JPS593232B2 - 管端保護方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、鋼管表面に防錆等の表面処理を連続的に行
なう場合の管端保護方法に関するものである。

例えば、石油やガス等のパイプラインを敷設するには１
０ｍ〜２０ｍ程度の長さを備えたねじなしの大径鋼管を
用い、鋼管を現地で順字溶接してエンドレスに加工する
ものである。

５ 上記のようなパイプラインに用いられる鋼管は地中
に埋没されるため、その表面に防錆等の表面処理が溶接
前に予め施されている。

しかし、鋼管の端部溶接部分は、表面処理剤の燃焼物が
付着していると、溶接不良をおこすとい１０う問題が生
じる。

従つて防錆等の表面処理は、溶接部および溶接の際に温
度が上昇する部分には施さず、溶接後にこの部分を防錆
や防蝕テープ等で保護するのが通例である。上記のよう
に鋼管の端部外周面に表面処理の施１５されていない部
分を形成するには表面処理工程の前に鋼管の端部外周面
を粘着テープによつてマスキングすればよい。

しかしながら、この種の鋼管の表面処理は管端を接触し
て連続的に行なわれるのが普通であり、２０そのためマ
スキングを行なう粘着テープ間に隙間があつたり、折曲
りによつて隙間が生じていると表面処理工程時において
鋼管の端部に表面処理剤が付着し、良好な溶接が得られ
ないことになる。

鋼管の端部をマスキングする方法として、第１２５図に
示すように突合わせた両側鋼管１、１’の外周面に別個
の粘着テープ２を貼合わせることが考えられる。しかし
、鋼管１、１’の端部は溶接のために開先３が設けられ
ており、上記のような方法では、第３０１図のように粘
着テープ２を貼つた状態で両テープ間に隙間がなくても
、表面処理工程時にポリエチレン等の吹付け圧力が粘着
テープ２に加わると、第２図に示すように粘着テープ２
は開先３になじむように屈曲し、実質的には粘着テープ
間に隙間３５が発生してしまうことになる。

このような隙間の発生を防ぐには、粘着テープを相互に
重ねて貼合わせることが必要になるが、通常の粘着テー
プを重ね合わせると、粘着剤の影響で粘着テープが干渉
し合うことになり、円滑な貼付作業ができないという問
題が生じる。

この発明は、上記のような問題点を解消するためになさ
れたものであり、両側に貼合わせた粘着テープが非粘着
面を介して重ねるようにし、両側に貼合わせた粘着テー
プの干渉がなく円滑な貼付作業が行なえる管端保護方法
を提供することを目的とする。

以下、この発明の実施例を第３図乃至第７図に基づいて
説明する。

第３図および第４図は、この発明の第１の実施例を示し
ており、一方の鋼管に貼合わせる粘着テープにテープの
長さ方向の一端部に非粘着面の端面を有する粘着テープ
を使用したものである。

即ち、一方の鋼管１に貼合わせる粘着テープ４は、溶接
時に温度が上昇する部分よりも広幅に形成され、粘着剤
層５によつて鋼管１の端部外周面に貼付けされると共に
、鋼管１の端部から突出する一方の側部に非粘着面の端
面６を備えている。他方の鋼管Ｖに貼合わせる粘着テー
プ７は、溶接時に温度が上昇する部分の幅に形成され、
両粘着テープ４と７の各々を端部が突合わされた鋼管１
と１′に貼合わせると、非粘着面の端面６が相手側粘着
テープ７の表面に重なり、両粘着テープ４と７間に発生
する隙間を防止している。非粘着面の端面６と粘着テー
プ７の重なり面は全く貼着することがないので鋼管１と
ｖの相互の移動や位置ずれに対して重なり面に滑りを生
じて重なり状態を保持することになる。

従つて鋼管１とｖを回転させて粘着テープ４，７を貼合
わせる場合、鋼管１とｖに前後で不同一となる首振りや
、回転速度に変化があつても問題なく貼合わせが行なえ
しかも貼合わせ後において第４図に示すように外圧が加
わつた場合も、非粘着面の端面６が隙間の発生を防ぎ、
鋼管１，１′の端部に表面処理剤の付着するのを防止す
ることになる。

次に第５図と第６図に示す第２の例は、テープの長さ方
向の一端部に非粘着面を形成する手段として非粘着フイ
ルムを用いた例を示すものであり、一方の鋼管１に貼合
わせる粘着テープ８と鋼管１との間に非粘着フイルム１
０の一部を挟み込んで粘着固定し、この非粘着フイルム
１０をテープ８の非粘着面とし、これわ他方の粘着テー
プ９上に重ね、第１の例と同様の重なり状態を形成する
ようにしている。

また、第７図に示す第３の例は、第１の例と同様の非粘
着面の端面１１を備えた粘着テープ１２を両側の鋼管１
とｖに使用し、非粘着面の端面１１を相互に重ね合わせ
たものである。

上記のように、突き合わせた端部が一方の粘着テープと
、このテープに重ね合わされる非粘着面を有する粘着テ
ープでマスキングされた鋼管１，１′は、表面処理部に
送られて表面およびマスキング部分にポリエチレン等の
防錆や防蝕剤が塗布され、この後粘着テープを剥がして
管端に非表面処理剤のない部分を露出させ、溶接を行な
うものである。

以上のように、この発明によると表面処理および溶接を
行う鋼管の端部に各々粘着テープを貼合わせ、これら各
粘着テープ間を少なくとも一方に非粘着面を有するテー
プの非粘着面を重ね合わせて覆うようにしたので両側の
鋼管に各々貼合わせた粘着テープの相互に干渉の発生が
なく、両側鋼管に首振りや回転速度の変化があつても円
滑な貼付作業を行なうことができる。また、両側粘着テ
ープ間を少くとも一方に非粘着面を有するテープの非粘
着面を重ねて覆つているので、マスキング部分が外圧を
受けても、テープ間の隙間発生を重なり部分で防ぐこと
ができ、従つて表面処理工程における表面処理剤の管端
への付着がなくなり、良好な溶接が行なえる効果を有す
るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の管端保護方法を示す断面図、第２図は同
上に外圧が作用した状態の断面図、第３図はこの発明の
管端保護方法を示す第１の例の断面図、第４図は同上に
外圧が作用した状態の断面図、第５図は同第２の例を示
す断面図、第６図は同上に外圧が作用した状態の断面図
、第７図は同第３の例を示す断面図である。 １，Ｖ・・・・・・鋼管、３・・・−・・開先、４，７
，８，９，１２・・・・・・粘着テープ、５・・・・・
・粘着剤層、６，１１・・・・・・非粘着面の端面、１
０・・・・・・非粘着フイルム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 管端を接触させて鋼管表面に連続的に表面処理を行
   う方法において、端部を接近させた両側鋼管の端部外周
   面に夫々粘着テープを貼付け、かつ少くとも一方がテー
   プの長さ方向に非粘着面を形成した粘着テープであつて
   、該非粘着面を他方の粘着テープ面に重ね合せてマスキ
   ングを行うことを特徴とする管端保護方法。 ２ 前記非粘着面が、一方の粘着テープに粘着固定した
   非粘着フィルムによつて形成されていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の管端保護方法。