JPS5926137Y2 - 油浸形電磁操作弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は可動鉄芯を作動油に浸漬した油浸形の電磁操作
弁に関する。

従来のこの種弁は、第２図に示すように弁筺ａの内方に
ポー１−ｂ、 Ｃ，ｄを介してポンプ、アクチュエー
タ等に接続される室ｅ、 ｆ、 ｇとその両外方に
ポー）ｈを介してタンクに接続される室ｉ、 ｉを形
成し、これらの室ｅ、 ｆ、 ｇ、 ｉ、 ｉ
を貫通してスプールｊを摺動自在に設け、該弁筺ａの両
側に前記室ｉ、ｉに連通された油浸室ｋを備えたチュー
ブ１． ｌを設けてこれにソレノイドｍに吸引される
可動鉄芯ｎを収容し、該ソレノイドｍの励磁で可動鉄芯
ｎのロッドＯがスプールｊの端部を押圧すると室ｅ又は
ｇと室ｉが連通されるを一般とする。

この型式のものは乾式の電磁操作弁即ち可動鉄芯を作動
油のない室内に設ける式のものに較べ、スプールを押圧
作動させる可動鉄芯のロッドの周囲に可動鉄芯の室内へ
の作動油の侵入を阻止するシール部材を設ける必要がな
いのでシール部材による摺動抵抗がなく、従って可動鉄
芯の作動力をそのままスプールに伝達出来る特徴を有す
るが、この油浸形のものは室ｅ又はｇの圧縮された圧力
流体が室ｉのポー）ｈから流出する際、該ポー）ｈから
タンクまでの管路抵抗により発生する異常に高いサージ
圧力が室ｉと連通したチューブｌの油浸室ｋに瞬間的に
伝播し、該チューブｌが破損する事故を生ずることがあ
った。

この破損事故はチューブｌの厚味を増し、その耐圧強度
を増大させれば一応解決し得るのであるが、その反面ソ
レノイドｍの可動鉄芯ｎに対する吸磁力が弱くなる不都
合を生ずる。

本考案の目的は油浸形の電磁操作弁の可動鉄芯を収容し
た油浸室を構成するチューブが流体圧力により破損され
ずしかも該チューブを該可動鉄芯に作用するソレノイド
の吸磁力を余り弱めぬ程度の厚さのもので形成すること
にある。

かかる目的を達成すべく本考案では弁筺の内方にポンプ
、アクチュエータ等に連らなる室を形成するとともにそ
の両側外方にタンクに連らなる室を形威し、これら内外
の室を貫通してスプールを摺動自在に設け、該弁筺の両
側に前記タンクに連らなる室と連通ずる油浸室を備えた
チューブを設けてこれにソレノイドに吸引されて該スプ
ールを押圧する可動鉄芯を夫々収容したものに於て、該
弁筺と該スプールとで前記タンクに連らなる室と油浸室
とを区画する瞬間的圧力伝播遮断部を構威し、各チュー
ブの各油浸室を連絡通路を介して互に接続する構成とし
た。

この構成で一方のソレノイドが励磁され、可動鉄芯がス
プールを押圧摺動し、サージ圧がタンクに連らなる室に
発生しても瞬間的圧力伝播遮断部がタンクに連らなる室
と油浸室との間を遮断するので油浸室にサージ圧が伝播
することがない。

従って該油浸室を形成するチューブを薄いもので作って
も破損せず、チューブを薄くすることで可動鉄芯を作動
するためのソレノイドの吸磁力か゛強くなる。

本考案の実施例を図面第１図につき説明すると、符号１
は電磁操作弁の弁筺、２は該弁筺１の内方に形成したポ
ンプ、アクチュエータ等に連らなる室、３，３は該ポン
プ等に連らなる室２の外方両側に夫々形成したタンクに
連らなる室を示し、これら内外の各室２．３．３を貫通
してスプール４が摺動自在に設けられる。

該弁筺１の両側にはタンクに連らなる室３と連らなる油
浸室５を備えたチューブ６、．６が設けられ、各チュー
ブ６．６にはその外周のソレノイド７に吸引されて該ス
プール４を押圧する可動鉄芯８が夫々収容される。

