JPS5931662Y2 - チヨ−クフツク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、クレーンやホイスト等で重量物を吊り上げ
る際に行うチョーク吊りに使用するチョークフックの改
良に関するものである。

従来より重量物の吊り上げ移動の際に行なわれてきたチ
ョーク吊りは、吊荷に対する巻付作業（玉掛作業）時は
無滴、その取り外し時においても、きわめて手間のかか
るものであった。

すなわち、玉掛作業時においては、両端にループ部を有
する帯状もしくはロープ状スリングの一方のルーフ部、
又はエンドレスタイプの一方のエンドレス端を吊荷の底
部に通し、そのループ部又はエンドレス端に他方のルー
プ部又はエンドレス端をひき通してこのループ部又はエ
ンドレス端をクレーンやホイスト等の吊りフックにひっ
かけなげればならず、また取外し時には、吊りフックか
ら一方のループ部又はエンドレス端を外し、他方のルー
プ部又はエンドレス端からひき抜いて再度吊りフックに
ひっかけ、吊りフックを巻き上げて外していたのであり
、荷吊作業に多数の手間を必要とするものであった。

さらにまた、吊荷からスリングを取り外す際には、上述
の様に、必ず人手によって一方のループ部又はエンドレ
ス端を他方のループ部又はエンドレス端からひき抜かな
ければならず、例えば、ビルの外壁に看板を取り付ける
場合のような高所作業、ヒユーム管の埋設作業、テトラ
ポット、漁礁の海中への敷設作業等において＆転その都
度作業員や潜水夫が高所、低所ないし海中の荷下し位置
まで行って取り外さなければならず、きわめて煩雑であ
り、また、高所や海中での作業では人身事故を惹起する
危険性もあった。

そこでこの考案の目的とするところは、玉掛作業が比較
的簡単で、また取り外し時においても、従来のごとく荷
下し位置に作業員を配置する必要なく、遠隔操作により
簡単にスリングを取り外すことのできる作業性に富んだ
、また安全性が高く、比較的簡単な構造からなるチョー
クフックを提供するところにある。

上記目的達成のため、この考案にかかるチョークフック
は互いに対向する両側板の一端部において、当該両側板
を貫通して摺動可能に挿通され、かつ一方の側板の外側
面に固着したガイド筒によってスライド可能に支持され
た係止軸を設け、ガイド筒の外周には、この係止軸の後
端部に設けられたバネ受を上記側板間において、係止軸
を側板から離脱する方向に弾発力を付与するコイルスプ
リングを遊嵌し、係止軸には直交方向に突出した抜は止
めピンを設け、一方前記ガイド筒の筒壁には、この抜は
止めピンが嵌入する長孔を軸線方向に穿設し、一方両側
板の他端部及び中間部には、外部からボルト締めによっ
て固定されるスペーサーを介在させるとともに他端部側
スペーサの外周にローラを回動可能に装着して挿通部を
構成し、係止軸の反離脱方向の突出端においては、バネ
鋼の折曲加工により成形され、頭部に引紐を連結した止
定具の嵌着部が回転可能に、かつ取り外し可能に嵌着す
る周溝を形成し、当該止定具によって係止軸の自由離脱
を阻止したことを特徴とするものであり、スリングの一
方のループ部又はエンドレス端は挿通部を引き通してク
レーン等の吊りフックに引掛けるとともに、他方端な係
止軸に連結してチョーク吊りを可能とし、取り外し時に
は引紐を利用して止定具を取り外し、弾発力によって係
止軸を支持部材及びスリング端から離脱させることによ
って自動的に、かつ遠隔位置より取り外し可能としたも
のである。

以下、図面に示した一実施例に従って、さらにその詳細
を説明する。

第１図は、この考案にかかるチョークフックを使用した
チョーク吊りを示す正面図で、１は、一端部にクレーン
やホイスト等の吊りフックにひっかける吊り部２を有し
、他端に係止部３を有するワイヤロープ製のスリングで
、この考案に係るチョークフック４にひき通されている
。

チョークフック４の詳細は、第２図及び第３図に示す通
りである。

すなわち、５，６は相対する側板であり、両者間には段
付の円筒状スペーサー７．８が嵌め込まれ、このスペー
サーの中心螺溝に、ワッシャを介して両側板外側よりボ
ルト９を螺合することによって、取り外し可能に連結さ
れている。

