JPS5936036B2 - 墨流し模様の連続染色法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、墨流し模様の連続染色法の改良１こ関する。

本発明者が先；こ発明した従前公知の墨流し模様の連続
染色法（特公昭３９−９８１５）は、墨汁又は絵具液等
の染色液を流水面に断続して連続的１こ滴下し、流水面
１こ滴下されて拡散した染色液を所望の墨流し模様状１
こ展開させて流水面を流下させ、連続的ｆこ繰出した原
紙の彎曲した垂下端を流水面１こ摺らせ、前記墨流し模
様状１こ展開して流水面を流下する染色液を紙面１こ吸
収させて、被染色材の原紙１こ墨流し模様を連続的１こ
染色するものである。

この従前の方法は、流水面１こ滴下した球状の染色液の
零ｂ５流水１こ突入した後、流水面１こ浮上し滴の外側
部は層状ｆこ展開して拡がりつつ下流側ｌこ流下し、下
流側の撹乱された流水面で乱流）こ沿った流線模様状１
こ拡散展開するが、零の中心部は濃厚な層状をなし、撹
乱された流水面で乱流１こ沿った流線模様状に容易に拡
散展開せず１こ濃厚な模様部を形成する場合が多く、流
水面の乱流状態を繊細１こ示す優雅な墨流し模様の染色
製品は得がたかった。

また、被染色材に吸収された前記の濃厚な模様部は乾燥
し１こくく、乾燥工程を経た後も表面が粘ばついて不良
部となることがあり、さらＩこ、流水面に滴下された染
色液の一部が分離して水底に一旦法んだ後、次後の滴下
染色液（こよって形成された模様内１こ浮上してその模
様を損ねる場合や、染色液が流水面１こ落下した際（こ
生じた染色液の飛沫が原因か、染上った製品の模様内に
俗１こ星と称する濃色の斑点が現われる等の欠点ｂ５あ
って、不良品の発生率が高く、墨流し模様の染色製品を
能率よく生産できなかった。

また、流水面に供給した染色液の拡がりが悪く、染色液
の一部ｂ′５染色槽の水底に沈下するなど染色液の消費
上不経済な点があった。

本発明は、上記従来方法の欠点を除去するために、流水
面への染色液の供給方法を改良した墨流し模様の連続染
色法で、優雅な墨流し模様の連続染色を可能にすると共
に、墨流し模様の染色製品を能率よく経済的１こ生産す
ることを目的とする。

本発明は、染色液の供給方法として、染色液を染色槽の
水中１こ下部を漬けた誘導ピンに伝わせ染色槽１こ形成
された流水面１こ連続的１こ流下させて供給するもので
、染色液は粘性１こより誘導ピン１こ沿い液流状をなし
て緩速で流水面１こ穏かに流下するから、流水面ｌこ流
下した染色液は、流水中ｌこ突入することなく、流水中
１こ突入した染色液の一部が沈下したり、染色液の一部
が流水面との衝撃１こより飛沫となって飛散することも
なく、直ちｌこ流水面ｆこ浮遊して流水と共に流動し、
拡散しがたい染色液の濃厚層部のない薄い層状Ｉこ展開
して流水面の下流側ｌこ連続して流下する。

従って、従来方法ｌこおける流水面への染色液の供給方
法ｆこよって起る不良模様部の発生や、染色液の無駄を
生じる欠点は除去される。

本発明は、染色液が上記の拡散し易い薄い層状１こ展開
して流下する流水面を撹乱して、染色液を撹乱された流
水面の乱流模様状１こ拡散展開させ、この染色液が乱流
模様状ｌこ展開して連続的１こ流下する流水面に連続的
に移送する長尺の被染色材の材面を接触させ、流下する
染色液を被染色材１こ吸収させて墨流し模様を連続的Ｉ
こ染色するから、流線ｌこ沿わない不調和な濃色模様部
がなく、流水面の乱流状態を繊細１こ示す憂雅な墨流し
模様の染色ができ、染色液の無駄や不良模様部の生じる
おそれがなく、墨流し模様の染色製品を能率よく経済的
１こ生産できる。

次１こ、本発明の実施例１こついて説明する。

先づ、図面１こ略示した染色機ｌこついて説明すると、
染色槽１の右側ｌこは、内部ｔこ複数組の上側整流板３
と下側整流板４を設けた浅底の整流槽２を、左端の下側
整流板４を介して連設し、染色槽１の左側１こは、下部
１こ排水ロアを設けた排水槽６を、側壁より一段低い溢
水壁５を介して連設し、染色槽１内の右側上端部に水平
面雌板８を、その下面が溢水壁５の上面と一致する満水
面にほぼ接するようｔこ設けており、染色槽１と整流槽
２内に撒水し下側整流板４が水没して連通した満水状態
（こしている。

