JPS5933323B2 - 藁束ハンガ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は主として脱穀後の藁を省力、かつ能率的に乾
燥させるために用いる藁束バンガーに関するものである
。

畜産や藁加工には現在でも良質に乾燥された藁が必要な
ことはいうまでもないが、近時稲の刈取脱穀は機械化さ
れ（コンバイン化）てしまい、長稈のままで結束され、
それをそのまま乾燥した藁ヲ入手することはほとんど不
可能になっている（コンバインの通常仕様では脱穀後の
排藁は結束せず、細かく切断して圃場に散乱させる）。

すなわち、このような藁を入手しようとすれば、まずバ
インダーや手刈りによって結束束を作り、これを自説も
しくはハーベスタ等で脱穀したものを拾い集めなければ
ならないのである。

しかしこのような作業はコンバイン作業に比べはるかに
めんどうな上、脱穀後においてもさらに次のように煩し
い作業を必要とするのである。

今、１０ａ当り１，０００束あるとすれは、まず八手ま
でに寄せるのに１，０００回、八手掛けにｉ、ｏｏｏ回
、八手外しに１，０００回、収容場所への持ち運びに１
，０００回の都合４，０００回の作業を必要とする。

したがって、今日のような合理化農作業の下では、とて
もこのような煩しい作業をする者はいないから、いきお
い乾燥藁の価格も高騰して、前記畜産農家や藁加工業者
は深刻な立場に追い込まれていたのである。

そこで、この発明は簡単、迅速に藁束を集束し得る藁束
バンガーを提供することにより、安価に乾燥藁を製造で
きるようにしたものである。

以下、この発明の具体的な実施例を図面を参照して説明
する。

第１図はこの発明に係るもつとも基本的な藁束バンガー
を示すものであるが、この藁束バンガーは棒状の基体１
に対して適当間隔で複数個の藁束引掛具２・・・が垂設
されたものである。

藁束引掛具２・・・は鋼線等を折り曲げ、その両端に引
掛部を形成するとともに、これを基体１に吊るし掛けた
ようなもの（前後一対）が考えられる。

第２図は引掛部と基体１との関係を示すものであるが、
藁束を引掛ける藁束引掛具２・・・の垂設長さの長いも
の、短かいもの、前後で長さが異なるもの等種々あると
ともに、引掛部の構造ならびに向きにも種々のものが考
えられる。

また藁束引掛具２・・・の数は適宜選択されるが、能率
および扱い易さを考慮すると２〜５対、すなわち４束か
ら１０束程度を引掛けるものが適する上、そのスパンも
適宜設定される。

次に、基体１の中心付近から係止具３が藁束引掛具２・
・・と反対方向に延設される場合がある。

なおこの係止具３は他の適当な部材（例えば後記するよ
うな八手）に容易に固定するためのものであるから、係
止具３の形態も第１図のようなフック状他、鎖、環、止
具等種々のものが考えられる。

第３図、第４図は他の藁束バンガーの形態を示すもので
あるが、このうち第３図のものは、基体１と同一平面内
で、基体１の一端から始まって略四角形に他端に閉合す
る枠体４を設けるとともに、この枠体４の両側部におい
て側面視三角形状（底部が底部がり）の持手体５を形成
したものであり、第４図のものは第１図の係止具３の代
わりに、枠体４の両側部に適宜な形態の係止具６を設け
たものである。

以上の構成からなる藁束バンガーを適宜選択して、これ
により藁束を集束する。

すなわち、それぞれの藁束引掛具２・・・の先端に形成
された引掛部に藁の結束紐（藁）を引掛けて集束するも
のである。

第５図はこのようにして藁束引掛具２・・・に藁を引掛
けた藁束バンガーを適当な八手に吊り掛けた例であるが
、適当に架設した横木１に前記の藁束バンガーを紐８等
で吊り掛けておくことにより、乾燥させることができる
。

