JPS5938514B2 - 筒型ヒ−トパイプ空気予熱器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱交換効率を向上させると共に、装置の低コス
ト化を図った筒型ヒートパイプ空気予熱器に関するもの
である。

従来排ガスの熱を回収して低温の空気を予熱するヒート
パイプ空気予熱器としては長方形状のケ−シング内に仕
切板を設けて内部を隔離し、この仕切板に複数本のヒー
トパイプを貫挿して一方を低温カスが流通する放熱部と
し、他方を高温カスが流通する吸熱部としたものがある
。

しかるに上記樗造の空気予熱器は直方体状であるため大
きな熱交換量を得るためには幅方向に拡大して大型化し
なげればならず、しかもガスの流れが不均一なため高い
熱交換効率が得られない問題があった。

この点を改善するため本発明者らは先にヒートパイプを
環状に仕切板に貫挿した筒型ヒートパイプ空気予熱器を
開発した。

この予熱器は周壁面が渦巻状をなし、且つ渦の端面な開
口した中空円筒体の、前記周壁面の内側に環状の仕切板
を水平に設けて上下にダクトを形成すると共に、前記中
空円筒体の上面に吸気口を、下面に排気口を設けてケー
シングを構成し、このケーシング内に、仕切板の上下方
向に複数本のヒートパイプを環状に貫挿した筒型の熱交
換部を装着したものである。

しかしながらこの空気予熱器は／」１型化できる反面低
温の空気が上部に設けたダクトを通って渦巻状に回転し
ながら熱交換部に送り込まれるため、渦の奥の部分では
乱流抵抗やダクトの壁面抵抗の影響を受けて圧力損失が
大きくなり、この結果全体としてガスの流れが不均一と
なり十分に熱交換効率を上げることができず、また空気
を供給するためのブロアーも大型化しなげればならない
など種々の改善すべき点が残されていた。

本発明はかかる点に鑑み種々研究を行なった結果、水平
に設けた多角形状または円板状をなす仕切板の周辺部に
、これと垂直に複数本のヒートパイプを貫挿して上部を
放熱部、下部を吸熱部とした筒型の熱交換部を形成し、
これを上面に排気口、下面に吸気口を夫々設は且つ周面
を開口したケーシング内に装着すると共に、このケーシ
ングの開口した周面の上部放熱部側を空気を取入れる吸
気「］とし、また下部吸熱部側にこれを囲むように周壁
面が渦巻状をなし、且つ渦の端面を開口して、ここを高
温カスの排気口とした排気ダクトを設けた筒型ヒートパ
イプ空気予熱器を開発し、また、水平に設けた多角形状
または円板状をなす仕切板の周辺部に、これと垂直に複
数本のヒートパイプを貫挿して上部を放熱部、下部を吸
熱部とすると共に、該仕切板の周辺部の上下両面に、こ
れと垂直に夫々複数枚の隔壁を放射状に設けて、複数の
ブロックに区分した筒型の熱交換部を形成し、これを上
面に排気口、下面に吸気口を夫々設は且つ層頂ヲ開口し
たケーシング内に装着すると共に、このケーシングの開
口した局面の上部放熱部側を空気を取入れる吸気口とし
、また下部吸熱部側にこれを囲むように周壁面が渦巻状
をなし、且つ渦の端面を開口してここを高温ガスの排気
口とした排気ダクトを設けてなる筒型ヒートパイプ空気
予熱器を開発し、更に、水平に設けた多角形状または円
板状をなす仕切板の周辺部に、これと垂直に複数本のヒ
ートパイプを貫挿して上部を放熱部、下部を吸熱部とす
ると共に、該仕切板の周辺部の上下両面に、これと垂直
に夫々複数枚の隔壁を放射状に設けて、複数のブロック
に区分し、且つ該ブロックをユニット化してプレファブ
式に構成してなる筒型の熱交換部を形成し、これを上面
に排気口、下面に吸気口を夫々設は且つ周面を開口した
ケーシング内に装着すると共に、このケーシングの開口
した周面の上部放熱部側を空気を取入れる吸気口とし、
また下部吸熱部側にこれを囲むように周壁面が渦巻状を
なし、且つ渦の端面を開口してここを高温ガスの排気口
とした排気ダクトを設けてなる筒型ヒートパイプ空気予
熱器を開発したものである。

