JPS5933527B2 - リン酸の溶媒抽出法 - Google Patents

リン酸の溶媒抽出法

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JPS5933527B2
JPS5933527B2 JP55168681A JP16868180A JPS5933527B2 JP S5933527 B2 JPS5933527 B2 JP S5933527B2 JP 55168681 A JP55168681 A JP 55168681A JP 16868180 A JP16868180 A JP 16868180A JP S5933527 B2 JPS5933527 B2 JP S5933527B2
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extraction
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    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B25/00Phosphorus; Compounds thereof
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    • C01B25/46Preparation involving solvent-solvent extraction
    • C01B25/461Preparation involving solvent-solvent extraction the phosphoric acid present in the medium obtained after reaction being first extracted from the liquid phase formed or separated then re-extracted as free acid by using water or as a phosphate by using a basic compound
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、P2O545wt%以上という高濃度の不純
リン酸水溶液から高収率でリン酸分を向流抽出操作によ
って抽出する方法に関するものである。
本明細書で使用する用語を以下のとおり、定義する。
「水の溶解度wt%」は、「室温における水1/溶液1
00グ」である。
「遊離硫酸濃度mol/IJは、「ブロムフェノールブ
ルーを指示薬として水酸化ナトリウム水溶液で滴定して
えもれたH十濃度(グーイオン//a’)の値からH3
PO4濃度(mol / l )の値を差し引いたもの
の0.5倍」である。
「硫酸法湿式リン酸」は、「リン鉱石を硫酸で分解し、
固形物を沢去してえられたもの、または、それを濃度調
整もしくは硫酸根、ケイ素、フッ素、有機物等の除去な
どの予備処理をしたもの」である。
「抽出工程」は、「不純リン酸水溶液および洗浄工程か
らの水相を、向流抽出操作で、溶媒と接媒させてリン酸
分を溶媒へ抽出させる工程」である。
本発明は、この抽出工程にかかわるものである。
「洗浄工程」は、「抽出工程からの抽出液を、向流抽出
操作で、高純度の水、リン酸水溶液等と接触させて、該
抽出液中の不純物を水相へ抽出させる工程」である。
「洗浄用液」は、「洗浄工程で使用する、上記高純度の
水、リン酸水溶液等」である。
「回収工程」は、「洗浄工程からの溶媒相を、向流抽出
操作で、高純度の水またはアルカリ水溶液と接触させて
、精製リン酸またはリン酸塩水溶液をうる工程」である
上記のような高濃度の不純リン酸水溶液からリン酸分を
向流操作で抽出する溶媒(以下、「高濃度用溶媒」とい
う。
)は、まず、そのようなリン酸水溶液と接触しても、2
相を形成するものでなければならない。
そのような溶媒として、炭素数6〜10の脂肪族アルコ
ール、メチルイソブチルケトン等のケトン、ジイソプロ
ピルエーテル等のエーテル、リン酸トリブチル等のリン
酸エステルなどが知られている。
しかし、これらによる場合(ただし、リン酸エステルを
除いて)、!J42分の抽出率は、せいぜい50〜60
%であった。
これは、向流抽出操作で抽出率を高くするためには、リ
ン酸濃度が必然的に低下する抽残液排出個所近くでもリ
ン酸が十分に抽出されなげればならないにもかかわらず
、高濃度用溶媒として知られるものは、通常、低濃度域
