JPS5925492Y2 - 汚濁液清浄化装置

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【考案の詳細な説明】この考案は一般に、油圧シリンダ、軸受等の機械部品を
超音波で洗浄する装置に関する。

機械部品は長時間の使用後、摩耗や外部から入り込んだ
スラッジによって、汚れを生じ、スラッジ中の鉄粉や砂
によって部品の動作に円滑さを失ない、その機能を果さ
なくしている。

超音波洗浄はこれらの洗浄に好効果を発揮している。

しかし、これらスラッジによって溶剤が汚されてしまう
ので、常にフィルタで液を濾過して使用する。

しかし、フィルター法ではすぐフィルターに目詰りを起
してしまい、フィルターの交換に手間がかかりすぎる欠
点がある。

又フィルターの目を粗くするとスラッジの粒径の大きな
ものまで通過するからフィルターを入れた意味がなくな
る。

他の蒸溜法や遠心分離法もあるが、かなりの動力を必要
とする。

本案はフィルターを使用せずしかも、従来必要とした動
力の数分の１で溶剤を回収可能な装置を提供するもので
特にサイクロン装置と沈澱槽とを有効に活用するもので
ある。

以下実施例によりこれを説明する。

図において、１は超音波洗浄槽であって被洗浄部品２，
２．２がかご３に収納されてローラチェーン装置４で搬
入される。

５は槽内に入れられた石油系溶剤である。

６は槽底に取付けられた超音波振動子である。

７は汎用されているサイクロンであってその流入口には
超音波洗浄槽１の汚れた溶剤がポンプ８で送り込まれる
。

９は圧力計である。サイクロン下部の流出口１０はバン
カー１１に通じている。

１２はバンカーの下部取出弁である。１３は沈澱槽であ
って、バンカー１１の小出用弁１４から溶剤５の一部が
取込まれる他、サイクロン７の内筒１５から洗浄槽１に
清浄液が移送される途中でその一部が側路弁１６によっ
て取込まれる。

１７は沈澱物の取出口用弁である。

１８はポンプ８の液をサイクロン７又は沈澱槽１３に選
択的に移送する切換弁である。

１９は洗浄槽１の液を沈澱槽１３へ移送するか又は沈澱
槽１３の上澄液を洗浄槽１へ移送するかの切換弁である
。

上記装置において、洗浄により部品の鉄粉や砂で汚れた
洗浄槽中の溶剤はポンプ８により切換弁１８を介して実
線矢印のようにサイクロン７に送られる。

溶剤はサイクロン中で遠心力を与えられて比重の大きい
スラッジがサイクロン内壁を下方へ沈降してバンカー内
に送り込まれる。

サイクロン下部で上部方向に圧力を受けた比重の小さい
清浄液は上昇流となってサイクロン内筒１５から外部へ
噴出され超音波洗浄槽へ移される。

ところでサイクロンにより分離できるスラッジの粒径に
は限界がある。

すなわち、分離限界粒子ｄｓは、ｇ：重力刃ロ速度９．８ｍ／Ｓ’ ｕ：ｇ体の粘度 γＳ：スラツジの比重量 μ。

：サイクロン入口での流速γ、：サイクロンの内半径 γ２：サイクロン内筒半径ｈｉ：バンカー上端から内筒下端筐での高さγ。

：サイクロン入口の内半径となり、サイクロンの各部機
械寸法によって決まる。

限界粒径を下げると損失抵抗が増大するため、サイクロ
ン自体の粒径はある程度以下に出来ない。

沈澱槽１３はこれを解決するものである。

すなわち、沈澱槽１３へはサイクロン１３のバンカー上
部に設けた小出口からとサイクロン内筒により取出した
溶剤の一部を側路させるものと２種設けている。

弁１４と弁１６とがそれである。このようにすると、側
路弁１６からはサイクロン７の分離限界粒径以下の微小
なスラッジを含んだ液が沈澱槽へ流入し、小出口弁１４
からはサイクロンの分離限界粒径以上のスラッジを含む
液が沈澱槽へ流入する。

しかも、小出口弁１４から液を噴出させることによって
、サイクロン内のスラッジの沈降速度を増大し分離効果
を高めることが出来る。

なお、点線路で示すように、ポンプ８によって洗浄槽１
の液をサイクロン７に移す場合、サイクロン側の許容流
入量を越えた分は超音波洗浄槽１に戻すために側路２０
を設けても良い。

本案で洗浄の対象となる機械部品のスラッジは殆んどが
鉄粉である。

液の比重が０．７７であるのに比し鉄のそれが７．８５
とかなり差がある点に着目すると、沈澱によるスラッジ
の分離効率は高い。

本案は、終業後洗浄槽の全ての液を沈澱槽へ移送し、翌
日の始業時まで沈澱させて、スラッジの分離を行なうも
のである。

すなわち、終業後切換弁１８と１９を点線矢印側に切換
えてポンプ８を運転する。

これにより、洗浄槽１のスラッジを含む液は全部沈澱槽
１３に移送される。

沈澱槽１３の液面はＡからＢに上昇する。前述の通りス
ラッジの比重はかなり大きいので一晩で液中のスラッジ
は殆んど沈澱する。

始業前に、切換弁１９を洗浄槽側に切換えると洗浄槽と
沈澱槽との自然落差により自動的に沈澱槽１３の上澄液
が洗浄槽１に移送される。

以上説明したように、本案では沈澱槽１３はシステム運
転中の沈澱槽としての機能の他に、システム休止時の沈
澱槽としての機能を併せ持つので、常に沈澱槽を休みな
く活用することができる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本案装置の系統図である。１・・・・・・超音波洗浄槽、２・・・・・・被洗浄物
、６・・・・・・超音波振動子、７・・・・・・サイク
ロン、９・・・・・・圧力計、１１・・・・・・バンカ
ー

【実用新案登録請求の範囲】