよ℃・oいうまでもなく、特別に精製し
たプロピレン、たとえば0.5%よりも僅かのプロパン
を含有するプロピレンを用いることもできる。プロピレ
ンは、いろいろな具合に、反応装置中に導入することが
できる。プロピレンは液体または気体の状態で用いるこ
とができる。プロピレンを過プロピオン酸溶液と一緒に
反応装置中に通することもできる。両仕込み材料を、そ
れぞれ別々に、反応器中に導入することもできる。プロ
ピレンおよび過プロピオン酸溶液を、異なる場所で反応
器中に通することもまた可能である。カスケードとして
配置した多数の反応器を用いる場合には、全部のプロピ
レンを第一の反応器中に導入することが適当である。し
かしながら、プロピレンを、異なる反応器の間に分割す
ることもできる。たとえば、そのような場合に、50乃
至95%のプロピレンを第一の反応器中に導入し、残り
の量のプロピレンを第二の反応器に導入するというよう
に行なうことができる。かなりの反応熱を、内部または
外部的な冷却器によつて除去する。
反応熱を除去するために、反応を還流下に行なうことも
できる(沸とう反応器)。反応はできる限り完全な過プ
ロピオン酸の転化のもとで行なうことが適当である。一
般に、過プロピオン酸の98%よりも多くを転化せしめ
る。99%よりも多くの過プロピオン酸を転化せしめる
ことが適当である。
反応は、乱流が存在している反応管中で部分的に行ない
、その反応管を、たとえば、撹拌反応がまの系列に対し
て接続せしめるときは、特に高い選択率で行なうことが
できる。バツクミキシングを十分に防止するインサート
、たとえば有孔じやま板を備えている反応管を用いるこ
とが特に有利である。たとえば、反応を、先ず直列に並
べたいくつかの、たとえば1乃至3の、攪拌反応装置中
で行ない、次いで反応混合物を反応管中に送つて、反応
を完了させる。反応管は断熱条件下に運転することがで
きる;しかしながら、たとえば外部的な冷却によつて冷
却すること、または管の個々の部分間に冷却器を取り付
けることもまた可能である。反応を完結させるために、
たとえば5乃至10段階を有する室反応器を用いること
もまた可能である。プロピレンと過プロピオン酸の間の
反応(段階f)を本発明に従つて行なう場合に、使用す
る過プロピオン酸に対して96%よりも高いプロピレン
オキシドの収率を達成することが可能である。
副生瓢たとえばプロピレングリコール、プロピレングリ
コールモノエステルおよびプロピレングリコールジエス
テルの量昏ζ生成するプロピレンオキシドに対して、2
モル%よりも少ない、たとえば0.9モル%またはそれ
以下である。反応混合物は、公知の方法に従つて仕上げ
処理する。
仕上げ処理の目的は、純プロピレンオキシドを取得し且
つ、場合によつては、過剰のプロピレン、プロピオン酸
および有機溶剤を、本発明方法を構成する上記段階(a
)、(b)又は(f)に再循環させることができるよう
な純度で、分離することである。反応混合物は一般に、
蒸留によつて後処理する。
プロピレンオキシドとプロピオン酸は、きわめて迅速に
、相互から分離することが適当である。そのためにlζ
たとえば、場合によつては低沸点成分および溶剤の一部
と共に、先ずプロピレンオキシドを塔頂から取出し且つ
残りの溶剤とプロピオン酸を塔底生成物として取得する
という蒸留塔を用いる。このような第一蒸留段階の塔頂
生成物は、2液相から成つていてもよい。この塔頂生成
物中の水相は一般に、仕込みの点の近くで第一の蒸留段
階にもどす。塔頂生成物中の有機相は、たとえば、もう
一つの蒸留塔中で、純プロピレンオキシドを取得するた
めに再び処理する。有機溶剤(ベンゼン)およびプロピ
オン酸を、これらの両蒸留塔からの塔底生成物から回収
する。プロピオン酸の蒸留からの蒸留残渣は、先に挙げ
た少量の副生物である。原則として、溶剤のベンゼンは
、定量的に回収することができる。ベンゼンの蒸留にお
いては、一般に、塔頂においてベンゼンと共に水相が得
られるが、この水相は、既述のように、プロセス段階(
e)によるベンゼン抽出物の水処理のために用いること
ができる。本発明による方法の一実施形態を、第1図を
参照しながら説明する。
2によつて22乃至28重量%の過酸化水素と23乃至
28重量%の硫酸を含有する水溶液を、且つ同時に3に
よつて3.9乃至4.2:1の過酸化水素のプロピオン
酸に対するモル比においてプロピオン酸を、25乃至4
5℃の温度で、第一の反応段階1中に供給する。
反応装置1中における滞留時間は、10乃至30分であ
る。4によつて反応装置1を出る反応混合物は、約7乃
至11重量%の過プロピオン酸、4乃至7重量%のプロ
ピオン酸、19乃至23重量%の硫酸、0.5乃至2重
量%の力ロー酸および18乃至22重量%の過酸化水素
を含有する。
それを、70乃至100ふるいトレーを有する脈動ふる
いトレー塔から成り且つ管6によつて0.1重量%より
も低いプロピオン酸含量を有するベンゼンを仕込む抽出
系5中に送る。1からくる抽出すべき反応混合物に対し
てのベンゼンの比率は、0.3乃至2:1である。
かくして、抽出物中の過プロピオン酸の含量は、使用す
るベンゼンの量によつて、広い限界内で調節することが
でき且つ6乃至12重量%である。系5から7によつて
取出すこの抽出からのラフイネートは、反応系1中で転
化しなかつた過酸化水素および硫酸ならびに、硫酸と過
酸化水素を含有する混合物として、これらの成分から常
に少量生成する力ロー酸、および少量の過プロピオン酸
ならびにプロピオン酸を含有する。抽出からこのラフイ
ネートを、8において2:1乃至5:1の比率で、大小
の部分流に分ける。大きいほうのラフイネートの部分流
を、管路9によつて混合槽10に送り、小ラフイネート
流を、11によつて蒸留装置12に送る。蒸発器および
塔から成る蒸留装置12中で、40〜120mmHgの
圧力および60〜85℃の塔底温度において、塔頂から
水を取出し、且つこの水を13によつてプロセスから抜
き取る。13によつて留出物として取出す水の量は、本
質的に、消費される過酸化水素の量を補充するために必
