JPS5930295Y2 - 水栓類に於けるハンドルと弁棒の結合構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は単水栓、混合水栓などの水栓類の弁を開閉さ
せる弁棒と、この弁棒を操作する・・ンドルとの結合機
構に係り、特に結合用ビスの締付は加減によシ弁棒操作
時のねじ対偶による摩擦共鳴音を発生させないようにし
たものである。

従来の水栓類に於ける弁の開閉は第４図に示すように弁
棒３０の端部外周に設けた雄ねじ３１と、水栓類の本体
３２の弁棒支持部３３の雌ねじ３４とのねじ対偶により
行なうのが通例であった。

上記この弁棒３０にあっては、その外端部にビス３５を
介して・・ンドル３６を取付ける際に、このビス３５を
固く締め付けて該ビス３５が緩んだり、・・ンドル３６
が空転したりするのを防止していたのであるが、このビ
ス３５を緩まないように強く締め付けることによって、
弁棒３０の雄ねじ３１とこれに対応する雌ねじ３４との
相対するねじ山が弁棒３０の押し付けられる方向に強力
に接圧するために、弁開閉時に金属同志の摩擦音がノ・
ンドル３６に伝達され特有の高い共鳴音を発生する不都
合があった。

上記、共鳴音発生のメカニズムは、弁座３７に弁体３８
を押付けて弁口３９を閉塞する場合の固く締付ける際と
、その反対の弁口３９を開放する場合に、弁座３７に固
く締付けられていた弁体３８が締付けから解放される際
とに特に顕著で、この雄ねじ部３１と雌ねじ部３４のね
じ対偶により発生する摩擦共鳴音は、弁棒３０を媒体と
して該弁棒３０に結合されている中空の内筒４０及び・
・ンドル３６が共鳴体となり、弁棒３０を経て伝達され
た前記摩擦共鳴音は著しく増幅されながら甲高い共鳴音
を発する。

それはあたかも音叉の振動が共鳴箱に伝わり、その振動
音が増幅されるのと同様な過程を経て発生するものであ
って、この弁棒を伝播媒体としてねじ対偶による摩擦共
鳴音を発生させる原因としては弁棒に・・ンドルが直接
固着されていて軸方向に余裕のない点及び締付けを緩み
の生じない程度に固く締付けるために、雄ねじと雌ねじ
の互いのねし山の間に全く余裕がなくなる点などにあっ
た。

特に弁体を弁座に押付ける閉弁時と、弁体を弁座から離
脱させる開弁時に高い共鳴音を発していた。

このような甲高い共鳴音は、密接した室続きの環境とか
静寂な時間的条件とが重なるような場合には周囲に著し
い不快感を与えるので、このような不快な音を防止する
ためには弁棒と・・ンドルの締付けを緩めて不正常な関
係にするより以外に防止の方法がなかった。

しかしながら、弁棒とハンドルの結合を不正常な結合関
係にしたま１使用することは、弁棒及び・・ンドル相互
の対応部分に偏摩耗によるガタを生じさせたり、取付は
用の小ねじが脱落して紛失するなどの不都合が生じてい
た。

この考案は、上記の問題を解決し、弁棒とハンドルの結
合関係を正常に維持しながら、ねじ相互の摩擦係数を小
さくすることに、１より″共鳴音の発生を防止すること
を目的とする。

この考案の基本的な構成は、水栓類の弁口を開閉する弁
体が一端に取付られる弁棒の他端外周に雄セレーション
部とその雄セレーション部に近接して環状の溝を設け、
前記弁棒に取付られる・・ンドルに前記雄セレーション
部と嵌合する雌セレーション部及びその雌セレーション
部と内径を異にする凹孔を軸方向に連通して設け、弁棒
の雄セレーション部をハンドルの雌セレーション部へ挿
通し、かつ弁棒の環状の溝を凹孔に介在するようにしで
ある。

そして、その凹孔にはボールが装入してあり、そのボー
ルが環状の溝へ入り込むように連繋して釦り、筒状の表
示キャップを凹孔へ嵌入させると共にその表示キャップ
の内周面でボールを環状の溝へ押圧するように対応させ
てあって、ボールが環状の溝へ入り込んでいる間は、ハ
ンドルと弁棒は強く結合され、弁棒かもハンドルが簡単
に外れることはない。

以下、この考案の実施例を図に基づいて説明する。

本案の実施例は、第１図乃至第３図に示すようにハンド
ル１は、中心部に凹孔２及び挿孔２′を連通して設け、
その凹孔２にボール３を軸中心へころがり作用させる斜
底部４及び内周面にボール３の案内溝５，５をそれぞれ
形成する。

ブツシュ７は、端部にフランジ６を有し、かつ内周面に
は弁棒８の雄セレーション部９と軸方向に融通自在に嵌
合する雌セレーション部１０及び局面に、ボール３を出
入りさせる横孔１１，１１を対向位置にそれぞれ設け、
このブツシュ７は、その横孔１１゜１１と前記案内溝５
，５とを向き合う位置に一致させてハンドル１に予じめ
インサート成型されている。