以下本発明を図面に示す実施例を参照して詳細に説明す
る。

第１図乃至第３図は本発明の一実施例を示すもので、図
において１は多角筒状に形成された熱交換部、２はこの
熱交換部１を収納するケーシング、３は加熱すべき低温
の空気が流通する放熱部、４はこの放熱部３の下方に設
けられた高温ガスが流通する吸熱部、５は吸熱部４を通
った高温ガスを外部に排出する排気ダクトを夫々示す。

前記熱交換部１は３０度の角度をもって断面三角形状の
スペーサー６を介して１２個の熱交換部ユニツ）？、、
７２・・・７１□を環状に配置し、複数のブロックに区
分された多角筒状に形成されている。

この熱交換部ユニット７は第３図に示す如く夫々矩形状
をなす側板８，８、上板９、底板１０および仕切板１１
ａで前後が開口した枠状に組立て、前記仕切板１１ａに
フィン１２を設けた複数本のヒートパイプ１３・・・を
等間隔に貫挿して角筒状のパイプ群１４を構成したもの
である。

この熱交換部ユニット７１．７□・・・７１２を第１図
に示す如く多角形状をなす仕切板１１ｂの周辺部にスペ
ーサー６を介して順次環状に配設し、前記側板８を放射
状に配置した隔壁１５として、この隔壁１５により区分
された各ブロックに夫々角柱状のパイプ群１４・・・を
構成して多角筒状の熱交換部１を形成すると共に、この
中空部１ａに位置する前記仕切板１１ｂの上下両面にこ
れと同心状に略円錐状をなす整流体１６．１６を設けた
ものである。

また前記熱交換部１を収納するケーシング２は、上面に
前記熱交換部１の中空部１ａに通じ、且つこれと同心状
に加熱された空気を排出する排気口２ａが設けられてい
ると共に、同様に下面にも高温ガスを取入れる吸気口２
ｂが設けられ又いる。

更にケーシング２の周面は開口し、この開口した上部の
放熱部３側にフィルター１７を設けてここを低温の空気
を取入れる吸気口２ｃとしている。

またこのケーシング２の開口した局面の下部吸熱部４側
には、これを囲むように渦巻状の排気ダクト５が設げら
れている。

この排気ダクト５は周壁面が渦巻状をなし、且つ渦の端
面を開口して、ここを熱交換を終えた高温ガスが外部に
排出される排気口２ｄとしている。

しかして上記構造の筒型ヒートパイプ空気予熱器におい
又その作用を説明すると、先ずケーシング２の下面に形
成した吸気口２ｂから高温ガスを吸熱部４内に取入れる
。

この吸熱部４に取入れられた高温カスは整流体１６によ
り均一に分流されると共に、放射状に設けた隔壁１５の
作用によって区分された各ブロック内に均一に流入し、
ここに配置されたパイプ群１４・・・で十分に熱交換を
行なって冷却された後、排気ダクト５内を周壁面に沿っ
て渦巻状に回転しながら進行し、渦の端面に設けた排気
口２ｄから外部に排出される。

またこの熱交換によりヒートパイプ１３内に刺入した作
動液は蒸発潜熱を得て蒸気化し、この蒸気が急速に放熱
部３に移行して、ここで凝縮潜熱を放出して凝縮し、以
下同様に蒸発→凝縮のサイクルを急速に繰返すことによ
り吸熱した熱を放熱部３側に伝達する。

