JPS5933162Y2 - 電子顕微鏡又はその類似装置 - Google Patents

電子顕微鏡又はその類似装置

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JPS5933162Y2
JPS5933162Y2 JP1978100683U JP10068378U JPS5933162Y2 JP S5933162 Y2 JPS5933162 Y2 JP S5933162Y2 JP 1978100683 U JP1978100683 U JP 1978100683U JP 10068378 U JP10068378 U JP 10068378U JP S5933162 Y2 JPS5933162 Y2 JP S5933162Y2
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JP
Japan
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lens
permanent magnet
electron
magnification
lenses
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JP1978100683U
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JPS5444677U (ja
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進 小笹
省三 葛西
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株式会社日立製作所
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電子顕微鏡などに用いる電子レンズ系の改良
に関する。
従来、電子顕微鏡などの電子レンズ系には、おもに永久
磁石式レンズを使用したものと電磁コイル式のレンズを
用いたものとがある。
永久磁石レンズは電源を必要としないこと、非常に安定
な性能が得られることなどの利点を有しているが、一方
、倍率を変える機構が複雑で、幅広い倍率範囲が得られ
ないこと、レンズの微小焦点変化が難かしいこと、操作
性が悪いことなど、多くの欠点があるため、現在は電磁
コイルを用いた電子レンズが多く使われている。
しかし、電磁コイル式電子レンズにも多くの欠点がある
すなわち、(1)電子レンズの磁気回路が複雑で、励磁
コイルが必要である。
(2)コイル励磁に高安定度(,4I/I=1xlO′
〜10−4程度)の直流定電流源が必要である。
(3)コイルの発熱を除去するため、冷却する必要があ
る。
(4)電子レンズ部の電子線通路が非常に狭く真空の排
気抵抗が大きくなる。
などである。
本考案は、以上の点に鑑み、電磁コイル式レンズと永久
磁石式レンズのもつ特徴をできるだけ生かし、両レンズ
が個々にもつ欠点をなくシ、特性のすぐれた電子顕微鏡
またはその類似装置を提供することを目的とする。
本考案は、上記の目的を達成するために、複数個の電子
レンズを有する電子顕微鏡鵞たはその類似装置において
、上記電子レンズのうちの少なくとも1個をリング状永
久磁石の上下両面にそれぞれ接する中心に電子線通過孔
を有する高導磁率材料からなる磁極片を設けてなる電子
レンズとし、この永久磁石式電子レンズが光軸上に配置
されるか、捷たは完全に光軸から外れた位置に配置され
るかのいずれかを任意に選択できる構成としたものであ
る。
比較のために、筐ず、従来の永久磁石式電子レンズにつ
いて説明する。
第1図は、その断面図である。
図において、16は中央磁極片、3,17はこれに対応
する上部および下部磁極片で、それぞれ高導磁率材料か
らなる上部および下部フランジ18.19に接続されて
いる。
1はたとえば内径40mm、外径80執高さ40叫の円
筒状アルニコ磁石であり、中央磁極片16および上部あ
