JPS5925559Y2 - 横形成形ロ−ルスタンド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ロール高さの調整が容易で、且調整後確実に
これを固定することの出来る、比較的小径管の造管用の
横形成形ロールスタンドに関する。

造管工程の、その概要は第１図の系統図に示される如き
ものである。

帯板状素材のコイルＡが、アンコイラ−Ｂに装着され、
ガイドロールＣを経て、成形ロール群りに入り平板状断
面の素材が徐々に円管状に成形され、次にエツジ加熱装
置Ｅによってエツジ部を加熱し、スクイズロールＦによ
ってエツジ部を押しつけ溶着し、冷却装置Ｇで溶接部を
冷却後ビード切削機Ｈで管外径の溶接ビードを一様な円
面に切削仕上げ、サイジングロール群■によって所定の
寸法形状に整形され、最後に切断機Ｊにより管の長さを
所定の寸法に切断し、製品となるものである。

第２図は帯状から管状になる一連の素材の形状とスクイ
ズロールＦにおける加圧の形を示す。

上記工程において、成形ロール（成形ロール群、サイジ
ングロール群、スクイズロールに属するものを含む）に
は、Ｋの如き縦形ロールとＬの如き横形ロールとがある
が、何れも連続的に素材を加工するものであるから、管
の品質を保持するためには、各ロール間中心位置を同一
線上にあるように調整することが必要である。

上記ロール間中心位置調整のために、従来の横形成形ロ
ールスタンドは、第３図に示される如き構造を有するも
のであった。

第３図は、従来の横形成形ロールスタンドの正面（２つ
のロール軸中心線を含む面による）縦断面図で、ロール
１及び１′は、ロール水平位置調整駒２及び２′上に固
定されたロール軸３及び３′に、ボールベアリング４及
び４′を介して夫々嵌装されている。

然して、前記ロール水平位置調整駒２及び２′は、ロー
ルスタンドのベース５の上部の枠内の平面床６上に長手
方向（両軸中心を結ぶ方向）に滑動可能に設けられてお
り、その中央部を１本のロール軸間距離調整ネジ７によ
って貫通され、これと螺合している。

上記螺合部の夫々のネジの切り方は互に反対であり、ロ
ール軸間距離調整ネジ７を１つの方向に回転する場合、
ロール水平位置調整駒２及び２′は互に反対方向に移動
するようになっている。

８はロール間中心位置調整ネジで、９は該調整ネジ８を
固定するためのロックナツト、１０は上記調整ネジ８の
１端に軽く接しロックナツト１１によって前記ロール軸
間距離調整ネジ７と１体に固定される目盛板付き調整ナ
ツトである。

ロール間中心位置調整ナツト８は、その内側にロール軸
間距離調整ネジ７を嵌装し、その外側はロール水平位置
調整駒２及び２′を収容する枠の長平方向の１端に螺合
されており、これを回転することによりロール水平位置
調整駒２及び２′を１様に水平同一方向に移動させ、従
ってロール間中心位置を水平方向に移動させる。

１２及び１２′は高さ調整用ライナーで、１３及び１３
′はその厚さを変えてロール高さの微細な調整を行うた
めのロール胴付部のカラーである。

上記の構造により明かなように、従来の横形成形ロール
スタンドにおいては、ロール軸間距離調整ネジ７及びロ
ール間中心位置調整ネジ８を各個に操作することにより
、ロール軸間距離及び中心位置の調整は可能であったが
、これは共に水平方向の調整であって、垂直方向即ちロ
ール中心高さの調整機構を有しないために、ロールスタ
ンドのベース５の下部にライナー１２及び１２′を入れ
て高さの調整を行っていたものである。

然し、ロールスタンドは重量が重く、又取付はボルトの
締付は具合によっても高さが変るために、高さ判定は取
付ボルトの締付は後に行わなければならず、従って取付
はボルトを締付けたり緩めたり、ライナーを変えてロー
ル高さを測定して見ては再びライナー調整を繰返すとい
うように、非常に手数を要するものであった。