要とする14によつてプロセス中に供給する新しい過酸
化水素中に含まれる水の量と、反応段階1中で生ずる水
の量と、ベンゼン抽出物のための洗浄剤として働らく1
5によつてプロセス中に導入する水の量との和に相当す
る。
13によつて取出す留出物は、少量の過プロピオン酸、
プロピオン酸および過酸化水素を含有する。
蒸留塔12のための蒸発装置本しては、落下流蒸発器を
使用する。本質的に過酸化水素および硫酸を含有する水
溶液を、12において行なわれる、11によつて供給す
るラフイネート流の再濃縮からの塔底生成物として取得
する。16によつて10に送る、この水溶液中の過酸化
水素と硫酸の濃度は、12において物質流11から留去
すべき水の量および再濃縮に送るラフイネート流11自
体の量によつて決定される。
それ故、16中の過酸化水素と硫酸の濃度は、8におけ
る抽出からのラフイネートの分割に対して選択する比率
によつて決定される。抽出系5からの過プロピオン酸の
ベンゼン抽出物は、17によつて抽出系18中に送り、
そこで抽出物を15を経て供給する水によつて向流的に
抽出する。抽出系18は、1乃至5理論抽出段から成る
脈動ふるいトレー塔から成つている。15によつて18
中に導入する水の量は、ベンゼン溶液の0.5乃至2容
量%である。
抽出装置18からの水相を、19によつて抽出系5中に
もどす。このようにして水によつて処理した過プロピオ
ン酸のベンゼン溶液は、本質的に触媒溶液および過酸化
水素を含んでいない。これを20によつて反応系21中
に送り、そこで、22によつて系中に供給するプロピレ
ンとの反応を、1.4乃至6:1のプロピレンの過プロ
ピオン酸に対するモル比において、行なわせる。21中
の圧力は4乃至15バールである。
反応系21は、長さ10〜80mの下流の遅延管を伴な
う直列の2ループ反応器から成つている。循環ポンプを
用いて内部の反応物を混合する2つのループ反応器中の
温度は、約60乃至80℃である。
過プロピオン酸の80乃至95%を、この2つのループ
反応器内で転化せしめる。99。
8%の転化率に至るまでの、その後の過プロピオン酸の
反応は、冷却なしで運転する、下流の遅延管中で行なわ
せる。
生成する反応混合物を23によつて受器24中に移し、
そこで圧力を下げる。かくして得ることができる気相は
主としてプロピレンを含有しており、これを25によつ
て過プロピオン酸との反応中にすなわち反応系21中に
再循環させる。次いで、26によつて蒸留装置27中に
送る液相から、蒸留によつてプロピレンオキシドを、残
存プロピレンおよびベンゼンの一部と共に分離する。プ
ロピレン、プロピレンオキシドおよびベンゼンを含有す
る液流を、28によつて蒸留装置29中に送り、そこで
成分の分離をさらに行なつて純プロピレンオキシドを取
得し、それを30によりプロセスから取出す。プロピレ
ンは、31によつて反応系21中に再循環させる。塔2
7および29からの塔底生成物は、32および33によ
つて、別の蒸留装置34に送り、そこでベンゼンを塔頂
生成物として回収し、且つ6によつて抽出系5中に再循
環させる。塔頂生成物としては、ベンゼンと共に水を取
得するが、それは35によつて系を離れる。主としてプ
ロピオン酸を含有するベンゼン回収塔34からの塔底生
成物を、36によつて蒸留装置37に送り、そこでプロ
ピオン酸を塔頂生成物として留去し、このプロピオン酸
を3によつて反応系1中に再循環させる。プロピオン酸
より高沸点の生成物を、蒸留装置3rから塔底生成物と
して取得して、38によつてプロセスから取出す。別の
実施形態において、本発明による方法を、第2図に関連
して以下に説明する:第一の反応段階1において、下記
のものを、25乃至43℃の温度において同時に加える
:2によつて32乃至39重量%の硫酸および28乃至
32%の過酸化水素を含有する水溶液、ならびに3によ
つて、過酸化水素:プロピオン酸のモル比が0.9〜1
.2:1になる量のプロピオン酸。
反応系1中の滞留時間は10乃至30分である。4によ
つて反応系1を出る反応混合物は、約26乃至32重量
%の過プロピオン酸、12乃至17重量%のプロピオン
酸、17乃至21重量%の硫酸、5乃至8重量%の過酸
化水素および2乃至5重量%の力ロー酸を含有する。
それを抽出系5に送る。抽出系5は、60乃至90のふ
るいトレーを有する脈動ふるいトレー塔から成り且つ6
によつて0.1%よりも少ないプロピオン酸を含有する
ベンゼンの供給を受ける。7によつて抽出系5から排出
させる、この抽出からのラフイネートは、反応系1中で
転化しなかつた過酸化水素および硫酸を含有する。
それを、9によつて導入する30〜70%の濃度を有す
る市販の過酸化水素水溶液と共に、蒸発器および塔から
成る蒸留装置8中に送り、そこで40〜120mmHg
の圧力および60乃至80℃の塔底温度において処理し
て、得られる塔底生成物が32乃至39重量%の硫酸と
28乃至32重量%の過酸化水素を含有する水溶液とな
るように、十分な水を塔頂から取出し、塔底生成物は2
によつて反応系1にもどす。蒸留装置8の塔頂で取出す
水は、10によつてプロセスから取出す。留出物として
取得される水の量は、本質的に過酸化水素出発材料中に
含まれる水の量および(a)に従がう反応段階、すなわ
ち反応系1中で生ずる水の量に相当する。蒸留塔8にお
いて用いる蒸発器装置は、流下カーテン蒸発器である。
抽出系5からの過プロピオン酸のベンゼン抽出物は、1
1によつて、3混合機/分離器から成る抽出系12中に
供給し、そこでその抽出物を、13によつて導入する水
および30によつて系12に入る、蒸留装置29からの
水性の塔頂生成物によつて、向流として抽出する。水の
量はベンゼン溶液の3乃至6容量パーセントである。こ
の抽出装置12からの水相は、14によつて抽出装置5
中にもどす。水による処理を受けて、もはや触媒の酸を
含有していない過プロピオン酸のベンゼン溶液は、2〜
7重量%の水を含有しているが、それを15によつて反
応系16中に送り、そこでプロピレンとの反応を、1.