るいは下部フランジ18,19に接続されている。
上部および下部フランジ18,19は軟質磁性体からな
る外部円筒2に接続され、これらは永久磁石1を囲み、
磁気回路を構成すると共に磁気遮蔽の役をする。
外部円筒2の寸法は外径150mm。高さ100mmで
ある。
このレンズで得られる焦点距離は、75kvの加速電圧
で8mm程度である。
また、焦点距離を大幅に変える必要がある場合は磁気回
路に交換可能に組込んだ複数個の磁極片3を真空外から
交換することによって行なわれる。
使用する磁極片3の製作法は電磁コイル式の磁極と同じ
で非常に高精度で、複雑な製造工程が必要である。
つぎに、本考案に使用する永久磁石式電子レンズについ
て説明する。
第2図は、その構成の一例を示す断面図である。
図において、1はリング状の高性能永久磁石で、一般的
に、約6000エルステツド以上の保持力と約6000
ガウス以上の磁束密度を有しているものを用いることが
望号しい。
このような永久磁石としては、たとえば、現在市販され
ているサマリウム、イツトリウム、プラセオジウムなど
の希土類金属とコバルトの合金からなる希土類磁石が好
適である。
3は磁石1の上下面に接してそれぞれ設けた、中央に電
子線通過孔をもった磁極片であり、磁石1の偏磁等を補
正するために付属させる方が好適である。
この高性能永久磁石式電子レンズを用い、加速電圧75
kVで、焦点距離8mを得るためには、外径16間、高
さ9mmで構成可能である。
これは先に述べた従来の永久磁石電子レンズと比較する
と、体積比で1000分の1.一般的に数百外の1の超
小型に縮小できるので有利である。
なお、外部磁界および強磁性部材の軸非対称配置の影響
を緩和するため、磁石から適当な距離のところに磁気シ
ールドケースを設けることは可能である。
この場合、シールドケースの寸法形状はほとんどレンズ
性能に影響しない。
本考案は、電子レンズ系に少なくとも1個の上記のよう
な高性能永久磁石式電子レンズを組み込み、これを真空
外から操作して、この永久磁石式電子レンズ自体を光軸
上に出し、または完全に光軸から外せる構造とし、従来
の電子レンズ系の最高倍率を簡単な構造の永久磁石式電
子レンズと簡単な操作で容易に数倍昔たはそれ以上高め
、かつ倍率範囲を広げるものである。
さらに、複数個の永久磁石式電子レンズを上記のように
操作可能とすることにより、永久磁石式永久磁石電子レ
ンズの光軸上への出し入れ操作のみで、幅広い倍率変換
が可能になる。
以下、図面を用いて本考案を詳細に説明する。
第3図aは、本考案の拡大電子レンズ系の一例を示すも
のである。
これは、対物5、中間6、投射7の三段の電磁コイル式
電子レンズと1個の高性能(高保磁力。
高磁束密度)永久磁石式電子レンズとを使用するもので
ある。
まず、試料4に対物レンズ5で焦点合せをし、中間レン
ズ6と投射レンズ7で倍率を拡大する。
しかし、これらのレンズだけでは倍率範囲は500倍か
ら10万倍が収差や操作性、経済性を考慮すれば性能の
限界である。
い1、このレンズ系の投射レンズの下方に、高性能永久
磁石式電子レンズ8を真空外から操作できるアーム9の
先端に固定して、光軸上に出したり、lたは完全に光軸
から外せるように構成する。
(この高性能永久磁石式レンズ8は、第2投射レンズの
機能をもつ)。
この高性能レンズ8を光軸から外した場合は、上記の電
磁コイル式電子レンズのみで定する倍率がその捷1得ら
れる。
捷た、光軸上に位置させれば、高性能永久磁石式レンズ
8の焦点距離により定筐る一定の倍率を乗じた倍率が得
られる。
たとえば、この一定倍率を10倍とすると、高性能永久
磁石式電子レンズ8を光軸上に位置させることにより、
前記電磁コイル電子レンズ系の作る倍率を一様に一桁増
大させることができる。
第3図すは、高性能永久磁石式電子レンズの位置交換機
構の他の例を示し、高性能永久磁石式電子レンズ8をホ
ルダー10に複数個組込んでおき、ホルダー10の中心
O′を軸として光軸と直角な平面内で回転できるように
し、各永久磁石式電子レンズ8の軸が光軸Oと一致する
