JPS59268B2 - 粉体塗装用スプレ−ガン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は粉体塗装用スプレーガンに関するものである。

従来、粉体塗装用スプレーガンにおいては、粉体塗料が
管内を圧送されそして必要に応じてこの内部で帯電され
、そして霧状になつて外部に噴出される。

塗料パターンの調節は、塗料圧送管の前・方に取付けら
れたディフューザーと称される部材の形状を所望塗料パ
ターンに一致させることにより、行われている。例えば
、ディフューザーは噴出方向に広がつた円錐形の透孔を
有し、この透孔の周壁面によつて塗料の霧を干渉制限す
ることに、より、ディフューザーから出てゆく霧は拡散
され所定の塗料パターンをもつようになる。従来の粉体
塗装用スプレーガンの欠点は、デイ、一フユーザ一の透
孔壁面に塗料が堆積し、この堆積物が剥離して被塗物に
付着し「スピツト」と称される欠陥が生じることである
。

また、スプレーパターンを調節するためにはデイフユー
ザ一を交換又はデイフユーザ一の位置を変えなければな
らず甚々厄介である。本発明者は、液体塗料用スプレー
ガンは上述のような欠点をもたないことに着目し、液体
塗料用スプレーガンの構造を粉体塗料用スプレーガンに
採用し本発明に至つたものである。

本発明に係る第１のスプレーガンは、粉体塗料を被塗物
に向かつて霧状に噴出するために圧縮空気源及び塗料供
給源に連通した管体を含んでなるスプレーガンにおいて
、前記管体から噴出された塗料に向かつて圧縮空気を吹
付けることによつて塗料パターンを調節するために圧縮
空気出口を備えた１個以上の函体が附設されてなり、こ
の函体のうち塗料パターンと対向する部分はデイフユー
ザ一を含んでなり、この函体に設けられた１個以上の圧
縮空気出口の軸線は前記管体の中心軸線と交叉しており
且つ前記圧縮空気出口から噴出される圧縮空気流の方向
は前記管体の中心軸に対してほぼ軸対称であるとともに
、前記圧縮空気出口がデイフユーザ一の壁部を貫通して
形成されていることを特徴とする。

本発明の第１のスプレーガンを実施するうえで、従来の
粉体塗装用スプレーガンの一部を改造するだけで残りの
部分はそつくりそのまま使用できる。

したがつて、塗料パターンを調節するための圧縮空気出
口を従来のデイフユーザ一を貫通するように形成しても
よい。この場合デイフユーザ一の一部と函体の一部とを
共用してもよい。また、塗料噴出する管体の一部（外周
面）が函体の一部（壁面）となるように函体と塗料噴出
管体を兼用し、デイフユーザ一と管状体に気密に係合す
る鞘状体によつて形成されることも可能である。本発明
の圧縮空気をさらに効果的に使用する態様は、塗料噴出
管状体と圧縮空気噴出管状体の境界面に、内部空間と導
通しさらに外気に向かつて開放せる圧縮空気流路が設け
られている。

本発明に係る第２のスプレーガンは、粉体塗料を被塗物
に向かつて霧状に噴出するために圧縮空気源及び塗料供
給源に連通した管体を含んでなるスプレーガンにおいて
、前記管体から噴出された塗料に向かつて圧縮空気を吹
付けることによつて塗料パターンを調節するために圧縮
空気出口を備えた１個以下の函体が附設されてなり、こ
の函体のうち塗料パターンと対向する部分は塗料パター
ンと干渉しないような形状を有しこの函体に設けられた
１個以上の圧縮空気出口の軸線は前記管体の中心軸線と
交叉しており且つ前記圧縮空気出口から噴出される圧縮
空気流の方向は前記管体の中心軸に対してほば軸対称で
あるとともに、前記圧縮空気出口がデイフユーザ一の壁
部を貫通して形成されていることを特徴とする。

以下、本発明を図面に基づいてさらに詳しく説明する。

第１図及び第２図は本発明の一態様に係るスプレーガン
の先端部を示すそれぞれ平面図及び縦断面図であつて、
内部に塗料が通過する空間５ａを有するスプレーガン本
体が参照数字５として示されている。