2〜3:1のフロピレン:過プロピオン酸のモル比にお
いて行なう。プロピレンは、17,18および20によ
つて、反応系16中に通する。16中の圧力は5〜9バ
ールである。
反応系16は、長さ10〜80mの下流の遅延管を伴な
う、直列の2ループ反応器から成つている。この2つの
ループ反応器中の温度は約50乃至80℃であり、その
中で循環ポンプを用いて反応物を混合する。過プロピオ
ン酸の80乃至95%をここで転化させる。99.8%
に至るまでの過プロピオン酸のそれ以上の反応は、冷却
なしに運転する下方の遅延管中で行なう。
生成する反応混合物を、21によつて降圧器19中に移
し、そこで圧力を低下させる。かくして得た気相は、主
としてプロピレンを含有しており、これを反応系16中
の圧力まで圧縮したのち、20によつて過プロピオン酸
との反応申に再循環させる。次いで、残留プロピレンお
よびベンゼンの一部と共に、プロピレンオキシドを、2
2によつて蒸留装置23中に送る液相から、蒸留によつ
て分離する。プロピレン、プロピレンオキシドおよびベ
ンゼン含有流を、24によつて蒸留装置25に供給し、
そこでさらに成分の分離を行なつて、純プロピレンオキ
シドを取得し、それを26によつてプロセスから取出す
。プロピレンは18によつて反応系16中に再循環させ
る。塔23および25からの塔底生成物&ζ 27およ
び28によつて別の蒸留装置29に送り、そこでベンゼ
ンを塔頂生成物として回収して、6によつて抽出系5中
に再循環させる。蒸留装置29からの留出物として、ベ
ンゼンと共に取得する水相は、30によつて抽出系12
に送る。主としてプロピオン酸から成る、ベンゼン回収
塔29からの塔底生成物は、31によつて蒸留装置32
に送り、そこでプロピオン酸を塔頂生成物として留去し
、このプロピオン酸を反応系中に3によつて再循環させ
る。
プロピオン酸より高い沸点を有する物質を、蒸留装置3
2から塔底生成物として取得して、33によつてプロセ
スから取出す。本発明の方法によれば、プロピレンオキ
シドを、使用する過酸化水素に対して少なくとも92%
、また、使用するプロピレンに対して少なくとも95%
の収率で、製造することができる。
本発明による方法の利点は次のように要約することがで
きる:1.高い収率によるすぐれた経済性; 2.たとえばクロロヒドリン法の場合におけるような環
境を汚染する副生物が生成しない:3.たとえば、プロ
ピレンのための酸化剤として炭化水素過酸化物を使用す
る方法の場合におけるような共生成物が存在しない;4
.たとえばプロピレングリコール、プロピレングリコー
ルモノプロピオネートまたはプロピレングリコールジプ
ロピオネートのような副生物の量がきわめて僅かである
;5.簡単なプロセス操作により技術的な困難が少ない
;および6.大規模の工業的プロセスに対して必要なよ
うな、過酸化化合物の取扱いによる爆発の危険のほとん
ど完全な排除。
実施例 1(第3図参照) 連続操作において、1時間当り260.17(一3.5
1モル/時間)のプロピオン酸を管路2によつて、31
.7重量%の硫酸、26.98重量%の過酸化水素およ
び1.28重量%の力ロー酸を含有する水溶液5407
/時間を管路3によつて、1時間当り136.47の濃
度50重量%の過酸化水素水溶液(−68.27/時間
のH2O2−2.0モル/時間)を管路4によつて、且
つ24.65重量%の硫酸、21.21重量%の過酸化
水素、1.0重量%の力ロー酸、1.52重量%のプロ
ピオン酸および2.25重量%の過プロピオン酸を含有
する水溶液を、1時間当り1620.37の量゛C、管
路5によつて、充てん物を含有し且つ60C7nの長さ
と5C771の直径を有している加熱可能な遅延管から
成る反応系1中に仕込む。
反応系1中を通過する、上記物質流の混合物中における
過酸化水素:プロピオン酸のモル比は、力ロー酸中に結
合している過酸化水素および液流5中に少量含まれてい
る過プロピオン酸中に結合しているH2O2の量をも遊
離のH2O2として計算して、4:1である。物質流2
,3,4および5から得た混合物を、反応系1中におい
て40℃に18分間加温し、2によつて供給したプロピ
オン酸の55%が過プロピオン酸に転化するような具合
に、一方においてプロピオン酸と過酸化水素の間に、他
方において過プロピオン酸と水の間に、平衡を確立する
遅延管1の通過後に、平均して、8.23重量%の過プ
ロピオン酸、5.54重量%のプロピオン酸、22.3
1重量%の硫酸、0.9重量%の力ロー酸、19.23
重量%の過酸化水素および43。79重量%の水を含有
し且つ1時間当り2557.27の量で取得する生成物
流を、室温まで冷却し且つ気体分離器6中に送り、そこ
で88容量%の酸素と12容量%の二酸化炭素から成る
気体を1時間当り150m1の割合で分離して、管7に
よつて除去する。
脱気した反応混合物を、次いで、8において、19.6
重量%の過プロピオン酸、12.4重量%のプロピオン
酸および12.67重量%の過酸化水素を含有し且つ管
路9によつて供給する、1時間当り56fの水溶液と混
合したのち、抽出系10に送る。抽出工程は20℃の温
度において行なう。40のふるいトレーを備え、2mの
長さと2.5cr1Lの直径を有し且つ上端および下端
の両方に相分離を行なうための一つずつの分離器を付し
た、脈動ふるいトレー塔を、抽出系10として使用する
生成物流9と分離器6を出る液流とを混合したのちに得
た混合物は、1時間当り2613,2fの量で、塔の上
端において、分離器の下方に仕込み、且つ、重質相とし
て、塔中を頂部から底部へと流し、一方、抽出剤として
働らき且つ0.97重量%の過プロピオン酸、0.64
重量%のプロピオン酸、0.22重量%の水および痕跡
の過酸化水素を含有し且つ後続の抽出装置12からベン
ゼン抽出物として取出したものであるベンゼン溶液を、
管路11によつて塔10中に、この塔の下端において1
時間当り1550.4yの量で仕込む。9.96重量%
の過プロピオン酸に加えて、6.68重量%のプロピオ
ン酸、0.61重量%の水、0.43重量%の過酸化水
素および痕跡の硫酸をも含有する過プロピオン酸のベン
ゼン溶液を、1時間当り18497の量で、塔10の上
方の分離器から、管路13によつて取出す。
10中で行なわれる抽出からのラフイネートを、下方の
分離器中で重質相として集め、そこから連続的に、管路
14によつて、1時間当り2314.67の量で取出す
このラフイネートは、平均して、24.65重量%の硫
酸、21.21重量%の過酸化水素、1.0重量%の力
ロー酸、49.37重量%の水および2.25重量%の
過プロピオン酸ならびに1.52重量%のプロピオン酸
を含有する。これを15において、7:3の割合で大小
の液流に分割する。ラフィネートのこれらの部分流の中
の多いほうを、管路5によつて反応系1に再循環させ、
一方、少ないほうの液流は、16によつて、抽出装置1
2へ送り、その土端に導入する。10と同様に、装置1
2は、分離器を備え、2.5mの長さと20m77!の
幅を有し且つ等間隔で設けた50の実際のトレーを有し
ている脈動ふるいトレー塔から成つている。
管塔17によつて1時間当り15227の量で供給する
抽出剤として働らき且つ少量のプロピオン酸ぉよび水を
含有していてもよいベンゼンを、塔12の下端に導入す
る。かくして、抽出装置10からのラフイネートの僅か
なほうの部分流16を、装置12中でベンゼンによつて
向流によつて抽出する。室温で行なうこの抽出からの抽
出物として得たベンゼン溶液を、塔10に送り、一方、
25.7重量%の硫酸、22.11重量%の過酸化水素
、1.04重量%の力ロー酸および0.09重量%の過
プロピオン酸ならびに0.08重量%のプロピオン酸を
含有する水溶液を、1時間当り666yの量で、12中
で行なわれる抽出からのラフイネートとして、18によ
つて塔の下方の部分から取出す。このラフイネート流1
8は、水の留去により再濃縮することによつて、さらに
仕上げ処理して、プロピオン酸との反応のために反応装
置1に再循環させる。この再濃縮工程は、蒸留塔19中
で行なわれるが、この蒸留塔は40mmHgの圧力で運
転し且つ泡鐘トレー、凝縮器、還流比を変化させること
ができる装置、および沸とうする液体の蒸気によつて加
熱することができる流下膜蒸発器を備えた塔(長さ1m
1長径50mm)から成つている。ラフイネート流18
を、この塔の下部中に仕込む。60〜63℃の塔底温度
、32℃の塔頂における温度および0.7の還流比(還
流/取出し)において、水のほかに0.52重量%の過
プロピオン酸および0.43重量%のプロピオン酸おも
含有する留出物を、1時間当り124.57取得して、
管路44によつてプロセスから取出す。
一方、31.7重量%の硫酸、26.98重量%の過酸
化水素および1.28重量%の力ロー酸を含有する、1
時間当り540fの水溶液を、管路3によつて塔19の
底から取出し、且つ30℃に冷却したのち、反応系1に
再循環させる。このようにして確立された、反応系1、
分離器6、抽出装置10および12、ならびに蒸留装置
19を包含する、本質的に硫酸、過酸化水素および水か
ら成る循環から、抽出塔12のラフイネートとして、液