ように真空外からツマ□11で操作できるように構成し
である。
このようにすれば、一層倍率範囲に変化をもたせること
ができる。
この構成は、また、加速電圧を変えた場合、同じ焦点距
離となるような永久磁石式電子レンズを組込むことによ
り、加速電圧を変えた場合、同じ倍率条件が得られるレ
ンズ系とすることもできる。
もちるん、ホルダー10には永久蒸石式電子レンズの入
っていない位置12を設けてもよい。
第4図は、第3図aに示したレンズ系において倍率を1
0倍変える方法を説明する図である。
仮に、投射レンズ7の1段で得られる倍率は100倍で
あるとする。
投射レンズ7の焦点距離fを4閣とすれば、投射レンズ
7から螢光板曾での距離は約404mmとなる。
焦点距離5Wr!rLの永久磁石式電子レンズ8を用い
たとして、投射レンズTと永久磁石式電子レンズ8の二
段で1000倍を得る永久磁石式電子レンズ8の位置を
求めると、投射レンズ7070m+n下方に入れれば、
二段の合成倍率で1002.3倍が得られる。
以上のように、高性能永久磁石式電子レンズを光軸上に
出し入れすることにより、簡単に倍率を10倍広げるこ
とができ、かつ最高倍率も10倍高くできる。
実用上は倍率範囲として500倍から20〜50万倍で
十分であるから、永久磁石電子レンズを使用しない時の
倍率を最高2〜5万倍とし、使用頻度の高い数千倍から
2〜5万倍で各レンズがもつとも収差が少なくなるよう
に余裕をもった設計が可能となる。
高倍率が必要な場合のみ、永久磁石式レンズを使用して
5万倍から20〜50万倍を得るように設計するのが望
ましい。
捷た高性能永久磁石式電子レンズは第5図に示すように
磁界分布を示し、磁極間に強い磁界ピークがあり、かつ
レンズ両端に磁極間とは逆方向のいくぶん弱いピークが
ある。
したがって、レンズを通過した像は全く回転せず、回転
色収差のないレンズとなる。
このことは、高品質の像が得られると同時に像回転が無
いために、永久磁石式電子レンズを出し入れした場合で
も視野の方向が変化せず、確認しやすい利点がある。
以上述べたように、前述の永久磁石式レンズは外部に磁
界が出ているため、外部磁気回路等の影響を受けやすい
第6図は、永久磁石式電子レンズの回りに強磁性体の部
材、たとえば、シールドや他の電子レンズがある場合に
、焦点距離がどのように変化するか調べたものである。
使用した高性能永久磁石式電子レンズは、内径5咽、外
径14、5 mm、高さ3.5調の高性能永久磁石に、
内径3 M、間隔3.5mmの磁極をつげたものである
その結果、レンズから20rran以上離れた部分に強
磁性体があっても焦点距離はさほど長くならないが、こ
れ以下になると、焦点距離の増加が著しいことがわかっ
た。
したがって、永久磁石式電子レンズから20wn以内に
は強磁性体の部材がないように設計する必要がある。
筐た、たとえば、第3図aの実施例において、永久磁石
式電子レンズ8を完全に光軸から外した場合に、このレ
ンズ8をパーマロイなどで作られたシールド室に収納で
きるように構成してもよい。
第1図は、本考案の他の実施例を示すもので、複数個の
永久磁石式電子レンズ8を装置鏡体13内に取付け、真
空外から操作棒14を操作して光軸上に出し入れできる
ようにしたものである。
ここでは電磁コイル式電子レンズは図示していないが、
対物レンズは電磁コイル式電子レンズとした方が利用し
やすい。
これは、一般に、対物レンズの用途が焦点距離を細かく
変えるフォーカス用電子レンズであるからである。
このようにすると、任意の数の任意の段のレンズを使用
することによって簡単に倍率が可変できる。
また、高性能永久磁石式電子レンズと鏡体間には大きな
空間がとれるため、真空排気抵抗を非常に小さくでき、
鏡体を真空排気管として利用することができる。
なお、永久磁石式電子レンズを光軸から外した場合、レ
ンズからの漏洩磁界で電子線が不正偏向されないように
シールド室15を設けると良いことはいう1でもない。
第8図は、1個の電磁コイル式電子レンズと7個!での
高性能永久磁石式電子レンズを使用して得られる第1図