本考案は、前述の横形成形ロールスタンドの欠点を除き
、ロール位置の水平方向の調整を行う機構を有すると共
に、高さ調整を容易に且確実に行い得る機構をも備えた
横形成形ロールスタンドを提供するものである。

次に本考案の横形成形ロールスタンドの構造を、実施例
により、図面に従って説明する。

第４図は本考案のロールスタンドの、第３図と同様な正
面縦断面図で、第５図は第４図のＡ−Ａ断面を示す図で
ある。

図において１２．１２’を除き１，１′乃至１３．１３
’は第３図と同じものを示す。

１４はガイド枠（上スタンド）であって、その内部にロ
ール水平位置調整駒２及び２′を長手方向に水平に滑動
可能に収容する駒収容室１５を有し、該室の水平な平面
床１６上に上記調整駒２及び２′を支持する。

又ガイド枠１４はその長手の両端部に脚部１７を有し、
該脚部１７の下部には複数のガイドピン用孔１８を設け
（例としてガイド枠の正面及び側面の対称位置４隅に計
４箇）ベース５の上部に設けられた複数のガイドピン１
９に上下に滑動可能に嵌合しである。

上記の各部分の配置関係は、ガイド枠１４の駒収容室１
５の平面床１６を従来装置におけるベースの上部枠内の
平面床６と同一視すれば、従来装置と変りなく、即ち本
考案においても、ロールの水平方向の調整は、従来と同
様に、ロール軸間距離調整ネジ７及びロール間中心位置
調整ネジ８を各個に操作することにより、ロールに直結
するロール水平位置調整駒２及び２′を水平反対方向に
移動させ或いは水平同方向に移動させることにより容易
に行うことが出来る。

尚、２０はロール水平位置調整駒２及び２′を調整位置
に固定するためのストッパーで、２１は該ストッパーを
締付は或いは緩めるためのストッパー締付ボルトである
。

本考案のロールスタンドにおいては、上記の如くロール
位置の水平方向の調整機構を有する外に、高さ方向の位
置調整機構を有することが優れた特徴をなすもので、そ
の構成は以下の如くになっている。

前記の如くガイド枠１４は、その駒収容室１５内、平面
床１６上にロール水平位置調整駒２及び２′を介してロ
ール１及び１′を支持するものであるが、前記平面床１
６の下面には、長平方向に緩徐な傾斜をなす■字形断面
の楔面を有する（ロール軸間の中心に稜線を有する）ロ
ール高さ調整用楔２２が固定して設けられ、又該楔の下
方、ベース（下スタンド）５の平面床６上のロールスタ
ンド長手方向中心線上には長いガイドキー２３が固定さ
れ、然して該ガイドキー２３上に滑動可能に跨がって、
２箇のロール高さ調整用駒２４及び２４′が内側に向っ
て前記ロール高さ調整用楔２２の傾斜と同じ傾斜を上面
に有するように左右対称に設けられ、上面を前記ロール
高さ調整用楔２２の傾斜面に滑動可能に接して、該ロー
ル高さ調整用楔２２を（従ってロールを支持しているガ
イド枠１４を）ベース５の平面床６上に支持している。

前記ロール高さ調整用駒２４及び２４′は、その中央部
を長手方向に１本の水平なロール高さ調整ネジ２５（そ
の軸中心線は両ロール軸中心線を含む平面上にある）に
よって貫通され、該ネジ２５の１端はベース５の１端の
近くに設けられたネジ受は部２６によって回転可能に支
持されている。

然して、前記ロール高さ調整ネジ２５はロックナツト２
７によってこれと一体に固定可能とされる目盛付調整ナ
ツト２８を備え、又前記ロール高さ調整用駒２４及び２
４′を貫通する部分は夫々反対に切られたネジ２９及び
２９′によって該駒２４及び２４′と螺合している。

