JPS5933346B2 - タバコの充填能力改良方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、タバコを加圧下にあるガスで処理し、続いて
圧力解放後加熱処理することによってタバコの充填能力
を改良する方法であって、タバコを１０００バールまで
の作業圧で窒素及び／またはアルゴンによって処理し、
かつ圧力解放後短時間の加熱による後処理を施す方法に
係る。

上記のような方法は、例えば西独特許公開公報第２９０
３３００号によって公知であり、それ以前から公知のタ
バコ膨張方法とは原則として異なっている。

上記のタバコ膨張方法とは即ちまずタバコに揮発性の有
機化合物、酸化二窒素、ＳＯ２、アンモニア及びＣＯ□
または液体ＣＯ□を含浸し、続いて１５０〜２００℃及
びそれ以上の温度で急速乾燥するもので、膨張は急速な
高温乾燥及び液状含浸剤の排除によって実現する。

以前から公知のこの方法では高温での急速乾燥後、約１
〜３％の僅かな水分を含んだ膨張したタバコが得られ、
このタバコを更に加工するためには、１２〜１５−％あ
るいはそれ以上の通常の水分含量に戻さなければならな
い。

その際生起する充填能力の低下を回避し、タバコくずを
増加させず、かつタバコのいわゆる再生（ｎｅｗ）処理
のための長引く再加湿を避けるために、上記の西独特許
公開公報第２９０３３００号に記載の方法によれば、タ
バコにまず窒素またはアルゴンによる高圧ガス処理を、
場合によっては複数個のオートクレーブにおいてカスケ
ード式に施し、更に次の段階で加熱による後処理を施す
。

高圧ガス処理によりタバコはガスを吸収し、その際終圧
を高く、圧力低下時間を短く、更に場合によっては処理
前にタバコを加湿することによって、タバコは十分多量
のガスを吸収し得る。

次いで行なわれる加熱後処理において、吸蔵されたガス
は外部からの熱供給により膨張して外部へと向かう圧力
を生じ、それによってタバコ組織（ｔｏｂａｃｃｏ ５
ｔｒｕｃｔｕｒｅ）も膨張する。

これまで通常、充填能力は吸収されるガス景に比例して
より一層改良されると考えられてきた。

更に、西独特許公開公報第２９０３３００号による窒素
またはアルゴンを用いたタバコの高圧処理の場合、初期
水分量の比較的少ないタバコではこの窒素またはアルゴ
ンによる高圧ガス法のあとで十分に膨張させ得ないと思
われるので、対象となるタバコに一定の初期水分量を持
たせるべきであるとされていた。

従ってこの公知の方法では、加圧処理前に特に付加的に
タバコを加湿し、一方加熱後処理を乾燥炉において、ま
たはマイクロ波加熱もしくは赤外線加熱によって行なっ
てタバコを所望の最終含水率となる迄乾燥させる。

この公知方法には、上述の如くに処理されたタバコが高
圧ガス処理後しばしば凝集し、その結果今までの通常の
加熱後処理では膨張が困難となり得る点が欠点であると
現在知見されている。

従って、本発明は、エネルギーを節約するタバコ膨張方
法を提案し、更に西独特許公開公報第２９０３３００号
の高圧ガス法を改良して、それによってタバコの充填能
力を向上させ、タバコを更に加工することが比較的容易
であるようにすることを目的とする。

驚くべきことに、タバコに高圧ガス処理後続けて飽和蒸
気により加熱後処理を施すとより良い膨張効果が、特に
より低い圧力において得られることが判明し、その際タ
バコは、凝縮熱の放出下に加湿されつ°り膨張する。

従って上記の目的は、冒頭に述べたような方法であって
、高圧ガス処理が最低圧力１５０バールで窒素によって
、及び最低圧力５０バールでアルゴンによって実施され
、また加熱後処理は飽和蒸気である水蒸気によって行な
われ、タバコは凝縮エネルギーの放出下に加湿されつつ
膨張することを特徴とする方法の提案によって達成され
る。

また、西独特許公開公報第２９１２３２２号にはタバコ
を膨張させるためのＣＯ２処理法が記載されており、こ
の方法ではそれ以前から公知のＣＯ２法とは異なり液体
ではなくガス状のＣＯ２を用い、より高い圧力において
操作を行なう。

この方法の場合も、乾燥によって膨張させるための加熱
後処理が１９９〜３７０℃の温度で実施され、その際例
えば９〜１５％の初期水分量を有するタバコを蒸気乾燥
器において、例えば過熱水蒸気または過熱蒸気によって
水分量が約１．５〜３．２％となるまで乾燥し、それに
よって膨張させる。

これに対して本発明による、窒素及び／またはアルゴン
を用いる高圧ガス処理法の場合、圧縮ガスで処理された
タバコは飽和蒸気によって顕著に膨張し、しかも放出さ
れる凝縮エネルギーは総て膨張に費される。

意外にも、圧縮ガスで処理されたタバコを膨張させる目
的で、加熱後処理により乾燥してではなく逆に加湿して
処理することが可能であり、それによって充填能力は著
しく改良される。

加えて本出願の方法では、ＣＯ２法によって膨張したタ
バコの場合必須である極度に無駄または危険な再加湿が
回避される。

即ち西独特許公開公報第２９１２３２２号のＣＯ２法に
おいても、水分量１〜３％を有して得られる、乾燥によ
って膨張したタバコを通常の加工時水分量へ戻さなけれ
ばならない。

しかしこのことは充填力の甚だしい損失に結び付き、ま
た水分量を所望の値に均等に調整するには２４時間ある
いはそれ以上の時間が必要であり、その上タバコを経費
の掛かる超音波噴霧器で再加湿しない限り一定の強制気
圧単位（Ｚｗａｎｇｓｕｍ １ｎｆｔｅｉｎｈｅｉｔｅ
ｎ）において出火の恐れがある。

