JPS5933732B2 - ゴム堰の圧力制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は農業用水を取入れるための堰、高潮時の防潮
堤または河口下での海水堰止め等に用いるゴム製の圧力
制御装置に関するものである。

従来、ゴム製には気体封入時の過圧化防止並びに層形成
時の水流増加による加圧防止のため、種種の圧力制御装
置が提案されている。

しかし、簡単な構造で確実に作動し且つ保守点検の容易
な圧力制御装置はいまだ提案されていないのが現状であ
る。

この発明はゴム製内にたまるドレインを積極的に利用し
て簡単な構造で確実に作動するようなした圧力制御装置
を提供するもので、その特徴とするところは河川等を横
切って設置され、気体の給排気により起立・倒伏するゴ
ム製において、液体を充填してなる実質的にＵ字形状を
なす導管の一端を前記ゴム製内の気体の給排気口の位置
と対向する側の下部に連通ずるとともに、他端を上方に
て前記ゴム製の上流側堰高付近に開口させた容器に連通
させ、たことにある。

以下図面にしたがいこの発明のゴム製の圧力制御装置に
ついて説明する。

第１図には、ポンプＰ等の給排気装置より空気等の気体
を封入して河床３上に起立したゴム製１を示す。

このゴム製１としては、従来より広く使用されているゴ
ム製シートを現場にて袋状に加工して形成されるもので
もよいし、本出願人が先に特願昭５３−１１１１４４号
にて開示したベルト状一体ブレス成屓により形成される
ゴム製でもよい。

普通、ゴム製１はアンカーボルト等の任意の固定手段に
より河床３および河岸に固定されている。

ゴム製１の下部には、圧力制御装置２を構成する導管４
の一端が挿入連通されている。

導管４はゴム製１の下部より最初下方に向けて延在し、
次いで実質的にＵ字形状をなすように上方へ向は屈曲さ
せる。

導管４の屈曲上端に該導管４より大きな径の容器５を連
結する。

上述した導管４および容器５よりなる圧力制御装置２内
には、液体６が充填されている。

充填液体としては、通常水あるいは堰止めるべき河川を
流れる川の水を用いるのが最も経済的である。

容器５はゴム製１の上流側堰高付近に開口させである。

したがって、常に適量の水が容器５の開口から圧力制御
装置２内に供給されるので、充填水量の管理を必要とし
ない利点がある。

また、容器５の径を導管４より大きくしたことにより、
圧力制御装置２内に充填されるべき液体量を安定的且つ
定量的に供給することができる。

以下この発明のゴム堰の圧力制御装置の作動状態につい
て説明する。

第２図にゴム堰１が倒伏している状態を示す。

なお、圧力制御装置２内には１．第１図に示した水位差
Ｈに対応する量の水６が供給されているものとする。

この場合、ゴム堰１内に溜るドレインを有効に利用する
ために、給排気の配管系をゴム堰に対して上り勾配に設
け、配管内で凝縮して発生したドレインをすべてゴム層
内に集めるようにするのが好ましい（第１図に給排気の
配管系を略図で示す）。

倒伏状態のゴム堰の内圧は大気圧と同じであるので、圧
力制御装置内の水は第２図に示すようにＵ字形状の左右
で同一レベルである。

第２図では、圧力制御装置内の水がゴム層内に逆流して
いる状態になっているが、ゴム堰下部で導管４の挿入部
分に点線で示すドレイン溜りを設ければ、ドレインを安
定的に圧力制御装置内へ導くことができ、また倒伏時に
水が逆流してもドレイン溜りに受けられ、ゴム層内に噴
入することがない。

また、ドレイン溜り、容器５、導管４の下り勾配の長さ
を適当に選ぶことにより、ゴム層内にドレインが溜るこ
となくゴム堰１を倒伏することができる。

との倒伏状態からポンプＰ等により空気をゴム層内に封
入する。

この封入途中の状態を第３図に示す。

この場合、ゴム堰の内圧に対応して圧力制御装置２内に
おける水のレベルの平衡がくずれ、水位差Ｈ１を生じる
。

第４図には、ゴム層内に所定圧力の空気が封入された後
、さらに空気が供給されている場合を示す。

この時、ゴム堰は完全に起立しており、過剰な空気は導
管４の下方から気泡Ｉとして液体６中を通り、容器５の
開口部から大気中に放出される。

ゴム堰が完全に起立した際、ゴム堰の内圧は水位差Ｈに
対応している。

さらに、圧力制御装置２内に充填した水がドレインを含
んで水位差Ｈ以上の量になる場合、過剰量の水が容器５
から溢流して水位差Ｈを一定に保持する。

なお、封入圧力にもよるが導管４の径がある程度大きげ
れば、過剰空気の気泡化は導管の下方にて起こるが、導
管４の径が小さいと、容器５との接続部分で起こること
になる。

いずれにしても、ドレインは容器５からあふれでて河川
内に流出するのでドレイン抜きにも使用できる。

圧力制御装置内の液体の水位差および気泡による開放に
より、ゴム層内の圧力が所定値に達した後、バルブ（図
示せず）を閉じ空気の供給を停止する。

このような操作により、第１図に示すように、ゴム堰を
安全に起立させることができる。

また、ゴム堰起立時の上流側水量の増加による加圧に対
しても、圧力制御装置２が作動してゴム堰を自動的に倒
伏させることができる。

以上述べてきたように、この発明のゴム堰の圧力制御装
置によれば、該装置を構成する導管の一端をゴム堰下部
に連通したことにより、従来排出するのに苦慮したドレ
インを、また他端を上流側で上方に開口したことにより
ゴム堰の使用個所には当然の如く存在する河川等の水を
積極的且つ有効に利用することができる。

さらに、圧力制御装置をゴム層内への空気等の気体の供
給卦よび排出用配管系とは独立に設けたことにより、気
体の給排気中においてもゴム堰の内圧を正確に感知する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のゴム堰の安全装置の一例を示す説明
図、第２図〜第４図はこの発明のゴム堰の安全装置の作
動状態を示す説明図である。 １・・・ゴム堰、２・・・圧力制御装置、５・・・河床
、４・・・導管、５・・・容器、６・・・液体、７・・
・気泡。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 河川等を横切って設置され気体の給排気により起立
   ・倒伏するゴム製において、液体を充填してなる実質的
   にＵ字形状をなす導管の一端を前記ゴム製内の気体の給
   排気口の位置と対向する側の下部に連通ずるとともに、
   他端を上方にて前記ゴム製の上流側堰高付近に開口させ
   た容器に連通させたことを特徴とするゴム製の圧力制御
   装置。