整流槽２の右側に設けた給水管９の整流槽２上に突出し
た給水口より、整流槽２の右側端壁とこれに隣合った上
側整流板３間１こ一定の給水速度で注水すると、上、下
側の整流板３，４間の上下に蛇行した水路を経て整流さ
れた水流が、左端の下側整流板４上を経て染色槽１内ｆ
こ、水平整流板８１こより流入時の水面の盛上りを抑制
、整流されて流入し、流入水１こよる水位の上昇により
染色槽１の水が溢水壁５を越えて排水槽６内１こ浴出し
て、染色槽１１こ右から左へ流れる一定の流水面を形成
するようｌこしている。

整流槽２の上方ｆこ設けた架台１０上ｆこ小容量の定量
ポンプ１１と染液槽１４を設置し、同ポンプ１１の左方
位置ｌこは小径の誘導ピン１５を、その下端ｆこ設けた
台板１６を染色槽１の内底面Ｉこ載置して、下部を水中
Ｊこ漬は上部を染色槽１の満水面より斜め左上方１こ突
出させて据付け、定量ポンプ１１の吐出口ｆこ接続した
ゴム製の送出管１２を、その先端部を誘導ピン１５の上
端部ｆこ遊嵌、係合して誘導ピン１５／こ連結し、染液
槽１４内に墨汁、顔料と油を練合せたインクまたはこれ
らの染色液ｔこ金粉、銀粉等の金属粉を混合した所望の
染色液３０を充たし、この染色液中１こ定量ポンプ１１
の吸入口１こ接続したゴム製の吸入管１３の先端を漬け
ており、定量ポンプ１１を作動すると、定時間おきｌこ
小量の定量の染色液が同ポンプ１１の吐出口から送出管
１２内１こ吐出され、間欠的１こ送出管１２内に吐出さ
れた染色液が順次送出管１２内を下側の先端管口側へ流
動し、送出管１２の内面と遊嵌係合した誘導ピン１５の
周面間の細隙を経て、送出管１２の先端管口より誘導ピ
ン１５を伝い、粘性１こより傾斜した誘導ピンの下側周
面１こ沿いほぼ一定の液流状をなして緩速で染色槽１の
水面１こ連続的１こ流下するようにしている。

誘導ピン１５の左方位置１こ、回転軸１こ推進翼１８を
多数嵌着した翼車型の撹乱器１７を、染色槽１のｄ］力
方向掛渡して軸支し、回転時１こ下側に回動じた推進翼
１８の先端ｂ３染色槽１こ形成される流水中に突入し流
水方向へ回動するように装置している。

前記各装置の上側位置１こは被染色材の移送装置１９を
設′け、同装置１９の右端の軸受２０に紙、織布、不織
布等の所望の長尺の被染色材２９の原反を巻装した軸２
８を支承させて被染色材２９を引出し被染色材２９を、
左方の送り出しローラ２１の同速で互ｌこ反転する１対
の上、下のローラにＳ字状１こ巻架して、繰出し、左方
の各ガイドローラ２２．２３の上周面１こ掛架して斜め
左上方１こ導き、撹乱器１８の左方位置ｌこ上下位置調
整可能１こ設けた被染色材を水面１こ接触させる押えロ
ーラ２４の下側周面ｆこ巻架して押えローラ２４の左側
から斜め左上方ｌこ導き、回転式加熱ドラム２５の上周
面に巻架し、被染色材２９の引出し端を加熱ドラム２５
の右方１こ設けた巻取軸２６／こ巻回止着して、被染色
材２９を移送装置１こ仕掛けている。

加熱ドラム２５の左側上部周面ｌこ対向する位置１こは
赤外線ランプまたはヒータからなる加熱器２７を設けて
いる。

なお、図示していないが、移送装置１９と撹乱器１７は
同一の変速機付きモータで駆動され、両者連動し被染色
材２９の移送速さと推進翼１８の先端周速が同速で駆動
されるよう１こなっている。