ボール３は金属又は合成樹脂よりなる球形を呈して居り
、前記弁棒８は単水栓、混合水栓又は分岐水栓その他の
水栓類Ａ（実施例では単水栓）の給水室１２に通じる線
孔１３に介在させ、該線孔１３の雌ねじ１４と弁棒８の
雄ねじ１５とによるねじ対偶の弁機構を示し、前記雄セ
レーション部９の端部付近には組立時に前記ボール３と
係合する溝１６を環状に設けである。

同前記ブツシュ７はハンドル１に単に挿入しても差支え
ない。

また、第１図に示す弁体２４は弁座２５に接離して弁口
２６を開閉し、通常に通水及び止水を行なう。

このハンドル１を組立てるには、ブツシュ７を挿孔２′
に嵌装し、その雌セレーション部１０と弁棒８の雄セレ
ーション部９とを嵌合させたのち、ハンドル１の案内溝
５，５からボール３，３を斜底部４に落し込むと、ボー
ル３は斜底部４の斜面が転がってブツシュ７の横孔ＩＬ
１１にそれぞれ装填される。

その後に、・・ンドル１の凹孔２へ表示キャップ１７を
挿入して該表示キャップ１７の内周面に設けられたテー
パ部１８を以ってボール３を圧下することにより、この
ボール３を横孔１１の内部で弁棒８の溝１６の環状の一
部に押付けて固定することにより、ハンドル１と弁棒８
を間接的に結合する。

い１、この水栓類Ａに上り給水又は給湯を行なうため、
第１図に示すハンドル１を開弁方向に操作すると、弁棒
８の雄ねじ１５及びこれに対応する線孔１３の雌ねじ１
４はねじ対偶によシ所定の方向へ軽くねじ戻されて行く
。

この弁棒８の開弁方向への作動により弁座２５に固く押
付けられていた弁体２４が弁座２５から離脱する際に、
弁棒８の雄ねじ１５と線孔１３の雌ねじ１４との強い螺
合により、互いのねじ山間の大きい摩擦による共鳴音を
発する。

この摩擦共鳴音は、弁棒８を伝播媒体として軸連方向へ
伝わって行くのであるが、この弁棒８とハンドル１とハ
雄セレーション部９と雌セレニション部１０の軸方向の
融通性による嵌め合いによって間接的に結合されて直接
的な結合がなされていないので、・・ンドル１の操作時
に於いて雌ねじ１４と雄ねじ１５とのねじ対偶による摩
擦音は弁棒８から・・ンドル１へ伝達されることなく途
中で消滅してしまう。

よってねじ相互の摩擦力による共鳴音がハンドル１を共
鳴体として増幅されることなく弁の開閉を静かに行なう
。

また止水の場合も上記に準じて無騒音に弁口２６を閉止
する。

この考案は、上記の構成であるから、次の利点を有する
。

（１）弁棒と・・ンドルとの結合（抜は止め）を弁棒外
周の環状の溝とボールとの係合により行ない、・・ンド
ルの回転力を弁棒の雄セレーション部とハンドルの雌セ
レーション部との保合によってのみ弁棒に伝達するよう
にしたので、ねじ相互の摩擦力を最小にして摩擦による
共鳴音を発生させない。

（２） 弁棒の雄セレーション部とハンドルの雌セレ
ーション部とを係合させ、弁棒外周の環状の溝にボール
を係合させ、そのボールの外側に筒状の表示キャップを
嵌装するだけでよいから、弁棒とハンドルの結合に工数
がかからず、水栓の組立時間を節約できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案を装置した水栓類の単水栓の場合の側断面
図、第２図イは・・ンドルの要部を示す部分拡大側断面
図、口はイに於ける平面図、第３図はブツシュの拡大平
面斜視図、第４図は従来技術の説明図である。 主要部分の符号の説明、１・・・・・ンドル、２・・・
凹孔、２・・・挿孔、３・・・ボール、４・・・斜底部
、５・・・案内溝、７・・・ブツシュ １０・・・雌セ
レーション部、１１・・・挿孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水栓類Ａの弁口２６を開閉する弁体２４が一端に取付ら
   れる弁棒８の他端外周に雄セレーション部９と環状の溝
   １６を設け、前記弁棒８に取付けられる・・ンドル１に
   前記雄セレーション部９と嵌合スる雌セレーション部１
   ０及びその雌セレーション部１０と内径を異にする凹孔
   ２を軸方向に連通して設け、弁棒８の雄セレーション部
   ９を・・ンドル１の雌セレーション部１０へ挿通し、か
   つ弁棒８の環状の溝１６を凹孔２に介在させ、その凹孔
   ２ヘボール３を装入し、かつそのボール３の一部を前記
   環状の溝１６へ入り込むよう係合させ、前記凹孔２へ筒
   状の表示キャップ１７を嵌入させ、かつその表示キャッ
   プ１７の内周面で前記ボール３を環状の溝１６へ押圧さ
   せてなる水栓類に於ける・・ンドルと弁棒の結合構造。