JPS5930509B2 - スライディングノズル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、稼働状態の下で、損傷防止材を外部から摺動
面に供給して、摺動面の状態を常に最善の状態に維持で
きるようにしたスライディングノズル装置に関する。

旧来も特公昭４４−１１１２１号公報、実公昭４７−４
２５２３号公報に記載のように、スライディングノズル
装置等において、プレートれんがをセットする前に、摺
動面に潤滑剤を塗布したり、プレートの摺動面に四部を
設け、そこに潤滑剤を装填することは行われていたが、
係る従来の方式においては、潤滑剤は溶融金属流出時の
熱により短時間で焼失し、その為に摺動潤滑度が大きく
低下する。

またプレート面、即ちれんが面に介在する気孔へ炭素物
質（例えばタール、ピッチその他の有機物）を含浸或は
塗布し、充填したものもあるが、充填炭素物質が同様に
熱により消失してプレート面の組織を脆弱化し、これに
よって特に、摺動面上下のノズル孔間に、溶融金属の噛
み込み、引掻き、地金差し等の損傷が発生し、ダンパー
能力の喪失をもたらすという問題があった。

この発明は、上記の従来の問題点を解消するために完成
したもので、損傷が最も発生し易い部分、即ち、摺動面
上下のノズル孔間にスライディングノズル装置の組立後
の稼働中、若しくは、休止間中に損傷防止機能、損傷部
の補修機能、潤滑機能を持つ損傷防止材を、摺動プレー
ト摺動面の状況に応じて供給することにより、摺動プレ
ート面の損傷を防止し、また、損傷が発生した場合は、
摺動プレート自体の摺動によって、損傷面を平坦に補修
するための補修材を供給する装置を提供することを目的
とする。

なお本発明に於ける損傷防止材とは、耐火物の損傷を軽
減させる耐蝕性、耐酸化防止性を付与する材料、溶融金
属との濡れを防止する材料、損傷面を補修する材料、或
いは、かかる補修材の耐火物との付着性を改善する材料
等を意味する。

具体的には、その目的に応じて以下に例示するものを使
用する。

（イ）低融点及び又は高融点の各種セラミックス或は金
属化合物の一種、二種以上 例：〔各種弗化物、硫弗化物、二硫化モリブデン、窒化
硼素、二硫化タングステン、黒鉛、ムライト、石英、ア
ルミナ、マグネシア、その他目的に合った塩基性、中性
、酸性各種の耐火物〕及び ・アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムオキ
シヒドロキシド、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム・・・・・・
・・・その他のアルミニウム化合物 ・硫酸マグネシウム、その他のマグネシウム化合物 ・塩化ジルコニウム、その他のジルコニウム化合物 （０）〔珪酸、アルミニウム、毎グネシウム等の低融点
金属、還元性金属、合金の一種、二種以上〕Ｃつ 〔各
種リン酸塩の一種、二種以上〕例：縮合、交叉、オルト
、メタ、ピロ、ポリ等のリン酸塩 ←） 〔鉱油〕 例ニスビンドル油、ダイナモ油、絶縁油、冷凍油、流動
パラフィン、軽油、重油・・・・・・・・・の一種、二
種以上 （川 、〔植物油〕 例：ナタネ油、ゴマ油、落下牛油、ヒマシ油の一種、二
種以上 （→ 〔シリコン系グリス等の合成油〕 （ト）樹脂等 例：エポキシ、ポリエチレン、フェノール、タール、ピ
ッチその他有機結合剤等の有機物質・・・・・・・・・
の一種、二種以上 チ 発熱剤或は発泡剤並びにその他の材料例二珪素、ア
ルミニウム、マグネシウム、チタニウム、ゼオライト鉱
、黒曜石 以上（イ）〜（例の一種又は二種以上のものからなり、
又これに適宜減摩剤その他の性能向上をうながす物質を
添加するものである。

