JPS5938337B2 - シヤツトル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は織機用のシャツトルに関する。

従来のシャツトルは、板状あるいはコイル状のスプリン
グをシャツトル内ふところ先端に刻設した凹溝端に装設
してトング先端に係合し、該先端から若干後方位置にト
ング枢着部を定設し、該スプリングの張力をトング枢着
部に印加して、トングをシャツトル内ふところに嵌装・
引起自在に枢着していた。

しかしこの構造では、スプリングのバネ定数を犬に設定
するにも限界があり、トングは常に嵌装の状態でスプリ
ングが押圧を持続するために長期間の間にはバネ定数が
減衰し、また振動に対する吸収も十分でないためにトン
グ先端の摩耗も激しく、そのためにシャツトル内に嵌装
した線管が先端下がりの状態になって、糸が解除時にシ
ャツトル内ふところの側壁に接触して糸切れを生じ、作
業能率を著しく低下させる因をなしていた。

本発明は、従来のスプリングを使用せず、トングをシャ
ツトルの定位置に枢着して線管の先端下がりの現象を防
止するもので、シャツトルの激動にかかわらずトングや
線管が直接振動を受けず、長寿命で作業能率を向上させ
ることのできるシャツトルを提供することを目的とする
。

即ち本発明は、線管を通挿してシャツトル内に枢着させ
るトングの嵌合構造に関するもので、シャツトルの両側
壁間に設けられた支軸により支持されているトングの支
持部よりもさらに先端部にトング基部を有し、これを、
弾性合成樹脂製のトング基部嵌合用受容体に嵌合させて
、トングをシャツトル内の定位置に確実に枢着させ得る
新規な構造からなるもので、トング位置の固定がよいこ
とを特徴としている。

以下図によって本発明の一実施例を説明すると、第１図
はその平面図であり、第２図はその底面図であり、第３
図は第１図のＡ−Ａ線で切断した側断面図であり、また
第４図は第２図のＢ−Ｂ線端面図を示している。

木質のシャツトル本体１の中間部に、内ふところと呼ば
れる凹陥部２（以下内ふところ２という。

）が形成され、この内ふところ２に連接して、シャツト
ル本体１の裏面一端側に凹入部３が刻設される。

前記凹陥部２と凹入部３との連接部位に支軸４がシャツ
トル本体１の左右両側壁に亘って配設される。

５は常用の金属からなるトングであり、このトング５は
、断面矩形状の支持部６と、この支持部６から前後方向
にそれぞれ突出せしめられた主軸部７及び基部８からな
る。

基部８は主軸部７よりも短く構成され、そして支持部６
が前記支軸４に軸支される。

この構成により、トング５を支軸４の周りで起倒させる
と、その主軸部７がシャツトル本体１の内ふところ２の
内部と外部との間で揺動し、また基部８が前記凹入部３
の内部と外部との間で揺動する。

９は弾性を有する硬質合成樹脂製の受容体である。

第３図及び第４図から明らかなように、受容体９は、下
部に開口１０を有する逆Ｕ字状をなすが、その開口１０
の両縁部に内方へ向けて突出する膨出部１１．１１を有
する。

この受容体９は、シャツトル本体１の凹入部３に嵌着さ
れる。

さらに受容体９の外面に凹溝１２が形成され、この凹溝
１２が該受容体９の弾性力を増強している。

１３は線管であり、糸はこの線管１３に巻回されて、前
記トング５の主軸部７に通挿される。

以上において、線管１３がトング５の起立時にその主軸
部７に通挿される。

その後、トング５は支持部６の周りで回動せしめられ、
その主軸部７及び基部８が同時に内ふところ２及び凹入
部３内へ収容される。

この場合、トング５の基部８は、受容体９の開口１０を
通してその保持溝１４内へ嵌入され、保持される。

トング５の基部８が受容体９の保持溝１４に保持された
状態では、受容体９自身が有する弾性力及びその凹溝１
２によって助長された弾性力によって、該基部８に強固
な挟持力が作用し、しかもその膨出部１１，１１の作用
によって該基部８の抜けが防止される。

かかる作用を奏する受容体９は、たとえばポリウレタン
エラストマー等で構成される。

このようにして、受容体９で保持されたトング５は、使
用中においても振動を生じず、したがって糸切れ等を生
じさせることはない。

特に、トング５は支軸４によって軸着されているため、
シャツトルの飛越の際に受ける前後方向の強い衝撃によ
ってもトング５が前後に動くおそれは全たくなく、トン
グ５が前後に動くことにより受容体９が摩耗するという
おそれもなくなる。

したがって、長期の使用によっても受容体９は摩耗せず
確実な保持が可能である。

また、従来のスプリングを使用したトング構造では、シ
ャツトル内に枢着した線管の先端下がりの現象が大きな
欠点となっていたが、本発明にあっては、支軸４を嵌通
しているトング５のトング基部８が受容体９によってそ
の周囲を被うように嵌合されるため、枢着した線管の先
端は定位置より下がる虞れがない。

しかも前述のとおり受容体９の摩耗が少ないため、トン
グ基部８が上方へ浮き上ることがなく、その結果、トン
グ主軸部７及びこれに挿着される先端が下がる虞れもな
い。

この場合、図示例のように、受容体外面に凹溝１２゜１
２を設けておくと、この凹溝が逃げ部分として作用し、
嵌合に際して該受容体７，８の圧縮拡充の自由度が大き
くなって密嵌合が一層助長される利点がある。

したかつて製織中の緯糸切断の頻度は著しく減少し、ま
た製織能率の向上も極めて顕著で、然も耐久性は高く実
用価値の犬なるものである。

特に、本発明によれば、トングの基部において該トング
を固定するため、該トング主軸部にその固定機構を設け
る必要がない。

そのため、主軸部を長くすることができ、有利である。

なお、上記弾性合成樹脂の種類は、実施例のウレタンエ
ラストマーに限定されるものではなく、クロロプレン、
ナイロン等のプラスチックスも使用でき、また加工方法
も実施例の如き別途成形品の取り付けに限定されるもの
ではなく、現場注入による同時接着とすることもできる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す平面図、第２図はその
底面図、第３図は第１図のＡ−Ａ線で切断した断面の正
面図、第４図は第２図のＢ−Ｂ線端面図。 １・・・シャツトル本体、２・・・内ふところ、３・・
・凹入部、４・・・支軸、５・・・トング、８・・・ト
ング基部、９・・・受容体、１４・・・保持溝。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 線管が通挿される主軸部と、該主軸部の反対側に突
   設される基部と、この基部と主軸部との間に設けられる
   支持部とからなる金属製トングを、シャツトル本体に設
   けた支軸に該支持部を軸支することによりシャツトル本
   体に取り付け、他方、シャツトル本体の内ふところの裏
   面一端側に上記内ふところに連接する凹入部を刻設し、
   前記トング基部の周囲を被う下部開放の弾性合成樹脂製
   受容体であってその開放口がトング基部の直径より挾い
   受容体を当該凹入部に取り付け、前記トングをシャツト
   ル内に横倒した際、トング基部が上記受容体に嵌合して
   固定されるようにしたことを特徴とするシャツトル。