JPS5932099B2 - ブタの飼料効率増加方法および組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はブタの成長過程のうち成長期と成熟期におい
てブタの飼料効率を増加させる方法に関する。

特定の有機化合物、たとえば３−（２−キノキサリニル
−メチレン）カルバゼー）−Ｎ’・Ｎ４−ジオキシドお
よび多くの抗生物質を経口投与するとブタの成長速度あ
るいはブタの飼料効率が増加し、いくつかの例ではその
両者が観察された。

フランス特許第２３４９３２９号は胃腸の感染症の治療
およびブタの成長促進のためにサリノマイシンを使用す
ることを開示しているが、従来、当分野では成長促進お
よび飼料効率に対する抗生物質の効果はブタの年令と大
きさが増すにつれて減少するので、ブタの年令が幼い時
期、すなわちブタが約２５ｋｇの体重である幼い時から
投与するのがもつとも経済的に意義があるとされていた
。

したがって、ブタのもつと後の成長過程において（すな
わち体重約３５ｋｇないし約６０ｋｇ）および成熟期に
おいて（すなわち体重約６０ｋｇないし市場に出す体重
）抗生物質を投与することによってブタの飼料効率を増
加するという有効な経済的利益を充分に実現することは
不可能であった。

本発明者等はサリノマイシンまたは４−メチルサリノマ
イシンを経口投与すると成長期および成熟期、特に体重
約３５ｋｇより大きなブタの飼料効率を予期せざる程に
有意に増加することを見出した。

従来ブタの成長促進に使用されていた他の抗生物質、タ
イロシン（Ｔｙｌｏｓｉｎ ） 、バージニアマイシン
等について知られている効果とは反対に、サリノマイシ
ンまたは４−メチルサリノマイシンの効果はブタの成長
過程のうち幼児期よりもむしろ生長および成熟期におい
て有意に犬である。

特に、飼料効率の有意の増加は、サリノマイシンまたは
４−メチルサリノマイシンを成熟期、特に体重約６０ｋ
ｇより大きなブタに経口投与した場合に実現される。

したがって、本発明は、少なくとも約３５ｋｇ、好まし
くは少くとも約６０ｋｇの体重のブタに有効量のサリノ
マイシン、４−メチルサリノマイシンあるいはそれらの
生理学的に許容されるエステル又は塩を経口投与するこ
とからなるブタの飼料効率増加方法に関する。

化合物はブタの飼料の全重量にもとづいて約５〜１００
ｐｐｍ１好ましくは約２０〜６０ｐｐｍの量を投与する
のがよい。

本発明は又、ブタの飼料の給餌量および飼料効率増加量
の４−メチルサリノマイシンからなるブタ飼料組成物を
も包含する。

本発明の方法、すなわちブタの成長過程のうちの成長期
と成熟期にブタの飼料効率を増加させるのに有効な化合
物はサリノマイシン、４−メチルサリノマイシンおよび
それらの生理学的に許容される塩およびエステルあるい
はこれらの化合物の混合物である。

適当な塩はアルカリ金属塩、たとえばナトリウムまたは
カリウム塩、アルカリ土金属塩、たとえばカルシウムま
たはマグネシウム塩、およびアンモニウム塩である。

適当なエステルは炭素数１〜６の低級アルキルエステル
である。

本発明の方法に使用するサリノマイシンは当業者に周知
の方法、たとえば米国特許第３８５７９４８号に記載の
方法によって製造できる。

同様に、４−メチルサリノマイシンの製造は米国特許第
４００９２６２号に記載されている。

この活性化合物は単離した形あるいは珪燥土フィルター
ケーキのような形のいずれでも本発明の方法に使用でき
る。

サリノマイシン、４−メチルサリノマイシンあるいはそ
の塩又はエステルを本発明の方法に従って成長期および
成熟期のブタに投与すると飼料効率、すなわち消費され
る飼料１ポンド当りの体重増加が増大する。

飼料効率は成長速度とは区別されなげればならない。

すなわち成長速度とは単位時間当りのブタの体重増加で
あって消費される飼料の量は関係ない。

サリノマイシン又は４−メチルサリノマイシンあるいは
その塩またはエステルは成長期の、特に約３５に９より
重いブタ、および成熟期の特に少くとも約６０ｋｇのブ
タに経口投与される。