１０は一方のスペーサー７の外周に回動可能に装着した
ローラであり、このローラ１０と他方のスペーサー８間
をスリング１の挿通部１１としている。

１２はスリング端の係止部３を挿通保持する係止軸で、
両側板５，６０貫通孔５ａ、６ａを摺動可能に貫通して
いる。

１３は係止軸１２のガイド筒で、側板５ＶＣ溶接されて
おり、１８０°対向位置の筒壁には軸線方向に長手の一
対の長孔１４が穿設されている。

１５は一方の長孔から係止軸１２を貫通して他方の長孔
まで打ち込まれた抜は止めピンである。

１６は、係止軸１２に対し常時側板５，６から離脱する
方向に弾発力を付与する圧縮コイルスプリングで、係止
軸１２の後端部にネジ止めされたバネ受１７と側板５と
の間において、ガイド筒１３の外周に遊嵌されている。

係止軸１２は、両側板間に位置させたスリングの係止部
３を挿通して上記弾発力に抗して押し込まれ、側板６を
貫通した突出端の係止溝１８に止定具１９を止着するこ
とによって、その押込み状態を保持されている。

２０は止定具１９を遠隔位置から取り外すための引紐で
ある。

なお、側板５側のボルト９は機械締めとし、側板６側の
ボルト９は手締め状態としてあり、スリングを挿通部１
１に引き通す場合は、この手締めボルトを取り外して、
側板６を外して挿通するようにしている。

このようにすれば、スリングの取り替えもきわめて容易
である。

上記チョークフックの使用に当っては、係止軸１２の反
離脱側の突出端から止定具１９を取り外しておき、挿通
部１１にひき通したスリング１の一方端の吊り部２をク
レーン等の吊りフック（図示せず）にひっかけ、他方端
の係止部３を吊荷の底部を通して係止軸１２部分の両側
板間に位置させ、□この係止部３を貫通して係止軸１２
を弾発力に抗して押し込み、側板６から先端を突出させ
、この突出端に形成した係止溝１８に止定具１９を止着
すれば玉掛作業は完了し、そのままクレーン等の吊りフ
ックを上動させれば、スリングはローラ１０のガイド作
用によってスムーズに引き絞られ、吊荷をチョーク吊り
状態で移動可能となる。

吊荷を移送した後は、地上等から引紐２０を引けば、止
定具１９が外れるとともに圧縮コイルスプリング１６の
バネ力によって係止軸１２が摺動して第２図の一点鎖線
状態となり、スリング１の係止部３から外れるため、そ
のまま吊りフックを上動させれば、スリング１も吊荷か
ら簡単に取り外し得るものである。

なお、チョークフック４自体は係止部３が挿通部１１を
通過不能であるため、スリング１から脱落するおそれは
ない。

なお、止定具１９は、バネ鋼を折曲加工して、嵌着部１
９ａにおいて係止軸１２の突出端の係止溝１８に弾発的
に止着可能としているので、引紐２０の引き方向に拘ら
ず、その引き方向に、引紐を締結した頭部１９ｂが振り
向けられて引き抜かれるので、簡単に取り外し得る止着
構造となっている、 なお、この考案の構成は、上記実施例に限定されるもの
ではなく、要するに、係止軸を摺動可能に貫通保持する
対向支持部材を有し、常時この支持部材から離脱方向の
弾発力を付与するとともに反離脱方向の突出端に引組付
の止定具を取り外し可能に止着し、係止軸の自由離脱を
阻止するものであれば良い。

すなわち、上記実施例において東対向側板を支持部材と
しているが、第４図に示すごとく、スリング挿通部を曲
管状の筒体で構成し、その外壁面より一対の支持部材を
突出状に形成し、この支持部材に第２図と同様な構造で
、係止軸を取り付けても良い。

また、係止軸の抜は落ちを防止するため、上記の例にお
いてはガイド筒１３に長孔１４を設け、係止軸に抜は止
めビン１５を打ち込んでいるが、バネ受１７と側板ない
し支持部材間を鎖で連結しておいても良い。