流18から1時間当り1.547を管路20によつて取
出して、適当な用途へ送るかまたは再生せしめる。この
ように循環から取出す硫酸および過酸化水素の量は、こ
のラフイネート(液流18)と同じ組成を有しており且
つ適正な濃度の硫酸および過酸化水素の水溶液から調製
する混合物の単位時間当りに同一の量を、連続的に、生
成物流18が蒸留塔19中に入る以前に、管路21によ
つて直接的に蒸留塔19中に供給することによつて、補
充する。循環におけるこの交換により生ずる過酸化水素
の損失は、4によつてプロセス中に仕込む新鮮過酸化水
素に対して0.5%であるが、これはいうまでもなく2
0によつて取出す過酸化水素の量を再生せしめず、かく
して管路21によつて供給すべき補充溶液の調節のため
に用いることができない場合のみのことである。抽出系
10から13によつて有機相として取出す過プロピオン
酸のベンゼン溶液は、抽出系22中に送り、そこで水に
よつて向流的に抽出するが、この抽出は、脈動ふるいト
レー塔(長さ1.50m、直径20mm)として設計し
てある抽出装置22の下端に10からくる有機相を仕込
み、一方、管路23によつて塔22に供給する脱イオン
水を1時間当り36m1の量で塔の上端に仕込むような
具合に行なう。水相として、19.6重量%の過プロピ
オン酸、12.4重量%のプロピオン酸、12.67重
量%のH2O2および55.33重量%の水を含有する
混合物を、l時間当り567の量で取得し、且つ塔の底
部から管路9によつて取出す。9.47重量%の過プロ
ピオン酸、6.37重量%のプロピオン酸、0.05重
量%の過酸化水素および0.89重量%の水を含有する
、1時間当り1829yのベンゼン溶液を、塔22の上
端に位置する分離器から取出して、管路25によつて反
応装置27に送り、そこで過プロピオン酸とプロピレン
の反応を行なう。
長鎖アルコールによつて部分的にエステル化してある、
市販のポリリン酸のナトリウム塩の種類の安定剤の、プ
ロピオン酸中における、濃度約3重量%の溶液を、1時
間当り5m1の量で管路26によつて過プロピオン酸の
ベンゼン溶液中に、それを反応装置27中で使用する以
前に、添加する。生成物流25中に含まれる過プロピオ
ン酸の収率は、プロセス中で使用する過酸化水素に対し
て、96%である。3段階反応がまカスケードの形態に
ある反応系27中に25によつて到達する過プロピオン
酸のベンゼン溶液を、そこで管路28によつて導入する
過剰のプロピレンと反応させる。
この反応は、7バールの圧力において行なう。反応中に
通する過プロピオン酸に対してのプロピレンの量は、2
20モル%(1時間当り=1787のプロピレン)であ
る。この3段階カスケードの第一の反応σD器は、下流
の2反応器と同様に、撹拌装置を備えており、且つ55
0m1の容量を有し、65℃の温度で運転し、また、そ
れぞれやはり550m1の容積を有する第二および第三
の反応器は、共に70℃または75℃の温度で運転する
ベンゼン中の過プロピオン酸とプロピレンから生ずる反
応混合物に対する平均滞留時間は、3反応器を通じて約
45分である。プロピレンはガス状で第一および第二の
反応器中に導入し、供給すべき全量の79.8%(1時
間当り4.235モルのプロピレン)を第一の反応器中
に送り、それによつて、その反応器中におけるプロピレ
ン対過プロピオン酸のモル比を常に1.75:1とする
。これらの反応条件下に、仕込み中の過プロピオン酸の
99.7%が転化する。
第三の反応器の後に、2012y/時間の量で取得し且
つ、平均して、75.65重量%のベンゼン、5.45
重量%のプロピレンオキシド、13.04重量%のプロ
ピオン酸および4.9重量%のプロピレン、0.06重
量%のプロピレングリコールモノプロピオネート、0.
03重量%のプロピレングリコールならびに0.83重
量%の水、さらには痕跡のエタノール、二酸化炭素およ
び酸素を含有する反応混合物を室温まで冷却し且つ管路
29によつて分離器30に送り、そこで常圧まで降圧す
る。これは反応混合物から過剰のプロピレンの一部なら
びにこれらの圧力および温度条件下に混合物中にもはや
溶解していない少量の他の混合物を解放する。分離器3
0中で気体として解放するプロピレンを、管路31およ
び28によつて、1時間当り74.37の量で反応系2
7中にもどす。常圧まで降圧してあり且つ管路32によ
つて分離器30を離れるプロピレンオキシド含有混合物
を、下流の蒸留系列中で分離する。蒸留塔33において
は、プロピレンオキシドの全部を、生成物流32中にな
お存在するプロピレンおよびベンゼンの一部と共に、生
成物流32から留去する。33において1時間当り20
1.97の量で取得し且つ11.69重量%のプロピレ
ン、54.31重量%のプロピレンオキシドおよび25
.76重量%のベンゼンならびに8.24重量%の水を
含有する留出物を、管路34によつて蒸留塔35に供給
し、そこで1時間当り1089yの濃度99.9重量%
のプロピレンオキシドならびに1時間当り23.47の
プロピレンを取得する。
35中で回収するこのプロピレンは、管路36によつて
反応系27中に再循環させる。
プロピレンオキシドは、塔35から37によつて取出す
。塔35からの塔底生成物は、管路38によつて分離器
39中に送り、そこで1時間当り17.547の濃度6
.67重量%のプロピレングリコール水溶液を重質相と
して分離して、プロセスから管路40によつて取出す。
39中で分離した、水で飽和されたベンゼンから成る有
機相を、管路41によつて527/時間の量で蒸留塔4
2に供給する。
同様に、塔33からの塔底生成物を、管路43によつて
塔42中に導入する。この蒸留塔42の塔頂生成物とし
て回収する、1時間当り、1522fのベンゼンを、次
いで管路17によつて抽出系12中にもどす。塔42か
らは、ベンゼンのほかに、1時間当り0.457の水を
留出物として取得する。主としてプロピオン酸から成る
塔42からの塔底生成物は、真空で運転する蒸留塔46
中に、管路45によつて通する。ここで、1時間当り2
60.67のプロピオン酸を塔頂生成物として取得し、
且つ1時間当り260.17のこのプロピオン酸を、管
路2によつて反応系1中に再循環させ、一方、1時間当
り0.57の残りの量を、適当な量の新しいプロピオン
酸の添加後に、26によつてプロセス中に仕込む安定剤
溶液の調製のために使用する。塔46の塔底から管路4
7によつて1時間当り3,267のプロピレングリコー
ルジプロピオネートを取出し、且つ、さらに処理するこ
となく、後の適当な用途へ送る。プロピレンオキシドの
収率は、反応系27中に仕込む過プロピオン酸に対して
は97.4%、1においてプロセスに仕込む過酸化水素
に対しては93.5%である。プロピオン酸の損失は2
および26によつてプロセス中に仕込む全量の1.7%
であり、この仕込み量の0.97%はプロピレングリコ
ールジプロピオネート中に含まれる。ベンゼンの損失は
認め得ない。反応系27中に1時間当りに仕込んだプロ
ピレンの量(1787)の中、1時間当り97.9f(
−55%)を回収し且つ管路31および36によつて反
応段階27に再循環させる。44.24%は、1時間当
りに取得するプロピレンオキシドの量中に含まれる。
1時間当りに取得するプロピレングリコールジプロピオ
ネート中に含まれるプロピレンの量は0.737であり
、且つプロピレングりコール中に含まれるプロピレンの
量は0.657であり、28によつて1時間当りに導入
するプロピレンの量に対して、全体で0.77%の損失
に相当する。
実施例 2(第4図参照) 連続運転において、20.12k9(合271モル)の
プロピオン酸(濃度99.8重量%、物質流3)および
平均して29.4重量%の過酸化水素(″259モル)
、33.0重量%の硫酸および7.5重量%の力ロー酸
を含有する29.94k9の水溶液(物質流2)を、ポ
ンプにより毎時間、2段階攪拌反応がまカスケードから
成る反応装置1中に送入する。
過酸化水素対プロピオン酸のモル比は、力ロー酸中に結
合している過酸化水素を遊離のH2O2として計算して
、1.03:1である。攪拌反応がまカスケード中にお
ける35分の平均滞留時間および32℃の反応温度を用
いて、プロピオン酸を57.4%の程度まで過プロピオ
ン酸に転化せしめる。反応混合物(1時間当り50.0
6k9、物質流4)は、平均して28.0重量%の過プ
ロピオン酸、17.1重量%のプロピオン酸、7.0重
量%の過酸化水素、19.7重量%の硫酸、4.5重量
%の力ロー酸および23.7重量%の水を含有する。こ
の反応混合物を、抽出装置12からの水相(物質流14
)と共に、反応5に仕込む。使用する抽出系5Gζ 6
0のトレー、6mの長さおよび72mmの直径を有する
脈動ふるいトレー塔である。0.11重量%のプロピオ
ン酸および0.12重量%の水を含有する、1時間当り
45.74k9のベンゼン(物質流6)を、塔中に仕込
んで抽出剤として働かせる。
塔の上端において、1時間当りに74.27k9のベン
ゼン抽出物(物質流11)を取出す;この抽出物(ζ平
均して22.3重量%の過プロピオン酸、13.8重量
%のプロピオン酸、0.54重量%の過酸化水素、0.