でのリン酸抽出能力が極端に低いからである。
たとえば、炭素数8の2−エチルヘキサノールは、P2
O550wt%以上の湿式リン酸と接触させても2相を
形成するが、P2O520wt%以下の水相からは、リ
ン酸をほとんど抽出することができない。
(いっぽう、低濃度域でも十分にリン酸を抽出すること
ができる溶媒として、n−ブタノール、i−ブタノール
等が知られている。
しかし、これらは、たとえばP2O,45wt%以上の
湿式リン酸と接触すると均一に混合してしまって2相を
形成しないので、高濃度用溶媒として使用することがで
きない。
)また、一般に、リン酸濃度が高くなるにつれ、抽出に
おけるリン酸の選択性が低下する。
高濃度用溶媒は、この選択性が比較的よいとはいえ、濃
度依存性については変りない。
たとえば、高濃度不純リン酸水溶液をメチルイソブチル
ケトンと接触させ、えられた抽出液を洗浄工程および回
収工程で処理しても高純度リン酸水溶液かえられず、晶
出法等で精製する必要があった(特開昭49−9999
3号公報、米国特許3914382号明細書)。
もつとも、この場合も洗浄用液をおお(することができ
れば、回収工程でえられるリン酸水溶液の純度をあげる
ことができる。
しかし、洗浄工程から排出される水相中のリン酸分は、
もっばら該水相を抽出工程へ供給することによって回収
されるが、この水相が当然増加して抽出工程における水
相の濃度が低下し、したがってリン酸の抽出率が低下す
る。
かりに、抽出率の低下をおさえようとすれば、増加した
水相に応じて、もともと抽出率の低い溶媒の供給量を大
きくなければならず、したがって抽出液がふえ、それと
接触させる洗浄用液もさらにふやさなければならないこ
とになる。
このリン酸の選択性が低下することにもとづく問題も、
なんらかの手段で溶媒がリン酸分を抽出する能力を高く
することができれば解決される。
洗浄工程から抽出工程へ入る水相がふえても、高い抽出
率をすこしぎせいにするだげで、あるいは、もともとす
くなくてよい溶媒をすこしふやすだけですむからである
高濃度の不純リン酸水溶液からリン酸分の抽出率を向上
させる方法として、つぎのような方法が知られている。
(1)原料不純リン酸水溶液に硫酸を添加する方法この
方法では、抽出率が7〜8%向上するにすぎず、また、
添加した硫酸がリン酸とともに抽出されるという問題が
ある。
(11)抽残液に硫酸を添加し、溶媒と接触させて抽残
液中のリン酸分を回収する方法(特公昭52−4279
号公報、英国特許第1199042号明細書) この方法では、抽出率は高くなるものの、抽出液中のリ
ン酸濃度が低(、しかも、その中に硫酸が含まれるので
、それからのリン酸の回収が困難である。
(iii) 炭素数4〜10のジアルキルエーテルと
炭素数3〜8の脂肪族アルコールとの混合物を溶媒とし
て使用する方法(特開昭50−70294号公報、米国
特許第3903247号明細書)この方法では、抽出率
は、80%が限度である。
本発明者らは、上記従来法よりも、P2O545wt%
以上の高濃度の不純リン酸水溶液からリン酸分をより高
い、たとえば90%以上の収率で抽出することができ、
同時に、抽出率向上のために添加する硫酸を実質上共抽
出させない方法の開発を技術的課題として検討した。
まず、リン酸および硫酸の抽出挙動を調べた。
その際の測定データの二部を下表に示す。
その結果、つぎのことが確認された。
(1)リン酸の溶媒への分配は、硫酸濃度が高いほど大
きい。
(2)リン酸の溶媒への分配は、溶媒への水の溶解度が
ある値より低(なると、急激に低下する。
いっぽう、上記分配は、上記溶解度が高いほど大きいが
、該溶解度が高すぎると、分相しに((なる、ないしは
、2相を形成しな(なる。
ただし、水の溶解度が同じものの間では、混合溶媒のほ
うが単独溶媒によるよりも分相がはやい。
(3)硫酸の溶媒への分配は、リン酸濃度が高いほど大
きい。
(4)硫酸の溶媒への分配は、溶媒への水の溶解度があ
る範囲内にあれば、その溶解度にあまり影響を受けない
ただし、溶媒への水の溶解度が同じものの間では、溶媒
が混合溶媒である場合のほうが単独溶媒である場合より
も、硫酸の溶媒への分配が小さい。
以上の事実にもとづき、つぎの結論をえた。
(5)硫酸が共抽出されるのを防ぐために、リン酸濃度
の高い抽出液排出個所近くの工程液の硫酸濃度を低くし
なければならない。
したがって、リン酸分の抽出率をあげるために、リン酸
濃度の低い抽残液排出個所近くの硫酸濃度をあげるほか
ない。
(6)溶媒は、水の溶解度がある範囲内にあるものを使
