JPS5929325Y2 - 陰極線管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、とくにステムピンと給電線との溶接部をコイ
ル状巻線により囲繞せしめることにより、前記溶戸部付
近におけるスパークの発生を防止した陰極線管に関する
ものである。

一般に、陰極線管は、第１図に示すようにバルブのネッ
ク管１内に電子銃電極、２を備え、電子銃電極２は、ス
テムピン３に給電線４を介して接続される。

給電線４にはリボン状のものと丸線状のものとがあるが
、いずれにしてもその切断端部に、かえりによる鋭い小
突起を有していることが多い。

そして、このような小突起がとくにステムピン側の切断
部に存在すると、ここに電気力線が集中して局部的に高
い電界を生じるので、隣接する給電線４相互間でスパー
クを生じやすくなる。

また、給電線４とステムピン３とを相互に溶接すること
によっても鋭い小突起を生じやすく、これもスパーク発
生の原因となる。

さらに、ステム５の突起部を形成するガラスの導電率と
ステムピン３を形成する金属の導電率との差によっても
、突起部６とステムピン３との境界付近に電気力線が集
中しやすい。

本考案は、前述のような従来の欠点を除去した陰極線管
を提供するものであり、これを以下図面に示した実施例
とともに説明する。

第２図において、バルブのネック管１１の端部に封着さ
れているステム１２は、その内面に突起部１３を有し、
突起部１３にステムピン１４が貫通されている。

ネック管１１内に配置された電子銃電極１５には、給電
線１６の一端が溶接されており、給電線１６の他端はス
テムピン１４の管内部分に溶接されている。

図示例のものでは、ステムピン１４の端部と給電線１６
の端部とに、すり割り部を投げ、このすり割り部同士を
対向させて溶接しているので、ステムピン１４と給電線
１６とは同一直線上に位置している。

１７はコイル状巻線で、ステムピン１４と給電線１６と
の溶接部を囲繞する部分と、ステム１２の突起部１３を
覆う部分とを有している。

ただし、コイル状巻線１７の給電線１６側内径は、給電
線１６の径よりも若干大きく、突起部１３側内径は、突
起部１３の径よりも大きい。

また、この巻線１７は、ステムピン１４に溶接される前
の給電線１６に摺動自在に嵌合していて、給電線１６が
ステムピン１４に溶接されたのち、ピンセット等により
図示の位置まで移動させられる。

このような構成では、給電線１６のステムピン側端部の
みならず、給電線１６とステムピン１４との溶接部がコ
イル状巻線１７の一部分によって囲繞され、しかも、ス
テムの突起部１３がコイル状巻線１７の他部分によって
覆われるので、電気力線が前記小突起や前記境界付近に
集中することは全くなく、ステム付近における管内スパ
ークの発生が防止される。

また、電子銃電極１５から蒸発した導電性物質がステム
１２のとくに突起部１３０表面に付着することが軽減さ
れるので、ステムビン１４相互間絶縁の劣化も防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の陰極線管の要部断面図、第２図は本考案
の陰極線管の一実施例の要部断面図である。 １１・・・・・・ネック管、１２・・・・・・ステム、
１３・・・・・・突起部、１４・・・・・・ステムピン
１５・・・・・・電子銃電極、１６・・・・・・給電
線、１１・・・・・・コイル状巻線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ネック管端部に封着され内面に突起部を有するステムと
   、前記突起部を貫通するステムピンと、前記ネック管内
   に配置された電子銃電極に一端を溶接した給電線と、前
   記給電線の他端と前記ステムピンとの溶接部を囲繞しか
   つ前記突起部を覆うコイル状巻線とを備えてなることを
   特徴とする陰極線管。