JPS5927769Y2 - 合成繊維たわし

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【考案の詳細な説明】本考案は合成繊維の糸条よりなるたわしの構造に関する
考案である。

合成繊維（以下合繊と称す）を材料とするたわしは、そ
の耐久性と非吸水性、従って即乾性を買われてかなり普
及しているが、それらのものは亀の子たわしく商品名）
状、またはへちま状や管状のもの等従来の洗浄具の形状
、構造から脱却しきれず、また合繊糸条特有の感触に若
干の抵抗が感じられるものであった。

本考案は従来のたわしにない形状と構造を有し、外観が
優美であって、手に握りやすく、シかも洗浄効果の大き
い合繊にたわしを提供することを目的としたもので゛あ
る。

以下本考案の実施例を図面によって説明する。

第１図は本考案のたわしの原材料として多数の合繊糸条
１を同一方向に引揃え、該糸束の両端を合繊ひも２をも
って緊縛した状態を示している。

本考案に用いられる合繊糸条１は、その太さとしては５
０〜１０００テ゛ニールのものが使用可能であるが、そ
のうち２００〜８００テ゛ニールのものが使用時の感触
がよく好ましい。

また該糸条には３〜１０回／吋、好ましくは糸条が相互
にからまりやすい３．５〜８回／吋の捲縮が付与される
。

該糸条の材質は耐久性のある塩化ビニリゾ゛ン系糸条を
最適とするが、塩化ビニルやポリエチレン其他を使用し
てもよい。

第１図のように上記糸条を束ねた状態では、各糸条はそ
の捲縮のためかみ合い、嵩高な球状を呈している。

束ねた糸量と緊縛の間隔の取り方によりたわしの大きさ
を決めることができる。

またラグビー球の如き形状を与えることも可能である。

緊縛のひもは小軸、不銹の金属その他の材料で代替する
ことができる。

第３図の一部断面図は第１図の状態の糸束の側面を１個
所、指先で押拡げ、大体同厚の壁を有する空洞体にした
のち、前記両端の緊縛部３が内部にはいるように裏返し
を行なった状態を、第４図はその外観を示している。

緊縛部３は完全に糸束内部に包埋されている。

第１図の状態でもたわしとしての機能は充分あるが、第
４図の如き形状とすればその形状はまりもの如く、いか
にも優美であり、その全外面がたわしとして使用できる
。

なお、上記の実施例は糸束両端をそれぞれ緊縛したので
緊縛部３は２個所となっているが、第２図の如く糸束を
中央部から折曲げて糸束の両端を１個所で緊縛したもの
を裏返し、緊縛部３を糸束内部に包埋することによって
もほぼ同様のものが得られる。

本考案の合繊たわしは、上記のようにその構造は極めて
簡単で、編織其他技術を要する工程がないので製作容易
であるが、その効果としては、（１）従来のたわしより
も小さい空間を多数有してスポンジの構造に類似するた
め、石けん、洗剤の泡が立ちやすく、洗浄力が大きい。

（２）比較的細くて柔軟な捲縮糸条を使用し、しかも糸
条の端部が表面にはないため、手で掴んだときの感触が
よく、また身体や、弗素樹脂加工の鍋の表面等を傷める
ことがない。

しかも適当な腰の強さを保っている。

（３）ある期間使用後糸束の裏返しを異った位置で行な
うことによって糸束内部の洗滌や、新しい糸条を表面に
出すことができる。

（４）内部の緊縛部３がたわしの芯となって手で掴みや
すい。

（５）たわしの内部に小さい石けん（屑石けん）を入れ
て有効に使用することができる。

等、従来の合繊たわしと異った種々の効果があって極め
て実用的なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の合繊たわしを作る途中の過程を示す斜
視図、第２図は別の実施例の同様斜視図、第３図は本考
案合繊たわしの一部断面図、第４図はこれの外観を示す
斜視図である。１：合繊糸条、２：合繊ひも、３：緊縛部。

【実用新案登録請求の範囲】

２００〜８００デニールで３．５〜８回／吋の捲縮を付
与された合成繊維糸条１よりなる糸束の両端を緊縛し、
該糸束の裏返しにより該緊縛部３を糸束内部に包埋した
構造を有することを特徴とする合成繊維たわし。