JPS5931368B2 - ガス遠心分離機における回転胴の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば六弗化ウランのような被分離ガスを重
ガスと軽ガスとに分離するガス遠心分離機における回転
胴の製造方法に関する。

既に提案されているこの種のガス遠心分離機は、真空タ
ンク内に回転胴の各回転軸を上・下＝対の軸受で回転自
在に支承し、上記真空タンクの頂板中央部から、上記回
転胴内に被分離ガスの供給管および重ガスと軽ガスの各
スクープ管を同心的に垂下して設け、上記回転胴を超高
速で回転することにより、重ガスと軽ガスとに速心分離
し、例えば濃縮ウランを生成するようになっている。

このように、上記回転胴Ａは、第１図乃至第１図に示さ
れるように、円筒体ａの上・下開口部に上・下沓端板す
、ｃを設け、この上端板すに上部軸ｄ及び被分離ガスや
分離された重ガス、軽ガスのスクープ管を挿入する透孔
ｅを穿設し、他方、上記下端板Ｃの中心部に下部軸ｆを
軸装したものである。

又、上記回転胴への材料は、超高速で回転すると共に、
例えば六弗化ウランのような腐蝕性の強いガス遠心分離
するために、超硬質材にしてしかも耐蝕性のマレージン
グ鋼が使用されている。

このマレージング鋼は、第２図のグラフに示されるよう
に、時効熱処理によって、強度が得られる特性を有し、
上記上部軸ｄ１下部軸ｆ等は、回転胴Ａを時効熱処理を
施した後、取付ける必要がある。

一方、時効熱処理を旋したマレージング鋼は、非常に硬
質材になるため、加工性が低下し、切削加工具や超硬バ
イトを必要とするなどして、実際問題としては、修正加
工程度の加工しか望み得ないものとされている。

従って、上記回転胴の加工順序は、（１）時効処理前の
加工し易い状態で回転胴を製造する（これには部品加工
、組立、溶接等を含む）。

（２）製造された回転胴を時効熱処理する。

（３） この時効熱処理によって回転胴に僅かに変形
するので、上記上・下端板す、ｃの上部軸ｄ１下下軸ｆ
の取付は場所を最小限に加工し、（４）予め、別個に製
作した上部軸ｄ１下部軸１回転胴Ａに取付ける。

なお、上記（３）項及び（４）項は修正加工と呼んでい
る。

一方、第３図に示されるように、回転胴Ａは、薄肉の円
筒体ａの両端開口部に肉厚の上・下沓端板ｂ ｓ ｃで
構成している。

この場合、上記上端板すは、剛性が高いので、第４図に
示されるように、直接旋盤Ｂのチャックｇで固着して振
れ止めｈで当接して後、切削修正加工をするようになっ
ている。

しかしながら、最近の回転胴Ａは、重量を極力軽量化を
図るために、各端板す、ｃを薄肉端板としている関係上
、第４図に示される旋盤Ｂによるチャックｇによって緊
締把持すると、第６図に鎖線で示されるように、内方へ
変形して撓み、修正加工が困難になった。

又一方、第１図に示すように、回転胴Ａの両端部に修正
加工用の補強治具とし℃膨張係数の大きい材料としての
各リングｉを焼ばめしたものかあ゛る。

これは回転胴Ａが、すべて、同一直径で真円に製作して
、焼ばめ温度を正確にすることにより、上記各リングｉ
の締め代は＝定となり、必要な修正加工を施すことが提
案されている。

しかし、これは実際の回転胴Ａは加工公差、組立、精度
、時効熱処理による変形などがあり、同一の多数の回転
胴Ａを製作するには、径の異なる多くの補強治具を予め
用意し、回転胴Ａの径を測定し、それに適合した治具を
選択して、しかも正確に温度を測定して焼ばめ作業をし
なければならない欠点があった。

さらに又、修正加工後、上記回転胴Ａに焼きばめした補
強治具を取外すために、再度、補強治具を加熱する必要
があるが、マレージング鋼は時効熱処理によって所要強
度を得ているのに治具の熱の伝達あるいは治具と共に、
加熱しなければならず、このために、上記回転胴Ａの強
度が劣化するおそれがあった。

