JPS593191Y2 - 内燃機関の始動補助燃料供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、チェンソー等の作業機用内燃機関における始
動補助燃料供給装置に関するものである。

従来のこの種内燃機関の始動補助燃料供給装置としては
、ゴム状キャップを吐出管に固定した構造のプライミン
グポンプが知られている。

ところが、この公知のプライミングポンプにおいては、
１回の吐出容量が一定量に定められているため、寒冷地
で使用する場合あるいは長期間運転休止後に使用する場
合に機関本体が低温状態にあると、プライミングポンプ
の１回のポンプ操作では吸気通路への補助燃料供給量が
不足して始動性が悪くなるため、ポンプ操作を繰返し行
なわなければならないという問題がある。

又、出力の異なる内燃機関に適用する場合、吐出容量の
大きさの異なるプライミングポンプを多種類製造しなけ
ればならず、ポンプ容量の一定した構造の多種のプライ
ミングポンプを多数製造することは極めて不経済であり
、コストアップを招くという問題がある。

本考案は、上記問題点に鑑み、機関本体の温度あるいは
機関本体の出力の大きさに応じて、始動前に必要な吸気
通路内への補助燃料供給量を適宜変更できるように、吐
出容量を段階的に変更できる始動補助燃料供給装置を提
供することを目的とするものである。

以下、添付の図面を参照して本考案の実施例にかかる内
燃機関の始動補助燃料供給装置を説明する。

第１図は、本考案の実施例であるチェンソーを示してい
る。

第１図において符号１は機関本体２、気化器３（第２図
参照）等を内蔵せるチェンソ一本体、４は燃料タンク、
５はソーチェン、６はチェンソ一本体１の後端に取付け
られたプライミングポンプである。

このプライミングポンプ６は、第２図に示すように、気
化器３から機関本体２に至る吸気通路７と燃料タンク４
との間を連通ずる補助燃料通路８の途中に介設される逆
止弁９に接続されている。

即ち、プライミングポンプ６は逆止弁９に連結される吐
出管１０と該吐出管１０と該吐出管１０の開口を覆蓋す
る可撓性を有するキャップ１１とによつて構成されてい
る。

前記補助燃料通路８の一端には、吸気通路７を構成する
吸気管１２内に開口する燃料噴射ノズル１３が設けられ
ている。

前記逆止弁９は、プライミングポンプ６の操作時に、燃
料タンク４から取出した燃料を燃料噴射ノズル１３への
み給送する作用をなす。

気化器３と燃料タンク４とは主燃料通路１４によって連
通せしめられている。

前記プライミングポンプ６における吐出管１０の開口端
部１５外局面には、第３図に示すように、複数の環状の
凹溝１６．１６が並設されている。

しかして、該凹溝１６．１６の一つに対して、キャップ
１１の開［］端部１７をＣ形すング等の弾発力を有する
リング状部材１８によって選択的に締付は得るようにさ
れている。

従って、外側の凹溝１６に対してキャップ開口端部１７
を締着した時（第３図図示）には、キャップ１１の内容
積■が大となり、内側の凹溝１６に対してキャップ開口
端部１１を締着した時（第４図図示）には、キャップ１
１の内容積Ｖが小となる。

このようにすると、同一のキャップ１１を用いて、その
締着個所を選ぶことによって、プライミングポンプ６の
吐出容量を段階的に変更することができる。

なお図示の実施例においては、吐出管開口端部１５に２
個の凹溝１６．１６を並設しているが、該凹溝１６の個
数を適当に選択してもよいことは勿論である。

続いて、本考案の内燃機関の始動補助燃料供給装置の効
果を述べる。

本考案によれば、プライミングポンプ６を構成する吐出
管１Ｂの開口端部１５外周面に複数の環状の凹溝１６．
１６・・・・・・を並設し、該凹溝１６．１６・・・・
・・の一つに対して可撓性を有するキャップ１１の開口
端部１７を、弾発力を有するリング状部材１８を介して
選択的に固定し得るようにして、キャップ開口端部１７
の固定位置によってプライミングポンプ６の吐出量を変
更し得るようにしたので、機関本体２の温度あるいは出
力の種類に応じて、プライミングポンプ６の吐出量を変
更することができ、内燃機関の始動操作を速やかに行う
ことができるという実用的効果がある。

又、プライミングポンプ６のキャップ１１を変更するこ
となく、吐出容量の変更が可能なので、出力の異なる内
燃機関に対して共通のキャップ１１を使用することがで
き、コストダウンを計ることができるという利点もある
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例であるチェンソーの側面図、第
２図は本考案の実施例にかかる始動補助燃料供給装置の
燃料系統略図、第３図は第２図におけるプライミングポ
ンプの要部断面図、第４図は吐出量を小となしたプライ
ミングポンプの要部断面図である。 ２・・・・・・機関本体、３・・・・・・気化器、４・
・・・・・燃料タンク、６・・・・・・プライミングポ
ンプ、７・・・・・・吸気通路、８・・・・・・補助燃
料通路、９・・・・・・逆止弁、１０・・・・・・吐出
管、１１・・・・・・キャップ、１５・・・・・・吐出
管開口端部、１６・・・・・・凹溝、１７・・・・・・
キャップ開口端部、１８・・・・・・リング状部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化器３から機関本体２の作動室に至る吸気通路７と燃
   料タンク４との間を連通ずる補助燃料通路８に介設せる
   逆止弁９を介してプライミングポンプ６によって前記吸
   気通路７内に補助燃料を圧送し得るようにした内燃機関
   において、前記プライミングポンプ６を前記逆止弁９に
   接続される吐出管１０と該吐出管１０の開口を覆蓋する
   如く進退可能に装着された可撓性を有するキャップ１１
   とによって構成するとともに、前記吐出管１０の開口端
   部１５外周面には複数の環状の凹溝１６．１６・・・・
   ・・を並設して、前記キャップ１１の開口端部１７を前
   記凹溝１６．１６・・・・・・の一つに対して弾発力を
   有するリング状部材１Ｂを介して選択的に固定し得るよ
   うにしたことを特徴とする内燃機関の始動補助燃料供給
   装置。