JPS5937133Y2 - 調理用回転鍋装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は鍋体を傾斜状態で回転させなから煮熱できる
ようにした調理用回転鍋装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の装置として佃煮等の加熱装置（実公昭４
０−３３０２８号公報）が知られていた。

この装置は内壁に固定攪拌翼を放射状に設けた条体（鍋
体）の底板裏面に突子を設け、該突子を炉体の内壁に取
付けたブラケットの溝内のボール上に支承させ、条体の
鍔近くの胴周に固定した環状ウオーム歯車と、その上下
面からこれを挾むようにした環状枠に軸架せるウオーム
と噛合させ、該ウオームの駆動により条体を回転するよ
うに構成し、かつ、該条体を支承アームとともに傾動さ
せ得るようにして調理を終えた材料の取り出し及び洗浄
が容易に行えるようＫなっていた。

しかしながら、上記従来装置では煮熱時の条体の熱がそ
の胴周に固定した環状ウオーム歯車からウオーム及び歯
車列を介して原動機に伝達され易く、原動機の焼損を早
めるという問題があった。

また、条体は調理品を取り出し、洗浄時には傾動させる
機構を備え、設備が大型になったばかりでなく、傾動に
よりウオームと炉体側の歯車列とが離反することから、
調理位置に戻したときの両者の正確なる噛合わせが保証
されなかった。

特に、従来装置の場合は設備が大型となる結果、野菜炒
め、焼そば、チャーハン等を１人〜数人前づつ手速く調
理し、皿盛りして出すような料理店における調理装置と
しては非常に扱い難くく、不便であった。

〔考案の目的〕

この考案は上記の問題を解消するためのもので、少量の
材料を使用した調理に適し、かつ調理品を取り出した後
の鍋体が手速く洗浄でき、しかも、鍋体に加えられる熱
が原動機に直に伝達されないようにした調理用回転鍋装
置を提供することを目的としている。

〔考案の構成〕

この考案は鍋体を傾斜状態で回転させなから煮熱できる
ようにした調理用回転鍋装置において、前記鍋体を傾斜
設置した回転軸の上端側に一体に取付けた鍋支え体に嵌
着するとともに、該回転軸の下端側に原動機を連繋させ
たものである。

〔実施例〕

以下、実施例を図面について説明する。

１は調理用煮熱容器、即ち鍋体で、該鍋体１は深めの円
筒状に形成され、内壁から直径方向へ攪揚板２が突設さ
れている。

該攪揚板２の突出長はほぼ半径程度である。

鍋体１は水平に対しほぼ３５度に傾斜設置した回転軸３
の上端側に取付けた鍋支え体４に嵌着されている。

なお、図示の場合は回転軸３は傘歯車５，５を介して直
交状（９０度）に屈折され、鍋支え体４の傾斜下方に設
置する火熱源であるガス燃焼装置６の設置スペースを確
保している。

この場合、屈折側の回転軸３′の設置角度は第１図二点
鎖線の３“にて示すように選択することが可能である。

７は回転軸３及び屈折側の回転軸３′を軸承した支持体
である。

前記回転軸３（図示の例では３′）は下端に傘歯車５が
固定され、大傘歯車１０に噛合している。

大傘歯車１０は第５図の如き全回転、逆回転、逆方向間
歇回転及び全停止が切換えできる切換機構を介して原動
機（図示せず）に連繋している。

即ち、大傘歯車１０を一端に固定した従動軸９の他端て
は傘歯車１１が固定され、原動機の原動軸１２の先端に
固定した傘歯車１３に対向させるとともに、この対向し
た傘歯車１１．１３の間に配置した摺動輪１７に、傘歯
車１４，１５を対向して設け、原動軸１２の回転が傘歯
車１４又はこれに対向した傘歯車１５のいずれかを介し
伝達されるように構成されている。