一方低温の空気はケーシング２の上部周面に形成した吸
気口２ｃから熱交換部１の放熱部３に取入れ、ここで前
述の如（熱交換を行なって加熱された後、中空部１ａに
設けた整流体１６により上方に持ち上げられて排気口２
ａから高炉などに送られる。

このように低温の空気はダクトを通らず、ケーシング２
の開口した周面に形成された吸気口２ｃかも直接に熱交
換部１の放熱部３に流入するため、乱流抵抗やダクトの
壁面抵抗による圧力損失がなく、この結果吸気用ブロア
ーも小型化することができると共に、空気の流れが均一
となり効率良（熱交換を行なうことができる。

また上記熱交換部１は放射状に設けた隔壁１５０作用に
より流出入するガスは各ブロックにほぼ均一に流通し効
率低下の原因となる偏流を防止することができる。

更にこの熱交換部１は予め第３図に示す如き熱交換部ユ
ニット７を形成しておき、これを多角形状に組合せであ
るので、組立が容易であり、特に熱交換量の大きい空気
予熱器を組立又る場合に作業性が優れている。

なお上記実施例では熱交換部１を１２角形状に形成した
ものについて示したが、８角形成は円形など何れの形状
のものでも良い。

また本発明は上述の如（プレファブ型のものに限らず仕
切板１１ａ。

１１ｂを一枚の板材で構成した一体型のものでも良い。

例えば仕切板を一枚の多角形状または円形状の板材で構
成し、この周辺部の上下両面にこれと垂直に夫々複数個
の隔壁１５・・・を放射状に配設して、この隔壁１５に
より区分された各ブロックに複数本のヒートパイプ１３
・・・を貫挿して、仕上り形状が第１図に示すものと同
様とした空気予熱器でも良（、組立作業性が余り問題と
ならない小型の空気予熱器に好適である。

またフィン１２の形状はラジアルフィンに限らずプレー
トフィンでも良く、またフィンを設けていたいヒートパ
イプでも良い。

また上記実施例では整流体１６を設げたものについて示
したが、放熱部３で加熱された空気は軽（なって上昇す
ると共に、図示しな（・ブロワ−によって引かれている
ので、このような整流体１６を設げな（ても効率良（熱
交換を行なうことができる。

次に本発明の具体的な実施例について説明する。

実施例 内管として銅を用い、外管として炭素鋼を用いた外径２
５．４．ｍφ、全長３０００ａｍの二重管の外側に、炭
素鋼からなる外径５２．４ＴＬ、、φのフィン１２をフ
ィンピンチ３．５闘で取付け、内部に作動液として水を
封入したフィン付きヒートパイプ１３を製造した。

このヒートパイプ１３を仕切板１１ａに４８０本等間隔
に貫挿して第３図に示す如き熱交換部ユニツ）？・・・
を１２個組立て、これを仕切板１１ｂの周辺に環状に配
列して総計５７６０本のヒートパイプ１３で熱交換部１
を形成した。

この熱交換３部１をケーシング２内に収納すると共に、
この吸熱部４側に渦巻状の排気ダクトを設けて、第１図
および第２図に示す如き筒型ヒートパイプ空気予熱器を
製造した。

この空気予熱器に２５０°Ｃの高温ガスを通して、１５
°Ｃの空気を予熱したところ第１表に示すような結果が
得られ、またその交換熱量は９．８Ｘ１０’ｋｃａｌ／
ｈであった。

比較例 上記実施例において熱交換部１とこれを収納するケーシ
ング２、および吸熱部４側に設けた渦巻状の排気ダクト
５を夫々同一形状とし、この排気ダクト５と同形状の吸
気ダクトを更に放熱部３側も囲むように設けた筒型ヒー
トパイプ空気予熱器を組立だ。

この空気予熱器に２５０°Ｃの高温ガスを通し、また１
５°Ｃの空気を渦巻状の吸気ダクトを通して熱交換部１
に供給して空気を予熱したところ第２表に示す如き結果
が得られ、またその熱交換量は９、２ Ｘ １０６ｋｃ
ａｌ／ ｈであった。