圧縮コイルスプリングは、その端部をバネ受１７、ガイ
ド筒１３あるいは側板ないし支持部材のいずれかに固着
させる構造としておけば、その飛び出しを防止すること
ができ、この場合、ガイド筒１３を省略して係止軸のみ
を側板ないし支持部材に貫通保持させる構造とすること
もできる。

また、係止軸の突出端の止定構造も前述の構造に限らず
、単に突出端に穿設した貫通孔に引組付のピンを差し込
む構造でも所期の目的は達成し得る。

この場合、係止軸１２をその円周方向に回転可能として
おけば、引紐の引き方向に係止軸が回転するので、前述
のバネ鋼を折曲げ加工した止定具と同様に簡単に取り外
すことができる。

さらにスリングの係止部３も、スリングのループ部又は
エンドレス端をそのまま利用する場合の外、第５図Ａに
示すように係止軸の挿通孔を有するフレートを取り付け
ても良く、この場合、係止軸の滑りが良好で、取り外し
時に係止軸がスムーズに抜は易いという利点を有してい
る。

また、第５図Ｂのごとく、スリングの抜は止め金具を取
り付けた周知のフック基部に、係止軸の挿通孔を形成し
、このフックを係止軸への係止部としておけば、遠隔位
置から引紐を利用して係止軸を離脱させ、フックごと外
す使用方法のほか、手元においてスリングの取り外しを
行う通常の使用方法も取り得る。

なおまた、使用するスリングとしては単にワイヤロープ
製のものに限らず、合成繊維製の帯状スリングも使用可
能である。

この考案は上述の様に、支持部材を貫通した摺動可能な
係止軸に離脱方向の弾発力を与えるとともに、突出端に
止着した引組付の止定具によって自由離脱を阻止し、こ
の係止軸に一方のスリング端を挿通してチョーク吊り可
能となし、取り外し時には引紐を引くことにまり係止軸
を離脱可能としたので、遠隔位置から取り外しが可能で
あり、高所、低所、海中等の荷下し位置まで作業員が行
って取り外す必要なく、作業性がきわめて良好なのは熱
論、作業の安全性を確保し得るという大きな利点を有し
ている。

さらにまた、スリングの一方端は常にクレーン等の吊り
フックにかけたままで玉掛作業及び取り外し作業ができ
るので、この面での作業性もきわめて良好であり、当該
技術分野に資するところきわめて大きいチョークフック
を提供し得たのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るチョークフックの一実施例を示
す使用状態の正面図、第２図はチョークフックの拡大断
面図、第３図は同側面図、第４図は他の実施例を示す斜
視図、第５図Ａ、Ｂはスリング端の係止部の他側を示す
正面図である。 １・・・・・・スリング、３・・・・・・係止部、４・
・・・・・チョークフック、５，６・・・・・・側板、
７，８・・・・・・スペーサー １１・・・・・・挿通
部、１２・・・・・・係止軸、１３・・・・・・ガイド
筒、１４・・・・・・長孔、１５・・・・・・抜は止め
ピン１６・・・・・・圧縮コイルスプリング、１９・・
・・・・止定具、２０・・・・・・引紐。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）互いに対向する両側板の一端部において、当該両
   側板を貫通して摺動可能に挿通され、かつ一方の側板の
   外側面に固着したガイド筒によってスライド可能に支持
   された係止軸を設け、ガイド筒の外周には、この係止軸
   の後端部に設けられたバネ受を上記側板間において、係
   止軸を側板から離脱する方向に弾発力を付与するコイル
   スプリングを遊嵌し、係止軸には直交方向に突出した抜
   は止めピンを設け、一方前記ガイド筒の筒壁には、この
   抜は止めピンが嵌入する長孔を軸線方向に穿設し、一方
   両側板の他端部及び中間部には、外部からボルト締めに
   よって固定されるスペーサーを介在させるとともに他端
   部側スペーサの外周にローラを回動可能に装着し、係止
   軸の反離脱方向の突出端においては、バネ鋼の折曲加工
   により成形され、頭部に引紐を連結した止定具の嵌着部
   が回転可能に、かつ取り外し可能に嵌着する周溝を形成
   し、当該止定具によって係止軸の自由離脱を阻止してな
   るチョークフック。
2. （２）バネ受が係止軸の後端部にネジ止めされた実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のチョークフック。