上記の如き本考案のロールスタンドの構造によれば、ロ
ール高さ調整ネジ２５を外部から操作回転させることに
より、これと螺合するロール高さ調整用駒２４及び２４
′が、ネジ２５の回転方向によって、該ネジに沿い前記
ベースの平面床６及びガイドキー２３上を滑りながら互
いに或いは近より或いは遠ざ゛かる。

然してロール高さ調整用駒２４及び２４′が互に近よる
場合にはロール高さ調整用楔２２は該駒２４及び２４′
により楔作用１こよって押上げられ、即ち前記ガイド枠
１４従ってロール１及び１′が上方に移動し、駒２４及
び２４′が互に遠さ゛かる場合には上記と反対にロール
は下方に移動する。

このロールの上下移動は、前記ガイド枠の脚部１７の下
部に設けられたガイドピン用孔１８とこれに精度よく嵌
合しているベース上のガイドピン１９によって導かれ、
垂直方向にスムーズに行われる。

更に、本考案の横形成形ロールスタンドは、前述のロー
ル高さ調整機構に加えて次に述べるようにロール高さ調
整を行い易くし且調整後確実にロックを行うための機構
を備えるものである。

第４図及び第５図の３０は前記ガイド枠のロール水平位
置調整駒の収容室１５の平面床１６上の中心部に設けら
れたバネ受けの凹所３１に挿入されたコイルバネである
。

３２は第６図の斜視図に示される如きバネ押えで、その
頂部３３はコイルバネ頂部にかぶさり、２つの平行な脚
板３４を有し、該脚板３４は、前記バネ受けの凹所３１
の両側の位置で前記ガイド枠の平面床１６、ロール高さ
調整用楔２２、ベースの平面床６の３者を垂直に貫通す
るように切られた孔３５に滑動可能に挿通され、その下
部はベースの平面床６の下方に突出している（形状は丸
でも角でも任意である）。

該バネ押え３２の下部はピン３６によって貫通され、ピ
ン３６の両端は割りピン３７によって止められている。

該ピン３６とベースの平面床６の下面との間には長手方
向にガイド枠ロック用楔３８が挿入され、該楔３８の厚
さのうすい側の１端のネジ受は部３９には、ベースの脚
部４０を長手方向に挿通してこれに支持されているガイ
ド枠ロック用ネジ４１が螺合されている。

上記の如き構造によれば、コイルバネ３０は常にガイド
枠の平面床１６をおし下げる作用をなし高さ調整を行い
易くシ、又コイルバネ３０が強く圧縮されるときはバネ
押え３２の頂部３３の下縁４２（前記の孔３５に直角を
なす）が前記平面床１６の上面に当る。

然して、前記ガイド枠ロック用ネジ４１を左或いは右に
回転することにより、これと螺合されているガイド枠ロ
ック用楔３８は、コイルバネを緩め或いは圧縮しながら
ガイド枠とベースを緩め或いは締付ける方向に作動する
。

楔締付けの最終段階においては前記バネ押え３２の頂部
の下縁４２がガイド枠の平面床１６上に当るので、ガイ
ド枠１４は前述のロール高さ調整用の部品（２２，２４
，２４’）を間にはさんでベース５上に確実に楔止され
る。

本考案の横形成形ロールスタンドのロール位置の調整を
行うには、先ずストッパー締付ボルト２１を緩め且ロッ
クナツト９を緩めてロール間中心位置調整ネジ８を回転
させると、ロール軸間距離調整ネジ７全体をロール水平
位置調整駒２及び２′と１体のよ・移動させてロール間
中心位置を容易に調整することができ、同しくストッパ
ー締付ボルトを緩めた状態でロール軸間距離調整ネジ７
を回転させるとロール水平位置調整駒２及び２′の相互
間の距離を変化させることによりロール軸間距離の調整
を行うことが出来る。

以上の調整後、前記のロックナツト、ス）−ツバー締付
ボルト等を締付けてロールの水平位置を固定し、次に、
ガイド枠ロック用ネジ４１を回転させてガイド枠ロック
用楔３８を緩めてロックを解き、ロール高さ調整ネジ２
５を回転させると、その回転方向によりロール高さ調整
用駒２４及び２４′は互に遠さ゛かり或いは近より、ガ
イド枠１４はその自重及びコイルバネ３０の圧力により
下方に下り、或は押上げられる。