又固形状等にする場合、適当な結合剤を添加することも
できる。

（１カ 損傷防止材等はペースト状、液状、クリーム状
、グリース状、半固形状、固形状にて使用することもあ
り得る。

さらに使用形態において流動体が固形物を含むときは固
形物は７０％以下（特に好ましくは５〜６５％）が好ま
しく、半固形状のときは固形物は５０％以上が好ましく
、その際の粒度は５０μ以下が良い。

本発明においては、この損傷防止材を摺動面に連続供給
できるように構成されており、具体的には、スライデイ
ンクソンルプレート摺動面に開口した損傷防止材の供給
孔か、或いは、それに通じるれんが内を浸潤して供給す
る。

添付図面は、本発明のスライディングノズルプレートの
実施態様を示す。

第１図において、１はタンディツシュ下部に取付けられ
たノズル４に連結固定して設けられたスライディングノ
ズルの上部固定プレーｉ・である。

２は、下部ノズルに連結固定した下部摺動プレートであ
る。

上下プレート１および２には、適宜の加圧源に連結した
液体または、グリース状の損傷防止材を供給するための
供給孔１０が設けられている。

この供給孔１．０の先端は、損傷防止材を摺動面に供給
するために、それぞれのノズル４と５の近傍域で開口し
ている。

勿論、損傷防止材の供給孔１０をプレート内に止めて、
そこに溜りを設けて、その溜りから、損傷防止材を摺動
面に供給するように構成することも可能である。

第３図〜第５図は、摺動面における損傷防止材の供給孔
１０の先端開口の配置状態を示す。

第３図および第４図は下プレートが、上プレートに対し
直線移動する型の場合であり、第５図は、下プレートが
上プレートに対し、回転移動する型の場合を示す。

各図に見られる通り、供給孔１０の先端開口は、摺動面
金中に亘って損傷防止材を均一に供給するために摺動面
の巾方向に複数個設けるのが良い。

また、摺動面の巾方向のみならず、摺動方向、特に、ノ
ズルの前後で、例えばノズル部分が摺動するためにでき
る摺動の軌跡を主体とした領域の上下のプレートのいず
れにも損傷防止材の供給孔を設けることもできる。

或は、第３図および第４図に示す通り、上グレートの開
口を下プレートよりも大きくして防止材の摺動面への供
給状態の調整を図ることが望ましい。

この構造の損傷防止材の強制供給装置においては、例え
ば、窒化硼素に合成油を混合したもの、あるいは、二硫
化タングステンと黒鉛に合成油を混合した液体状あるい
は、グリース状のものが適している。

これに対し、黒鉛にＡｌ２Ｏ２−８，０２系耐火物゛と
の混合物、あるいはアルミニウム酸化物、硝酸ナトリウ
ム、珪弗化ナトリウム、耐火れんが屑それにピッチ、有
機結合材、結合粘土等からなる固形の損傷防止材の場合
には、第２図に示す連続供給のための手段を用いること
も可能である。

即ち、下端プレートに設けられ、摺動面に開口する損傷
防止材の供給孔の下方に、スプリング圧入装置８を取付
け、この上に、上記の固形の損傷防止材７を充填する。

固形の損傷防止材７は、スプリング手段の作用で、常時
摺動面に積極的に摺り込み供給されることになる。

また、固形材料の場合には、スプリング手段に代えて、
ネジ、コツター、油圧等の機械的な押圧手段あるいは、
入力によって供給することも可能である。

本発明のスライディングノズル装置は、上記実施例に示
す構成によって、損傷防止材を摺動面に積極的に連続供
給することが可能であるので、摺動面に損傷防止材を塗
布したり、被覆する必要もない。

そして、プレートの閉の状態、開の状態、摺動状態の時
に、損傷防止材が摺動面に供給されて摺動面に皮膜或は
損傷部の充填が行われ、この結果、次の開成は閉の時に
は、この皮膜、充填部が損傷防禦膜となって、溶融金属
の直接の侵入、接触を防ぐと共に侵入速度をも低下させ
る。