このスプレーガン本体５から粉体塗料を噴出される管体
４が固着されている。粉体塗料は矢印方向に通路５ａ，
４ｂを圧送され、そして電極１２により帯電されそして
先端孔４ａから霧状に模出されて図示されていない被塗
物に向かう。管体４の先端部はノズルとなつており、そ
のノズル部に独立した上半部と下半部からなるデイフユ
ーザ一１が固定されている。本発明による函体２は内壁
２Ｃ１外壁２ｄ１末端壁２ｅ及び突出部２ｆ及びデイフ
ユーザ一１を一体として塗料パターンを調節するように
構成され、その内部は相互に独立した２つの内部空間２
ｂとなつている。また函体２の周壁に形成した鍔部に、
カツプリング３が係合し且つデイフユーザ一１とも係合
して両者を固定している。函体２の内部空間２ｂと導通
し且つ図示されていない圧縮空気供給源と導通する入口
２ａが放射方向に設けられ、この入口２ａは縦断面にお
いて以下に説明される圧縮空気出口１ａと同一平面に位
置している。本発明においては、従来から使用されてい
るデイフユーザ一１の内部に圧縮空気出口１ａをスプレ
ーガンの中心軸に対して上下対称に形成し、後述するよ
うに塗料パターンの調節を行う。この圧縮空気出口は２
個以上でもよく、又は連続したスリツトでもよい。しか
し連続したスリツトは空気の干渉が多いためやや問題が
ある。圧縮空気出口１ａの径は１ないし３１Ｅが好まし
い。また圧縮空気出口１ａの軸線が管体４の中心軸に対
して交叉する角度（α）は大きい方がパターンの調節が
容易である。例えば交叉角度（α）は４５ないし７５で
が好ましい。第１図及び２図に示した本発明に係る第１
のスプレーガンにおいて、塗料パターンを調節するため
の圧縮空気が吹出されない場合の塗料パターンを正面か
ら見ると第３図の如くなる。塗料パターンを調節するた
めの圧縮空気が土下に吹出された場合は塗料パターンは
左右方向に偏平な第４図の如きパターンになる。圧縮空
気の圧力を調節することによりパターンの形状が変化さ
れる。圧縮空気出口が９００間隔で設けられた場合は、
第５図の如く、第４図よりもパターン形状変更の自由度
が大きくなる。なお、第２図に示された縦断面において
は、上半部及び下半部にそれぞれ１個づつの圧縮空気出
口１ａが設けられているが、土半部及び下半部のそれぞ
れにおいて同一縦断面に２個の圧縮空気出口が設けられ
ていると塗料パターンの形状が調節されるほかに塗料の
濃度分布が均一化されるので好ましい。

本発明に係る第１のスプレーガンによると、デイフユー
ザ一ではなく圧縮空気によつてスプレーパターンが調節
されるため、従来のスプレーガンを改造した第１図及び
２図の如きスプレーガンを使用しても、空気がデイフユ
ーザ一から塗料を排除しデイフユーザ一に塗料が堆積す
ることは殆んどなく、したがつて被塗物にスピツトと称
される欠陥が発生しない。

既に説明したように、従来のスプレーガンではデイフユ
ーザ一１の透孔の開き角度β（第２図）によつてスプレ
ーのパターンが調節されてきた。

しかし、本発明によると圧縮空気の作用によりパターン
が調節されるために、圧縮空気が、例えば第５図の如く
４個所以上から吹出されるならば、前方に向かつて開放
せる透孔を有しまた塗料の流れに干渉して抵抗となる邪
魔板状のデイフユーザ一の如き部材を使用する必要はな
くなる。したがつて、あらたに本発明に係る第２のスプ
レーガンの場合は、例えば第６図の如く、デイフユーザ
一に類似する形状を有する部材は無くなる。なお１は函
体２の先端部材であるが、その塗料パターンと対向する
面は塗料パターンと干渉しない形状を有する。この点を
除いて第６図は第１図、第２図と同様の部材は同じ参照
番号を附した図面であり、函体２は圧縮空気が導入され
る内部空間２ｂを規定し、内部空間２ｂは環状の１個の
空間であり、管体４から噴出された塗料パターンの調節
は、圧縮空気出口１ａから流出する空気圧力、流量など
を適切に調節することにより、可能である。特に被塗物
の形状が複雑な場合には塗料パターンを自在に調節して
塗料の塗着効率が高められるため、本発明の効果は非常
に大きい。本発明のさらに好ましい態様によると、第７
図及び８図に示される如く、圧縮空気が送り込まれる函
体２を規定する一部材６（第２図の部材２ｃと対応する
）と、塗料噴出用管体４の間に同心円状に環状間隙１０
が形成されており、圧縮空気出口６ａこの環状間隙１０
のほぼ真中に開口する圧縮空気出口６ａが形成され、こ
の圧縮空気出口６ａの先端は塗料噴出用管体４とデイフ
ユーザ一１の機能をもつこともある環状部材境界面に開
口し且つ管体４の軸線に対して角度αで傾斜している。