用しなげればならない。
(7)分相性およびリン酸の選択性の点で、単独溶媒よ
りも混合溶媒のほうがよい。
本発明者らは、以上の知見を基礎とし、さらに検討を加
えて、リン酸エステルを使用しなくても前記の技術的課
題の解決が可能であることを見出し、本発明に到達した
すなわち、本発明は、前記の技術的課題の解決を目的と
し、そして、 「P2O545wt%以上の不純リン酸水溶液と溶媒と
を、硫酸の存在下で、向流抽出操作によって接触させて
リン酸分を溶媒に抽出させる方法において、 (a) 溶媒として、水の溶解度3〜10wt%(た
だし、リン酸エステルを除く)のものを使用し、かつ、 (b) 水相のH3PO4濃度0.5〜3 mol
/ lの範囲において、同じ個所の水相の遊離硫酸濃度
(Y (mol/J ) )とH3PO4濃度(X(m
ol/J))とが 5.0−0.83X≧Y≧2.5−0.83Xの関係を
満足するように、水相のH3PO4濃度3 mol /
l以下の個所に硫酸を添加することによる、リン酸の
溶媒抽出法」 を要旨とする。
以下、その詳細について説明する。
〔原料不純リン酸水溶液〕
本発明は、従来処理の困難であったP2O545wt%
以上という高濃度の不純リン酸水溶液を処理の対象とす
る。
本発明は、このような高濃度のものを原料とし、かつ、
すくない溶媒で高収率でリン酸分を抽出することができ
るから、本発明の実施に使用する抽出工程の設備が小さ
くてすむだけでなく、本発明によってえられる抽出液お
よび抽残液の処理も簡素化することができる。
本発明は、現在工業的に大量に生産されている硫酸法湿
式リン酸をはじめ不純物を含む各種のリン酸水溶液から
リン酸分を抽出するのに適用することができる。
現在市販されている湿式リン酸の内もつとも濃度の高い
のは、P2O,54wt%程度のものであるが、本発明
によれば、このようなものをも効果的に処理することが
できる。
〔溶媒〕
本発明に使用する溶媒は、リン酸エステル以外の水の溶
解度が3〜10wt%のものでなければならない。
該水の溶解度が3wt%よりも小さくなると、リン酸の
溶媒への分配が急激に低下し、いっぽう、10wt%よ
り大きくなると、高濃度の原料と接媒して均一に混合し
て2相を形成しなくなったり、あるいは、2相を形成し
ても両相の組成が近似したものとなって比重差および界
面張力差が小さくなり、そのためエマルジョンを形成し
たり、分相速度が極端に小さくなったりするからである
この分相性は、リン酸濃度の低い系で、水の溶解度が3
〜10wt%の範囲内にある、たとえば3−ペンタノー
ル、3−ヘキサノール、n−オクタツール等の単独溶媒
よりも、2種以上のもの、とくに水の溶解度が3wt%
未満のもの1種以上と10wt%をこえるもの1種以上
とを混合して水の溶解度が3〜10wt%となるように
調整されたもののほうが、水の溶解度が同じあれば、す
ぐれている。
(リン酸濃度の低い系で分相性がわるいと、本発明によ
ってえられた抽出液を洗浄工程および回収工程で処理し
て高収率で精製リン酸をうるのが困難となる。
回収工程の溶媒相排出個所では、必然的にリン酸濃度が
低くなり、ここでの分相が不十分であると、回収された
溶媒にリン酸がおおく含まれ、その溶媒が抽出工程へ循
環され、その中のリン酸が抽残液に抽出されて損失とな
るからである。
本発明では、リン酸の抽出率が高く、したがって、抽残
液中のリン酸濃度がご(低いので、上記の分相性のわる
いことによる影響が大きい。
)また、混合溶媒のほうが単独溶媒よりも、硫酸等の不
純物の溶媒への分配が小さく、リン酸の選択性が高い。
(したがって、硫酸の添加量もすくなくてよい。
また、本発明によってえられた抽出液を洗浄工程で処理
する場合、洗浄用液もすくな(てよい。
)さらに、水の溶解度の調整、溶媒の入手の容易さ、系
すなわちリン酸と硫酸との混酸中で安定な溶媒の選択な
どの点でも、当然混合溶媒のほうが有利である。
この混合溶媒として、たとえば、炭素数6以下の脂肪族
アルコールおよび脂環式アルコールの内の1種以上と炭
素数7〜10の脂肪族アルコール、メチルイソブチルケ
トンおよびジイソプロピルエーテルの内の1種以上との
混合物をあげることができる。
さらに具体的には、2種の混合物として、メチルイソブ
チルケトン/n−ブタノール−90/10〜50150
(容量比、以下同じ。
)、メチルイソブチルケトン/ミーブタノール−90/
10〜40/60.メチルイソブチルケトン/シクロへ
キサノール−80720〜20/80、ジイソプロピル
エーテル/ミーブタノール−70/30〜30/70.