このようにして所望のロール高さに調整した後、ガイド
枠ロック用ネジ４１をガイド枠ロック用楔３８を締付け
る方に回転させ、バネ押え３２のピン３６を下方に引張
って、ガイド枠１４をベース５に締付けてロックして調
整を完了する。

以上述べた本考案の横形成形ロールスタンドは、ロール
位置の調整において、 （１）楔効果を利用し、且ネジによって駒を送る構造を
とっているので、ロール高さの調整が極めて容易である
。

（２）ガイド枠はバネによって常に下方に押付けられて
いるために、高さ調整を極めてスムーズに行うことが出
来る。

（３）調整後は確実にロックされ、造管作業中高さの変
化することはない。

（４）ロール高さ調整用ネジにも目盛付調整ナツトを備
えるので、高さの微調整も容易である。

（５）高さ調整がライナー等の調整とちがい、同一方向
で高さ調整、ロックの作業が出来る。

等の多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は造管工程の概略を示す系統図、第２図は帯状か
ら管状への加工状態図、第３図は従来の横形成形ロール
スタンドの正面縦断面図、第４図は本考案の横形成形ロ
ールスタンドの正面縦断面図、第５図は第４図のＡ−Ａ
断面を示す図、第６図は本考案のロニルスタンドのバネ
押えの斜視図である。 Ｄ：成形ロール群、Ｆニスクイズロール、■：サイジン
グロール群、Ｌ：横形ロール、１，１’：ロール、２．
２’：ロール水平位置調整駒、３．３’：ロール軸、４
．４’：ボールベアリング、５：ベース、６：ベースの
平面床、７：ロール軸間距離調整ネジ、８：ロール間中
心位置調整ネジ、１０：目盛板付調整ナツト、１４ニガ
イド枠、１６：ガイド枠の平面床、１７：ガイド枠の脚
部、１８ニガイドピン用孔、１９ニガイドピン、２０：
ストッパー、２１：ストツパー締付ボルト、２２：ロー
ル高さ調整用楔、２３ニガイドキー、２４．２４’ ：
ロール高さ調整用駒、２５：ロール高さ調整ネジ、２８
：目盛付調整ナツト、３０：コイルバネ、３２：バネ押
え、３４：バネ押えの脚板、３６：ピン、３８ニガイド
枠ロツク用楔、４０：ベースの脚部、４１ニガイド枠ロ
ツク用ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロール成形機の被成形材の流れ方向に直交し、被成形材
   を左右から挟締して成形する横形成形ロールスタンドの
   ロールを取付ける左右のロールブロックを収納する上ス
   タンド底部にＶ字形楔をもうけ、該楔の傾斜と同じ傾斜
   を対称的になす２個の上下調整用移動駒を該楔の下部に
   配し、該２個の移動駒の間隔を調整可能ならしめるよう
   にして前記楔上に配されたロールを含む部材を上下動可
   能ならしめる横形成形ロールスタンドにおいて、ロール
   ブロックを収納する該上スタンドと、上下調整用談移動
   駒を摺動させる下スタンドに垂直に孔を切り、該上スタ
   ンド上にコイルバネを配置し、コイルバネ上よりコイル
   バネを収容するバネ押えの２個の脚部を前記孔に通し、
   下スタンドの床下にまで達せしめ、前記脚部の下端をピ
   ンにて結合し、該ピンと下スタンドの間に傾斜をもった
   ロック楔を介在させ、該ロック楔を移動させることによ
   り、前記ピンと下スタンド間の距離を変化させ、ピンに
   よりコイルバネの押し圧力を変え、上下調整用上スタン
   ドを下スタンドに安定させ、尚且つ、全ての調整ネジを
   ロールスタンドの一方向面に集約したことを特徴とする
   横形成形ロールスタンド。