86重量%の水および痕跡の硫酸を含有している。
抽出物からの水性ラフイネート(物質流7)を、塔の下
端において1時間当り29.18kgの量で取出す。こ
のラフイネートは、平均して11.7重量%の過酸化水
素、33.8重量%の硫酸、7.7重量%の力ロー酸お
よび0.09重量%の過プロピオン酸ならびに0.06
重量%のプロピオン酸を含有している。このラフイネー
トの0.88kg/時間(会3.0%)の小部分流を、
系から取出して、別個に処理する。
ラフイネートの主要量(物質流7a)の28.3k9/
時間は、10.97k9/時間の濃度50%過酸化水素
水溶液(−161.4モル/時間の使用H2O2、物質
流9)、さらに0.52kg/時間の濃度17%過酸化
水素水溶液(物質流15)および0.37k9/時間の
硫酸(濃度95.9重量%、物質流16、物質流7b中
に含まれるH2SO4の損失を補償するため)と共に、
蒸留装置8に仕込み、かくして得た混合物を水の留去に
よつて再濃縮することによつて、プロピオン酸との繰り
返しの反応のために再処理する。蒸留装置8は、充てん
塔(長さ−4m、直径=150m0、凝縮器およびジル
コニウム(工業用)から成る落下膜蒸発器から成つてい
る。
物質流7a,9,15および16の混合物を、直接に蒸
発器中に仕込む。55m7!1Hgの圧力、76〜78
℃の塔底温度、38〜39℃の塔頂における温度および
0.55の還流比(還流/取出し)において、10.2
1kgの水を1時間当りに留去する。
この留出物(物質流10)は、0.04重量%の過酸化
水素および0.25重量%の過プロピオン酸ならびに0
.16重量%のプロピオン酸を含有する。1時間当り2
9.94k9の水溶液(物質流2)を塔底から取出す;
この溶液は、やはり29.4重量%の過酸化水素、33
.0重量%の硫酸および7.5重量%の力ロー酸を含有
する。
この混合物を20℃に冷却したのち、反応系1にもどす
。水性循環系から取出す、0.88k9/時間の量のラ
フイネート(物質流7b)は、蒸留装置17中で処理す
る。
この装置は、中心に位置する入口上にある、枝流の取出
しのための取出しトレーを有する充てん塔(長さ−4m
1直径−100m0から成つている。この塔は、50m
mHgの圧力、塔頂における38℃の温度および0.1
の還流比で運転する。塔底上に、1時間当り5.5kg
の蒸気(物質流18)を吹込む。
l時間当り0.52k9の濃度17重量%の過酸化水素
水溶液(物質流15)を、塔から枝流中に取出して、蒸
留装置8に送る。さらに、0.04重量%の過酸化水素
を含有する、4.96k9/時間の水(物質流19)を
留出物として取得し、一方、塔底において、1.2重量
%の過酸化水素、34.7重量%の硫酸および5.6重
量%σyの力ロー酸を含有する、0.90k9/時間の
水溶液(物質流20)を取得する。
抽出塔5から取出すベンゼン抽出物(物質流11)はも
う一つの抽出系12に送るが、これは、一平面中に位置
し且つ何れの場合も混合ポンプおよびそれに続く分離器
から成つている、3段階混合機/分離器系列として組立
てられている。
抽出装置5からのベンゼン抽出物(=物質流11)を、
1時間当り1.3k9の新しい水(物質流13)および
管路21による2.34kg/時間のプロピオン酸の濃
度0.6重量%水溶液と共に、混合機/分離器系列の第
一段階の混合ポンプに仕込む。上記の水溶液(物質流2
1)は、蒸留装置40の留出物の重質相として取得する
。軽質相として第一の分離器から取出すベンゼン溶液は
、第二の混合機/分離器装置中に送り、次いで0.93
kg/時間の新しい水と共に、第三段階の混合ポンプに
送る。
この段階において分離する水相を第二段階に供給する。
第一および第二段階で生ずる水相を混合(物質流14)
し且つ、7.6k9/時間の量で、再び抽出塔5中に導
入する。
これらの混合した水相は、平均して3.51重量%の過
酸化水素、33.5重量%の過プロピオン酸、22.0
重量%のプロピオン酸、10.07重量%のベンゼンお
よび少量の硫酸を含有する。平均して19.7重量%の
過プロピオン酸、12.1重量%のプロピオン酸、0.