2−エチルヘキサノール/n−ブタノール=90/10
〜50750等;3種の混合物として、メチルイソブチ
ルケトン/ジイソプロピルエーテル/n−ブタノール、
メチルイソブチルケトン/ミーアミルアルコール/n−
ブタノール等をあげることができる。
溶媒の供給量は、(溶媒)/(抽残液)重量比で、5〜
12がよく、このようにすれば、後述の硫酸の作用を効
果的なものにすることができる。
抽残液の排出量を基準にするのは、硫酸を抽残液排出個
所に比較的近い所で作用させるからである。
ところで、水相の量は、一般に抽出液排出個所から抽残
液排出個所へ向かうにつれて減少する。
その減少の程度は、原料等供給水相中のP2O6、不純
物等の濃度に左右され、本発明においてこの減少がと(
に著しい。
したがって、上記の数値は、けっして溶媒の使用量が大
きいことを示すものではない。
溶媒の使用量は、原料等供給水相量を基準にすれば、(
溶媒)/(原料等水相)重量比で、通常、1.5〜3.
5でよい。
〔抽出型式〕
本発明は、回転円板抽出器、ミキサー・セトラー型抽出
器等通常の型式の抽出装置によって実施することができ
る。
すなわち、溶媒相および水相が抽出液排出個所(原料供
給個所)から抽残液排出個所(溶媒供給個所)までの間
に、組成を連続的に変えるものであっても、あるいは段
階的に変えるものであってもよってよい。
硫酸添加個所−抽残液排出個所間の理論段数は、あまり
小さいと本発明の要件を満たすために多量の硫酸を使用
し、抽残液中に遊離硫酸として無意味に排出され、また
、あまり大きくする利益もない。
2〜4段が適当である。いっぽう、硫酸添加個所−抽出
液排出個所間の理論段数は、あまり小さいと本発明の要
件を満たすことが不可能となるおそれがあり、また、太
きすぎると溶媒相−水相間が平衡を保って物質移動のお
こらない個所が長くなってなんの利益もない。
5〜8段が適当である。
〔添加硫酸〕
塩酸や硝酸もリン酸分の抽出率を向上させる作用がある
が、これら自体が溶媒に抽出されやすいので、これらが
リン酸と共抽出されるのを避けるのが困難である。
また塩酸は、不純物と錯イオンを形成して、不純物とリ
ン酸との分離を妨害する。
いっぽう、硫酸は、塩酸や硝酸よりも溶媒に抽出されに
く(、かつ、錯イオンを形成することもない。
本発明が抽出率を向上させるための酸として硫酸を選ん
だのは、このような理由による。
本発明は、添加した硫酸を抽出液に同伴させないこと、
および、リン酸分を高収率で抽出させることを目的とす
る。
ところが、溶媒へ硫酸を抽出させないようにするには、
系の硫酸の濃度および硫酸の溶媒への抽出に作用するリ
ン酸の濃度をできるだけ低くすればよく;いっぽう、リ
ン酸分の抽出量を太き(するには、リン酸の溶媒への抽
出に作用する硫酸の濃度およびリン酸の濃度をできるだ
け高くすればよい。
このように、硫酸を溶媒に抽出されにくくするための条
件と、リン酸分の抽出量を大きくするための条件とは、
たがいに矛盾する。
本発明によれば、この矛盾が克服されて、添加した硫酸
を実質上抽出液に同伴させることなく、リン酸分を90
%以上、通常は95%以上という収率で抽出することが
できるのである。
抽出工程の工程液中のリン酸濃度は、抽出液排出段から
抽残液排出段に向かうにつれて低下する。
いっぽう、硫酸濃度は、硫酸の添加個所から抽出液排出
個所へ向かうにつれて低下する(ただし、硫酸法湿式リ
ン酸等硫酸を含むものを原料とする場合は、抽出液排出
段近くで、ふたたび硫酸濃度が増加する。
)。この工程液中の水相のH3PO4濃度が0.5〜3
mol / lの範囲において、水相の遊離硫酸濃度(
Y(mol/V))が2.5−o、s 3X (Xは、
水相の遊離硫酸濃度がY mol / lである個所の
水相のH3PO4濃度(mol/V)である。
以下、同じ。)よりも小さい個所が生じるような硫酸の
添加のしかたでは、リン酸分の収率を90%以上にする
ことは困難であり;いっぽう、5.0−0.83Xより
も大きい個所が生じるような硫酸の添加のしかたでは、
硫酸添加個所−抽出液排出個所間の段数を大きくしても
硫酸が抽出液に同伴されるおそれがある。
したがって、YとXとは、5.0−0.83X≧Y≧2
.5−0.83X・・・・・・・・・・・・(1)の関