これら損傷防禦膜は溶融金属流により流される場合もあ
るが、流される迄の間保護し、最初の溶融金属流の激突
を受はショックを和らげる。

又摺動毎に積極的に洗い流すようにして同様の効果が得
られる。

又加熱作用により、充填部の損傷防止材がこの部分で焼
付けられ、完全な摺動面の補修を行うことも可能である
。

次に、開の時に形成されかい損傷防禦膜は閉の時に、或
は摺動に伴う位置の移動によって損傷防禦膜が形成され
、この損傷防禦膜の形成作用が繰返され、連続的可及的
に行われ、その損傷防止が効果的になされる。

操業条件、耐火れんがの材質や他の条件、損傷挙動によ
って適当な損傷防止材等の選択と操作がなされ、そして
これに適したスライディングノズル装置にする。

又、例えば第１回目の開閉作動により損傷防止材が消失
した場合でも、新たな損傷防止材が前述のように供給さ
れるので、潤滑作用の効果を持続させることができる。

上述の例に限らずその損傷情況に応じた損傷防止材が用
いられることも、前述の通りである。

又、潤滑効果をもつ損傷防止法をとる等、複合効果が発
揮される。

損傷防止材により摺動面の密封或は接続効果が向上する
。

上部ノズルとプレートとの目地の接合面は湯洩れ事故に
つながるので、重要なところである。

又、上部ノズルの容器への取付、取外し、及び プレー
トとの接合、離脱を簡単迅速にすることが条件となって
いる。

こういう場所へは本発明のような方法がとられれば、万
一の事故を防止できる。

下部ノズルとプレートとの接合面も、前述の上部ノズル
と同様に事故防止ができる。

更に、注入工程中のスライディングノズル装置において
の下部ノズルの交換、或は、異なる口径のノズルや特殊
形態をもつノズル等の変更切替えを摺動式にすることが
でき、より簡便で効果的な新規方式を可能とすることが
できる。

プレートのノズル孔周囲に損傷防止材が常に供給されて
いる状態とした場合、万一の面圧低下による地金差し又
は湯洩れ、ひいては閉塞不能による装置の故障を防止で
きる。

溶融金属の凝固防止、或は脱ガスの為になされるガス吹
込みに伴うガス洩れ防止と、これに伴うバブリング作用
によるプレート損傷をも防止する。

損傷防止材の供給により、摺動面の冷却を計ることもで
きる。

損傷防止材を外部から供給する為、プレート摺動面に摺
動層を被覆したり、プレート組立時に潤滑剤を塗布する
処理工程が不用になり、摺動面の接触面の精度を高める
と共に、反対に、そう高精度のものを作らなくても済み
、摺動プレートの寿命を伸ばす。

損傷防止材に発熱剤やバブリング剤を含有せしめること
により、ノズル孔内の溶融金属を加熱したりバブリング
し、溶融金属の凝固を防止する。

さらに、ナベ、タンディツシュ、転炉の他溶融金属を収
容する容器、及び樋等の通路の為の摺動開閉装置、或は
流体（粉粒体を含む）吹込み用開閉摺動部分、及び摺動
接続部分等利用範囲が広い等の多くの効果がある。

【図面の簡単な説明】

添付図面は、本発明に係るスライディングノズルプレー
トの実施態様を示し、第１図および第２図は、各実施例
の垂直断面を示し、第３図〜第５図は損傷防止材の供給
孔の摺動面における開口状態を示す。 １・・・・・・上プレート、２・・・・・・下プレート
、４・・・・・・上ノズル、５・・・・・・下ノズル、
３，１０・・・・・・損傷防止材の供給孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 摺動プレート、あるいは、固定プレートの少なくと
   もいずれか一方にノズル閉鎖及び開口位置で相対するプ
   レート面に開口し、かつ外部と連通した供給孔を設け、
   更に、同供給孔の外部開口部に損傷防止材の供給手段を
   設けたことを特徴とするスライディングノズル装置。