19重量%の過酸化水素、および4.0重量%の水を含
有する、1時間当り71.25kgのベンゼン溶液(物
質流22)を第三段階の分離器から軽質相として取出し
、管路23によつて供給する安定剤の溶液と混合したの
ち、反応系24中に送り、そこで過プロピオン酸とプロ
ピレンの反応を行なう。使用する安定剤は、プロピオン
酸(0.11kg/時間、物質流39)中の、濃度15
重量%溶液として使用する、市販の部分的にエステル化
したポリリン酸のNa塩である。生成物流22中に含ま
れる過プロピオン酸の収率は、プロセス中で使用する過
酸化水素(物質流9)の量に対して、96.6%である
反応系24に供給する、安定剤と混合した、過プロピオ
ン酸のベンゼン溶液を、全体で1時間当り17.03k
9のプロピレン(物質流25)と反応させる。
使用する過プロピオン酸に対するプロピレンの過剰量は
、160モル%である。反応系24ほ、直列に接続した
2つのループ反応器および下流の遅延管から成つている
。反応は加圧下に行なう。2つのループ反応器中の最初
のもの中では、8.5バールの圧力を設定する。
第一の反応器中における温度は70℃である。反応系2
4の後続装置中では温度を75℃に保つ。過プロピオン
酸のベンゼン溶液とプロピレンから成る反応混合物の平
均滞留時間は、全反応系24を通じて、約25分間であ
る。プロピレンは気体の状態で第一および第二のループ
反応器に導入し、且つ使用すべき全量(40.55モル
/時間のプロピレン)の中の68%を第一の反応器に入
れ、それにより、そこで1時間当りに系24に入るプロ
ピレン対プロピオン酸のモル比を常に1.77:1とす
る。これらの反応条件下に、使用する過プロピオン酸の
転化率は99.5%となる。遅延管から下流において、
88.39k9/時間の量で取得し且つ平均して51.
6重量%のベンゼン、9.99重量%のプロピレンオキ
シド、22.73重量%のプロピオン酸、11.93重
量%プロピレン、0.21重量%のプロピレングリコー
ルモノプロピオネート、0.7重量%のプロピレングリ
コールおよび3.29重量%の水、ならびに痕跡のエタ
ノール、二酸化炭素および酸素を含有する反応混合物を
室温まで冷却して、管路26によつて分離器27に送り
、そこで常圧まで圧力を下げる。
それによつて、過剰のプロピレンの大部分が反応混合物
から逸出し、同様に、このような圧力および温度条件下
では混合物中で溶液中には存在し得ない少量のその他の
化合物も逸出する。分離器27中で放出されるプロピレ
ンを、管路28および25によつて、1時間当り10.
27k9の量で、反応系24にもどす。常圧まで圧力を
低下させてから管路29によつて分離器から取出すプロ
ピレンオキシド含有混合物を後続する蒸留装置中で分離
し、そこで全プロピレンオキシドを生成物流29中にな
お存在するプロピレンおよびベンゼンの一部と共に蒸留
塔30中で29から蒸留する。30において13.11
kg/時間の量で取得する2.1重量%のプロピレン、
67.2重量%のプロピレンオキシド、26.25重量
%のベンゼンおよび4.43重量%の水を含有する蒸出
物を管路31によつて蒸留塔32に送り、そこで1時間
当りに8.74K9の濃度99.9重量%のプロピレン
オキシドおよび0.28kgのプロピレンを取得する。
32において回収したプロピレンは、管路33および2
5によつて反応系24にもどす。
プロピレンオキシドは塔32から34によつて取出す。
塔32の塔底生成物を管路35によつて分離器36中に
送り、そこで1時間当り0.67kgの濃度16重量%
のプロピレンオキシド水溶液を重質相として分離して、
管路38によつてプロセスから取出する。
36において分離する水で飽和されたベンゼンから成る
有機相を、3.45k9/時間の量で管路3Tによつて
蒸留塔40に送る。
同様に、主としてベンゼンおよびプロピレンから成る塔
30の塔底生成物を、管路39によつてこの蒸留装置4
0中に導入する。塔40において取得する塔頂生成物は
ベンゼンと水の混合物であり、凝縮後にそれは水相とベ
ンゼン相に分離する。ベンゼンのほかに0.11重量%
のプロピオン酸と0.12重量%の水を含有し且つ1時
間当り45.74k9の量で取得するベンゼン相を、管
路6によつて抽出系5にもどす。0.6重量%のプロピ
オン酸を含有する塔40の留出物の水相は、1時間当り
2.34kgの量で管路21によつて抽出系12に導入
する。
主としてプロピオン酸から成る塔40の塔底生成物を、
管路42によつて真空で運転する蒸留塔41中に送り、
そこで塔頂生成物として1時間当り19.74k9のプ
ロピオン酸を回収する。この材料は、プロピオン酸の損
失を補充するために要する0.38k9/時間のプロピ
オン酸の管路44による、添加後に、物質流3として、
再び反応系1中に供給する。塔41の塔底から管路43
により1時間当り0.47kgのプロピレングリコール
ジプロピオネートを取出して、さらに処理することなく
、適当な引続く用途に供給する。反応系24中で使用す
る過プロピオン酸に対するプロピレンオキシドの収率は
、96.5%であり、一方、9においてプロセス中に導
入する過酸化水素に対しては93.22%である。
プロピオン酸の損失は、管路3および23によつてプロ
セス中に導入する全量の2.37%であり、使用量の1
.83%はプロピレングリコールジプロピオネート中に
含まれる。ベンゼンの損失は認めることができない〜 1時間当りに反応系24中に導入するプロピレン(17
.03kg)の中、1時間当り10.55k9(−61
.95%)を回収し且つ管路28,33および25によ
つて反応段階24中にもどし、一方、1時間当りに生成
するプロピレンオキシドの量は37.12%である。
1時間当りに取得するプロピレングリコールジプロピオ
ネート中に含まれるプロピレンの量(物質流43)は0
.105kgであり、一方、プロピレングリコール中に
含まれるプロピレンの量は僅か597に過ぎない。
これは全体で、管路25によつて1時間当りに導入する
プロピレンの量に対して、0.96%のプロピレンの損
失に相当する。生成するプロピレンオキシド中に含まれ
るプロピレンの量に対する、プロピレングリコールおよ
びそのジプロピオネート中に結合するプロピレンの量は
、2.6%である。実施例 3(第5図参照) 1時間当りに、24.14kg(−326.3モル)の
プロピオン酸(濃度99.8重量%、物質流3)および
、平均して29.4重量%の過酸化水素(公310.7
モル)、33.0重量%の硫酸および7.5重量%の力
ロー酸を含有する、53.93k9の水溶液(物質流2
)を、連続運転において、2段階撹拌反応がまカスケー
ドから成る反応系1中に、ポンプによつて導入する。
力ロー酸中に結合する過酸化水素を遊離H2O2として
計算して、過酸化水素対プロピオン酸のモル比は1.0
3:1である。攪拌反応がまカスケード中における35
分の滞留時間および32℃の反応温度を使用して、プロ
ピオン酸を57.4%の程度まで過プロピオン酸に転化
させる。反応混合物(1時間当り60.07k9)、物
質流4)は、平均して28.0重量%の過プロピオン酸
、17.1重量%のプロピオン酸、7.0重量%の過酸
化水素、19.7重量%の硫酸、4.5重量%の力ロー
酸および23.7重量%の水を含有する。この反応混合
物を、抽出装置12からの混合した水相(物質流14)
と共に、抽出系5に送る。抽出系5としては、6mの長
さおよび72mTnの直径を有する、60トレーから成
る脈動ふるいトレー塔を用いる。1時間当りに、0.1
1重量%のプロピオン酸および0.12重量%の水を含
有する、54,9kgのベンゼンを、抽出剤として塔中
に供給する。
抽出塔5は、32℃の温度で運転する。平均して22.