本発明は上述した欠点を解消するために、回転胴の両端
外周面に二分割又はテーパリングによる各輪体を挿着し
、この各輪体の外周に各振止めリングを取外しできるよ
うに固着した後、上記一方の輪体の旋盤のチャックに固
定し、上記一方の振止メリングを上記旋盤の振止めに当
接した後、上記回転胴を回転しながら、バイトで修正加
工をするようにし、これにより回転胴の上・下沓端板を
変形することなり、シかも材料劣化をさせることな（、
一組の治具により正確に且迅速に修正加工するようにし
たことを目的とするガス遠心分離機における回転胴の製
造方法を提供するものである。

以下、本発明を図示の一実施例について説明する。

第８図乃至第１０図において、符号１は薄肉円筒体を形
成したマレージング鋼による回転胴であって、予め時効
熱処理を施したものである。

そして、この回転胴１の修正加工を施すには、上記回転
胴１０両端外周面１ａ、１ｂに二分割し得る各一対の輪
体２，３を各取付ボルト４，５にて固着する。

次に、この各輪体２，３の各段部２ａ、３ａに各振止め
リング６．７が他の取付ボルト８，９によって取外しで
きるように固着する。

しかして、上記一方の輪体２，３の外周面２ａ。

３ａを旋盤１０のチャンク１１で固定し、上記一方の振
止めリング７に上記旋盤１０の振止め１２に当接する。

このようにして、上記回転胴１を回転しながら、切削バ
イト（図示されず）で、第１０図ａに示されるように、
回転胴１の端板１ｃ。

又は１ｄを修正加工して、第１０図すのように修正仕上
するようになっている。

即ち、上記回転胴１は二分割し得る輪体２，３と振止リ
ング６．７とによつ℃治具保持されて修、ＬＥυ日工を
し得るようになっている。

次に、第１１図ａに示される実施例は、本発明の他の実
施例であって、これは２分割し得る輪体２．３０代りに
、＝対をなすテーパねじで螺合するテーパーリング２’
、 ３’を使用したものであり、又、第１１図すに示さ
れる実施例は、これはテーパーリング２″に例えば硬質
ゴムのような摩擦係数の大きいテーパーリング３″を着
脱自在に嵌合したものであって、実質的には上記テーパ
ーリンク２’、 ３’と同一内容をなすものである。

以上述べたように、本発明によれば、回転胴１０両端外
周而１ａ、ｌｂに二分割輪体若しくはテーパーリングに
よる輪体２，３，２’、３’ 、２”。

３″を着脱自在に挿着し、この各輪体２，３の外周に各
振止リング６．１を取外しできるようにして固着した後
、上記輪体２，３を旋盤１０のチャンク１１に固定し、
上記一方の振止リング６．１を上記旋盤１０の振止め１
２に当接した後、上記回転胴１を回転しながらバイトで
上記回転胴１の修正加工し得るようになっているので、
薄肉の回転胴１の上・下沓端板１ｅ、ｌｄを変形するこ
となく、さらに迅速に修正加工を施すことができるばか
りでな（、焼ばめによらないから、材料の劣化するおそ
れもな（なり、さらに又、回転胴１の径にばらつきがあ
っても上記治具で修正加工できる等の優れた効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第１図は既に提案されているガス遠心分離機
における回転胴の製造方法を説明するための図、第８図
は本発明によるガス遠心分離機における回転胴の製造方
法を説明するための図、第９図は第８図の側面図、第１
０図は上記回転胴の端板の修正加工を説明するための図
、第１１図は本考案の他の実施例を示す図である。 １・・・・・・回転胴、２，３・−・・・・輪体、６，
７・・・・・・振止リング、１０・・・・−旋盤、１１
・・・・・・チャック。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転胴の両端外周面に二分割輪体若しくはテーバリ
   ングによる各輪体を着脱自在に挿着し、この各輪体の外
   周に各振止リングを取外しできるようにして固着した後
   、上記一方の輪体を旋盤のチャックに固定し、上記一方
   の振止リングを上記旋盤の振止めに当接した後、上記回
   転胴を回転しながらバイトで上記回転胴の修正加工し得
   るようにしたことを特徴上するガス遠心分離機における
   回転胴の製造方法。