上記活性化合物は種々の方法によって経口投与できるが
、ブタの飼料の中に含ませるのが好ましい。

上記活性化合物の有効量は約０．１５〜約５１ｎ９／ｋ
ｇ（体重）７日、好ましくは約０．８〜約３．０〜／ｋ
ｙ／日である。

この望ましい投与量を達成するための飼料中油性成分濃
度は約５ｐｐｍ〜約１００ｐｐｍ、好ましくは約２０ｐ
ｐｍ〜約６０ｐｐｍ（飼料全重量にもとづく）の範囲で
ある。

飼料とのそのような混合物は適当量の上記活性成分を固
体飼料、たとえばとうもろこし、ツルガム、小麦、大麦
、からす麦等の穀物および大豆粉、魚粉等と、および所
望ならば当分野では従来使用されてきた任意の添加物、
たとえば微量元素およびビタミンと徹底的に混合するこ
とによって容易に製造できる。

当業者は理解するであろうが、ブタの飼料は他の飼料、
たとえば牛の飼料とは異なる。

ブタ飼料はたとえばとうもろこしの穂軸や綿実外皮のよ
うな繊維素を含まない。

さらに、ブタ飼料は一般に非蛋白質系窒素源として尿素
を含まない。

所望ならば、上記活性サリノマイシン化合物を濃縮物ま
たはプレミックスに入れ、ブタの飼料といっしょにして
所望の投与量を与えることができる。

そのようなプレミックスまたは濃縮物は約０．５〜〜約
２重量％、好ましくは約５〜１０重量％の活性成分およ
び生理学的に許容し得る固体または液体の担体又は希釈
剤を含んでいる。

適当な固体材料は、たとえば大豆粉と、とうもろこし粉
、穀物の外皮、炭酸カルシウム等である。

液体希釈剤は水、生理学的に許容し得る有機溶媒等であ
る。

所望ならば、そのような濃縮物又はプレミックスは微量
元素、またはビタミンのような他の成分も含有できる。

そのような濃縮物またはプレミックスの充分量をブタの
飼料に加えて得られた飼料混合物に所望の濃度を与え、
上記範囲の所望投与量を与えるようにする。

上記の如くブタの飼料にサリノマイシンまたは４−メチ
ルサリノマイシンを入れて投与するのが好ましいが、他
の経口投与方法も利用できるであろう。

たとえば、上記化合物は生理学的に許容された獣医用製
剤、たとえばポラス（大きな丸薬）、粉末、溶液、ペー
スト、シロップ等の形で、所望の投与量を与えるに充分
量の活性サリノマイシン化合物を生理学的に許容し得る
固体又は液体希釈剤または担体と組み合せることによっ
て投与できる。

この発明は下記例によって説明されるが、本発明は下記
例の詳細に限定されるものではない。

下記例に記載されたブタの成長期および成熟期における
試験においてブタの各体重別の栄養学的に適当な基本的
給餌量は無制限とした。

基本的給餌量とは、ブタの食餌に必要なすべての元素が
１つの組成としてとり込まれている完全飼料の形でブタ
が摂取する総食餌量をいう。

すなわち、ブタに与えられる種々の飼料原料、濃縮物、
添加物、ミネラル、ビタミンあるいは医薬プレミックス
等に含まれているすべての元素の総量とみなされる。

成長期−成熟期のブタに完全飼料として与えることがで
きる典型的基本飼料の組成および分析値（計算値）は表
１に示されている： 例１ この試験は、カルバドックス（Ｃａｒｂａｄｏｘ ）ま
たはカルバドックスとサリノマイシンを幼ブタないし約
３５ｋｇのブタに与えた後サリノマイシン５０ｐｐｍを
含有する飼料約３５ｋｇないし市場に出す体重のブタに
与えた場合の飼料効率に対するサリノマイシンの効果を
示す。

この試験に使用したブタは９０匹のコナー・プレイリー
ーパンプシャーーヨークシャー雑種ブタであった。

平均体重約１０ｋｇとなったときこれらのブタを母ブタ
から引き離し１群３０匹からなる処置群（各群を５つの
おりに分配し、各おりに３匹の去勢雄と３匹の雌を入れ
た）に分けた。