のようなレンズ系の倍率を示すものである。
図において○印は、最終段レンズに焦点距離10rML
の歪なしレンズを使用し、他は全て焦点距離5wItの
レンズを使用し、各レンズ間を30調とし、最終段レン
ズと螢光板との距離を200胴とした場合、・印は前者
で歪なしレンズを用いなかった場合である。
なお、第9図は、上記型なしレンズの説明図で、前記の
高性能永久磁石式レンズを2個接近させて固定し一体化
した構成である。
レンズ1個の場合は、球面収差により、光軸から離れる
に従って倍率が高くなり像が歪む。
しかし、このような構成のレンズでは、上の永久磁石式
レンズから下の永久磁石式レンズ間が縮小レンズとして
働き、下の永久磁石レンズから下方では拡大レンズとし
て働くため、上下のレンズの収差が丁度打消し合うため
歪みなし像が得られる。
したがって、電子線開き閉度の大きい最終段に使用する
と効果が太きい。
図によれば、使用する永久磁石式電子レンズの個数に応
じ、倍率は745倍から233000倍1で、非常に広
範囲に使用できることがわかる。
レンズ系の長さは400rML程度であり、非常に小型
となる。
以上述べたように、本考案によれば、 (υ 高性能永久磁石式電子レンズを用いることにより
、安価で、かつ簡単な操作で、最高倍率を上げ、倍率範
囲を幅広くすることができる。
(2)高価な高安定度直流定電流電源の使用数を減らす
か、励磁量を減らすことができる。
(3)真空排気抵抗を非常に小さくできる。
(4)収差の小さいレンズ系を得ることができる。
などの利点をもった電子顕微鏡の電子レンズ系が得られ
る。
なお、本考案は、電子顕微鏡のみならず、走査電子顕微
鏡、X線分析装置などの電子線装置にも利用できること
は勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来の永久磁石式電子レンズの断面図、第2
図は、本考案に用いる高性能永久磁石式電子レンズの一
例を示す断面図、第3図は、本考案の実施例説明図、第
4図は、レンズ系の倍率計算の説明図、第5図は、本考
案に使用する高性能永久磁石式電子レンズの磁界分布を
示す図、第6図は、本考案に使用する高性能永久磁石式
電子レンズの周りに他の強磁性体部材を置いた場合の該
レンズの焦点距離の変化を示す図、第7図は、本考案の
他の実施例を示す図、第8図は、本考案において、使用
する永久磁石式電子レンズの数と倍率との関係を示す図
、第9図は、本考案に使用する歪なし永久磁石式レンズ
の一例を示す断面図である。 図において、1・・・・・・永久磁石、2・・・・・・
磁気回路、3・・・・・・磁極、4・・・・・・試料、
5・・・・・・対物レンズ、6・・・・・・中間レンズ
、7・・・・・・投射レンズ、8・・・・・・高性能永
久磁石式レンズ、9・・・・・・アーム、10・・・・
・・ホルダー、11・・・・・・ツマミ、12・・・・
・・レンズの無い孔、13・・・・・・鏡体、14・・
・・・・操作棒、15・・・・・・シールド室。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 複数個の電子レンズをそなえた電子顕微鏡又は類似装置
    において、前記電子レンズの最終段に6000工−ルス
    テツド以上の保磁力と6000ガウス以上の残留磁束密
    度を有するリング状永久磁石とその上下両面にそれぞれ
    接する中心に電子線通過孔を有する磁極片とを具備した
    永久磁石式電子レンズを配設し、かつ該電子レンズ自体
    が光軸上に配置されるか、渣たは完全に光軸から外れた
    位置に配置されるかのいずれかを任意に選択できる構成
    としたことを特徴とする電子顕微鏡又はその類似装置。
JP1978100683U 1978-07-24 1978-07-24 電子顕微鏡又はその類似装置 Expired JPS5933162Y2 (ja)

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