係を満足しなければならないが、硫酸を水相のH3PO
4濃度が3 mol / lをこえるような個所に添加
して、この関係を満足させることは不可能である。
もつとも、溶媒の供給量を前述のように調整すれば、 0.5≦X≦3 の全域において、上記式(1)を満足させるのに、それ
ほど微妙な調整を要するわけではない。
たとえば、上記のXの範囲のある1点において Y’=i3.75−0.83X (すなわち、たとえば、Y=2、X=2等)となるよう
に調整すれば、通常は、上記Xの範囲の全域において式
(1)は満足される。
〔抽出液〕
原料不純リン酸水溶液中の不純物の一部が抽出液中に混
入するのを避けることはできない。
硫酸についても同じであり、抽出率をあげるために抽出
工程に添加する硫酸が抽出液に混入するのは前記のとお
り防止することができるが、原料不純リン酸水溶液に硫
酸が含まれている場合、その硫酸の一部が抽出液中に混
入するのは、避けることができない。
したがって、本発明によってえられた抽出液から高純度
のリン酸またはリン酸塩の水溶液をうるには、まえもっ
て洗浄工程で不純物を除く必要がある。
ところが、本発明のように高濃度の不純リン酸水溶液か
らリン酸を抽出する場合は、低濃度のものから抽出する
場合よりも、抽出液に不純物が共抽出されやすい。
したがって、この抽出液から不純物を十分に除くには、
洗浄用液を多量に使用する必要があり、その場合、洗浄
工程から排出される水相が当然おおくなる。
しかし、この水相がおおくても、本発明によれば、抽出
率が高いので、その水相を比較的容易に処理することが
できるのである。
もつとも、洗浄用液として水またはリン酸水溶液を使用
する場合は、洗浄用液だけでは、陽イオン不純物は除け
ても、陰イオン不純物を完全に除くことは困難である。
陰イオン不純物をも完全に除きたい場合は、洗浄工程の
工程液にアルカリ金属またはマグネシウムの酸化物、水
酸化物、炭酸塩またはリン酸塩を抽出工程からの抽出液
中の陰イオン不純物の1.01当量倍以上添加すればよ
い。
このようにすれば、陰イオン不純物だけでなく陽イオン
不純物もさらによく除かれるので、本発明によって高濃
度の不純リン酸水溶液を処理するのがいっそう容易にな
る。
以下、本発明の効果を具体例で示す。
参考例 1 (混合溶媒と単独溶媒の分相性) 不純リン酸水溶液と溶媒とを接触させ、えられた溶媒相
からリン酸を純水で抽出して、相互間に物質移動を生じ
ない溶媒相と水相とをえた。
このようにしてえられた溶媒相75m1および水相25
m1をメスシリンダーに入れ、激しくかきまぜ、静置し
、静置後2相が完全に分離するまでの時間な測定した。
結果を下表に示す。混合溶媒は、水の溶解度がn−オク
タツールと同じ5.0wt%となるように組成が調整さ
れたものである。
参考例 2 (混合溶媒と単独溶媒の選択性) H3PO4濃度2 mol / l、H2SO4濃度5
mol / lの水溶液50m1と溶媒500m1とを
接触させて、リン酸および硫酸の分配係数を測定した。
結果を下表に示す。
溶媒の水の溶解度は、参考例1と同じく、いずれも5w
t%である。
(以下、「部」は、「重量部/時間」を意味し、組成に
おける「%」およびr Ppm Jは、重量基準による
段目は、溶媒または溶媒相の供給段からかぞえたもので
ある。
)実施例1〜4、比較例1〜5 下記組成の硫酸法湿式リン酸またはこれを水でP2O5
45wt%に希釈してえたものを抽出工程、洗浄工程お
よび回収工程によって精製した。
これらいずれの工程も、ミキサー・セトラー型抽出器で
向流で操作した。
回収工程へは、純水を供給した。
回収工程でえられた水相の内62部を洗浄用液として洗
浄工程へ供給し、のこりをP2O554%まで濃縮した
(以下、この濃縮液を「取得リン酸」という。
)。洗浄工程から排出される水相全部を上記湿式リン酸
100部と混合して(以下、この混合液を「混合リン酸
」という。
)、抽出工程へ供給した。
また、濃度98%の硫酸を抽出工程へ供給した。
上記以外の条件および結果を下表および図1に示す。
(図1は0.5≦X≦3およびその近傍におけるYとX
との関係を示すものである。
)(1)収率は、(取得リン酸中のP2O5/原料湿式