これに対し本出願の方法では、高圧で処理されたタバコ
は加工時水分量に対応する水分量を有しており、その上
で更に加湿されて膨張し、従って該タバコは加工時水分
量まで、通常の方法で難無く乾燥し戻すことができる。

本出願の方法では西独特許公開公報第２９０３３００号
による公知の方法と比較して、より僅かな水分しか含ま
ないタバコに処理ガスを吹付けるとより強く冷却される
ことから、タバコがおそらくより多量のガスを吸蔵する
であろうことは、特定の機構を俟たずに推察され得る。

飽和蒸気の供給により公知の方法の後処理法に比べて著
しく多大なエネルギーが凝縮によって放出され、それと
同時に加湿が行なわれることによって細胞壁の弾性が増
し、特に体積の突発的な増大がもたらされる。

従って上記から明らかな如く、本発明方法に依れば、高
圧ガス処理がより低い圧力下で実施され得、またこの処
理法によってより高度の充填能力が獲得されるという利
点が更に生起する。

また、圧力処理は０〜５０℃の温度で実施することが有
利である。

この温度範囲は膨張効果の改良に格別影響する訳ではな
いが、温度が５０℃を越えるとタバコの内容物質が導管
内に堆積し、０℃より低いとバルブが凍結する。

更に蒸気処理は０．５〜１０ ｋｇｉ（２０／ｙｒｌの
密度を有する水蒸気によって実施することが好ましく、
即ちこの水蒸気は温度約１００〜２２０℃に対応してＨ
２Ｏと強力に飽和しており、その結果タバコに当てられ
る際凝縮または加湿飽和蒸気として作用する。

また、処理されるべきタバコが約１５％までの水分量を
有していると、加湿を伴う飽和蒸気として作用する。

加えて、獲得した充填能力を損失させずにタバコに適当
な芳香剤を、高圧ガス処理前でも蒸気による加熱後処理
後でも任意に混合し得ることも判明した。

技術的実現上非常に重要な本発明方法の長所は、通常の
水分量または加工時水分量を有する処理対象となるタバ
コが高圧ガス処理に次ぐ圧力解放の際に凝集せず、この
タバコを更に加工することが容易に可能である点である
。

その上本発明方法では、タバコを改めて加湿する必要は
無い。

以下の実施例において、本発明を更に詳述する。

実施例 １ ヴアージニアタバコを、西独特許公開公報第２９０３３
００号に記載されているような通常の装置において窒素
で処理した。

その際、カスケード式に接続された二重オートクレーブ
の替わりに１個の反応容器を用い、この容器の表面温度
を約４０℃に維持した。

タバコ試料の初期重量はどれも２０１であった。

処理は、次に掲げる表１に記された圧力及びタバコの水
分量並びに約１．３〜２分の圧力減少時間において行な
った。

次いでこのように処理したタバコに直ちに、約１分間継
続する加熱後処理を施し、この後処理においてタバコを
、一方では本発明によりｉｏｏ℃の飽和蒸気によって処
理し、他方では比較として従来通りマイクロ波によりも
しくは乾燥炉において処理した。

含浸されたタバコの飽和蒸気による加熱後処理では、高
圧ガス処理されたタバコを脱圧縮（ｄｅｃｏｍｐｒｅｓ
ｓ ｉｏｎ ）後直ちにフラット層に伸展し、この層に
、一定の速度で蒸気ノズルの下を移動させた。

飽和蒸気で処理した試料を続いて熱風によって、所望の
水分量となるまで乾燥した。

試料を、温度２１℃及び相対湿度６０％の標準条件下に
約３６時間に亘って保持した。

平衡水分量を調整後、試料の充填能力の未処理試料との
比較における改良度をボルクヴアルト・デンジメータ（
Ｂｏｒｇｗａｌｄｔ ｄｅｎｓｉｍｅｔｅｒ）によって
測定した。

実施例 ２ ヴアージニアタバコ試料及びバーリータバコ試料の各々
を実施例１と同様に処理した。

タバコの水分量はオートクレーブへの装填前は約１２％
であり、終圧を変化させた。

窒素を含浸させたタバコを、圧力解放後１００℃の飽和
蒸気で処理した。

表１１ａ及びｎｂに個々の実験の諸条件及び得られた充
填能力改良度をまとめて示す。

実施例 ３ 実施例２と同様に操作したが、ここでは処理ガスとして
窒素の替わりにアルゴンを使用した。

結果を表■ａ及びｍｂにまとめて示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ タバコを加圧下にあるガスで処理し、続いて圧力解
   放後加熱処理することによってタバコの充填能力を改良
   する方法であって、タバコを１０００バールまでの作業
   圧で窒素及び／またはアルゴンによって処理し、かつ圧
   力解放後に短時間の加熱による後処理を施し、高圧ガス
   処理は最低圧力１５０バールで窒素によって、及び最低
   圧力５０バールでアルゴンによって実施され、また加熱
   後処理は飽和蒸気である水蒸気によって行なわれ、タバ
   コは凝縮エネルギーの放出下に加湿されつつ膨張するこ
   とを特徴とする方法。 ２ 圧力処理が０〜５０℃の作業温度で実施されること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の方法。 ３ 処理されるべきタバコが約１５％までの水分含量を
   有することを特徴とする特許請求の範囲第１項または第
   ２項に記載の方法。 ４ 蒸気処理が密度０．５〜１０ｋｙ／ｍ’の水蒸気に
   よって行なわれることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項乃至第３項のいずれかに記載の方法。