また塗料噴出用管体４の先端は上記角度γとほぼ一定角
度をなして、先細りとなつている。上記環状間隙１０の
圧縮空気出口６ａ外気に対して開放されこれと反対部分
は行止まりになつている。圧縮空気出口６ａは第７図か
ら明らかな如く対称的に６個設けられている。圧縮空気
出口６ａは先に説明したパターン調節用空気噴出孔１ａ
より径が、好ましくは５０〜７５％程度、小さくしたが
つて圧縮空気出口６ａから流出する空気流量は圧縮空気
出口１ａのそれより低くなる。以上の如き構成によると
、塗料噴出用管体４の先端に向かつて低流量の空気が圧
縮空気出口６ａから吹付けられるために管体先端に塗料
が付着しない。

この効果を一層発揮するために、圧縮空気出口６ａの傾
斜角度γと実質的に一致するように管体４の端面が傾斜
しており、且つ両者の傾斜面が実質的に同一平面に位置
するように、管体の先端が尖がつていることが好ましい
。このようにすると、管体４の先端は低流量の空気で絶
えずクリーニングされる。圧縮空気出口６ａから送出さ
れる空気の効果をさらに徹底させるために環状間隙１０
に行止まりが設けられている。この行止まりで空気はボ
ルテツクス状態になり一層クリーニング効果を高めるこ
とが期待される。以上、本発明の好ましい態様について
記述したが、これらの記述に基づいて当業者は特許請求
の範囲内において記述の態様を変更し拡張しうることは
いうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一態様に係るスプレーガンの先端部の
正面図、第２図は第１図のスプレーガンの縦断面図、第
３図、４図及び５図は塗料パターンの横断面図、第６図
及び第７図は他の具体例に係るスプレーガンの縦断面図
、第８図は第７図のスプレーガンの部分正面図である。 １・・・・・・デイフユーザ一又は函体の先端部材、１
ａ・・・・・・圧縮空気出口、２・・・・・・函体、２
ａ・・・・・・入口、２ｂ・・・・・・内部空間、２ｃ
・・・・・・内壁、２ｄ・・・・・・外壁、２ｅ・・・
・・・末端部、２ｆ・・・・・・突出部、３・・・・・
・カツプリング、４・・・・・・管体、４ｂ・・・・・
・通路、５・・・・・・スプレーガン本体、６ａ・・・
・・・圧縮空気出口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 粉体塗料を被塗物に向かつて霧状に噴出するために
   圧縮空気源及び塗料供給源に連通した管体を含んでなる
   スプレーガンにおいて、前記管体から噴出された塗料に
   向かつて圧縮空気を吹付けることによつて塗料パターン
   を調節するために圧縮空気出口を備えた１個以上の函体
   が附設されてなり、この函体のうち塗料パターンと対向
   する部分はディフューザーを含んでなり、この函体に設
   けられた１個以上の圧縮空気出口の軸線は前記管体の中
   心軸線と交叉しており且つ前記圧縮空気出口から噴出さ
   れる圧縮空気流の方向は前記管体の中心軸に対してほぼ
   軸対称であるとともに、前記圧縮空気出口がディフュー
   ザーの壁部を貫通して形成されていることを特徴とする
   粉体塗装用スプレーガン。 ２ 前記管体の先端部と前記函体の間において、該管体
   を取囲むように形成された環状間隙に開口するように、
   別の圧縮空気出口が前記函体に形成されていることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載のスプレーガン。 ３ 粉体塗料を被塗物に向かつて霧状に噴出するために
   圧縮空気源及び塗料供給源に連通した管体を含んでなる
   スプレーガンにおいて、前記管体から噴出された塗料に
   向かつて圧縮空気を吹付けることによつて塗料パターン
   を調節するために圧縮空気出口を備えた１個以上の函体
   が附設されてなり、この函体のうち塗料パターンと対向
   する部分は塗料パターンと干渉しない形状を有し、この
   函体に設けられた１個以上の圧縮空気出口の軸線は前記
   管体の中心軸線と交叉しており且つ前記圧縮空気出口か
   ら噴出される圧縮空気流の方向は前記管体の中心軸に対
   してほぼ軸対称であるとともに、前記圧縮空気出口が前
   記函体の壁部を貫通して形成されていることを特徴とす
   る粉体塗料用スプレーガン。 ４ 前記管体の先端部と前記函体の間において、該管体
   を取囲むように形成された環状間隙に開口するように、
   別の圧縮空気出口の残部が前記函体に形成されているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第３項記載のスプレーガ
   ン。