上記の結果から明らかな如（本発明に係る筒型ヒートパ
イプ空気予熱器によれば、放熱部にダクトを設けず外部
に露出した状態に構成されているため低温の空気は直接
に放熱部に流入し圧力損失による影響が少な（効率良く
熱交換を行なうことができる。

更に本発明によれば放熱部側にダクトを設けないことか
ら装置の軽量化および低コスト化も図ることができる。

また本発明はプレファブ式とすることも出来ることから
熱交換ユニットを予め工場で製造し、これを据付現場に
おいて容易に組立てることができるので、特に大型の空
気予熱器を組立てる場合に作業性に優れているなど顕著
な効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の筒型ヒートパイプ空気予熱器を一部切
欠して示す平面図、第２図は第１図の■−ｎ線に沿う断
面図、第３図は第１図に示す熱交換部を構成する熱交換
ユニットの斜視図である。 １・・・熱交換部、２・・・ケーシング、２ａ、２ｄ・
・・排気口、２ｂ、２ｃ・・・吸気口、３・・・放熱部
、４・・・吸熱部、５・・・排気ダクト、７，７１．７
２・・・７．２・・・熱交換部ユニット、ｉｉａ、ｌｌ
ｂ・・・仕切板、１３・・・ヒートパイプ、１４・・・
パイプ群、１５・・・隔壁、１６・・・整流体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水平に設けた多角形状または円板状をなす仕切板の
   周辺部に、これと垂直に複数本のヒートパイプを貫挿し
   て上部を放熱部、下部を吸熱部とした筒型の熱交換部を
   形成し、これを上面に排気口、下面に吸気口を夫々設は
   且つ周面を開口したケーシング内に装着すると共に、こ
   のケーシングの開口した周面の上部放熱部側を空気を取
   入れる吸気口とし、また下部吸熱部側にこれを囲むよう
   に周壁面が渦巻状をなし、且つ渦の端面を開口してここ
   を高温ガスの排気口とした排気ダクトを設けてなる筒型
   ヒートパイプ空気予熱器。 ２ 水平に設けた多角形状または円板状をなす仕切板の
   周辺部に、これと垂直に複数本のヒートパイプを貫挿し
   て上部を放熱部、下部を吸熱部とすると共に、該仕切板
   の周辺部の上下両面に、これと垂直に夫々複数枚の隔壁
   を放射状に設げ又、複数のブロックに区分した筒型の熱
   交換部を形成し、これを上面に排気口、下面に吸気口を
   夫々設は且つ周面を開口したケーシング内に装着すると
   共に、このケーシングの開口した局面の上部放熱部側を
   空気を取入れる吸気口とし、また下部吸熱部側にこれを
   囲むように周壁面が渦巻状をなし、且つ渦の端面を開口
   してここを高温ガスの排気口とした排気ダクトを設けて
   なる筒型ヒートパイプ空気予熱器。 ３ 水平に設けた多角形状または円板状をなす仕切板の
   周辺部に、これと垂直に複数本のヒートパイプを貫通し
   て上部を放熱部、下部を吸熱部とすると共に、該仕切板
   の周辺部の上下両面に、これと垂直に夫々複数枚の隔壁
   を放射状に設けて、複数のブロックに区分し、且つ該ブ
   ロックをユニット化してグレファブ式に構成してなる筒
   型の熱交換部を形成し、これを上面に排気口、下面に吸
   気口を夫々設は且つ周面を開口したケーシング内に装着
   すると共に、このケーシングの開口した周面の上部放熱
   部側を空気を取入れる吸気口とし、また下部吸熱部側に
   これを囲むように周壁面が渦巻状をなし、且つ渦の端面
   を開口してここを高温カスの排気口とした排気ダクトを
   設けてなる筒型ヒートパイプ空気予熱器。