リン酸中のP2O,)×100である。
(2)溶媒 実施例1、比較例1〜3 :MIBK/n−ブタノール
−80/20 (容量比、以下同じ。
)の混合物 実施例2:DIPE/i−ブタノール−50150の混
合物 実m例3 : 2−エチルヘキサノール/シクロヘキサ
ノール=50150の混合物 実施例4:MIBK/n−ブタノール=55/45の混
合物 比較例4:MIBK 比較例5:MIBK/n−ブタノール=20/80の混
合物 (3)実施例1についての追記 洗浄工程から排出される水相:40部 抽残液中のH3PO4:45グ/1 回収工程でえられる水相:220部 その中のP2O5:33% (4)図1に示すように、実施例1〜4のいずれにおい
ても、 0.5≦X≦3 の範囲において、 5.0−0.83X≧Y≧2.5−0.83Xの関係を
満たしており、上記表に示すとおり、抽出液中に同伴さ
れる硫酸はごくすくなく、かつ、リン酸分の収率は95
%をこえている。
(5)図1に示すように、比較例1では、硫酸の添加量
がす(なすぎて、添加段における水相のH3PO4濃度
が3.0 mol / lをこえており;比較例2では
、硫酸の添加量がおおすぎて0.5≦X≦3における水
相の遊離硫酸濃度が高すぎ;比較例3では、硫酸の添加
段が抽出液排出段にかたよりすぎたため、該添加段の水
相の H3PO4濃度が3.0171o1 /lをこえており
;実施例4では、溶媒の水の溶解度が低すぎ、いずれも
本発明の要件を満たしていない。
そのため、比較例2では、リン酸の収率は十分であるも
のの、添加した硫酸の一部が抽出液に同伴されており;
比較例1.3および4では、添加した硫酸が抽出液に同
伴されることはまぬがれているものの、リン酸分の収率
がいずれにおいても90%に達していない。
(6)比較例5では、溶媒の水の溶解度が高すぎて、抽
出工程の途中段で一相を呈してしまい、抽出操作が不可
能であった。
実施例 5 下記組成の硫酸法湿式リン酸を原料とし、洗浄工程の段
数を15段とし、その8段目に48%の水酸化ナトリウ
ム水溶液5.2部を添加し、抽出工程への硫酸の添加量
は実施例1の場合の1.6倍にし、他の条件は、実施例
1と同一にして操作した。
取得リン酸の組成は下記のとおりであり、0.5≦X≦
3およびその近傍におけるYとXの関係は、図1に示す
とおりであった。
また、収率は97.6%であった。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1〜5および比較例1〜4における抽出
工程の一部の水相の遊離硫酸濃度とH3PO4濃度との
関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 P2O545wt%以上の不純リン酸水溶液と溶媒
    とを、硫酸の存在下で、向流抽出操作によって接触させ
    てリン酸分を溶媒に抽出させる方法において、 (a) 溶媒として、水の溶解度3〜10wt%のも
    の(ただし、リン酸エステルを除く)を使用し、かつ、 (b) 水相のH3PO4濃度0.5〜3mol//
    !’の範囲において、同じ個所の水相の遊離硫酸濃度(
    Y (mol/J ) )とH3PO4濃度(X (m
    ol / l ) )とが 5.0−0.83X≧Y≧2.5−0.83Xの関係を
    満足するように、水相のH3PO4濃度3 mol /
    l以下の個所に硫酸を添加することを特徴とする、リ
    ン酸の溶媒抽出法。 2 溶媒が水の溶解度3wt%未満のものと10wt%
    をこえるものとの混合物である、1項記載のリン酸の溶
    媒抽出法。 3 溶媒が炭素数6以下の脂肪族アルコールおよび脂環
    式アルコールの内の1種以上と炭素数7〜10の脂肪族
    アルコール、メチルイソブチルケトンおよびジイソプロ
    ピルエーテルの内の1種以上との混合物である、2項記
    載のリン酸の溶媒抽出法。 4 P2O545wt%以上の不純リン酸水溶液が硫
    酸法湿式リン酸である、1〜3項のいずれかの項記載の
    、リン酸の溶媒抽出法。
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