3重量%の過プロピオン酸、13.8重量%のプロピオ
ン酸、0.54重量%の過酸化水素、0.86重量%の
水および痕跡の硫酸を含有する、1時間当り89.12
k9のベンゼン抽出物(物質流11)を、塔の上端で取
出す。抽出の水性ラフイネート(物質流7)を、塔の下
端において1時間当り35.02k9の量で取出す。こ
のラフイネートは、平均して11.7重量%の過酸化水
素、33.8重量%の硫酸、7.7重量%の力ロー酸、
0.09重量%の過プロピオン酸および0.06重量%
のプロピオン酸を含有する。1.06k9/時間(ろ3
.0%)のこのラフイネートの中の小部分流(物質流7
b)を系から取出して、別個に処理する。
このラフイネートの大部分(物質流7a)33.96k
g/時間は、13.18kg/時間の濃度50%の過酸
化水素水溶液(−193.7モル/時間の使用H2O2
、物質流9)、さらに0.62kg/時間の濃度17%
の過酸化水素水溶液(物質流15)および0.45k9
/時間の硫酸(濃度95.9重量%、物質流16、物質
流7b中に含まれるH2SO4の損失に対する補充のた
め)と共に、蒸留装置8に供給して、かくして得た混合
物を水の留去により再濃縮することによつて、プロピオ
ン酸との繰返しの反応のために再び回復させる。
蒸留装置8は、充てん塔(長さ4m、直径150mm)
、凝縮器およびジルコニウム(工業用)から成る落下膜
蒸発器から成つている。
生成物流7a,9,15および16の混合物を、直接に
蒸発器中に仕込む。55m71LHgの圧力、76〜7
8℃の塔底温度、38〜39℃の塔頂温度および0.6
の還流比(還流/取出し)において、1時間当りに12
.25k9の水を留出させる。
この留出物(物質流10)は、0.04重量%の過酸化
水素ならびに0.25重量%の過プロピオン酸および0
.16重量%のプロピオン酸を含有している。塔底から
、1時間当り35.93k9の水溶液(物質流2)を取
出す:この溶液はやはり29.4重量%の過酸化水素、
33.0重量%の硫酸および7.5重量%の力ロー酸を
含有する。この混合物は、25℃まで冷却したのち、反
応系1にもどす。水性循環系から除かれる、1,06k
9/時間の量のラフイネート(物質流7b)は、蒸留装
置17中で処理する。この装置は、中心に位置する入口
上に存在する、枝流取出しのための取出しトレーを有し
ている充てん塔(長さ4m1直径100m1L)である
。この塔は、50m1LHgの圧力、塔頂における38
℃の温度および0,15の還流比で運転する。塔底上に
、1時間当り6.6kgの蒸気(物質流18)を吹込む
枝流中で塔から1時間当り0.62kgの濃度17重量
%の過酸化水素水溶液(物質流15)を取出して、蒸留
装置8に送る。さらに、0.04重量%の過酸化水素を
含有する5.95k9/時間の水(物質流19)を、留
出物として取得し、一方、塔底において、1.2重量%
の過酸化水素、34.7重量%の硫酸および5.6重量
%の力ロー酸を含有する、1.08k9/時間の水溶液
(物質流20)を取得する。抽出塔5から取出すベンゼ
ン抽出物(物質流11)を、もう一つの抽出系12に送
る。
これは、一平面に位置し且つ何れの場合も混合ポンプお
よびそれに続く分離器から成つている、3段階混合機一
分離器系列として組立てられている。抽出装置5からの
ベンゼン抽出物(一物質流11)を、1時間当り4,3
6kgの新しい水(物質流13)と共に、混合機一分離
器系列の第一段階の混合ポンプに送る。
軽質相として第一の分離器から取出すベンゼン溶液を第
二の混合機一分離器装置中に送り、次いで、1.12k
9/時間の新しい水と共に、第三段階の混合ポンプに送
る。この段階において分離した水相を、第二段階に導入
する。第一および第二段階において生ずる水相を合わせ
(物質流14)、9.1k9/時間の量で、抽出塔5中
に導入する。これらの混合した水相は、平均して3.5
2重量%の過酸化水素、33.57重量%の過プロピオ
ン酸、21.85重量%のプロピオン酸、10.09重
量%のベンゼンおよび少量の硫酸を含有する。平均して
19.7重量%の過プロピオン酸、12.1重量%のプ
ロピオン酸、0.19重量%の過酸化水素および4.0
重量%の水を含有する、1時間当りに85.5kgのベ
ンゼン溶液(物質流21)を、第三段階の分離器から軽
質相として取出し且つ、管路22によつて供給する、安
定剤の溶液と混合したのち、反応系23中に送り、そこ
で過プロピオン酸とプロピレンの反応を行なう。使用す
る安定剤は、プロピオン酸(0.13k9/時間、物質
流39)中の15重量%溶液として使用する、市販の部
分的にエステル化したポリリン酸のNa塩である。物質
流21中に含まれる過プロピオン酸の収率は、プロセス
中で使用する過酸化水素(物質流9)の量に対して、9
6.6%である。
反応系23に供給する、安定剤と混合した、過プロピオ
ン酸のベンゼン溶液は、そこで1時間当り全体で22k
9のプロピレン(物質流24)と反応させる。
使用する過プロピオン酸に対するプロピレンの過剰は1
80モル%である。反応系23は、直列に接続した2つ
のループ反応器および下流の遅延管から成つている。こ
の反応は、加圧下に行なう。2つのループ反応器の第一
においては、8.8バールの圧力を設定する。
第二の反応器および遅延管は、9.5バールで運転する
。第一の反応器中の温度は68℃である。反応系23中
の後続装置においては、温度は75℃に保つ。過プロピ
オン酸のベンゼン溶液およびプロピレンから成る反応混
合物の平均滞留時間は、全反応系23にわたるものとし
て、約20分である。プロピレンは気体状態で第一およ
び第二のループ反応器に導入し、且つ使用すべき全量(
524モル/時間のプロピレン)の中、72%を第一の
反応器に入れ、それによつてそこで1時間当りに系23
に入るプロピレン対プロピオン酸のモル比が常に2.1
:1となる。これらの反応条件下に、使用する過プロピ
オン酸の転化率は99.7%である。
遅延管から下流で、107.6k9/時間の量で取得さ
れかつ平均して50.85重量%のベンゼン、9.86
重量%のプロピレンオキシド、22.35重量%のプロ
ピオン酸、13.2重量%のプロピレン、0.2重量%
のプロピレングリコールモノプロピオネート、0.07
重量%のプロピレングリコールおよび3。
23重量%の水、さらには痕跡のエタノール、二酸化炭
素および酸素を含有する反応混合物を室温まで冷却して
、管路25によつて分離器26に送り、そこで常圧まで
圧力を下げる。
それによつて、過剰のプロピレンの大部分、およびこれ
らの圧力と温度の条件下に溶液中にもはやとどまり得な
い少量のその他の化合物が、反応混合物から逸出する。
分離器26中で放出されるプロピレンは、管路27およ
び28によつて、1時間当り13.8k9の量で、反応
系23にもどす。常圧まで圧力を下げたのち、管路28
によつて分離器を離れる、プロピレンオキシドを含有す
る混合物は、下流の多段階蒸留系列中で分離するが、そ
れによつて、1時間当りに反応系23中に導入する過プ
ロピオン酸の量に対して97.8%の収率に相当する1
時間当り10.62k9のプロピレンオキシドを単離す
る。そのほか、1時間当り54.73kgの量のベンゼ
ンおよび1時間当り23.8k9のプロピオン酸を回収
して、それぞれ管路6および3によつてプロセスにもど
す。
それ故、管路3および22によつてプロセスに導入する
量に対するプロピオン酸の損失は2.1%である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施形態の流れ図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a)10〜45重量パーセントの水溶性酸触媒お
    よび20〜35重量パーセントの過酸化水素を含有する
    水溶液をプロピオン酸と、0.8〜1.5:1または3
    .5〜5:1の過酸化水素:プロピオン酸のモル比にお