一方予め横木１と基体１に係止構造（例えばフックとフ
ック孔）を施しておけば、この操作が容易であり、また
藁束バンガーを高い所へ持ち上げるときには、前記持手
部５を有したものを使用すれば（第６図参照）省力であ
り、さらに藁束バンガーを高い所へ持ち上げ、かつ他部
材へ固定しなければならないときには、係止具６が設け
られたものを使用することで便利である。

ところで、このような藁束バンガーを使用することで、
効果的に藁束を乾燥することができるのであるが、藁束
バンガーを吊るし掛けるべき八手にも工夫を施すことで
、その品質ならびに能率をアップすることができるので
ある。

第６図はその例であるが、要は八手の横木９・・・を側
面視三角形状に多段的に架設し、下部、中部の横木９・
・・には第１図の藁束バンガーを、中部、上部の横木９
・・・には第３図の藁束バンガーを、そして頂部の横木
９・・・には第４図の藁束バンガーをそれぞれ使用し、
これに藁束を引掛けて集束したものを吊るし掛ければよ
いのである。

以上、この発明は棒状の基体１に対して適当間隔で複数
個の藁束引掛具が垂設されたものを基本形態とする藁束
バンガーを提供したものである。

したがって、まず藁束を適当数（前記したようｌこ通常
で８束）集束できるから、藁乾燥作業が容易になるとと
もに、その後の工程も楽になる。

すなわち、冒頭で記したように、脱穀後の藁に手をかけ
るべき回数が、八手に寄せ集めする作業他、八手掛け、
八手外し、および持ち運び等の各作業が８束集束すると
すれば、一挙に１／８に減する。

これにより、従来まで労働的にもなし得なかった排藁の
乾燥を可能にする。

そしてこのような藁束バンガーに引掛ける（集束）作業
は、単にその藁束引掛具２・・・の先端に装設された引
掛部に藁束の結束紐を引掛ければよいのであるから、容
易、迅速であって、かつ老人、子供でもでき得る。

また前記したような立体的な八手に掛ける際にも、この
藁束バンガーは前記の三種類があるから、これを効果的
に選択することによって可能である。

次に、藁の乾燥が終了すれは、これを適当量株元、穂先
を順次逆にして束にし、これを紐１０等で束ねなければ
ならないが、この藁束バンガーを使用すれば、それらの
作業が著しく軽減される。

すなわち第１図に示されるが、藁束バンガーに引掛けら
れた藁束を寝かせるように置くことで、藁束引掛具２・
・・は容易に外れ、逆転させて下の藁束の穂先に次の藁
束の株元を置くように寝かせることでこれも容易に外れ
る。

したがってこの操作をすれば、各藁束の株元はきっちり
そろうとともに、束ね置く作業そのものが迅速である。

その他、このような形態の藁束バンガーは非常に簡単な
形態であるから、安価に供給できる等の種々優れた効果
が期待できるのである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の具体例を示すもので、第１図は基本的
な藁束バンガーの斜視図、第２図は引掛具の種々を示す
断面図、第３図、第４図は他の藁束バンガーの斜視図、
第５図は藁束バンガーを他部材に吊るし掛けた例の断面
図、第６図は藁束バンガーを使用しである立体的な八手
に吊るし掛けた例の断面図、第７図は藁束バンガーを使
用して藁束を集束する状態を示す側面図である。 符号、１・・・・・・基体、２・・・・・・藁束引掛具
、３・・・・・・係止具、４・・・・・・枠体、５・・
・・・・持手体、６・・・・・・係止丸

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 棒状の基体に対して適当間隔で複数個の藁束引掛具
   が垂設されてなる藁束バンガー。 ２ 藁１束引掛具が基体の前後に一対ずつ垂設されてな
   る特許請求の範囲第１項記載の藁束ノ１ンガー。 ３ 藁束引掛具の下端高さが基体の前後で異なるもので
   ある特許請求の範囲第２項記載の藁束バンガー。 ′４ 藁束引掛具が２〜５対である特許請求の
   範囲第２項または第３項記載の藁束バンガー。