ブタの仕分けは当初の体重、調整期間における体重変化
および系統にもとづいて行なった。

これらのブタは約３９日間、すなわち平均体重が約３５
に９になるまで栄養学的に適当な食餌のための最も細心
の管理の下に飼料を与え≧；られる。

平均体重が約３５ｋｇになったとき、薬物なしの飼料を
与えられていたブタとカルバドックスまたはカルバドッ
クスおよびサリノマイシンを与えられていたブタにサリ
ノマイシン５０ｐｐｍを含む典型的な基本的飼料を与え
た。

サリノマイシン投与試験期間に、すべてのブタを個々に
体重測定し、各おり毎の飼料消費量および飼料効率を種
々の時期および試験終了時に計算した。

全飼料摂取期間を通じてすべてのおりのブタを固いコン
クリート床のおりの約１／３を占める前が開いた小屋の
中に収容した。

各々のおりのブタの平均体重が約９１ｋｇに達するとブ
タをこの試験から解除した。

この試験の結果はブタが約３５ｋｇおよび６０ｋｇない
し市場に出す体重まで増加する間にまとめられ、表２に
示されている。

例２ この試験は、飼料給餌量の２５ｐｐｍのサリノマイシン
および２２ｐｐｍのタイロシンの成長期および成熟期の
ブタの飼料効率についての効果を比較するものである。

タイロシンはすでに同定されておりブタの体重増加の改
善および飼料効率の改善のための添加物として市販され
ている。

この試験に使用されるブタは９６匹のラージ・ホワイト
幼豚であった。

体重約２５ｋｇになったとき、ブタを各群３２匹の３つ
の処置群に任意に分けた。

各処置群を４つのおりに分け、各おりに４≧；匹の去勢
雄と４匹の雌を入れた。

試験の間すべてのブタを固いコンクリート型で完全に囲
まれたおりの中に収容しておいた。

試験濃度のサリノマイシン（２５ｐｐｍ）とタイロシン
（２２ｐｐｍ）を栄養的に適当な基本的飼料に混入した
。

ブタを各々体重測定し、種々の時期におよびブタの体重
が約９０〜９５ｋｇになった試験終了時に飼料消費量お
よび飼料効率を計算した。

この試験のためのデータはブタが約３５ｋｇおよび６０
に９ないし最終の体重までの間にまとめ°られ、表３に
示されている。

例３ この試験は基本的飼料に２５ｐｐｍのサリノマイシンを
添加したときのブタの飼料効率を評価し、無添加の飼料
、あるいは体重増加と飼料効率を改善する添加剤として
公知のパージニアマイシンによるブタの体重増加および
飼料効率の達成と比較するためのものである。

この試験に使用された実験動物は栄養学的に充分な飼料
に通常の飼料添加物を添加したもので成育した７２匹の
ラージ・ホワイト／ランドレース（Ｌａｎｄｒａｃｅ
）豚であった。

ブタの平均体重が約２４ｋｇになったとき、当初の体重
にもとづいて各３群２８匹ずつの３つの処理群に分配さ
れた。

各群の２８匹は７匹ずつ４つのおりに分けられ、各おり
には３匹または４匹の雌と去勢されない雄を入れた。

ブタはこの試験の間、おりの１／３を占める完全にコン
クリート壁と床でおおわれた小屋の中に収容された。

すべてのブタを個別に体重測定し、おり毎の飼料消費お
よび飼料効率を試験の間の種々の時点および試験終了時
に計算した。

この試験の結果はブタの体重が約３５ｋｇおよび６０ｋ
ｇないし市場に出す体重になるまでの間にまとめられ、
下表４に示されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少くとも約３５ｋｇの体重のブタにサリノマイシン
   および４−メチルサリノマイシンおよびそれらの生理学
   的に許容し得るエステルおよび塩から選択された化合物
   の有効量を経口投与することからなるブタの飼料効率増
   加方法。 ２ 化合物がサリノマイシンである特許請求の範囲第１
   項記載の方法。 ３ 化合物が４−メチルサリノマイシンである特許請求
   の範囲第１項記載の方法。 ４ ブタが少くとも約６０ｋｇの体重である特許請求の
   範囲第１項記載の方法。 ５ 約５〜１１００ｐｐの化合物をブタの飼料に入れて
   投与することからなる特許請求の範囲第１項記載の方法
   。 ６ 約２０〜６０ｐｐｍのサリノマイシンをブタの飼
   料に入れて投与することからなる特許請求の範囲第５項
   記載の方法。 ７ 給餌量のブタの飼料および飼料効率増加に有効な量
   の４−メチルサリノマイシンからなるブタの飼料組成物
   。