JPS593521Y2 - 半導体避雷器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はきわめて新規な半導体避雷器に関するものであ
る。

近年、酸化亜鉛等を主成分とする非直線性が優れた非直
線抵抗体を用い、直列ギャップを省いた、いわゆるキャ
ップレスアレスタが実用化されている。

これらのアレスタでは多数個の円盤状の抵抗素子を積み
重ね、例えばＦＲＰ棒のような絶縁締付棒にて支持固定
した内部要素を碍管等の容器内に収設し、その内部にＮ
２ガス等を封入した構造となっている。

又このキャップレスアレスタは小形であること、直列ギ
ャップがない為ＳＦ６のような高絶縁性ガス中にもその
まま使用できること等から特にＧＩＳ （ガス絶縁線小
形変電所）用のアレスタとしての使用に適している。

この場合も抵抗素子は絶縁締付棒で支持固定する必要が
ある。

多数個の素子を支持固定する方法としては、絶縁支持棒
を用いる他に素子外径より若干大きい内径の絶縁筒を用
いることも考えられるが、この場合は素子側面と絶縁筒
の円筒内壁間の微小空間で部分放電が生じ、素子、絶縁
筒の寿命に悪影響をもたらす。

絶縁支持棒を使用する場合も同じ現象が考えられるが、
素子−絶縁支持棒間と対向面積が小さく、従って影響は
小さいことから現在は絶縁支持棒を用いている。

又、絶縁支持棒材質としては強度上の問題からＦＲＰを
用いているが、ＳＦ６中で用いる場合、分解ガスにより
ＦＲＰのガラスがおかされ、劣化する恐れもある。

本考案はこのような問題を解決するために、非直線性が
よくしかも誘電率の高い半導体素子、たとえば酸化亜鉛
を主成分とした非直線抵抗素子の側周面に、積み重ねの
ためのねじ部を上部、下部に有する絶縁性合成樹脂によ
る外筒を形成してなるものを、前記外筒に設けたねじ部
を利用して複数個螺着により積み重ねて構成される半導
体避雷器を提供しようとするもので、以下図面を用いて
詳細に説明する。

第１図は本考案による半導体避雷器に使用される素子ユ
ニットの構造を示し、同図において１はＺｎＯを主成分
とする円盤状（５６°Ｘ２２’）の非直線抵抗素子であ
って、この非直線抵抗素子１は上下面に夫々アルミニウ
ム、銅などの蒸着膜（電極膜）２ａ、２ｂを有し、側周
面には絶縁被膜が形成されている。

３は前記非直線抵抗素子１の側周面にエポキシなどの絶
縁性合成樹脂で成形モールド加工してなる外筒であって
、この外筒３の上部外周側面には凹部４が形成されるよ
う段部が設けられ、この段部の積み重ね方向に多数積み
のためのねじを切ったねじ部５を有し、また外筒３の下
部内周側面には凹部６が形成されるよう段部が設けられ
、この段部の積み重ね方向に多段積みのためのねじを切
ったねじ部７を有している。

本考案によるギャップレス形半導体避雷器は第１図のよ
うに構成された素子ユニットを複数個、各外筒３に設け
たねじ部５，７を利用した螺着により第２図に示す如く
多段積みすることにより得られるもので、以下第２図に
ついて詳述する。

第２図は本考案による半導体避雷器の一実施例を示し、
同図においては、第１図の如き素子ユニットを多段積み
したもので、下段の素子ユニットの外筒３の上部側に設
けたねじ部５と上段の素子ユニットの外筒３の下部側に
設けたねじ部７とはめねじとおねじの関係にあるので、
下段の素子ユニットのねじ部５と上段の素子ユニットの
ねじ部７とを螺合させ、締付けることにより両者の素子
ユニットは螺着され積み重ねられる。

この螺着の際の締付けによって下段の素子ユニットの上
面の蒸着膜（電極膜）２ ａと上段の素子ユニットの下
面の蒸着膜（電着膜）２ ｂとが確実に接触され、従っ
て各非直線抵抗素子１の相互の接触が確実になる。

なお、上段の素子ユニットのねじ部７と下段の素子ユニ
ットのねじ部５の螺合部に接着剤などを塗布して、素子
ユニットの多段積みの螺着を行なえば、素子ユニットを
螺着した後のねしロックとすることができる。

また第２図においては、上段の素子ユニットの外筒３と
下段の素子ユニットの外筒３との接合面にガスケット８
を図示の如く介在させており、これにより外部と内部（
下段の素子ユニットの外筒３と上段の素子ユニットの外
筒３間の空間）とを気密に保持することができる。

また本考案では下段の素子ユニットのねし部５と上段の
素子ユニットのねじ部７とを螺合させ、その締付けによ
って第２図、第３図の如く多段積みしているけれども、
この多段積みのための締付けを容易にするために第１図
の如き素子ユニットの外筒３の外周面９にその締付けを
容易にするための角付け、または凹部、凸部の付加成形
を施すことも考えられる。

また各素子ユニットにおける非直線抵抗素子１と、エポ
キシなどでモールド成形してなる外筒３間は全く隙間が
ないので部分放電が生じない。

なお本実施例第２図では、第１図の如く非直線抵抗素子
１の側面をモールド成形してなる素子ユニットを積み重
ねるに当り、上段、下段の素子ユニットの外筒３の接合
面にパツキン部材（ガスケット８）を介在させて気密に
しているけれども、本考案はこれに限定されることなく
、パツキン部材（ガスケット８）を使用しない代りに第
３図の如く上段、下段の素子ユニットの外筒３の接合面
１０に接着剤を塗布して外部との気密に使用してもよい
。

また上記実施例により第２図や第３図の如く多段積みし
て一体化した素子をかい管又はＧＩＳタンク内に収設す
る他に、屋内使用時等、水分、汚れの少ない場所では、
かい管等の容器を用いず、このままアレスタとして使用
できる。

この場合は沿面距離を長くするため外筒３の側面にひだ
を付けることもある。

上述したように本考案による半導体避雷器を用いれば次
のような効果を奏する。

（１）外筒３に設けたねじ部５，７を利用した螺着によ
る多段積みにより締付棒なしに一体化できる。

（２）締付棒不要構造に伴ない、素子−容器（がい管（
タンク））間が同軸円筒構造となり、部分放電する電圧
が高くなるので部分放電しにくくなり、内部要素の劣化
が防止できる。

（３）ＧＩＳ用に用いる場合、ガラス分を含まないので
ＳＦ６ガスの分解ガスにより劣化する心配がない （４）屋内用等としては、かい管容器を省いた簡単で安
価なアレスタが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による半導体避雷器に使用される素子ユ
ニットの構造を示す簡略正断面図、第２図および第３図
は夫々本考案による半導体避雷器の各実施例を示す要部
正断面図であって、図中１は非直線抵抗素子、２ａ、２
ｂは夫々蒸着膜（電極膜）、３は外筒、５，７は夫々ね
じ部を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 非直線性がよくしかも誘電率の高い半導体素子、たとえ
   ば酸化亜鉛を主成分とした非直線抵抗素子の側周面に、
   積み重ねのためのねじ部を上部。 下部に有する絶縁性合成樹脂による外筒を形成してなる
   ものを、前記外筒に設けたねじ部を利用して複数個螺着
   により積み重ねて構成される半導体避雷器。