    いて、10〜70℃の温度で反応せしめ、(b)生成す
    る反応混合物をベンゼンによつて向流で抽出し、(c)
    主として過酸化水素および酸触媒を含有する、抽出から
    の水性ラフイネートの全部または一部分を、蒸留による
    水の除去によつて濃縮せしめ、そして過酸化水素および
    水溶性酸触媒の濃度を、濃縮されるべきラフイネートの
    部分に対して蒸留による水の除去の前または後に、ある
    いは場合により濃縮されないラフイネートの部分に対し
    て、プロピオン酸との反応に必要とされる濃度まで過酸
    化水素の濃度を回復するのに必要とされる過酸化水素を
    加えることによつて、工程(a)におけるプロピオン酸
    との反応に対して必要とされる濃度まで回復せしめ、(
    d)濃縮したラフイネートおよび場合により濃縮せしめ
    ないラフイネートの部分を反応段階(a)中に循環せし
    め、(e)主として過プロピオン酸およびプロピオン酸
    を含有するベンゼン抽出物を、水または水溶液によつて
    処理し、(f)かくして得られた過プロピオン酸および
    プロピオン酸を含有する溶液を過剰のプロピレンと、1
    .2〜6:1のプロピレン対過プロピオン酸のモル比に
    おいて、50〜90℃の温度および2〜20バールの圧
    力で反応せしめ、そして(g)プロピレンオキシドを含
    有する反応混合物をそれ自体公知の方法によつて後処理
    して、純プロピレンオキシドを単離し且つ過剰のプロピ
    レン、プロピオン酸およびベンゼンを回収する、ことを
    特徴とするプロピレンと水性過酸化水素とからプロピレ
    ンオキシドを連続的に製造する方法。 2 段階(a)において、水溶性酸触媒として硫酸を使
    用する特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 段階(a)において、20〜43重量%の硫酸およ
    び22〜32重量%の過酸化水素を使用する特許請求の
    範囲第1項または第2項記載の方法。 4 段階(a)における過酸化水素:プロピオン酸のモ
    ル比が、0.9〜1.3または3.7〜4.5:1であ
    る特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の方
    法。 5 段階(a)において、反応を20〜60℃の温度で
    行なう特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載
    の方法。 6 段階(a)において反応を、30〜40℃の温度で
    行なう特許請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載
    の方法。 7 段階(b)におけるベンゼン対抽出されるべき反応
    混合物のモル比が0.3〜4:1である特許請求の範囲
    第1項〜第6項のいずれかに記載の方法。 8 段階(b)において、抽出を0.5%よりも少ない
    プロピオン酸を含有するベンゼンによつて行なう特許請
    求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の方法。 9 段階(b)において抽出を10〜70℃の温度で行
    なう特許請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の
    方法。 10 (b)における抽出を2段階で行ない、(a)に
    よつて取得した反応混合物の全体を第一の抽出装置中で
    、たとえば第二の抽出装置からの抽出物として取得する
    溶液のような、少量の過プロピオン酸およびプロピオン
    酸を含有するベンゼン溶液によつて向流抽出し、生ずる
    ラフイネートを2〜5:1の比に分割し、少ない方の部
    分流を第二の抽出装置中でベンゼンにより向流抽出し、
    この抽出に関しベンゼン対少ない方の部分流の比は1:
    1〜4:1であり、抽出物として取得するベンゼン溶液
    を抽出溶剤として第一の抽出装置中に導入し、ラフイネ
    ートを(c)による濃縮へ送り且つ第一の抽出からのラ
    フイネートを反応段階(a)中に循環せしめる特許請求
    の範囲第1項〜第9項のいずれかに記載の方法。 11 段階(c)における蒸留による水の除去を、40
    〜150mmHgの圧力をおよび60〜85℃の温度に
    おいて行なう特許請求の範囲第1項〜第10項のいずれ
    かに記載の方法。 12 段階(c)において、0.1重量%よりも少ない
    過酸化水素を含有する水を、蒸留による濃縮の間に留出
    せしめる特許請求の範囲第1項〜第11項のいずれかに
    記載の方法。 13 段階(b)の遂行後に取得するラフイネートから
    、(c)による濃縮以前に、循環流の0.1〜6重量%
    の量の、過酸化水素および硫酸を含有する側流を取出す
    特許請求の範囲第1項〜第12項のいずれかに記載の方
    法。 14 過酸化水素および硫酸を含有する側流を再生段階
    に送り、且つ場合によつては、回収した量の過酸化水素
    および硫酸を本方法の工程中にもどす特許請求の範囲第
    1項〜第13項のいずれかに記載の方法。 15 7〜25重量%の過プロピオン酸を含有するベン
    ゼン抽出物を段階(e)において処理する特許請求の範
    囲第1項〜第14項のいずれかに記載の方法。 16 段階(e)において、ベンゼン抽出物をベンゼン
    抽出物の0.5〜6容量%の量の水によつて処理する特
    許請求の範囲第1項〜第15項のいずれかに記載の方法
    。 17 段階(e)において、ベンゼン抽出物をベンゼン
    回収塔からの留出物の水相によつて処理する特許請求の
    範囲第1項〜第16項のいずれかに記載の方法。 18 段階(e)における水処理から取得する水相を、
    プロセス段階(b)中に循環する特許請求の範囲第1項
    〜第17項のいずれかに記載の方法。 19 プロセス段階(f)において、反応を1.5〜4
    :1のプロピレン:過プロピオン酸のモル比において行
    なう特許請求の範囲第1項〜第18項のいずれかに記載
    の方法。 20 段階(f)の反応を、65〜80℃の温度におい
    て行なう特許請求の範囲第1項〜第19項のいずれかに
    記載の方法。 21 段階(f)の反応を、2〜3:1のプロピレン:
    過プロピオン酸のモル比において行なう特許請求の範囲
    第1項〜第20項のいずれかに記載の方法。 22 段階(f)の反応を、5乃至30個の理想的な混
    合反応がまのカスケードとして働らく反応系中で行なう
    特許請求の範囲第1項〜第21項のいずれかに記載の方
    法。 23 段階(f)の反応を、3〜6個のかま形反応器の
    カスケード中で行なう特許請求の範囲第1項〜第22項
    のいずれかに記載の方法。 24 段階(f)からの反応系を、段階(g)において
    蒸留によつて後処理する特許請求の範囲第1項〜第23
    項のいずれかに記載の方法。 25 段階(f)からの反応混合物を段階(g)におい
    て蒸留によつてプロピレンオキシド、プロピレン、プロ
    ピオン酸およびベンゼンに分離せしめる特許請求の範囲
    第1項〜第24項のいずれかに記載の方法。 26 段階(g)において取得するベンゼンを段階(b
    )中に循環せしめ、段階(g)において取得するプロピ
    オン酸を段階(a)中に循環せしめ且つ段階(g)にお
    いて取得するプロピレンを段階(f)に循環せしめる特
    許請求の範囲第1項〜第25項のいずれかに記載の方法
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