そして、一方の傘歯車１５は半周の後方が欠歯１６され
、原動軸１２の回転がその欠歯１６部において休止する
ようになっている。

上記摺動軸１７は軸受１８，１８で軸支されて摺動台１
９に取付けられ、該摺動台１９は床台２１を把手２０に
よって摺動するようになっている。

従って、この装置により鍋体１は全回転、その逆方向へ
の間歇回転及び中子位置による全停止が切換えられるよ
うになっている。

上記実施例において、傾斜設置された鍋体１に入れた調
理材料８は鍋体１の回転により内壁に付着されて次第に
上昇し、煮熱源から遠ざかり、ある程度上昇すると材料
の大きさや重さに応じて落下し混合され、これを繰返え
す。

鍋体１の内壁に攪揚板２を設けたものにあってはその作
用が一層顕著である。

これに鍋体１の回転方向の変換、間歇回転を加えると調
理材料は攪拌混合が更に適切になる。

調理後の調理品は鍋支え体４に嵌着された鍋体よりしゃ
もじ状の器具で掬い取るか、鍋支え体より鍋体を取出し
て直接皿に盛りつけすることが可能となる。

また、調理品を取出した後の鍋体は鍋体自身を流し台等
で洗浄することが可能である。

〔考案の効果〕

このように、この考案は鍋体を傾斜状態に回転させなか
ら煮熱できるようにした調理用回転調装置において、前
記鍋体を傾斜設置した回転軸の上端側に一体に取付けた
鍋支え体に嵌着するとともに、該回転軸の下端側に原動
機を連繋したことを特徴としているから、少巽の材料を
使用した調理に適し、かつ調理品を取り出した後の鍋体
が手速く洗浄でき、しかも、鍋体に加えられる熱が原動
機に直に伝達されることがないなど各種の優れた効果を
奏するものである。

また、前記鍋支え体を上端に取付けた回転軸が、傘歯車
を介して直交状に屈折されているときは鍋支え体の傾斜
下方に設置する火熱源であるガス燃焼装置の設置スペー
スが確保し易く、調理場面積を有効に利用できる利点が
ある。

更に、鍋支え体を上端に取付けた回転軸が、全回転、逆
回転、逆方向間歇回転及び全停止を切換える切換機構を
介して原動機に連繋されているときは調理材料の攪拌混
合を一層適切に行える利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は要部を切欠し
た側面図、第２図は鍋体の平面断面図、第３図は鍋体の
切欠した斜視図、第４図は鍋体の攪揚態様を示す説明図
、第５図は切換機構の平面図である。 １・・・・・・鍋体、２・・・・・・攪揚板、３・・・
・・・回転軸、４・・・・・・鍋支え体、５・・・・・
・傘歯車、６・−・・・・ガス燃焼装置、７・・・・・
・軸承支持体、８・・・・・・調理材料、９・・・・・
・従動軸、１０・・・・・・大傘歯車、１１・・・・・
・傘歯車、１２・・・・・・原動軸、１３・−・・・・
傘歯車、１４・・・・・・傘歯車、１５・−・・・・切
歯した傘歯車、１６・・・・・・切歯（部）、１７・・
・・・・摺動軸、１８・・・・・・軸受、１９・・・・
・・摺動台、２０・・・・・・把手、２１・・・・・・
床台。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）鍋体を傾斜状態で回転させなから煮熱できるよう
   にした調理用回転鍋装置において、前記鍋体を傾斜設置
   した回転軸の上端側に一体に取付けた鍋支え体に嵌着す
   るとともに、該回転軸の下端側を原動機に連繋したこと
   を特徴とする調理用回転鍋装置。
2. （２）前記鍋支え体を上端に取付けた回転軸が、傘歯車
   を介して直交状に屈折されている実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の調理用回転鍋装置。
3. （３）前記鍋支え体を上端に取付けた回転軸が、全回転
   、逆回転逆方向間歇回転及び全停止を切換える切換機構
   を介して原動機に連繋されている実用新案登録請求の範
   囲第１項又は第２項記載の調理用回転鍋装置。