JPS5925258Y2 - クツシヨン性を調整しうるシ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、シート、特に自動車用のシートの改良に関す
るものであり、シートクッションのクッション性を、選
択的に硬くしうるシートを提作することを目的としてい
る。

従来のシートクッションは、製作時のクッション性を調
整することができず、より硬いクッション性を好むとき
にも、また自動車用シートにおいては悪路の走行時とか
、急旋回時等に着席者の上体の振れを防止し、ホールド
性を向上させたくとも、その要求をみたし得ぬ欠点があ
った。

本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載する構成とす
ることにより、上述のごとき欠点のないシートを得たも
のである。

本考案が適用しつるシートは、第１図に示されるように
、シートクッションの３字ばね等の支承ばね１が張設さ
れている上梓縁体２が、前後縁において、３字ばねより
なるフィッシュマウス３，４によりシートクッションフ
レームを兼ねる下枠縁体５に支持され、シートクッショ
ンの弾褥部材を形成しているシートである。

上述の構成の弾褥部材は、フィッシュマウス３゜４群の
作用により、上梓縁体２が上下、左右、前後に比較的大
きな運動の自由度を有し、シートクッションのソフトな
りッション特性を発現しているが、この自由度の大きい
ことが、前述のように着席者の上体の振れを大きくした
り、ホールド性に欠けたりする原因をなしている。

第１図に示す実施例では、上梓縁体２の少なくとも４隅
部６，７．８．９に臨む前記シートクッションフレーム
側１０，１１．１２．１３に、上下方向に貫孔を有する
ガイド筒１４，１５，１６．１７を固定し、これに保持
杆材１８，１９，２０．２１が上下動自在に嵌挿されて
いる。

この保持杆材１８〜２１には、上端に二叉状の把持部２
２，２３，２４．２５が設けられている。

また各保持杆材１８〜２１の下端には、第２図、第３図
に明示されるようにフランジ２６．２７が設けられ、前
記シートクッションフレームを兼ねる下枠縁体５との間
にコイルばね２８ 、２９を縮設されており、このコイ
ルばね２８，２９の弾力により各保持杆材１８〜２１は
常時下降勢力を付勢されている。

上述の各保持杆材１８〜２１は、フランジ２６．２７の
下面で、カム部材３０．３１に当接せしめられている。

図示例では、左側の保持杆材１８，２１の組立、カム部
材３０に当接し、右側の保持杆材１９，２０の組はカム
部材３１に当接せしめられている。

各カム部材３０．３１は同一構造であり、その構造をカ
ム部材３０につき説明するに、第２図、第３図に示され
るように大径のカム部３２．３３と、小径のカム部３４
．３５とを有し、第２図に示される如く、大径のカム部
３２ 、３３に保持杆材１８，２１のフランジ２６．２
７の下面が当接したとき、該保持杆材１８，２１は上昇
位置に扛上され、上端の把持部２２，２５が上枠線体２
に当接し、その二叉状部で上枠線体２を確実に把持、固
定する。

また、フランジ２６．２７の下面が小径のカム部３４
、３５に当接したときは、保持杆材１８，２１は下降位
置に、コイルばね２８ 、２９で押し下げられ、上端の
把持部２２．２５は、上枠線体２から、下方へ十分に離
間した位置に導かれる。

上述のカム部材３０は、シートクッションに突出する頭
部に把手部３６を有し、また小径のカム部３４と大径の
カム部３３とを結ぶ杆部３７と螺杵とされており、この
杆部３７はシートクッションフレームを兼ねる下枠繊体
５に固着されている雌ねじ腕３８．３９に螺合せしめら
れ、把手部３６により杆部３７を正逆回転させることに
より、カム部材３０は、第２図に示すように、大径のカ
ム部３２ 、３３が保持杆材１８，２１の直下に位置す
る後退位置と、小径のカム部３４．３５が該杆材１８．
２１の直下に位置する前進位置との２位置を選択的に占
めうるものである。

上述の把持部３６．螺杆たる杆部３７．雌ねじ腕３８．
３９よりなる部材は、カム部３２．３３．３４．３５の
移動機構を構成している。

第２図に示されるように、保持杆材１８，２１並びに他
の保持杆材１９，２０が上昇位置に導かれ、上端の二叉
状の把持部２２〜２５が上枠線体２を把持、固定した状
態では、フィッシュマウス３，４群の作用による該上枠
線体２の左右９前後方向の運動の自由度が著しく制限さ
れるため、シートクッション全体としてのクッション性
は、前記制限の無い第３図に示される状態の際のクッシ
ョン性に比し、著しく硬強なものになり、着席者の上体
の振れを防止し、そのホールド性は良好なものとなる。

か・る上枠線体２の運動の自由度を解き、柔軟なりッシ
ョン性に復すためには、カム部材３０．３１を前進させ
、第３図の状態とすればよい。

図示例では、カム部３２〜３５が円筒カムとされている
が、カム形状には特に限定が存するものではないし、ま
た、保持杆材１８〜２１の付設部位も、図示の如き４隅
部４個所に限定されるものではない。

更には、カム部材３０．３１を何れか一方の操作により
、他方がシンクロして作動するよう構成することが好ま
しい。

本考案は、上述の如く構成９作用のものであって、フィ
ッシュマウスによって支承されている上枠線体の運動の
自由度を、シートクッションフレームを兼わる下枠繊体
に付設されている保持杆材の昇降運動によって制限し、
またその制限を解降すると云う簡単な作動によって、シ
ートクッションのクッション性を硬軟両様に調整できる
効果を奏する。

またその構造も、進退動するカム部材によって、保持杆
材を昇降させ、該杆材上端の把持部で上枠線体を把持し
たり、或は把持位置から離間させると云う簡単な機構で
足りるので、生産コストを低く抑えうる効果も有してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施の１例におけるシートクッション内部構造
の斜視図、第２図はクッション性を硬くした際の要部の
暗示側面図、第３図はクッション性を柔軟ならしめた際
の暗示側面図である。 １・・・・・・支承ばね、２・・・・・・上枠線体、３
，４・・・・・・フィッシュマウス、５・・・・・・下
枠繊体、６〜９・・・・・・４隅部、１８〜２１・・・
・・・保持杆材、２２〜２５・・・・・・把持部、３０
゜３１・・・・・・カム部材、３２〜３５・・・・・・
カム部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ３字ばね等の支承ばねを張設されている上梓縁体が、３
   字ばねよりなるフィッシュマウスを介してシートクッシ
   ョンフレームを兼ねる下枠縁体に支持されており、該上
   梓縁体の少なくとも４隅部に臨む前記下枠縁体側には、
   上端に上梓縁体の把持部を有する保持杆材が上下動自在
   に設けられ、該保持杆材は、上端が前記上梓縁体に当接
   する上昇位置と該上端が上梓縁体から離間した下降位置
   との２位置を選択的に採りうるよう、その下端において
   カム部材に当接せしめられており、該カム部材には、カ
   ム部の移動機構が付設されていることを特徴とするクッ
   ション性を調整しうるシート。