上記のよう１こ、染液槽１４１こ所望の染色液３０を入
れ、移送装置１９１こ所望の被染色材２９を仕掛けた染
色機の整流槽２内１こ、給水管９先端の給水口より一定
の給水速度で注入して、染色槽１１こ一定の流水面を形
成し、ポンプ１１を作動し染色槽１４から染色液３０を
汲上げて、染色液を送出管１２の先端管口から傾斜した
誘導ピン１５１こ伝わせて連続的１こ流水面１こ流下さ
せ、流水面１こ流下した染色液が、流水１こ流され誘導
ピン１５から離れて流水面ｆこ浮上し、薄い層状に展開
し７つつ流水と共ｔこ流水面の下流側へ連続的１こ流下
する染色液の流れを形成させる。

−万変速機付きモータを起動して撹乱器１７と移送装置
１９を駆動し、撹乱器の推進翼１８を回転し、移送装置
の送りローラ２１、加熱ドラム２５、巻取軸２６を回転
して、軸受２０１こ支承した軸２８に巻回している被染
色材２９の原反を繰出し、被染色材２９を押えローラ２
４の下側を通過させて巻取軸２６側１こ連続的１こ移送
すると共１こ、変速機により、推進翼１８の先端周速と
被染色材２９の移送速さを流水面の流速と等速またはほ
ぼ等速１こ調整し、撹乱器の下側側１こ回動して流水中
ｆこ突入した推進翼１８の先端の流水力向への回動ｆこ
より、染色液が流下する流水面を撹乱し、撹乱により生
じた流水面の乱流１こ沿い、拡散展開して流下する染色
液を、撹乱器の下流側の上下位置を調整した押えローラ
２４の下側を流水面１こ材面を接触し流水と同じ向きに
回動して通過する被染色材２９１こ吸収させ、連続的１
こ繰出した被染色材２９１こ流水面の乱流状態に対応し
た墨流し模様を連続的１こ染色する。

押えローラ２４下を通過し染色液を吸収して湿潤した被
染色材２９の染色部は、上昇し加熱ドラム２５の十周面
Ｉこ接して回動し、加熱器２７１こ対面する位置を通過
し、加熱ドラム２５と加熱器２７１こより加熱乾燥され
て巻取軸２６１こ移送され、巻層の外径の増大１こ伴っ
て減速回転される巻取軸２６１こ連続的Ｉこ巻取られる
。

連続染色して巻取軸２６１こ巻取られた長尺の染色被染
色材から、裁断により、定尺の墨流し模様の染色製品を
生産する。

なお、染色した被染色材が布地の場合は、蒸して染剤を
定着させて製品にする。

上記の実施例は、流水面の撹乱１こ推進翼１８を多数設
けた翼車型の撹乱器１７を用いているが、流水面を切る
楔形状断面の歯を多数周縁１こ設けた丸鋸状板を回転軸
ｆこ多数嵌着した回転式撹乱器や、染色槽１内に据付け
て、鋸歯状または粗い櫛歯状に形成した凹凸上面の上部
を流水面上突出させて使用する固定式の撹乱器等、流水
面に形成しようとする乱流１こ応じ種々な撹乱器が用い
られる。

また、誘導ピン１５とポンプ１１及び染色槽１４からな
る染色液の供給装置は、被染色材２９の巾１こ応じ、染
色槽１の巾方向に適宜な間隔をおいて所要数設ける。

染色液の供給装置を複数組設けて、各染液槽１４１こ異
色の染色液を入れて染色を行うと、異色の墨流し模様を
組合せた染色ができる。

また、上端部を２股１こしたＹ字型の誘導ピンと２組の
ポンプ１１と染液槽１４を組合せ画集液槽１４Ｉこ異色
の染色液を入れて染色を行い、２色の墨流し模様の染色
をすることもできる。

【図面の簡単な説明】

図は実施例１こ使用した染色機の略示側面図である。 １：染色槽、２：整流槽、５：溢水壁、６：排水槽、９
：給水管、１１：ポンプ、１２：送出管、１４：染液槽
、１５：誘導ピン、１７：撹乱器、１９：移送装置、２
４：押えローラ、２９：被染色材、３０：染色液。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 墨汁又は顔料と油を練合せたインク等の染色液を、
   染色槽の水中に下側を漬けた傾斜した誘導ピンに伝わせ
   て、染色槽１こ形成された流水面に連続的に流下させて
   供給し、誘導ピンを伝って流水面（こ流下し流水面に浮
   遊して下流側に連続的に流下する染色液２、染色液力流
   下する流水面を撹乱して撹乱された流水面の乱流模様状
   に拡散展開させ、染色液が乱流模様状ｌこ展開して連続
   的に流下する流水面１こ連続的１こ移送する被染色材の
   材面を接触させ、流下する染色液を被染色材１こ吸収さ
   せて墨流し模様を連続的に染色することを特徴とする墨
   流し模様の連続染色法。