９は該弁筺１と該スプール４とで構成されタンクに連ら
なる室３と油浸室５とを区画する瞬間的圧力伝播遮断部
、１０は各チューブ６．６の各油浸室５，５を互に接続
する連結通路である。

室２はポート１１を介してポンプ連らなる室２ａと、ボ
ー） １２．１３を介してアクチュエータに連らなる室
２ｂ、２Ｃの３室で構成し、これら３室２ａ、２ｂ、２
Ｃを狭むようにその両側外方に室３．３が配置される。

各チューブ６は弁筺１の両側に設けたロッドガイド１４
，１４にその内部に可動鉄芯８を収容して気密に取付け
され、各可動鉄芯８から延長形成されたロッド１５，１
５が前記ロッドガイド１４の透孔１６を介してスプール
４の両端部１７．１７に当接せしめられる。

１８，１８は該両端部１７゜１７とロッドガイド１４．
１４との間に設けられたスプール４を中立位置に保持す
るためのばねを示し、連絡通路１０．１０はそのばね室
１９．１９間に形成される。

スプール４の両側には大径のランド部２０、２０を形成
し、これを弁筺１の透孔部２１．２１に挿入させること
により、遮断部９が構成されるが、該ランド部２０と透
孔部２１の間隙を約２０μ以下にするとともに両部２０
．２１の重合部分の長さを数ｍｍ以上になるように形成
すれば室３から油浸室５への瞬間的流体圧力の伝播を阻
止出来る。

各チューブ６の外側にソレノイド７が設けられその１方
のソレノイド７が励磁されると、それまで左右のばね１
８，１８により中立位置を保持していたスプール４がロ
ッド１５を介して作用する可動鉄芯８に押されて左右一
方に摺動される。

この作動により外方のタンクに連らなる室３は室２ｂ又
は２Ｃに連らなり室３にサージ圧が発生するが、該サー
ジ圧は遮断部９により遮ぎられてチューブ６の油浸室５
内に伝播することがない。

また可動鉄芯８，８の出没による油浸室５，５の圧力の
変化即ち突出側の鉄芯８を収めた油浸室５の低圧化と没
入側の鉄芯８のを収めた油浸室５の高圧化は連絡通路１
０により互に同圧化すべく補償されスプール４が円滑に
作動する。

このように本考案によるときは弁筺１とスプール４とで
弁筺１内のタンクに連らなる室３とチューブ６の油浸室
５とを区画する瞬間的流体圧力伝播遮断部９を構成した
のでタンクに連らなる室３のサージ圧はチューブ６の油
浸室５に作用せず、該チューブ６がサージ圧により破損
する恐れがなく、またチューブ６を薄手のもので形成で
きるのでソレノイド７の可動鉄芯８に対する吸磁性が向
上し、可動鉄芯８の作動力を増大させ得るとともに、両
側のチューブ６．６の各室５，５を通路１０で接続した
ので、スプール４の作動に際して油浸室５，５の圧力が
均一化され、スプール４が円滑に作動出来ろ等の効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案弁の実施例の裁断側面図、第２図は従来
例の裁断面図である。 １・・・弁筺、２・・・ポンプ等に連らなる室、３・・
・タンクに連らなる室、４・・・スプール、５・・・油
浸室、６・・・チューブ、７・・・ソレノイド、８・・
・可動鉄芯、９・・・遮断部、１０・・・連絡通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁筺の内方にポンプ、アクチュエータ等に連らなる室を
   形成するとともにその両側外方にタンクに連らなる室を
   形威し、これら内外の室を貫通してスプールを摺動自在
   に設け、該弁筺の両側に前記タンクに連らなる室と連通
   ずる油浸室を備えたチューブを設けてこれにソレノイド
   に吸引されて該スプールを押圧する可動鉄芯を夫々収容
   したものに於て、該弁筺と該スプールとで前記タンクに
   連らなる室と油浸室とを区画する瞬間的圧力伝播遮断部
   を構威し、各チューブの各油浸室を連絡通路を介して互
   に接続して成る油浸形電磁操作弁。