JPS5932853Y2 - 回転型ガス用熱交換器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転型ガス用熱交換器に関し、特に外筒内に回
転自在な内筒を配設して、内筒内およびその外周に受熱
室および給熱室を形成し、内筒を貫いて設けられたヒー
トパイプが給熱室の熱を受熱室に伝えるように構成した
熱交換器において、該ヒートパイプにフィンを形成する
と共に、これらのフィンはヒートパイプの遠心方向側を
横幅の広いフィンで構成して、空間利用率を高め、小型
で効率のよいガス用熱交換器となしたものである。

高温の排ガス等に保有される熱を回収するための手段と
してヒートパイプを備えた熱交換器が知られている。

またヒートパイプは、両端を閉塞したパイプの内面に多
孔質材の層（ウィック）を設け、該ウィックに適量の作
動液を含ませて構成され、一端を高温ガス中に、他端を
低温ガス中に配置することによって、高温ガス側の作動
液が加熱されて蒸気となり、その蒸気圧が上昇して低温
ガス側に移行して凝縮し、その凝縮熱によって低温ガス
が加熱されると共に、凝縮した作動液はウィックの毛細
管作用によって高温ガス側に還流されるものであり、従
来の単なる熱伝導によるものに比べて熱伝導率が極めて
高いので種々の用途に利用される。

そしてこれらのヒートパイプを、軸方向に遠心力が作用
するように設けたり、或は傾斜して配設するときは、前
記作動液が遠心力或は傾斜で移動し前記ウィックを設け
なくても熱交換用として利用できる。

本出願人は、このようなヒートパイプに着目すると共に
これを有効に利用した回転型ガス用熱交換器を発明して
特許出願をした。

その概要は第１図に例示するように、外筒２が頂板３お
よび底板４で密封的に形成され、その中央部に回転軸６
が回転自在に支持される。

そして該回転軸６には、上下方向に複数段で設けた支持
腕８を介して内筒５が固設されると共に多数のヒートパ
イプ９がこれに取り付けられる。

またヒートパイプ９の取り付けは第２図に示すように回
転軸６側から放射状に延び、これらが回転軸６の上下方
向に複数の段列で配設されると共にそれぞれ内筒５を貫
通して外筒２の内面側に突出して固定される。

一方外筒２の内側で内筒５の外周面とで形成される空間
部は、高温ガスが通る給熱室Ａを形成し、内筒５内は、
低温ガスが通る受熱室Ｂを形成する。

そして給熱室Ａには、高温ガス導入パイプ１３が頂板３
を貫いて連通され、その底板側に放熱ガス導出パイプ１
３′が連通される。

また受熱室Ｂには、低温ガス導入パイプ１４が底板４を
貫いて連通されると共に頂板３側に受熱ガス導出パイプ
１４′が連通される。

回転軸６はモータ７で積極的に回転たれ、内筒５および
ヒートパイプ９も共に回転し、ヒートパイプ９内に封入
された前記作動液の凝縮した液を蒸発部へ還流する遠心
力を与える。

なおヒートパイプ９の表面に付着するガス中の微粒子成
分も該遠心力によって外筒２の内周面に飛ばされ、該局
面をったって降下し、底板４に設けた貫通孔（図示せず
）から底板４の下面側に設けた受は器１１内に導かれる
。

１２は該微粒子成分の樋である。このように構成される
回転型ガス用熱交換器１において、前記受熱室Ｂと給熱
室Ａとを連通ずる前記ヒートパイプ９は、伝熱効果を高
めるフィンが全く形成されず単なるヒートパイプのみで
あった。

またヒートパイプ９は前記したように放射状でしかも回
転軸６に直交するように設けて遠心力を利用するので、
ヒートパイプ９の遠心方向側は間隔が広く形成されて空
間利用率を低くしている。

また単位容積当りの熱伝導面積を大きくできなかった。

本考案はこれらに着目してなされたもので、これらのヒ
ートパイプにフィンを設けると共に該フィンをヒートパ
イプの取付側と遠心方向側とを形状の異なるフィンで構
成して、空間利用率を高め効率のよい回転型ガス用熱交
換器としたものである。

以下図面に基づいて本考案を詳細に説明するが図は具体
的な実施例を示すもので本考案はこれらの図示例に限定
されず、前記および後述する記載の趣旨に徴して形状な
らびに配列を自由に変更しても同様に実施できる。

