JPS5933167Y2 - 密封型電池 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガラスを絶縁封止材料として用いる密封型電池
の改良に係る。

さらに詳しくは、陰極に電気的に接続する陰極端子の電
池の内側及び外側端部外周に段部を設げた密封型電池に
関する。

近年、電子腕時計、電卓、カメラ、補聴器などの小型電
子機器の普及につれ、ボタン型電池の需要が急速に増加
している。

現在の所、これら用途に多用されている電池は陽極缶と
陰極缶をゴムやプラスチックなどからなるガスケットに
て絶縁封口されている。

しかし、この種電池はガスケットがクリープ緩和するこ
とにより、ガスケットと陽極缶及び陰極缶との間に微少
な隙間が生じてアルカリ電解液が漏液する。

この漏液防止を図るため、陰極に電気的に接続する陰極
端子と陽極に電気的に接続する陽極上ケースとの間をガ
ラスで絶縁封止してなる電池が提案された。

しかし、従来電池の陰極端子には段差が周辺部に設けら
れていなかったために、陰極端子、ガラス及び陽極上ケ
ースの三者を一体に溶着する際、ガラスが陰極端子の集
電部となる上面にまで流出する欠点があった。

このガラスが陰極端子上面に流出した場合には外観上不
良となるのは勿論のこと陰極の集電が電池外部へ取り出
せなくなる。

一方、このガラスが陰極端子下面に流出した場合には、
この陰極端子下底部に陰極集電体が溶接できない。

第２図Ａは従来電池の陰極端子１の断面図であり、電池
の内側及び外側端部外周に段部を形成していない。

第２図Ｂは従来電池の陰極端子１、ガラスからなる到着
材リング２及び陽極上ケース３を溶着一体化した封着部
の断面図である。

図中、ガラス２が陰極端子１の上下面に流出している。

本考案は上記欠点を除去するもので、陰極端子電池の内
側及び外側端部外周に段部を設けたものである。

本考案を図面を参照しながら説明する。

第１図は本考案を適用した電池の一例を示す断面図であ
る。

図中、１はコバール合金、ニッケルー鉄合金などからな
る陰極端子であり、その電池の内側及び外側端部外周に
段部が形成されている。

２は硼珪酸ガラスもしくはソーダバリウムガラスからな
る封着材リング、３は陽極上ケースである。

これら、陰極端子１、封着材リング２及び陽極上ケース
３はガラスの溶融する温度１ｏｏｏ℃で一体に封着され
ている。

ついで、この一体容器に内接して、合成樹脂からなる環
状絶縁ガスケット４を配設し、銅メッキを施した鋼から
なる皿状陰極集電板５を陰極端子下端部に電気溶接する
。

さらに、末代亜鉛を主体とする陰極合剤６、アルカリ電
解液含浸材７を挿入する。

一方、陽極下ケース１０内に二酸化マンガン、酸化銀、
酸化水銀もしくは水酸化ニッケルなどを主体とする陽極
合剤を挿入し、セパレータを載置する。

アルカリ電解液注入後、これら容器体を合体し、陽極上
ケースと陽極下ケースの周縁鍔部を淫丹妾する。

このようにして組立てた電池は全く漏液することがない
。

したがって、本考案は長期間使用する一次電池は勿論の
こと、二次電池にも最適である。

本考案電池は電池構造、形状、寸法など幅広く変更でき
ることは勿論可能である。

また本考案はアルカリ電池について説明しているが、液
密性、気密性封止を必要としている有機電解質電池、固
体電解質電池にも適用できる。

次に、本考案の実施例を示す。

実施例 ｌ 第３図Ａ、Ｂは本考案を適用した陰極端子の断面図及び
封着部の断面図である。

図中、１ａは陰極端子であり、その周辺部に段差を設け
である。

２は硼珪酸ガラスからなる封着材リング、３は陽極上ケ
ースである。

第３図Ｂより明らかなように、陰極端子１ａ電池の内側
及び外側端部外周に段部１２がガラスの陰極端子上面も
しくは下面への流出を防止している。

したがって、陰極端子１ａの上面もしくは下面は、絶縁
物質であるガラスにより被われることがないので、陰極
集電体としての機能が損われることがない。

さらに、陰極端子１ａ下面に適当な集電板を溶接するに
も支障をきたさない。

実施例 ２ 第４図Ａ、Ｂ、Ｃは本考案を適用した陰極端子０析面図
及び封着部０析面図である。

図中、１ｂは断面形状丁字形の陰極端子であり、その電
池の内側及び外側端部外周に段部が設けられている。

陰極端子１ｂのように丁字形にする理由は、封着材リン
グ２との接触面積を出来るだけ太き（することにより、
陰極端子１ｂと封着材リング２の封着強度のアップを図
ることにある。

第４図Ｂ、Ｃより明らかなように、陰極端子１ｂ電池の
内側及び外側端部外周に段部１２がガラスの陰極端子上
面もしくは下面への流出を防止している。

実施例 ３ 第５図Ａ、Ｂ、Ｃは本考案を適用した封着部の断面図で
ある。

図中、１１は封着金属リングであり、コバール合金、ニ
ッケルー鉄合金、４２Ｎｉ−６Ｃｒ−Ｆｅ 。

４２Ｎｉ−Ｆｅ、５ＯＮｉ−Ｆｅ、１８Ｃｒ−Ｆｅ、５
５Ｎｉ−Ｃｕ合金、鋼あるいはニッケルメッキを施した
鋼などからなる。

さらに、この封着金属リング１１は陽極上ケース３と電
気溶接されている。

本実施例で、封着材リング２と陽極上ケース３との間に
封着金属リング１１を介在せしめた理由は、この封着金
属リング１１と陽極上ケースとの隙間により、（・ろ（
・ろな機械的歪みを緩和することにある。

したがって、これら封着部が歪みにより破損するのを防
止できる。

以上詳述した通り、本考案はガラス流出のない陰極端子
を用いた密封型電池を提供するもので、電子腕時計、カ
メラ、電卓、ラジオ、ライター、補聴器などに最適であ
り、その実用的価値大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案電池の断面図、第２図Ａ、Ｂは従来電池
の陰極端子及び封着部所面図、第３図Ａ。 Ｂ、第４図Ａ、Ｂ、Ｃ１及び第５図Ａ、Ｂ、Ｃは本考案
に係る陰極端子及び封着部の断面図であもＬｌａ、１ｂ
・・・・・・陰極端子、２・・・・・・封着材リング、
３・・・・・・陽極上ケース、４・・・・・・環状絶縁
ガスケット、５・・・・・・皿状陰極集電板、６・・・
・・・陰極合剤、１・・・・・・電解液含浸材、８・・
・・・・セパレータ、９・・・・・・陽極合剤、１０・
・・・・・陽極下ケース、１１・・・・・・封着金属リ
ング、１２・・・・・・段差。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 陰極に電気的に接続する陰極端子と、陽極に電気的に接
   続する陽極上ケースもしくは封着金属リングとの間をガ
   ラスで絶縁封止してなる電池において、前記陰極端子の
   電池の内側及び外側端部外周に段部を設げたことを特徴
   とする密封型電池。