JPS593166B2 - タコツボノ セイゾウホウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、海底に敷設してたこを捕獲するためのだこっ
ばの製造方法に関する。

さらにくわしくは、不飽和ポリエステル樹脂に炭酸カル
シウム粉末と砂を混合した成形材料を用いて、圧縮成形
によったこっばのたて半割り型を成形し、ついでこの半
割り型同志を接着剤で接合して一体とすることからなる
たこつぼの製造方法に関する。

従来、たこを捕獲する際に用いられているたこつぼは、
粘土をロクロの上で成形し、ついでこれを乾燥させてか
ら素焼きすることにより製造されている。

したがって、この素焼きのだこっばは、その原料である
粘土の種類や作業者の個人差により、一定の品質のもの
を生産することが困難である。

このため、これら品質や大きさ、重さの不揃いなたこつ
ぼを用いてたこの捕獲作業をしなげればならないので不
便である。

またこの素焼きのだこっばは、元来、靭性に乏しいので
落下時や衝突時に破壊しやす（、さらに吸水率が高いの
で海水中における劣化速度が速く、その寿命が短かい。

しかもこのたこつぼは表面が粗いので、使用中にフジッ
ボや海草が付着しやすく、これらの除去作業も容易でな
いという欠点を有している。

ここにおいて本発明者は、従来の素焼きのたこつぼにみ
られた前記の諸欠点を除くよう種々検討した結果、不飽
和ポリエステル樹脂１０ないし３０重量部に、炭酸カル
シウム粉末４０ないし７０重量部および粒径２ｍｍ以下
の砂２０ないし５０重量部を混合してなる成形材料を用
いて、圧縮成形によったこっばのたて半割り型を成形し
、ついで該半割り型２個を接着剤で接合し一体とするこ
とにより、品質形状が一定で、吸水率が低（、しかも表
面のなめらかなたこつぼが得られるということを見出す
に至った。

すなわち、本発明で得られるたこつぼは、組成の一定し
た原料を用い、同一形状の成形金型により大量に製造す
るので、その品質形状が一定のものとなっている。

したがって、これを用いてたこを捕獲する場合の作業能
率が向上する。

また、本発明により得られるたこつぼは、硬質樹脂と無
機質充填剤とを圧縮成形して製造されているので、耐衝
撃強度が大きく、かつ吸水率の低いものとなり、その寿
命が長い。

しかも、その表面がなめらかに成形されているので、フ
ジッボや海草などの付着が少なく、これらの除去作業も
容易であるという利点を有している。

さらに、このたこつぼの海底での安定性については、こ
のものの比重が２．０ないし２．５程度となっているの
で、海底の潮流によって押し流され、たこがこれに入ら
なくなることがな（、また海底の土砂の中に完全に埋没
してしまうということもない。

本発明で用いる不飽和ポリエステル樹脂は、通常用いら
れているもの、たとえば不飽和アルキッド樹脂などを用
いるが、これを圧縮成形する場合には、不飽和ポリエス
テル樹脂の成形時に通常用いられているベンゾイル・パ
ーオキサイドやメチルエチルケトン・パーオキサイドな
どの硬化触媒、スチレンやメタアクリル酸メチルなどの
架橋剤、ステアリン酸亜鉛などの離型剤、さらに必要に
応じてガラス繊維などの樹脂強化材を少量添加して用い
る。

本発明で用いる接着剤は、合成ゴム系のものや合成樹脂
系、たとえばフェノール樹脂系、シリコーン樹脂系、エ
ポキシ樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系のものが好ま
しい。

つぎに、本発明を実施するにあたっては、まずたこつぼ
の成形材料を調製する。

この成形材料の一成分である不飽和ポリエステル樹脂は
、硬化触媒、架橋剤および離型剤を通常の成形時に用い
る程度に含有するものを、１０ないし３０重量部用いる
。

他の成分である炭酸カルシウム粉末は、４０ないし５０
重量部用い、また粒径２ｍｍ以下の砂は、２０ないし５
０重量部用いる。

これら各成分は、ニーダ−などの混練機により混練する
。

これら各成分の使用比率は、製品の品質に直接影響を与
えるので重要であり、前記使用比率の範囲内において、
潮流の速い海域で用いるものには、炭酸カルシウム粉末
および砂の使用比率を高めて重くし、潮流の遅い海域で
用いるものには、不飽和ポリエステル樹脂の使用比率を
高めて比較的軽いものを製造すれば、たこの捕獲作業に
好都合である。

ここで、これら各成分の使用比率を前記使用比率の範囲
外とした場合には、たとえば不飽和ポリエステル樹脂成
分を１０重量部以下としたのでは、落下や衝突などの衝
撃に対する強度が著しく低下し、逆に不飽和ポリエステ
ル樹脂成分を３０重量部以上として無機質充填剤の使用
量を減少させると、比重が小さくなるので海底での安定
性に欠けることになり、いずれの場合も好ましくない。

つぎに、このようにして調製された成形材料を、通常の
圧縮成形機により、たこつぼの左右対称なたて半割り型
に成形する。

この半割り型は、その肉厚が約５ないし１２ｍｍ、高さ
が２０ないし３０儒、中央部の直径が１５ないし２０ｃ
ＩｒＬ程度の大きさに成形しであるものが取扱いやすい
。

また圧縮成形時の成形条件は、圧力を１００ないし２０
０気圧程度とし、温度は使用する硬化触媒の種類にもよ
るが、はぼ１００ないし２００℃の範囲内においておこ
なう。

ついで、この半割り型の２個を１組として、これらの半
割り面同志を接着剤で接合し一体とする。

この場合、これら半割り面が平坦なものを接着剤で接合
してもよいが、この半割り面上の一方の側に数個の突起
を設け、かつ他方の側にこの突起と嵌合しうる凹所を設
けておき、両者の接合時にこれら突起と凹所とを嵌合さ
せて接着した方が、半割り面同志の接合がより完全にな
る。

このようにして得られるたこつぼを、従来からおこなわ
れているように、長い縄に一定間隔で取付け、海底に敷
設しておいたところ、従来の素焼きのたこつぼの場合と
同様に、可成りの数のたこが捕獲できた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 不飽和ポリエステル樹脂１０ないし３０重量部に、
   炭酸カルシウム粉末４０ないし７０重量部および粒径２
   ｍｍ以下の砂２０ないし５０重量部を混合してなる成形
   材料を用いて、圧縮成形によりたこつぼのたて半割り型
   を成形し、ついで該半割り型２個を接着剤で接合し一体
   とすることを特徴とするたこつぼの製造方法。