また実用新案登録請求の範囲に記載した実施態様も本考
案を限定するものではない。

第３図は、本考案を適用した第２図相当断面図で、ヒー
トパイプ９にはそれぞれパイプ軸に対して直交する面で
形成されるフィンプレート１５を設け、該フィンプレー
ト１５は予めヒートパイプの外周に溶接等で固着する。

そしてこれらのフィンプレート１５はヒートパイプ９の
回転軸取付側がら遠心方向側（先端側）に従って次第に
大径の円形プレートで構成する。

第４図はその一部を示す構成説明見取図である。

なおこれらのフィンプレート１５は取付側から先端側に
向って段階的に大径のフィンプレート群で構成すること
もできるし、必要によっては回転軸６の中心と同心円の
円弧面で形成してもよい。

またこれらのフィンプレートは第５図に例示するような
変形プレート１６で形成してもよく、面は該変形プレー
ト１６がその横幅Ｗをヒートパイプ取付側に従って狭く
シ、高さＨは一定のものを示したが、Ｈを先端側に従っ
て短かく形成したり、或はこれらを群で構成してもよい
。

なお該フィンプレートは平板状に限定されず遠心方向に
屈折した矩形プレート１７（第６図）であってもよく、
このように屈折させるときは通気ガスとよく接触して伝
熱を効果的にする。

またこれらのヒートパイプ９は水平方向に振り回されな
がら移動するものであり、該回転移動によって通気ガス
の流通を阻害しないものであること或は内筒５の回転に
よってそれぞれのガス通路におけるガス流が促進させる
ような軸流ファン装置として利用できる。

以上述べたように、本考案回転型ガス用熱交換器は、回
転するヒートパイプの形の異なるフィンプレートを複数
はぼ平行に取り付けて構成したから、 ■ 空間利用率が向上して小型で効率のよい熱交換器と
することができる。

■ 単位容積当りの熱伝導面積を大きくして伝熱効果を
向上させる。

■ 通気を促進させることができる。

等の利益を享受することができ、その利用を促進させる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用する回転型ガス用熱交換器の一例
を示す一部破断側面図、第２図は第１図の切断線ＩＩ−
ＩＩの矢印方向断面図、第３図は本考案を示す第２図相
当図、第４図は第３図の一部を示す構成説明見取図、第
５図は本考案の他の実施例を示す見取図、第６図も本考
案の他の実施例を示す一部構成説明図である。 １：回転型ガス用熱交換器、２：外筒、３：頂板、４：
底板、５：内筒、６：回転軸、７：モータ、８：支持腕
、９：ヒートパイプ、１０：支承覆壁、１１：受は器、
１２：樋、１３：高温ガス導入パイプ、１４：低温ガス
導入パイプ、１５：フィンプレート、１６：変形プレー
ト、１７：矩形プレート。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）頂板および底板に支持された回転軸の周辺に、ガ
   ス通路を形成する内筒を固設すると共に該回転軸側から
   放射状に多数のヒートパイプを、内筒を貫通してこれに
   固設して受熱通路を構成し、これらを取り囲んで外筒を
   設け、その内側に給熱ガス通路を形成し、該給熱ガス通
   路に高温のガスを、前記受熱通路に低温の受熱ガスを導
   入するようにしたガス用熱交換器であって、前記ヒート
   パイプの全部若しくは一部の個々に複数の板状フィンを
   該ヒートパイプの軸方向に垂直でしかも各々の板状フィ
   ンがほぼ平行に取り付けて構成したことを特徴とする回
   転型ガス用熱交換器。
2. （２）実用新案登録請求の範囲第１項において、ヒート
   パイプに取り付けるフィンは、金属円板で形成すると共
   にヒートパイプの遠心側に従って直径の大きい円板で構
   成した回転型ガス用熱交換器。
3. （３）実用新案登録請求の範囲第１項において、ヒート
   パイプに取り付けるフ／ンは、それぞれ同一の円板で形
   成すると共に、ヒートパイプの遠心反対側に従って該円
   板の両側の欠除部を大きくしたものを設けて形成した回
   転型ガス用熱交換器。
4. （４）実用新案登録請求の範囲第１，２又は３項におい
   て、ヒートパイプに取り付けるフィンは、遠心方向に面
   して折れ曲げた平板で形成した回転型ガス用熱交換器。